永琳×ゆっくり系14 失敗

「あら、もうあなた達に用はないのよ」
ゆっくりれいむとゆっくりまりさは焼却炉の中へ放り込まれた


迷い竹林の中、えーりん実験室の地下にはすっきりルームというものがあった
そこにはゆっくりたちが集められていた

「仲良し家族のお部屋」と可愛らしい文字で書かれた部屋に
八意永琳はいる

ここはゆっくりたちの家族愛を見る施設
ゆっくりたちは地上の実験室でめでたく一緒になった夫婦がここに連れて来られる

「ちかのへやでは子どもをゆっくりそだてられる」

ゆっくりたちの宿舎でそんな噂を少し流してやると
噂には尾が付き鰭が付き、ゆっくりたちにとって地下の部屋に連れて行かれる事は最大の幸福となっていた




このゆっくりのカップルもそれまではそう思っていた
連れて来られたのはコンクリが打ちっぱなしの寂しい部屋
水は飲みやすいように工夫された飾りのない噴水があり
餌は時間がくれば開く箱があり、その中に乾いたペレット状の餌があった
部屋の中には木の小屋が置かれており入口には遮光のための暖簾が掛けられており
中にはくたびれたクッションが三個ほど置かれ、ゆっくりの夫婦はそこで重なるように眠っていた
天井には小さな蛍光灯が二つ、部屋を常時薄暗く照らしており
窓も無いその部屋はゆっくりが寝たくなれば、小屋の入って寝るという形だった
時計はあったが、それは観測する兎たちの物でゆっくりはそれが何なのかすら理解できなかった


部屋のドアが開き、兎たちが入ってくる
その手には死んだゆっくりの子どもを入れた箱が抱かれている
「みんな集まって、お勉強の時間よ」
ゆっくりれいむとゆっくりまりさが永琳の前にあわてて整列する
前にこの『お勉強の時間』に抗議した時には四日間飲まず食わずの生活をさせられた
その教訓からゆっくりれいむとゆっくりまりさはこの時間だけは私語をやめ、話を聞く
ただ、私語に関してはやめるのではなく私語すらしたくなくなるのだ


「はい、最初の死体です」
兎が箱から一匹の子ゆっくりまりさを取り出し、みんなに見えるように掲げる
子ゆっくりまりさの顔は青黒く、髪はずぶ濡れで白目を向き餡子を吐き出していた
皮はぶよぶよしており、兎が壊さないように持っているのがよくわかる
「この子はお母さんの言う事を聞かず、川に近づき溺れて死にました」
そして、その死体はゴミ箱の中に捨てられる
「お母さんはどうすべきだったかしら?れいむ、分かる?」
「ゆ?ゆっくりかんがえさせてね」
「ええ、いいわよ。たぶんそう考えてる間に二匹目の子どもが死んじゃうわね」
永琳の講義は続く、子どもへの適切な躾の仕方
子どもの好奇心に考慮しつつ、自分に敵意を向けさせない叱り方
ゆっくりが行える制裁の力加減、それを誤った場合に起こる怪我の対処

「次の死体です」
別の兎が箱から一匹の子ゆっくりパチュリーを取り出し、みんなに見えるように掲げる
全身痣だらけで、片目は潰れ、髪もボロボロで一部は抜け落ちている
もちろん帽子などあるわけがなく、苦痛に歪んだままの表情で死んでいた
「この子は姉妹のいじめにあって死にました。ほら、この痣はゆっくりに体当たりされた時の特徴です」
死体の痣に赤ペンで印をつけて分かりやすいようにする
「自分の子どもにこのような傷があれば気をつけましょう。姉妹は親にイジメの事実を隠します。親はそれを察知しなければなりません」
永琳はイジメに参加した子どもへの制裁、他のゆっくりの子どもがぞのイジメに参加したいた場合の親同士の解決方法
イジメを受けた子どもへの治療法や講義では精神面でのケアにまで触れられた

講義は続く
ゆっくりれいむもゆっくりまりさもげんなりしている
誰かの子ゆっくりの死体を見せられてはその原因と対策を語られる
ゆっくりパチュリーなら興味があるだろうが、このゆっくり達にはそれほど興味がない
本来興味があるべき講義だ。パートナーを迎えたゆっくりはある程度の餌を確保が予測できる状態であれば
その予測の正確さに著しく問題があるとしても、身を擦り合わせすっきりし、子どもを授かり
あとは母のしてくれたように必死に努力する。先輩ゆっくり達からのアドバイスも積極的に取り入れ


しかし、この実験室にはそんな気分にさせるほどの環境ではなかった
水はぬるく変な味がする。餌はパサパサで味が薄い、それまで地上の実験室で食べていた物とは大違いだ
太陽の昇り降りもない。快適だが変化のない空調。草木の息吹の感じられない打ちっぱなしのコンクリ
狭い部屋の中で押し込められるように寝ていてはストレスもたまる。他の仲間との交流も一切ない
そこに死体を見せられての永琳の講義、それに反抗する事もできない。すれば命が危険にさらされる
それでも好き者同士、支えながら生きていこう。愛する者同士、ゆっくり生きていこう

