ゆっくりヤキグシ


注意 ゆっくりが若干賢いです
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幻想郷のある森の中に、ゆっくりの群れがあった。

ドスがいるわけでなく ゆっくりしたい者が集まってできた群れである。

そこに森の近くの人里から愛でお兄さんが5~6人大荷物を抱えやってきた。
「ゆっくりしていってね!」
「「「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」」」

お兄さんの挨拶に返事をする群れのゆっくりたち。
この群れのゆっくりは、愛でお兄さんたちの団体
ゆっくりんぴーすの保護を受けた群れである。

保護といってもお菓子を上げたりすることはない。
おいしい人間の食べ物を野生のゆっくりに与えると
舌が肥えて森の食べ物を食べなくなってしまい
その結果人間の食べ物欲しさに
人里の畑を荒らしにいったり
口に合わない食べ物を拒否し、餓死してしまうことがあるからだ。

お兄さんたちの目的は、ゆっくりに知恵を与えることだった。

食べたらゆっくり出来ない―――つまり毒性のあるキノコや虫を教えたり
捕食種の癖や弱点を教え、もし襲われた時にどうすれば生き残れるか
すっきりしすぎて子供が多くなるとゆっくり出来なくなることも教えていた。

所詮はゆっくりなのであまり物覚えは良くないが
お兄さんたちの言うことを忘れたゲスまりさが毒キノコを食べ、苦しむのを見て
ゆっくりはお兄さんの言葉を思い出し、毒キノコを警戒するようになったことがあったり

狩りの最中にれみりゃに襲われた時に、お兄さんから教えてもらったことを思い出したれいむが
仲間を誘導し、犠牲者を出すことなく巻くことが出来たこともあった。

あるときはお兄さんのいったことを忘れたあるれいむとまりさの夫婦が何度もすっきりした結果
赤ちゃんが増えすぎて食べるものが少なくなり、一家全滅寸前までなったこともあった。

このようにお兄さんのいったことを守ったゆっくり達は
助かりゆっくりできたということが何度もあったので
群れのゆっくりたちは
「おにいさんのいうことをまもるとゆっくりできる」
と理解するようになった。

「おにいさん きょうはなにをおしえてくれるの?」
「食べ物の焼き方を教えてあげるよ」
「ゆ?やくってなあに?」
「たべものさんをゆっくりさせて美味しくさせることだよ」
群れのゆっくりの質問に、お兄さんはわかりやすく説明した。

今日お兄さんが教えるのは、食物を焼いて食べることだ。

無論ゆっくり何ぞに火が扱えるわけ無いので
そこはお兄さんが用意した道具でカバーをする。

「ちょっといいかい?」
「むきゅ?なあにおにいさん?」
「この近くに広くて何もないけど使ってない居場所はあるかい?」
「それならこのまえかみなりさんがおちてきて
 きがたおれたそこのあきちをつかうといいんだぜ」
「ありがとう」

お兄さん達は抱えていた荷物を降ろし、
指定された場所にてきぱきとあるものを組み立てていく。



数分後・・・そこには立派なかまどが出来ていた!

石を積み上げただけの簡素なかまどだが
しっかりとコーティングされているため
たとえドスの体当たりでも壊れることはないだろう。

その中にお兄さんは装置を入れる。
この装置は魔法使いと河童が共同で開発した特別性の発火装置で
燃料いらずでスイッチを押すだけで魔法の炎が燃えるという代物だ。
スイッチを切ればこれまた魔法の効果で燃えているカマドの中を真空状態にし
一瞬で消化されるという仕組みなのでゆっくりにも安心だ。

魔法と機械文明が共存する幻想郷ならではのこの装置は
一般家庭にも普及し、近年問題視されている
二酸化炭素の増加を食い止めるのに一役買っている。

お兄さん達の作ったかまどに群れのゆっくりたちは興味津々である。
すでに群れの大半がかまどを不思議そうに見ている。

「いいかい、この丸いのを押すと・・・」
お兄さんの一人がスイッチを押す。
と同時にかまどの中に炎が燃え出した。
「・・・こんな感じに「ひ」がつくんだよ」

おおー とゆっくり達から歓声が上がる。

「でも気をつけてね「ひ」は触るとゆっくり出来なくなるからね」

ゆっくり出来ないという言葉にゆっくり達がざわつく。

そしてお兄さんは群れのゆっくりの中で最も賢いぱちゅりーを呼んだ。
ぱちゅりーに鉄製の串とここらへんで取れる小魚を渡した。

「これは串といってね「ひ」に近づかなくても食べ物さんをゆっくりさせられる道具だよ」
そう説明した後、魚を串に刺すお兄さん。
真似してぱちゅりーも魚を串で刺す。

「こうやって串に刺した食べ物さんを火に近づけるんだ。」
といいつつかまどに魚を近づける。
ぱちゅりーも串の端を噛んでなるべく遠くから魚を近づける。

しばらくすると一体にいいにおいがしだした。

「こうやっていいにおいがしたら食べ物さんを出すんだ
 あまりゆっくりしすぎるとなくなっちゃうから気をつけてね」

魚を取り出す。ぱちゅりーも取り出す。

目の前に二匹の焼き魚が出来上がる。

「このままだと熱くてやけどしちゃうから息を吹きかけたりして冷ましてから食べてね」

ぱちゅりーはふーふーと息を吹きかけた後、魚をほおばった。
ぱちゅりーの口の中に広がる濃厚な味。焼く前でも魚は美味しかったがそれとは違う不思議な美味しさだ。

「むっきゅー!おいしいわ!」

その光景を見ていたゆっくりたちは涎をたらして見ていた。
「やり方はわかったね?お魚さんだけじゃなくて木の実も焼くと美味しくなるんだよ」
といいながらお兄さん達は大量の鉄串と魚と木の実を出した。
「さあみんなやってみて!」

