「ゆっくりしていってね!!」
雨宿りに駆け込んだ洞窟は
ゆっくりたちの巣だった
人間が5人ぐらいは入れそうな結構広い洞窟だ。しかし
「ここはまりさたちのおうちだよ。ゆっくりでていってね!!」
「ゆっくりでていってね!!」
ゆっくりれいむとゆっくりまりさの二匹はどうやら文句があるらしい
「いいじゃないか、俺もここでゆっくりさせてくれよ。ほら、雨降ってるだろ」
ゆっくりは二匹、俺がいてもこの洞窟は全然狭くない
どうせ、通り雨だ。日が沈むまでここにいるわけじゃない
「いやだ!!ゆっくりおうちにかえってね!!」
「ゆっくりあめにぬれてかえってね!!」
「・・・そぉい!!!」
俺は雨に濡れろといったゆっくりれいむを外に向かって投げた
もちろん、饅頭だから軽く投げれば少し形が変わるが死にはしない
「ゆっくりやめてよね!!」
ゆっくりまりさが抗議する。俺はそのゆっくりまりさを抱きかかえる
あぐらをかいているので、ちょうど腹の前にゆっくりまりさがくる
「ゆっくりはなしてね!!」
まぁ、ゆっくりの力なんてたいしたことは無い
何しようがその位置から動くことはできなかった
「ゆっくりぬれちゃったよ!!」
さっき俺に投げられたゆっくりれいむが戻ってくる。泥だらけだ
「なぁ、あいつ汚くないか?」
ゆっくりまりさに耳打ち?する
「ゆっ?」
「泥だらけで汚いよなぁ」
「ゆっ・・・」
「おにいさん、ひどいよ」
ゆっくりれいむは体を震わせ泥を払う
辺りに泥が飛ぶ、俺はゆっくりまりさに泥がかからないように距離をとる
「あいつ、汚いよなぁ・・・全然泥取れてないし、あんなのがいたらすぐに巣が臭くなっちまうぞ」
またゆっくりまりさに耳打ちする
「れいむ、きたないからゆっくりどろをおとしてね!!」
ゆっくりまりさがゆっくりれいむに言う
「れいむ、きたなくないもん!!」
「きたないよ、どろだらけだもん。すがくさくなっちゃうもん!!」
「きたなくないもん!!」
「きたないもん!!」
ゆっくりれいむが膨れっ面で寄ってくる
そして、俺たちの傍で体を震わすが、俺はまたとっさに距離をとって泥を避け
ゆっくりれいむを掴み外に投げる
「汚い奴は外にいろよ!!」
俺がそう言うと
「きたないれいむはそとでゆっくりしてね!!!」
ゆっくりまりさも俺に同意する
ゆっくりれいむは洞窟の中に戻ってこようとするが
すぐに俺に外に投げられる
「汚い奴は外にいろって言ってるだろ。汚い上に馬鹿なんだな」
「きたなくてばかなれいむはおうちにはいってこないでね!!」
俺とゆっくりまりさが結託し、ゆっくりれいむは一人ぼっちになる
黙って木の根元で雨を避けようとするが、それでも雨には当たる
饅頭であるゆっくりたちは水に濡れ続けると次第に溶けてくる
「見ろよ、汚くしてるからあいつ溶けてきたぜ」
「ほんとだ。きたないれいむがゆっくりいなくなっちゃうね!!」
「巣が汚れなくて良かったね」
「うん!!!」
ゆっくりまりさの何の躊躇も無い返事を聞いて俺は満足する
ゆっくりれいむは口を動かしているが溶けてきているので上手く動かないみたいだ
何を言っているのか全く分からない
夕暮れ、雨が上がった頃にはゆっくりれいむはすっかり溶けてなくなっていた
「まりさ、俺の家でゆっくりしない?あったかいご飯とか柔らかい布団とかあるよ」
「ゆっくりしていいの?」
「もちろんさ、まりさは汚くないし」
「いく、まりさきたなくない。おにいさんのおうちでゆっくりする!!」
そうして、俺は家に帰った
ゆっくりまりさは途中にあった肥溜めに沈めた
おわり
最終更新:2008年09月14日 04:43