「ちーんぽっ!」
お盆なので祖父母の墓参りに向かった。が…墓の光景はひどい有様だった
熱い中わざわざ親類が丁寧に飾り付けた花が引き抜かれてボロボロにされ、祖父母の好物と言う事で供えたおはぎが
食い散らかされていたのだ。
「ちーんぽっ!」
カラスの仕業かはたまた悪戯かと思い呆然と立ちくしていた所、妙な声が墓の影からした
覗いて見ると其処には大小の白と緑の物体が仏花とおはぎを食っているのが目に映った
「ちんぽっぽ?」
ゆっくりみょんのうち一匹がこっちに気づくと他のも一斉にこっちをむいた
「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」
やっぱりこいつらだったか。半饅半霊の分際が墓荒らしとは舐めた真似をしてくれるしかし自分には何もする気も起きなかった。
祖父母が死んだばかりで怒る気力もなく暑かったのと霊前で蛮行に及ぶのも忍びなかったので何もいわず墓の花飾り直し、
供え物にこれまた祖父母の好物であった草餅を備える事にした。ゆっくりみょんは後でどっかに捨ててこよう
草餅を見るとゆっくりみょんが一斉に騒ぎ出した
「おいしそうなおもちだね!くれるの?」
流石にイラっと来たので石を投げつけて脅したらすぐ様黙った。
墓の前で目を閉じ合掌し死者との想いに浸りながら霊に対して祈りをささげていた
最初は黙ってこちらを見ていたゆっくりみょんだが、しばらくするとまた餅を催促してきた
「おもちをおいたらさっさときえてね!おもちはわたしたちのものだよ!」
「ちーんぽっ!!」
ワイワイ騒ぎ始めたが気にせず、自分は読経を始めた
―――観自在菩薩行深般若波羅蜜多時
そういうと一匹の小さいゆっくりみょんの様子がおかしくなった。ブルブルふるえたと思うと半霊の方が弾け飛び
饅頭の方は白目を剥いて事切れた
「み゛ょ゛ん゛っ!」
「おにいさんおきょうよむのはやめてね!」
――――照見五蘊皆空、度一切苦厄
次に中くらいのゆっくりみょんの半霊が爆ぜて本体はのたうち回りながらまっぷたつに割れた
それを皮きりに他のゆっくりみょん達がパンパン弾ける
一番大きいサイズのゆっくりみょんはブルブル震えて体躯を限界にまで膨らまし真っ赤な顔してこらえている
半霊の方は釣ったばかりの魚の如く地べたで跳ねている。自分の経を読むアクセントの強弱に反応して
暴れたり、堪えたりしている
――――羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶。般若心経
経を唱え終わると
「お゛も゛ち゛た゛べた゛か゛った゛の゛に゛ぃぃぃぃ!!」
と言って口から盛大に餡を吐き出してペラペラの皮だけを残して成仏した
周囲を見るとひぐらしも鳴きだし辺りが紅に染まり始めたので戻ることにした
最終更新:2008年09月14日 09:57