※初SSなので文章に変な所があるかも
※虐待成分薄め
「う~ん、コレはさすがに買いすぎたかな」
そう言った俺は大きな袋を2つ抱えていた。
袋の中身は瓦煎餅だ、瓦煎餅とはその名の通り、瓦のように固い煎餅である。
元々好物ではあったのだが、そのとき対応してくれた店員の女の子が可愛かったので、
つい見得を張ってしまって買いすぎたのだ。
「さすがにこれだけあると食べきれないしなあ・・・、隣の虐待お兄さんにでもあげるか」
虐待お兄さんと仲がよいといっても、俺は虐待派ではない。あくまで、制裁派だ。
「でもあの虐待お兄さん少し捻くれてるから素直に貰ってくれそうにないな・・・」
そんな独り言を言っているといきなり何かが茂みから飛び出してきた。
「ゆっくりしていってね!!」
それはバレーボールほどの大きさの
ゆっくりれいむだった。
「何だゆっくりか・・・、お兄さんは、ゆっくりしてるよ」
「ゆ?おにいさんそのふくろのなかみはなんなの?」
ゆっくりれいむがこちらの持っている袋に気づいたようで中身を聞いてきた。
「ああこれは煎餅だよ、君も食べるかい?」
そう言いながら、袋から1枚取り出しゆっくりれいむに見せる。
「ゆ?いいの?でもこどもたちにもたべさせてあげたいからいえまできてくれる?」
この母れいむは、家族思いのいい奴だったらしい。
「よし、着いて行こうじゃないか」
「ゆ!じゃあ、ゆっくりあんないするよ」
ゆっくりれいむはこっちだと教えるようにこっちを時々振り返りながら先を進む。
5分ほどすると、ようやく巣らしきものが見えた。
「ここがれいむたちのいえだよ、ゆっくりしていってね!!!」
ゆっくりれいむ達の家は広くしっかりしており、
大人3人が入ってもまだ余裕があるくらいのゆっくりにはもったいない広さだった。
先にゆっくりれいむが中に入っていったので、俺もそれについて入っていく。
「みんな!ゆっくりただいま!!ちゃんとゆっくりしてた?」
「おかーしゃん、おきゃえり!」
「れいみゅはちゃんとゆっきゅりしてたよ!!」
「そのおにーしゃんだれ?ゆっきゅりできるひと?」
巣の中にはピンポン球ほどの赤れいむが3匹とれいむ達より
2回りほど大きい寝ている子まりさが2匹。
つがいは見当たらない様なので、すでに食われたりしたのだろう。
「このおにーさんはゆっくりできるひとだよ!おせんべいさんをくれるいいひとだよ!」
「「「ゆっ!にゃらだいじょうぶだにぇ!!」」」
子れいむたちが声を合わせて言う。
「おにーしゃん、おしぇんべいさんちょうだい!」
「はやく、ちょうだいにぇ!」
「しゃっしゃと、たべさしぇてね!」
子供達は次々と要求を口にする。
子れいむ達の相手の怒りを誘うような言葉を俺はスルーする。
「ねてるこたちもはやくおきてね!おいしいものがたべられるよ!!」
そう言いながら、母れいむは寝ている子供達を起こしに行く。
子まリさ達が目を覚まし口々に言う。
「はやくおいしいものをよこすんだぜ!!」
「まりさにたくさんたべさせてほしいんだぜ!」
母れいむはいい奴なのに何で、子ゆっくり達はこんなにむかつく奴なのだろう。
「さっ、これがお煎餅だよ、ゆっくりたべてね!!」
そういいながら袋から煎餅を何枚か取り出し、子ゆっくり達の前に置く。
「じゃあまず、みんなにおせんべいさんをわけるね!!」
長いこと1匹で育ててきたのだろう、かなりしっかりしている母れいむだ。
その瞬間、子まりさ達が煎餅に向かっていく。
「このせんべいはまりさたちがぜんぶいただくんだぜ!」
「れいむたちはそこでゆっくりしてるんだぜ!」
本当に同じ親から生まれたのかと疑うような発言をする。
子まりさたちはゲスだったようだ、母れいむよかわいそうに。
「「ゆっくりたべられてね!」」
そう言いながら子まりさが煎餅に思い切り齧り付く。その瞬間子まりさ達が泣き叫ぶ。
「ま゛り゛ざのはがお゛れぢゃったよ~!!」
「この゛かたいせんべいなに~!!」
どうやら煎餅が固すぎて歯が折れたようだ。
「りぇいむたちよりしゃきにたべようとしたかりゃだよ!」
「てんばちゅがくだったんだにぇ!」
「しょんなことすりゅまりしゃはゆっきゅりしにぇ!!」
子まりさ達の様子を見て赤れいむ達は罵倒する。
「みんなゆっくりおちついてね!みんなでなかよくたべるよ!」
「「「ゆっきゅりりかいしたよ!!!」」」
「「ゆっぎゅりりかいしだよ・・・」」
子まりさ達の方は口の中が痛いのか心持ち元気がない。
子ゆっくり達を落ち着かせた母れいむが煎餅を分けようとする。
「ゆっ、ゆぎっ!がっ」
だが母れいむがどんなに力を入れても煎餅は割れそうにない。
中々割れないのでおかしいと思ったのか、こちらを向いて話してくる。
「おにいさん!このおせんべいさんはほんとうにたべられるおせんべいさん?」
「普通に食べられる煎餅だぞ」
そう言いながら、袋から煎餅とりだし齧る。
「ゆっ!ふつうにたべてるね」
と、煎餅が普通に食べられる事を教え、ふと子ゆっくり達のほうを見ると
勝手に煎餅に向かっていき、食べようと悪戦苦闘していた。
「ゆゆゆっ、ぐがっっ、がぎっ」
歯が残っているほうの子まりさが奮闘している。
「まりさがたべられるようにがんばるんだぜ」
歯が折れたほうはただ応援しているだけだ。
赤れいむ達も他の煎餅に齧りついているが、まったく成果が出ない
その輪に母れいむも加わっていく。
10分ほどが過ぎたが、煎餅が食べれた気配はない。
「にゃんで、おしぇんべいしゃんたべりゃれてくりぇにゃいの~!!」
「はがいたくてゆっきゅりできないよ~!」
「このおしぇんべいしゃんがたべりゃれなくてゆっきゅりできないのはおかあしゃんのせいだね!!」
「きっとそうだぜ!」
「はがおれたのもきっとおかあさんのせいだぜ!!」
何ということか、とうとう子ゆっくり達は煎餅が食べられないのは
母れいむのせいだと責任転嫁し始めた。
「な゛んでそんな゛こどいうの゛~~!!」
母れいむが泣き叫ぶ。
さすがにここまで荒れると元通りの家族関係に戻すのは不可能に近い。
良い母れいむだったが、ここでお別れだ。
「じゃあ、お邪魔みたいだからそろそろ帰るね!」
そう言って俺は最後にゆっくりしていってね!!と言いゆっくりの巣から出た。
「結局あまり煎餅は減らなかったな・・・、とりあえず虐待お兄さんに
普通に渡しても貰わないだろうから、新しい虐待方法を思いついた!とか言ってあげるか。」
あとがき
お兄さんの顎の力が凄いのは気にしちゃいけない所。
最終更新:2008年11月14日 04:34