「ゆへへ!このまちはもうまりささまのものなんだぜ!まけいぬは
ゆっくりさっさとしぬんだぜ!」
「隊長!もう隊は俺とあなただけです!生きているのが不思議なくらいだ!これ以上は無理です!撤退しましょう!」
「くそ・・・。本部!これ以上の戦闘は不可能だ!退却する!」
わかった、急いで退却しろ!ストーム1がそっちに向かっている、戦闘は奴にまかせろ。
「レンジャー7了解!」
「ゆゆっ!どこにいくのかしら?にげるなんてとってもいなかてきね、らくにころしてあげるからゆっくりしていってね!」
「ゆっゆっゆっゆっゆっ、にげないでね!とまってね!」
「「「まってね!(まつんだぜ!)(まちなさい!)」」」
このまま行けばあと500m程でレンジャー7とストーム1がすれ違うはずだ・・・。
しかしいくらなんでも敵が多すぎる・・・ストーム1一人で3匹は無理か?くそ・・・遠いがレンジャー10と合流させるか・・・
「ストーム1!無理なら早めに連絡しろ!レンジャー10を合流させる!」
「・・・・・」
同時刻 =レンジャー7=
「ストーム1!俺達は戦闘続行不可能なので撤退する!」
「すまないが後を頼む!俺たちが倒せたのは2匹だけだ!あと3匹いる!」
「・・・・・」
負傷した体を庇いながら走るレンジャー7とすれ違い、ストーム1は足を止めた。
「ゆっゆっゆっゆっ、ゆう?」
「ゆっ?いったいどうしたのまりさ?ゆぅっ?」
「ゆゆ?」
「・・・・・」
「ゆぷっ・・・ぷぷっ・・・ゆははははははははは!!」
「ゲラゲラゲラゲラ!!」
「ゆひぃーっゆひぃーーひぃっひひひひ!!」
「・・・・・」
「ゆっゆっ、じじいはたったひとりでまりさに
ゆっくりたたかいをいどむつもりなのかだぜ?」
「みのほどしらずとはまさにこのことだね!れいむたちはもう『れんじゃーちーむ』をふたつもころしてるんだよ!」
「ちがうわよまりさ、あれはね『たたかい』じゃなくて『いっぽうてきなぎゃくさつ』っていうのよ」
「ゆゆ~ん、さすがはありすだね!ぱちゅりーとおなじくらい
ゆっくりかしこいね!」
「ゆほっほっほ、そんなにほめないでね!とかいはとしてとうぜんののたしなみよ」
「れいむ!ありす!おしゃべりはこいつをゆっくりころしたあとにするんだぜ!」
「そうね!ねえまりさ。このおばかさんはありすにころさせてね。とかいは(笑)はうんどうして
ゆっくり『だいえっと』をするものなのよ!」
「いいんだぜ!
ゆっくりさっさとやっちゃうんだぜ!」
「・・・・・」
ありすはだいえっと(笑)のためにカスタードをかけるやり方ではなく、目の前にいるおばかさんをぺちゃんこにしようと底部に力を入れて飛び上がった。
「いくわよぉぉぉ!いなかものは
ゆっくりつぶれなさい!」
あの巨体が10mほども飛び上がった、もし人間がまともにこれを受けたらぺちゃんこになってしまうだろう。
ありすの巨体を地面に叩きつける音がした
「ゆほっほっほ・・・ゆ?」
だがそれも当たれば、の話である。
単に体当たりや踏み潰しを行うならまだしも、ありすはわざわざ高く飛び上がったのだ。
確かに威力は上がるがこれでは敵に避けてくれと言っているようなものである。
この攻撃を受けてくれるのは手負いの者か馬鹿かお人好しくらいだろう。
しかしありすはそのことに気づいていない、
「なんでよけるの!?よけるなんてとかいはじゃないわ!ぷんぷん!」
「・・・・・」
「なんかいってねぇぇ!!もうありすおこったわ!とけてしんでね!」
と叫びながらストーム1に向かって強酸性のカスタードを吐きかける。しかしストーム1は転がり、あっさり避けてしまう。
「ゆびぃぃぃぃ!!よげるなぁぁぁぁ!!じねぇぇぇ!!いながものぉぉぉ!!」
