きめぇ丸の恩返し(丙)

  • 他の作者様の設定等かなり参考にしてます
  • ドスまりさが出てきます
  • 村人達は全然抵抗しません
  • 善良なゆっくり達が殺されます
  • きめぇ丸が出てきますが相当後になってです
  • おそらく俺設定あり
  • ゆっくりできないおにーさんたちは(ry












とある村に春が訪れた。

人々は新緑を楽しみ、新しい命や芽吹きに心を弾ませている。しかし、そんな彼らも全く喜べないものが一つあった。

「「「ゆっくりしていってね!!!」」」

ゆっくりである。

このゆっくりという饅頭達は、夏から収穫の季節にかけて人々が丹精込めて育てた作物を貪り喰うことから村人達は憎悪の念を抱いていた。

そんなゆっくり達も冬になると寒さと飢えのために、多くが数を減らしていった。

しかし、また春が訪れると生き延びた僅かなゆっくり達はその驚異的な繁殖力をもって数を増やしていった。

そしてしばしば人間の生活範囲に進出しては衝突を繰り返していた。



一方で森のゆっくり達は好んで人間との摩擦を深めようとしていたわけではなかった。

その村に程近い森に棲む決して大規模でないにせよ100匹はいるであろう様々なゆっくり達から群れが形成されていた。

その群れの実質リーダー格であったゆっくりぱちぇはゆっくりの中では並はずれて聡明でありまたその年の功もあり、

自然の脅威、人間との接触における危険を群れのゆっくり達に教え、可能な限り森の中での自給自足によってゆっくりできるということを説いていた。

群れの中でも年長の者は老ぱちぇを敬い、若者達にもその大切さを教えようと努力していたが、一部の若いゆっくり達はそれをよしとしなかった。

そんなまだまだ青く、愚かな若者達の代表格がゆっくりまりさであった。

まりさはいつも数匹のまりさやれいむ、ありすを従え我が物顔で群れを闊歩していた。

まりさは今まで何度も人間の村へ降りては畑を荒らし、家から食べ物を盗んだが、捕まりそうになる度、一緒にいた他のゆっくりを身代りにして群れに逃げ帰って来た。

老ぱちぇや長老格のゆっくろ達はそんなまりさを見る度、密かに人間達に捕まってくれればとすら考えていた。

だが、逃げ帰って来たまりさは若いゆっくり達に自分は村で犬を倒しただの、人間を平伏させたなどと嘘武勇伝を話すため、

それを真に受けた若いゆっくり達から大いに人気があった。いつしか

「まりさがいればこわいものなしだね!」「つぎのりーだーはまりさできまりね!」「おいぼれのぱちぇなんてただのよわむしだよ!」

とまで言われ、ゲスのまりさはますます気を良くしていった。

そもそもゆっくり達の人口ピラミッドの構成はその繁殖力や寿命の短さもあり、若い世代が群れの大多数を占めていた。

そのため若いゆっくり達の声は大多数の声となり、老ぱちぇや長老格の忠告を聞かなくなっていった。

困り果てた年長のゆっくり達はぱ老ぱちぇに相談した。

「さいきんの若いゆっくり達はあまりにひどすぎるわ。リーダー、何とかならないの?」

口々に助言を求めたが、老パチェもどうしようもなかった。

「むきゅ・・・まりさの言ったことは何でも言うこと聞いてるのよ・・・お陰で私の言うことなんて耳にも留めない。

あのまりさをどうにかしないとどうにもならないn、ゲホッ、ゲホッ、」

元々体の弱い老ぱちぇは心労もあって更に体を悪くしていた。

こんな長老格のゆっくり達の話は運悪く、ゲスまりさの取り巻きに聞かれていた。

ゲスまりさは自分が排除されるやも知れぬ危機を聞くなり、他の取り巻きはすぐにでも老ぱちぇや長老格のゆっくりを殺し、群れの主導権を奪うべきだと主張した。

ただのゲスならこれをすぐに行動に移すところだろうが、このゲスまりさはただ無能なだけのゲスではなかった。

「どうせれんちゅうははなしあうだけでこうどうなんてとれやしないぜ。

わかいゆっくりたちはまりさのいうとおりにうごくだろうからいまはほっといてもだいじょうぶだぜ!!」

と周りを諭した。

事実、群れの大多数はまりさに従うであろうことは分かっていたし、長老格のゆっくり達や老ぱちぇが自分達に手を下せないことも分かっていた。

だが、いずれは行動に移すつもりであったが、群れの主導権が自分に移ったとしても、

群れには人間やれみりゃ、ふらんといった外敵の脅威から守れる庇護者が存在しなかった。

自分では連中には敵うまい、ならどうすればいいのか。

ゲスまりさの懸案事項は最早それだけだった。



ある日、ゲスまりさや取り巻き達が森の奥へ遊び(主に強盗や強姦など)に行ったとき、森の奥で思いがけないゆっくりに出会った。

群れを持たない3mはあろうドスまりさである。

通常のドスまりさは大きな群れを持ち、その髪には群れの信頼の証しであるリボンが結び付けられていたがこのドスにはそれがなかった。

言ってしまえば、このドスは運良く長生きした末にドスにまで成長したごく普通のゲスまりさであった。

ゲスまりさは考えた、このドスを後ろから操れば群れを乗っ取ることができ、いずれは人間の村も乗っ取ることができるであろうと。

幸運なことにこのドスまりさは非常に無能であり、またこの上なく欲が深かった。

ゲスまりさは自分達の群れのリーダーが頼りないからそいつを倒して代わりにリーダーになってくれないかと頼んだ。

ドスは群れを持ち、思うがままにゆっくりしたいという願望をもっていたため、この申し入れを快諾した。

「ゆっ!そんなゆっくりできないむれのりーだーは、ドスがゆっくりころしてあげるよ!

