■注意事項
  • 結局だれも死にません
  • 暴力的な虐待はありません
  • エロス注意
  • ハッピーエンド(?)です

拙作「潜入!ボスの群」の設定を用いていますが、
一話完結形式ですので前作を読まなくても大丈夫です。多分。





■侵入!ボクの家

俺は今、森で出会った素敵なぱちゅりーをお持ち帰りする最中だ。

ゆっくりは「飾り」で個体認識する。
俺はれいむのリボンを付けているので、普通のゆっくりにはれいむに見える。
このぱちゅりーは飾りを付けても俺が人間だと認識している。賢い所も魅力の一つだ。
見た目で判断する無粋な人間共と違って俺の内面を理解してくれるいいヤツだ。

れいむのリボンを付けたまま歩いているのは、
森の中を移動する際に、周りのゆっくりを怖がらせない為だ。
折角なのでゆっくりを観察して楽しむのも悪く無いとも思った。

怖がらせない為の配慮が功を奏したと言うべきか、
まりさの方から近付いて話しかけてきた。
具体的には食べ物を出せだの、そのぱちゅりーが可愛いのでスッキリしてやるだの
要するにゲスまりさだった。

れいむのリボンを装着しているので、まりさ視点では人間ではなく、
れいむとぱちゅりーだと思っているのだろう。





「ゆっへっへ~!まりさがごはんをたべてやるんだぜ!!」

典型的なゲスかと思ったが、ゲスにしては見た目の状態が良い。
肌に張りがあるというか、髪に艶があるというか。
力で弱いものを支配して餌を奪って戦ってきたタイプの
ゲスゆっくりとは違う物を感じる。
美貌で貢がせるタイプか、あるいは生まれ付きの容姿で周囲からチヤホヤされて
贅沢に育ったのかもしれない。見た目で人の価値を判断するのはゲス野郎だ。

「いま食べ物は持ってないよ。まりさのお家が見たいな」
「むきゅ?」

潰しても良かったが、このまりさがどんなヤツか確かめてからでも遅くないと思った。

相手はゆっくりなのでその気になれば何時でも殺せる。
しかし殺す為の必然性も無い。畑や家を襲撃された訳ではないので見逃しても構わない。
少々生意気なクチを利いたからと言って命を奪うのも如何かと思うし、
人間視点でゲスなヤツでも野生で生きる為の知恵だと考えれば
人の価値観で裁きを下すと言うのもおこがましい。
気に入らないという理由で殺しても良いんだが、後味が悪いのだ。
もし家を見て、家族が居れば見逃してやる。寛大で優しい俺様を実感できて気分が良い。
家から盗んだ野菜や、他のゆっくりの死骸などが見付かれば完全にゲスだ。
森の平穏の為に悪者を裁いて気分良く帰れる。
判断を決めかね結論を先送りしてるだけかも知れないが、ゆっくりとはいえ命を粗雑に
扱うべきではないだろう。別に急ぐ理由も無い。





「随分・・・良い家に住んでるんだな・・・」

色々楽しい妄想の世界に入っていた俺は、
よく周りを見ないでフラフラ歩いていたのだろう。
気が付くと、豪勢で立派・・・とまでは行かないが、
まりさの物とは思えない家の前に居た。

やはり早まらなくて正解だったのだ。

何時でも潰せるし、叩きつけて力の差を思い知らせて尋問も出来る。
だが、暴力を受ければ生き延びたいが為に嘘も付くだろう。
俺をゆっくりれいむだと思ってる状態で出来るだけ話を聞きだしたい。
流石に目の前で飾りを付け外しすればゆっくりとはいえ仕掛けがバレる。
一度しか使えないのだから、コチラの正体を晒すタイミングは慎重に見極めなければ。

事情が変わった。このまりさには色々確認する必要がある。

「この家はまりさの家なのか?」
「まりさのおうちでゆっくりしていってね!!」

その時、家の入り口に一匹のゆっくりが現れた。

「だれなの?ここはありすのトカイテキなホームよ!!」
「ゆゆっ!ゆっくりかえってきたよ!!」

ゆっくりありすだ。
台詞から推理するに、ありすとまりさは一緒にココに住んでいる様だ。

「ゆっ!ここはまりさとありすのゆっくりプレイスなんだぜ!!」
「いやおや、ここは俺のゆっくりプレイスだから」
「なにいってるの?ここはありすのトカイテキなホーム・・・」
「ありすとまりささまの、なんだぜ!」





「ちがうわよ!ここは・・・ここはありすと・・・」

ありすはずっと一人で生きてきた。本当は一人が寂しくて友達が欲しかったが、
仲良くしたくても上手くいかなかった。
この家は、本当はありすの家ではない。
元々、同居人が住んでいた家に住ませて貰っていたのだ。
まだ告白はしていなかったが特別な存在だと感じていた。
相手も同じ気持ちだと良いと願っていたが、今まで誰とも上手く行かなかった経験が、
自分は嫌われ者だという卑屈さを生み出し、想いを伝えられずに居た。

しかし、初めて出来た友達である。友達の筈だ。とても親しい。特別な。
だから帰りを待ちたかった。
一週間ほど前、狩に出かけてソレっきり戻らない、この家の本来の主の帰りを。