理性を失い、ひたすらストーム1に向かってカスタードを吐き続けるありす。すでにとかいは(笑)はどこに行ったのか口汚い言葉も一緒に吐き続ける。
まりさとれいむも豹変したありすに、ありすを翻弄するストーム1にあっけにとられている。
「ゆふぅ!ゆふぅ!ゆふぅ・・・」
カスタードを吐きすぎて体に張りのなくなったありすの眉間にアサルトライフルの照準を合わせるストーム1、そして間髪入れずにトリガーを引く。
轟音とともにありすの皮を、カスタードを、そして反対側の皮を銃弾が貫いてゆく。
「ゆががががががががががががが!!」
ありす『だった物』の中を容赦なく突き抜けた弾丸がまりさとれいむの頭をかすめ、背後のビルの壁を砕く。
マガジンを丸々1つ使い切り、機関部から軽い音が響く。物言わぬカスタードの中に最後の薬莢がペチャリ、と落ちた。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
3人とも無言だった、だがその内の2つは同じ物で残りの1つは全く別の物だった。
「ありすがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「どぼじでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ガチャリ。
アサルトライフルの弾倉を交換する音でまりさとれいむは我に帰った。
「まっ、まりさ!ふたりでたたかえばこんなじじいにまけるわけないよ!!れ、れ、れいむはつよいんだよ!」
「そっ、そうだね!つよいまりさがまけるはずないね!あ、ありすのかたきをとるよ!だぜ!」
仲間を勇気付けたいのか、自分を勇気付けたいのか分からないが、2つの生首は顔をストーム1の方に向ける。
と2方向から強酸餡子を吐きかける。だがそんな震えた攻撃が当たる訳がない。
今までの戦いではこんなことなかったのに、なんで、なんで今日は・・・
実際、今までもいくらか被害は出ていたのだ
ゆっくりは基本自分本位で馬鹿である。仲間の死についてもそうである。
混戦状態になるとまわりのことが見えなくなるので、戦闘中に仲間が死んでも戦闘が終わってみれば仲間が少し減っている、としか思わない。
特に馬鹿な個体は、仲間が死ぬ瞬間に立ち会わないとその死に気づかないほどだ
更に戦闘中は精神の高揚やアドレナリンの分泌により、多少の痛みでは動きを止めない。
これは人間にも起こりうる事であり、「コンバット・ハイ」と呼ばれる。
ゆっくりがアドレナリンを出すのかどうかは定かではないが。
そしてもう1つ、上にも記したが
ゆっくりの戦い方はほとんどが数の暴力である。
だがこの
ゆっくりの群れは他より文字通り頭数が少なかった。
しかしそれを補うかのように、この群れには頭の良いぱちゅりーがいた。
そのぱちゅりーの作戦のおかげで戦いを有利に進められていた、
ゆっくりらしからぬ不意打ちや地の利をとった戦い方だったのだ。
レンジャー7が2匹倒したと言った
ゆっくりのうちの1匹がまさにそのぱちゅりーだったのである。
つまりこの2匹は今、頭脳を失い、仲間も失い、持っているものは恐怖心だけ、初めて味わう死の恐怖だけなのだ。
そして戦場で恐怖に支配された者が辿る道は1つ。
「ゆぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ!!ゆびぃぃぃぃぃ!いだいぃぃぃ!」
「で、でいぶぅぅぅ!」
この攻撃ではれいむは死に至らなかった。幸いにも銃弾は中枢餡に当たらなかったのである。
だが決して幸せではない、顔面を蜂の巣にされ、死ぬのは時間の問題だ。
「ゆっ・・・ゆぐっ・・・。・・・・・・」
「れいむ!
