前書き(と言う名の注意書き)
プロローグ、最終話、エピローグには原作キャラが登場し、その2次設定が含まれております。
無事に春を迎えられるゆっくり、迎えられないゆっくりの両者が登場します。
1話ごとに完結していますのでどのSSから読んでいただいてもかまいません。
ほとんどが自然系のSSとなっており、人間による虐めをご希望の方はUターンをオススメします。
−プロローグ−
ここは幻想郷の東の端の端、外の世界との境界に位置する博麗神社である。
季節は冬、境内には雪が降り積もり一面の銀世界を作り上げている。
「うわぁ・・・昨日雪かきしたばかりなのにもう積もってるし・・・。」
一面の雪を見てがっくりうなだれているのは、楽園の素敵な巫女こと博麗霊夢である。
「ぉ〜ぃ!霊夢〜!」
がっくりうなだれていると遠くの空から霊夢を呼ぶ声が聞こえてくる。
霊夢が声のする方へ目を向けると、箒にまたがり空を飛んでいる少女が手を振っていた。
彼女は霊夢の友人、普通の魔法使いこと霧雨魔理沙である。
「よぉ!遊びに来てやったぜ。」
「はぁ、よくもまぁこの寒い空の中を飛んでくるわね。」
笑顔で挨拶する魔理沙に霊夢は半分呆れ顔である。
しかし突如霊夢は何かを思いついたのか笑顔で魔理沙に話しかける。
「丁度いいわ、魔理沙ちょっと手伝って欲しい事があるんだけど。」
「ん?なんだ?」
霊夢は魔理沙の腕を強引に引っ張ってお賽銭箱の前まで連れて行く。
「・・・・・言っておくが賽銭は払わないぜ?」
「違うわよ、魔理沙が賽銭を払ってくれるなんて始めから思ってないわよ。」
そう言うと霊夢はお賽銭箱から神社の入り口の鳥居を指差す。
「ここから鳥居目掛けてあんたのスペルカードを使いなさい。」
「な、何言ってるんだ!?鳥居を吹っ飛ばす気か?」
予想もしていなかった霊夢の発言を聞き魔理沙は困惑している。
「んなわけないでしょ!一気に雪を吹っ飛ばすのよ、鳥居には結界張ったから問題ないわ。」
「あぁ、なるほど。そういう事ね。」
魔理沙は納得しミニ八卦路を取り出すと鳥居へ向け構える。
「やりなさい。」
「いくぜ!弾幕はパワー!マスタースパーク!」
スドーン!
ミニ八卦路から極太の光り輝くレーザーが放たれ、その直線状の雪を吹っ飛ばした。
「相変わらず威力だけはすごいわね。まぁ雪かきの手間が省けて助かったわ。外は寒いし中に上がりなさい。」
「それじゃあ遠慮なく上がらせてもらうぜ。」
「はぁ〜やっぱ冬はこたつだよな〜。これで暖かいものでもあったら最高なんだがな〜。」
「・・・それは私に何か作れと遠まわしに言ってるのかしら?」
「別にいいだろ〜?雪かき手伝ってやったんだから。」
「しょうがないわね。」
霊夢は軽くため息をつくとこたつから出て台所に向かう。
台所の一角には毎度おなじみ透明な箱に入れられたゆっくりれいむが目に大粒の涙を浮かべていた。
れいむの頭からは蔓が生え箱の上部に開けられた穴から外へ伸び、その先端には今にも生まれそうなプチれいむが実
っている。
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〜30分前〜
「うぅ〜、今日はやたら冷えるわね。こういう日は暖かいお汁粉でも食べたくなるわね。」
霊夢は台所に向かうと戸棚から霧吹きを取り出した。
「さてと、今日も饅頭生産機に働いてもらうとしましょうかね。」
霊夢が軽く念じると台所の一角に突如透明な箱に入れられたれいむが姿を現した。
そしてれいむは霊夢の姿を見るなり・・・。
「も、もう、もうやめてえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !いやあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !」
れいむの目からは大粒の涙が流れ出ていた。
霊夢は無言で透明な箱の蓋を開けると先程手に取った霧吹きをれいむに吹きかけた。
シュッ!シュッ!