「れいむ、すきだよ」
「まりさ、わたしもだよ」
ゆっくりれいむとゆっくりまりさは頬を触れあわせニッコリほほ笑む


『劣悪な環境が与える出産への影響』
それがこの実験の目的


子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい
子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい
子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい
子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい子育ては難しい

永琳は講義中に何度も子育ての難しさを説いた
二匹は子どもなんていらないと思い始める

「今日の講義は終わりだけど、どうかしら?二人もそろそろ子どもを授かったら?」
永琳の言葉にゆっくりまりさは体を横に振り
「ゆ、いらないよ。こどもができてもゆっくりできないよ」
待遇に文句は言えない。言えば餌と水の配給が止まる
「そうかしら?そうね。あなた達がそう言うなら仕方ないわね」
次の日、餌箱からハート形の餌が二つ出てきた
二匹はそれを分け合って食べた



「れいむぅぅぅぅ!!」
「まりさぁぁぁぁ!!」
二匹は狂ったように身を擦り合わせる
ゆっくりアリスの餡子が混ぜ込まれたゆっくり用の媚薬の影響だ
「だめぇぇぇぇぇぇぇぇ、あかちゃんできちゃうぅぅぅぅ」
「でもぎもぢぃいいいい、れいむ、れいむううううう」
「ぎもぢいい、ずっぎりじぢゃうずっぎりじちゃううううううう!!」
「あがぢゃんだめぇええええ、でもずっぎりじだい!!!!」

結局、ゆっくりれいむの頭から茎が伸びてきた
ゆっくりまりさもゆっくりれいむもお互いのあの時の行為を責めようとしなかった
茎からは実が一つなり、少しだけだが大きくなる
れいむは嫌々ながらも餌を口に含む。味がしない。美味しくない
「れいむ、えさをたべないとあかちゃんにえいようをとられちゃうよ」
妊娠するのはなぜだか片方だけ、まりさが心配しているのではなく望まれない赤ちゃんではなく
その母体のれいむ、餌をたくさん食べなければれいむが弱ってしまう
「・・・うん、ゆっくりたべるね」
水で流しこむように餌を食べる


そして、子が生まれる
「・・・」
生まれた子はまだ一言もしゃべっていない
それだけじゃなく見た目にもおかしな部分が多い
髪が短く、所々禿げた場所もある。リボンも小さく髪が短いせいもあり今にも取れそうだ
部屋の隅でぼーっとしている事が多い

「生まれたのね。あら、可愛い子ね」
永琳のお世辞に全く反応しないゆっくりれいむたち
「あなた達も遂に親としての責任を果たすのね」

沈黙が続く

「あら、もしかして子どもがいらなかった?それなら私が貰ってあげるわよ」
「・・・おねがいできる?」
「ええ、勿論喜んで、その子が必要なのよ。あなた達はそれでいいの?」
「うん、いいよ。そうしたられいむとゆっくりできる・・・」
永琳は兎を呼び、ゆっくりれいむとゆっくりまりさを箱に詰めさせた
そして、永琳と兎は箱を持って歩き始める


『焼却処分場』と書かれた部屋に着く
ここは薬物などを使用されたゆっくりがガスで殺されてから念のためにここで焼却処分される
係の兎が窓を開ける。ゆっくりまりさの目には燃え盛る業火が見える
「ゆ!!あついよ!!やめてよ!!!」
「なに、まりさ?なにがあるの?」
「かじだよ。ゆっくりできないよ!!」
「やめて、おねえさん、さっきのへやにもどして」

「御苦労さま」
永琳は二匹にそう語りかけた
「あなた達の子どもは次の実験で使用させてもらうわ。ああいう失敗作をようやく実験ができるほど産ませる事が出来たわ」
二匹は何を言っているか分からない

「おねえさ、まりさたちまたわるいことした?」
「したならいってね。れいむたちゆっくりなおすから」
「そうだよ。まりさたちちょっとあたまがよわいけど、きっとなおせるよ」
「だから、おねえさん、れいむたちをあのへやにもどしてね」
「うん、まりさたちもじっけん?におつきあうするよ」
「ゆっくりてつだうよ!!」


「あら、もうあなた達に用はないのよ」
ゆっくりれいむとゆっくりまりさは焼却炉の中へ放り込まれた





望まない出産で生まれた子の多くは生きる事に希薄で
髪飾りや帽子を取ってやっても抗議一つしなかった
「ふーん、あまり良い反応は無いのね。いいわ、全部破棄しなさい」
永琳は鈴仙にバツ印がたくさん書かれた資料を渡す
「えぇ、せっかく産ませたのにですか?」
「元々、実用性のない個体に対する実験よ。もういいわ」
永琳に『失敗作』と言われた子どものゆっくりたちは箱にまとめられ焼却炉に投げ込まれた

















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最終更新:2009年06月14日 06:37
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