ゆっくりおへんじしてね!れいぶ、でいぶぅぅぅ!」
「・・・・・」
「ゆゆゆっ!や、やめてね!もうじゅうぶんでしょ!まりさはもうおうちかえるからね!ついてこないでね!」
言うやいなや回れ右して逃げ出すまりさ、体格の差もあり
ゆっくりの走る速さは人間のそれをゆうに上回る。
ストーム1といえ全力で逃げる
ゆっくりに追いつけるほど人間離れしてはいない。
そして
ゆっくりの主な移動方法である「跳ねる」という動作は、意外にも銃で狙いをつけるには難しい動きなのだ。
更にまりさは錯乱しているためか崩れかけたビルの瓦礫の中を自らの足が傷つくのも気にせずめちゃくちゃに突っ走る。
なので瓦礫や土煙が邪魔をして、アサルトライフルの狙いが付けられなくなってしまった。
「ゆふぅ・・・ゆふぅ・・・
ゆっくりにげきったよ・・・」
まりさは瓦礫の陰に身を隠し、息を整える。
「ここまでくればもうおいつけないよ!おうちにかえってありすとれいむのぶんまでゆっくりするよ! ゆぅ?」
息が整い、やっと気づいた。くぐもった異音に、どんどん自分に近づいてくるその異音に。
「ゆうう!!なにあれぇ!?」
アサルトライフルの射程外に逃げたまりさに対し、ストーム1が使用したもう1つの武器。
技術部の開発した試作型ミサイル「エアトータス」である。
「ゆっ!でものろまだね!あれなら
ゆっくりよけられるよ!ぴょーん!」
このミサイルは速度が極端に遅い、しかしその代わりに威力と誘導性能が高いのだ。
「ゆうううう!どぼじでよけたのにこっちくるのおおおお!?こっちこないでねええええええ!」
たとえ一度避けても速度が遅いが故に相手を追い続ける、それがこのミサイル最大の特徴である。
まぁ、れみりゃ種やふらん種など常に一定速度以上で動いている相手には全くの無力なのだが。
「ゆぎぃぃぃぃ!まりさのあんよさんがいだぃぃぃ!なんでぇぇぇ!」
さっき傷つけた底部の怪我にやっと気づいたまりさ、しかしもう遅い。
「ゆうううう!ずびばぜんでじだああああ!いのぢだげはだすげてぐださいいいいい!」
必死で命乞いをしようとそれを聞くものはいない。非情な火薬の塊も耳を貸してはくれない。
「だれがだずげでえええええええええええええええええええええ!!」
=YDF本部=
「まさかあのの状況で勝つとは・・・信じられん・・・」
「司令官!レンジャー7が帰還しました!」
「本部!ストーム1は、ストーム1は大丈夫ですか!?」
「安心しろ!彼はやってくれたよ」
「よかった・・・よかったですね隊長!」
「俺は信じていたぞ、あいつならきっとやってくれると!」
私達は勝った、たった1度の勝利だがこれにより戦士達の士気は大きく上がるだろう。
「おい聞いたか、ストーム1が」
「ああ知ってる、さすがストームチームだ」
「なぁ、ひょっとして俺達、
ゆっくりに勝てるんじゃないか」
「無駄話もそこまでにしろよ、もう戦闘区域内だ」
「諸君!もうすぐ
ゆっくりとの戦闘になるだろう。ストーム1の噂は聞いているな、彼ばかりに手柄はやれん。全員!突撃だ!」
「「「「Sir yes sir! YDF!!YDF!!」」」」
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」」
「ゆううううううううう!!なんでにんげんさんたちがいるのおおおおおお!?」
「むぎゅううううううう!!どぼじでえええええええ!!」
「ふいうちなんてひきょうなこととかいはじゃないわよおおおおおお!!」
人類のささやかな復讐が始まろうとしていた。
続く
【あとがき】
初SS、アイディアは出るもののいざ書くとかなり難しいものですね。
「あ、餡だーー!」
このネタをやりたいがために書き始めました。
書いては消し、書いては消しを繰り返していたら5日もかかってしまいました。
語呂を良くするためにこの[[タイトル]]にしました。文法がおかしいのは分かっています。
[[ゆっくり]]「を」防衛するのではありません、[[ゆっくり]]「から」防衛するのです。
作者の軍事知識や武器知識はせいぜい漫画やゲーム程度のものです。
よって「これはおかしい」という所があっても、見逃していただきたいです。
でもゴルゴ13で読んだのですが、下に動く目標の狙撃は難しい、というのはあるらしいです。
作中では狙撃でも、下に動く目標でもないです。適当なこと書いてすみません。
YDF弱すぎじゃね?とお思いの方もいると思います。
作者の表現力不足のため描写できませんが、[[ゆっくり]]はもっと大群で攻めて来ています。
しかも世界各地に発生しているのでYDFはとても人手不足です。
よって必然的に少数対多数の戦いになり、劣勢を強いられています。
続きは好調とは言えませんがちゃんと執筆中です。
前後、あるいは前中後編になると思います。
最終更新:2022年01月31日 02:32