液体をれいむに吹きかけると霊夢は外の雪かきをするために台所から出て行った。
残されたれいむはすぐに目の焦点が合わなくなり、口はだらしなく開かれ、顔は赤みを帯び始めた。
「ゆゆ!まりさどこいってたの?あいたかったよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」
台所にはれいむ1匹しかいないのに、あたかもゆっくりまりさがいるかのようにれいむは喋りだした。
霊夢が吹きかけた液体、これこそ霧雨魔法店特製「幻覚キノコ催眠薬(非売品)」である。
その効果とは・・・。
「ゆ?だ、だめだよ!すっきりしたらあかちゃんができちゃうよ!」
今まで霊夢に散々あかちゃんを食べられてしまった記憶がトラウマになっているため、れいむはすっきりする事を頑
なに拒んでいた。
「まりざ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !やめで ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !
い、いやあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !もうあかちゃんがいなくなるのはいやだあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」
幻覚まりさは無理やりすっきりしようとし、れいむは必死に抵抗していた。
しかし、次第に快楽に支配されれいむは気持ちよさそうに体をぶるぶる振動させ始めた。
「んほおおおおおおおおおお!」
「すっきりー!」
すっきりすると同時にれいむの意識は覚醒し、幻覚まりさは消え去った。
そしてれいむの頭からは緑色の芽がにょきっと顔を出し、ぐんぐんと成長を始めた。
「あっ!あっ!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! !
ずっぎりじぢゃっだあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ! !」
れいむの顔は青ざめ、後悔の涙を流していた。
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「あら、ちょうどいい具合ね。」
霊夢の声を聞くとお母さんれいむはビクッとしガクガクと震えだした。
「いやあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!れいむの、でいぶのあがぢゃんをもうとらないで ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」
「饅頭生産機は生産機らしく饅頭を作ってればいいのよ。」
自分達の運命などまったく知らないプチれいむ達は無垢な寝顔のまま生まれ落ちる瞬間を待っている。
そして運命の時はやってくる・・・。
プチッ!
「うまれちゃだめえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !あがぢゃんがあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !
おねがいもっとゆっぐりじででえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !ゆっくりできなくなっちゃうよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」
泣き叫ぶお母さんれいむの悲痛な願いは届く事無く、1匹の饅頭は落下地点に設置してある回収箱目掛けて落下して
いく。
「ゆっくりちていっちぇね!」
最初に生れ落ちたプチれいむが産声を上げるとそれに釣られるかの様にプチれいむ達は続々と蔓から生まれ落ちる。
「「「「「「「「「ゆっくりちていっちぇね!」」」」」」」」」
総勢10匹の饅頭がこの世に誕生し、同時にお母さんれいむの頭から抜け落ちた蔓は霊夢に回収された。
そしてお母さんれいむは我が子の姿を見る事無く、再び結界の中へ閉じ込められた。
「ゆゆ?おかあしゃんはどこ?れいみゅおなかがちゅいたよ。」
1匹のプチれいむが声を上げると輪唱するかのように次々とプチれいむ達は声を上げ、ご飯とお母さんれいむを探し
始める。
「あら、かわいい赤ちゃん達ね、いったいどうしたの?」
突如頭上から聞こえた声にプチれいむ達は皆一斉に目線を上に向ける。
プチれいむ達の目には優しく笑いかけている巫女の姿が映っていた。
「ゆゆ?おねえしゃんだれぇ?おかあしゃんはどこ?れいみゅたちおにゃかちゅいたよぉ。」
疑うという事を知らないプチれいむ達は霊夢の笑顔を見て皆思った・・・。
(とっちぇもゆっくりできしょうなおねぇしゃんだね!)