だからまりさたちはゆっくりそのむれにあんないしてね!!」

ゲスまりさはほくそ笑んだ。自分の抱えていた懸案事項がこうもあっさりと解決できたからだ。

「ゆへへへっ、まりさのおもったとおりだぜ。」

こうしてゲスまりさはドゲスまりさを群れに案内する間に、ドスを群れのリーダーに推戴する代わりに自分達をその側近にしてほしいと。

勿論、ドスはそれについてもあっさりと承諾した。



やがてゲスまりさ達とドスは群れに着くと高らかに宣言した。

「ゆーっ!いままでこのむれはよわむしなおいぼれぱちゅりーや、いちぶのぐどんなゆっくりたちがぎゅうじってたけど、

ついにむれのりーだーにふさわしいどすまりさがあらわれたよ!!おいぼれなちょうろうどもは、ゆっくりしないでさっさとでてきてね!!!」

少し長たらしくなると腹立たしいまでに読みにくい文章である。

若いゆっくり達は突然の宣言に戸惑いながらもやがて状況を把握するとこれに賛同した。

老ぱちぇや長老格のゆっくり達は怯えながらドスとゲス達の前に引き摺り出され、形だけの裁判の被告人席に立たされた。

弁護できるのは一部の年長のゆっくりだけ、しかしそれでも自らの命は惜しかったので弁護は誰一人としてできなかった。

裁判が始まり、老ぱちぇや長老格のゆっくり達には以下のような罪状が問われた。

1、ゆっくりに対する冒涜

2、人間との内通及びスパイの疑い

3、群れを守る義務の不履行

言うまでもなく、全てでっち上げに過ぎないが弁護もないまま全ての被告ゆっくり達には即刻死刑が言い渡された。

長老格のゆっくり達は口々に無罪を主張したが、老ぱちぇがそれを押しとどめ群れに対して言った。

「むきゅ、こうなったのも私たちの不明さと群れの管理能力のなさが原因だわ。

でもまりさとドス、これだけは忘れないで頂戴。目先の利益のみを考え、その先にある物が見えない者に未来はないわ。

もしそれを忘れたらこの群れは間違いなく滅びrむ゛ぎゅぅ゛・・・」

痺れを切らしたゲスまりさが後ろから押しつぶし、老ぱちぇは息絶えた。

その後他の被告達は若ゆっくりにリンチされ、その餡子やクリームは全てが平らげられた。

年長のゆっくり達は涙を流し、敬愛したリーダーや長老達との理不尽な別れをただただ見つめることしかできなかった。

やがて年長のゆっくり達は次は我が身かと直感的に感じ取る者、早くもドスとゲスの体制に嫌気が差した者達が群れを離れていった。

「わかるよー、こんなむれにいたらいのちがいくつあってもたりないよー!」

「あんなゆっくりごろしのまりさがつれてきたどすなんてしんようできないよ!!」

ついに群れを構成するゆっくりは完全に若い世代のみとなっていった。



まずドスは群れの集落のはずれに洞窟を掘らせそこをドスの棲みかとした。

ゲスまりさやその取り巻きは側近としてその周辺に住み、ドスに助言を与えるという形で見せかけ上での集団統治体制(実際は独裁)を構築した。

食糧は群れのゆっくり達に集めさせ、自分達はただ貪り喰うだけであったが、次第にドスは量が少ないと、

そして群れからは自分たちの取り分がなくなると不満が出始めた。

ならばどうすればいいか、簡単である。かつて老ぱちぇが固く戒めていた人間の村の食糧を奪えばいいのである。

だがゲスまりさは何度も人間の村に侵入していたが、食料を奪うことが至難の業であることをその経験から学んでいた。

このドスを使って人間の群れとの間に協定を結べばいいではないか。側近の一人のれいむが言った。

周りの側近達も賛成し、まりさも同意したので早速ドスまりさに取り合った。

ドスは「ゆっ!にんげんさんたちからごはんをわけてもらうようにおねがいするんだね!」

と呑気なことを言っていたが、ゲス達は十分に勝算があった。



ドスと側近達を連れて村に着くなり、近くにいた口をあんぐり開けていた村人に食べ物と村長を連れてくるよう要求した。

村人は大急ぎで村長にその旨を報告し、村長も急いでそこに駆け付けた。

