季節は春、幻想郷に降り積もった雪は溶けて木々は芽吹き、そしてゆっくりが長い越冬生活を終えて巣穴から顔を出す。
「だいぶ暖かくなってきたな、やっと森に素材を取りにいけるぜ。」
ここは魔法の森にある霧雨魔法店、店から外へ出た魔理沙は春の陽気全身に浴び気持ちよさそうにしている。
「お、そうだ春になったしあいつらの様子を見ておかないとな。」
魔理沙は店のすぐそばにある木の洞の前までやってきた。
魔理沙の足音に気付いたのか洞の中から1匹の丸い物体が顔を出す。
「ゆゆ! おねえさんひさしぶりだね! ゆっくりしていってね! 」
元気のいい挨拶をするのはゆっくりまりさである。
(ふぅ、よかったよかった。私の大切な饅頭供給源は無事生きてるな。)
「よぉ、久しぶりだな。元気にしてたか?なんか洞の中が騒がしいがどうしたんだ?」
「ゆゆ〜♪、あ、あのね、まりさにかぞくができたんだよ! 」
まりさが恥ずかしそうに告白すると洞の中からもう1匹ゆっくりが顔を見せる。
「ゆゆ?まりさ、このおねえさんはだれなのぜ?」
現れたのは“だぜまりさ”であった。
だぜまりさは目の前の魔理沙を少し警戒しながらパートナーのまりさに尋ねる。
「ゆゆ! まりさ、このおねえさんはとってもゆっくりできるひとだよ! このおうちもおねえさんがくれたんだよ! 」
まりさの言葉を聞き、だぜまりさはすぐに警戒を解き満面の笑顔を作る。
「ゆゆ! そうなのぜ!?おねえさんゆっくりしていくんだぜ! 」
(まりさ種同士がつがいになるなんて結構珍しいな。)
「そうだまりさ! かわいいおちびちゃんたちをおねえさんにみせてあげようよ! 」
「めいあんなんだぜまりさ! きっとおねえさんもゆっくりできるんだぜ! でてきていいだぜおちびちゃんたち! 」
(数を確認するのに丁度いいな。)
だぜまりさの言葉を聞いたプチ達は続々と洞の中から飛び出てくる。
ちなみに、まりさ種とまりさ種から生まれたので同然プチ達は皆まりさ種である。
「ゆっくりちていってね! 」
「ゆっくりちていってね! 」
「ゆっくりちていってね! 」
続々とお決まりのセリフを赤ちゃん言葉で発しながらプチまりさが洞の外へ飛び出してくる。
「そうだおねえさん。まりさたちのおちびちゃんのなかにひとりとってもゆっくりできるこがうまれたんだよ! 」
「ゆゆ! そうなんだぜ! ほかのおちびちゃんとちがうけどとってもゆっくりできるおちびちゃんなんだぜ! 」
(なんだ?取替え子でも生まれたのか。)
魔理沙が?マークを浮かべていると洞の奥から最後のプチまりさが外へ勢いよく飛び出てきた。
そしてその姿を見るや否や魔理沙は凍りつく。
その変わったプチまりさの容姿、金髪のブロンドヘアの部分は他のプチまりさとは変わらない。
ただ・・・・・黄色のリボンと小さな月の飾りがついた紫色の帽子をかぶっていた。
「うふふふふふ、わたしま『マスタースパーーーク! ! ! 』」
ズドーン!
「「「「「「ゆっぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! ! 」」」」」」
まりさ一家もろともうふふなまりさをマスタースパークで消し飛ばした。
「わ、わたしはなにもしらないんだぜ! な、なにもみてないんだぜ! 」
その後、魔理沙は何かに怯えるように5日間家の外へは出なかった。
※補足
Q:魔理沙の取った行動の意味が分かりません。
A:誰にでも忘れたい過去はあるものです。これ以上触れるのは危険です。
〜ゆっくり達の生涯『冬篭り編』〜 END
作成者:ロウ
後書き
ゆっくり達の生涯シリーズ第12弾「ゆっくり達の生涯『冬篭り編』」を最後までお読みいただきありがとうござい
ます。
筆は遅いですがネタはたくさんあるのでゆっくりと書き続けたいと思います。
最終更新:2008年12月31日 19:02