「あのね、私はあなた達のお母さんにご飯をあげるように頼まれたの。」
“ご飯”という単語を聞くとプチれいむ達は皆目を輝かせ騒ぎ出す。
「はやくれいみゅはごはんたべちゃいよ!」
プチれいむ達がせかすと霊夢は大きな金属製の入れ物をプチれいむ達の前に置く。
「その中に入りなさい。そうすればご飯のところまで連れて行ってあげるわ。」
霊夢の言葉を聞くとプチれいむ達はこぞって入れ物の中に飛び込んだ。
そして全員が入ると入れ物に蓋がされ暗闇の中に閉じ込められた。
「ゆゆ!おねえしゃんくりゃいよ!こわいよぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」
「おいしいお汁粉を今から作るからそこでいい子にして待ってなさい。泣かないで待ってた子にはたくさんご飯をあげ
るわよ。」
「ゆゆ!れいみゅはえりゃいからなかにゃいでまってりゅよ!」
ご飯がたくさんもらえると聞き、プチれいむ達はあっさりと泣き止んだ。
カタン・・・・・カチッ!・・・・・
プチれいむ達が入っている入れ物に軽い振動が走った。
「ゆゆ?にゃに?」
多少の不安に駆られるものの、思考の大部分を“ご飯”で占めているプチれいむ達はワクワクしながらご飯を待って
いる。
しかし、1匹のプチれいむが異変に気付く。
「ゆゆ!にゃんだかあっちゅいよ!」
じわじわと入れ物の中が熱気で包まれていき、プチれいむ達は次第に騒ぎ始める。
「おねぇしゃんごはんまだなの?」
「れいみゅたちいいこにしてりゅよ!」
「ゆぅ〜あちゅくてゆっくりできにゃいよ!」
プチれいむ達は暑さに耐えられず遂に入れ物から何とか脱出しようと暴れだす。
しかし、飛び跳ねて天井の頭をぶつけても蓋はびくともしない。
そして入れ物の中の温度は更に上昇し・・・。
「あぢゅいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !でいびゅのあじじゃんがあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !」
入れ物自体が高温に熱せられ遂にプチれいむ達の底部、いわゆる足に当たる部分が焼け始める。
足を焼かれたプチれいむ達は当然飛び跳ねる事はできず、高温に熱せられた入れ物に焼け付き更なる悲鳴を上げる。
そして最後まで抵抗していたプチれいむも足が焼け付き入れ物の振動は治まった。
「そろそろいいわね。」
霊夢は振動が治まった鍋の蓋を開けた。
そこには・・・・・。
物凄い形相で泣き叫ぶ者、余りの熱さに意識を失う者、既にあの世に旅立っている者、まさに地獄絵図が広がっていた。
蓋が開き、霊夢の姿を確認する事ができたプチれいむ達は皆叫んだ。
「「「おでえじゃんだぢゅげでえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !あっぢゅいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」」」
霊夢は笑顔でプチれいむ達が浸るほどの水を鍋の中へ流し込んだ。
ジューっという音と共に熱せられた鍋は一気に熱を失いプチれいむ達は熱さから解放された。
「「「ゆゆ〜♪ とってもきもちいいよ〜♪ おねえしゃんありがちょ〜♪」」」
霊夢が何を行おうとしているのか理解できていないプチれいむ達はその行為を善意と捉えていた。
しかし、すぐに水の温度は上昇し・・・。
「「「びぎゃあぁぁぁぁぁ! あぢゅいよおぉぉぉぉぉ!」」」
水から湯気が立ち上りだすとプチれいむ達は再び悲鳴を上げ始め、さらに水の色が少しずつ黒に染まっていく。
なぜなら・・・。
「でいみゅのからだゃがあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! 」
「なかみがでちぇるよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」
「たぢゅげでえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! 」
ここで再び蓋が閉じられ、火は弱火にされた。
この状況に置かれ、プチれいむ達はようやく理解する事になる。
(あのおねぇしゃんはぜんぜんゆっくりできにゃいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! )
時既に遅し、先に意識を失った者、あの世へ旅立った者はある意味幸運だったのかもしれない。
これから意識のある者がじわじわと味わう死の恐怖に怯えずに済んだのだから・・・。
意識の残っているプチれいむ達は絶望の表情を浮かべながら釜茹で地獄の中、熱湯に耐えながら自らの意識が無くな
るのをひたすら待つ事しかできないのであった。
「お汁粉ができたわよ。ありがた〜〜〜くいただきなさい。」
「お、プチゆっくりから作った特製汁粉か。見た目はアレだがうまいんだよな〜♪ 」
盛られたお椀の中にはプチゆっくりのデロデロになった皮が浮かんでいる。
見た目がグロテスクなお汁粉を2人は美味しそうにすすっていく。
「いや〜手軽にお汁粉が作れるなんて本当にゆっくりは便利だよな〜。」
「それには同意ね、手軽に“タダ”で甘味が手に入るなんて便利な世の中よね。」
二人は何気ない雑談をしながらお汁粉をたいらげた。
「そういえばゆっくりってこの過酷な冬をどうやって乗り越えるのかしら?」
「ん〜私も良くは知らないが、巣に大量の食糧を溜め込んで冬篭りするらしいぞ。
まぁかなりの数が色々な理由で死んでしまうらしいがな。」
「あいつら?(チルノ)以上に?(バカ)だからしかたないわね。」
冬のとある日、今日も博麗神社には参拝客の姿は無く平和であった。
最終更新:2008年12月31日 18:52