なんとまぁ大きなゆっくりであることか・・・村長や他の村人達も唖然としていた。

「して、私がこの村の村長だが何の用かね?」村長はゆっくり達に訪ねた。

「まりさたちはたべものがたりないからむらにすこしたべものをわけてもらいにきたんだよ!」

大きなドスまりさは答えた。村人達はざわざわと騒ぎ始めたが、ドスの近くにいたゆっくりがドスに耳打ちした後こう言った。

「ゆっへっへっ、まりさたちはにんげんのむらと”きょうてい”をむすびにきたんだぜ!」

下品なしゃべり方のまりさが言う協定の内容はこうだ。

1、人間はゆっくりを殺さないこと

2、ゆっくりは村の畑や家を荒らさない

3、人間はゆっくり達の群れの要求に応じ食糧を差し出すこと

4、以上が守られないならば武力行使も辞さない

1項と2項はともかく、3項には納得できなかった。実質2項を打ち消しているではないか。

村人達は激しく反発した。

当然まりさ達も予想していたが、ドスに耳打ちすると驚くべき行為に移った。

ドスは反発する村人をしり目に大きな口を開けて少し離れた所にあった櫓の方を向いたかと思うと、

凄まじい音を立てて光る光線、「ドスパーク」を放った。

ドスパークが命中した櫓は煙と消し炭に変わり、騒がしかった村人達は一瞬で静まり返った。

「ゆっ!まりさたちがていじした”きょうてい”をむすんでくれるの?むすんでくれないならどうなるかわかってるよね!」

この恫喝に村人達は騒然としたが、村長がそれを制し、ドス達にこう言った。

「お前さん達、こっちもすぐには回答できん。今日中に村の衆と話し合って決めて、明日には答えを出すから今日のところは帰ってくれんかね。」

村長は今は帰ってくれるように促し、ドスまりさもそれに応じた。

「ゆっくりりかいしたよ!にんげんさんには”せいいあるたいおう”をきたいしてるよ!!」

そういうと大きな体をドスドス言わせて去っていった。

当然収まりのつかない村人達であったが、そこに居合わせた者全員で村長の家に行き、善後策を練ることにした。



村人達の意見は大きく二つに分かれた。

「あんな連中の脅しに何かのるこたぁねぇ!ただでかいだけのデクの棒なんだからまとめて駆除しよう!」

大きさと力にものを言わすドスもまとめて狩ろうという積極派と、

「いや、相手の力はあなどれない、まずは様子を見て相手の出方を探るべきだ。」

一旦要求を飲み、出方を探ろうという消極派に分かれたが、結局は村長の助言と村人の安全を考慮して、後者が採用されることになった。

次の日、ドスまりさは昨日と同じく数匹のゆっくり達を従えてやってきた。

村長はことあるごとに食糧を要求されては堪らないと考え、ドスの群れに食糧を月毎に一定量届けることに改定させた。

ドスまりさに協定に合意すること、お互いに協定を順守すること、村の食糧事情が厳しいことを告げ、去ろうろしたが、

ドスまりさは「ゆっ!ゆっくりりかいしたよ!さっそくだけど、ドスたちのためにたべものをもってきてね!」

全く最後のことを聞いていないのか、村長は頭を抱えながらも村人達にクズ野菜の山を持ってこさせそれをドス達に渡しどうにか穏便に事を済ませた。

村人はつけ上がるゆっくりや高圧的なドスに怒りを感じながらも、何より下手に出続ける村長に対して怒りをぶつけていった。

何も考えてないわけではなかったが、村長も頭を悩ませていた。



そんな困り果てた村長宅に一匹のあるゆっくりが訪れた。

「おお、ゆっくりゆっくり。」

戸口にはゆっくりとはとても言い難いゆっくりの亜種、きめぇ丸がいた。

「お久しぶりです。清く正しいきめぇ丸、お忘れならば以後お見知り置きを・・・」

村長は以前あったことがあったかなと考えていると、今から何年か前、

まだ村長になっていない時分に山で傷を負って動けなくなっていた一匹のきめぇ丸を介抱してやったことを思い出した。











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最終更新:2022年05月19日 13:41