お兄さんがそういったとたんに皆串をくわえ、魚や木の実を刺し、かまどに近づけ焼き
焼きあがったのをふーふーした後に食べた。

中には慌てて焼きたてもほおばり軽くやけどしたゆっくりもいたが、
皆美味しくなった食べ物に満足していた。

ちなみにいっておくが焼いたところで劇的に美味しくなるというわけではないので
味覚が肥えることはあまりない。
生より焼いた方が若干美味しい程度である。

最後に火の消し方を教えたお兄さん達は
ゆっくり達が使いのなしたのを確認すると、別れを言い人里へ帰っていった。



それから数日間、群れはとてもゆっくりした食生活をしていた。
焼いた魚や木の実は、今まで同じものしか食べてなかったゆっくり達の味覚を大いに刺激した。

夫が狩をし妻が焼き、子供が食べるという役割分担をしている家族もあるくらいだった。

また、熱した鉄串は虫除けや獣避けやれみりゃよけにもなることを後日お兄さんに教えられ、
安全な狩りが出来るようになった。

そんなある日のこと・・・。


「「「「ゆっくり狩りにいってくるよ!」」」」
そう言いつついつものように焼き串をくわえ
狩りに出かける群れの狩り担当ゆっくり達。

虫も獣もれみりゃも恐れずに狩りができるのは大きい。
あっという間にたくさんの食料が集まった。

そろそろ帰ろうとしたところ・・・群れのものではないありすに出会った。
「ゆっくりしていってね!」
「「「「ゆっくりしていってね!」」」」
「まあまりさ、ありすのためにたべものをよういしてくれたのね!」
「ゆ!?ちがうよ!これはかぞくのためだよ!」
「じょうだんいっちゃって!んもうかわいいんだから!」
「うそじゃないよ!もうかえるよ!」
「はあはあ・・・ツ゛ンデレな゛ま゛り゛ざも゛がわ゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!」
突然発情するありす。

群れメンバーの中の一人のまりさは、かつて発情ありすに家族を犯し殺されたことがあったため
身の危険をいち早く察知した。

「みんなにげて!ゆっくりできなくなるよ!」
「まりざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!す゛っぎりじばじょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!」
もはや遅かった、逃げるまもなく突進してくるありす。
反射的にくわえてた串を盾にして目をつぶる。


あれ?

なんともないよ?

恐る恐る目を開けるとそこには串のちょうど熱した部分が
まりさに飛び掛ったありすのちょうどぺにぺにのいちに食い込んでいた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!あ゛り゛ずの゛べに゛べに゛があ゛あ゛あ゛!」
あまりの痛みに転げまわるありす。
ぺにぺにのあった部分は焦げて、もう使い物にはならないだろう。
去勢された様なものである。
「ぷっ」
まりさは笑がこみ上げてきた。
さっきまで自分の命を脅かそうとした相手が滑稽に転げまわっているのだ。
「「「「あーっはっはっはっは!!」」」」
皆でありすの様子を笑いながら村に着いた。

そしてこのあたりにありすが出るようになったこと。
ありすはとてもゆっくり出来ないゆっくりであること。
焼いた串で性器の部分をあてるとありすは苦しみもだえ
逃げることが出来ること。

この三つの情報を狩りに出た者たちは群れに広めた。


それから、ありすにとっては地獄の
群れのゆっくりにとっては楽しい事態になった。

狩りができるようになった若者達が親から狩りを学ぶ時に発情ありすが現れ
経験を元に焼き串でありすを撃退した時に
転げまわるありすの滑稽な姿が若者達には面白みを感じ
その姿見たさと悲鳴聞きたさに若者の一部は
狩りじゃない時でも二~三人で「ありす狩り遊び」を行うようになった。

ありすはゆっくり出来ないから殺してもおkという発想である。

この「遊び」は瞬く間に群れに広がり、森のあちこちからありすの悲鳴が響くようになった。

「べに゛べに゛が゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
「どうじでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
「ま゛り゛ざどずっぎり゛じだがっだだげな゛の゛に゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」

そうしているうちに越冬の季節になり食糧不足になってないかと
お兄さん達が再び訪れた時に、ありす狩りの話を聞いた。

お兄さん達は正当防衛だからということでそのことについてはまったく咎めず
食料集めを手伝ったあと 安心してすぐに帰った。


お兄さん達は知らなかった。

今森の中ではありすは群れのゆっくりに見つけられたら
なにもしてなくても即去勢されていることに。


そして冬が来て、雪が積もった。


「ま゛む゛ま゛む゛があ゛あ゛・・・・・」
「も゛う゛い゛や゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・・」


雪原の中に、顎の下が黒い大量のありすがうめき声を上げつつ埋まり凍り死んでいった。






後にこの去勢ありすはとあるゆっくり美食家が偶然発見し
独特の風味を持つ天然冷凍ゆっくりとして人里の名物になるのはまた別の話である。


「はやくはるさんこないかな・・・・」
「はるになったらまたありすがりしようね!」


群れは平和だった





もうすぐ春がやってくる



おしまい






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あとがき
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最近の小説のありすの横暴さにストレスがマッハになり書いた
人類は火を文明の曙として発達したんだっけか→ならゆっくりにやったら
というイミフな理論で出来上がった作品です

最後まで下手糞な文章読んでくれてありがとうございました

もっと描写上手くなりたいなあ

アサシンの人


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最終更新:2022年06月03日 22:11