「ここはありすのマイホームじゃないけど、でも・・・」
「わかってるんだぜ!まりさ様とありすの2人の愛の巣なんだぜ!!」

ありすは迷っていた。もしかしたら、友人はもう戻らないかもしれない。
そしたらまた一人に成ってしまう。
仮に戻ってきても、自分と一緒に成ってくれる保証は無い。
もしかしたら、何処かで他のゆっくりと愛し合ってるのかもしれない。
もしかしたら、自分は捨てられたのかもしれない。
今まで何度も繰り返し味わった孤独。
もしかしたら、押し付けがましい所があったかもしれない。
友達に成ろうと声を掛けて普通にしてた筈なのに、気がつくと皆離れていく。

「まったく、ありすはツンデレなんだぜ!!」

不安と、恐怖と、優柔不断さとで結論を出しかねていたが、
既にその心の隙に付け込まれて家への侵入を許してしまっていた。
はっきりしないその態度も、単にツンデレなので自分から言い出すのが
恥ずかしいのだろう、程度に考えていた。

まりさはかなりの美ゆっくりである。
今までも沢山のオウチで宣言しては貢がせて来たのだろう。
まりさの美貌にメロメロに成らないゆっくりは居ない筈だ。





「まりさの家じゃないわ!ここはありすたちのホームなの!!」
「もうじじつじょうまりささまの家もどうぜんなんだぜ!!」
「違うよ!ココは俺のゆっくりプレイスだよ!!」

そう言えばこのれいむには友人の面影があるような気がした。
でも友人はれいむ種ではなかった。リボンを付けている筈が無い。
期待する気持ちがそう思わせているのだろうと考えた。

「どの道まりさの家じゃないんじゃないだろ?」
「もうすぐまりさの家になるんだぜ!ありすもそれをのぞんでるんだぜ!!」

まりさがしつこくありすに迫っているのは良い家に住んでるからだ。
ありすとくっ付けば家が手に入る。っという動機である。

ありすが住んでる家に押しかけ女房?的に居座って居住権を主張してるのだ。
当のありすもココは自分の家ではないと考えているので、
自分の家だとハッキリ主張できずにまりさを追い返せないで居るのだ。





「ここは俺の家だよ」

大体事情は把握したのでれいむのリボンを外してさっさとケリをつけよう。
色々考えて計画を練っても実戦で上手く行かないのが何時ものパターンだ。
策を弄してなんとやら、俺はそういうのには向いていないのかも知れない。

「ゆゆっ!?ニンゲンなんだぜ!!」

流石にリボンを外せば正体が人間だと理解できた様だ。

「ニンゲンさん!ここはまりさのゆっくりプレイスだから出て行ってね!!」
「うわ、そう来たか・・・」

いや、このまりさはゲスだがバカじゃない筈だ。
力ずくで相手から奪うタイプじゃないし、実際ケンカは余り強くないのだろう。
相手を誘惑して自分に貢がせるなどして、所有権の概念を理解している。
ありすの家だと思っていたからこそ、近付いてきたのが証拠だ。

「いいか、ココは人間が建てた家だ。ゆっくりに作れると思うか?」
「でもここにはありすがすんでたんだぜ?だからまりさのものだぜ!!」

「違う。俺は留守にしていただけだ。その間にお前が来たんだ」
「留守だったからまりささまがもらうんだぜ!」

「留守の間に家を盗むのは泥棒だろ?」
「ゆ、ゆっ?・・・ゆっ!そうだぜ!わるいのはありすなんだぜ!!」

くどいが、まりさはゲスである。
人間の野菜を勝手に食べたり、お家宣言は多くのゆっくり共通の行動であり
所有権も価値観も、力の違いも命の危機も判らず、生意気に反論したり攻撃する。
だが、ゲスは違う。
理解する知能を持った上で悪事を働き、敵わない相手とは戦わず仲間を見捨てて逃げる。

「ありすにだまされたんだぜ!!」
「ん?ありすが嘘を付いたのか?」
「じぶんの家だってうそついてまりさをゆうわくしたんだぜ!」

いや、やはり正体を隠して正解だった。策は弄するものだな。
もし本当に忘れて他のゆっくりとくっ付いてお家宣言でもしてたら捨てる所だが。
れいむの格好で会話を聞いていたので、ありすがちゃんと留守の間に
家を守っていた事は分かっている。

「ありすは良いんだよ!俺が飼ってるんだから」
「ゆ"!?」
「だから、ココはありすの家でもある訳だ。嘘を付いた事にはならない」





「やっぱりこのいえはありすのものだったんだぜ!!」
「お前さてはバカだろ・・・」

少しばかりゆっくりを過大評価し過ぎたかも知れない。
ありすや、ぱちゅりーを見つけてから賢いヤツも居るんだと考えるようになって
少々ゆっくりに甘くなっていたようだ。

「ありすはだれとすむのかえらんでね!!」
「それで納得するんだったら、もうソレでもいいや」

まりさは自分の容姿に相当の自信を持っている。
ありすに、まりさと人間とどちらをパートナーに選ぶか迫れば、
間違いなく自分が選ばれると確信しているのだ。

だが、先程のありすの態度を見れば、誰を選ぶのかは明白である。
まりさの自信を打ち砕いて、悲愴感のドン底に叩き落してから追い出すのもいい気味だ。

「ありす!ありすはまりさをえらんでくれるよね!!」
「ありす!俺の事覚えてるだろ?俺と暮らす方がイイよな?」





「お兄さん?・・・れいむはお兄さんなの?!・・・・・・!?!?」

お兄さんが帰ってきてくれた。嬉しい筈なのに。でも・・・
れいむがお兄さんだったって事は・・・れいむと一緒に居たあのぱちゅりーは一体。
まさか、そんな、お兄さんが連れ帰ってきた?ぱちゅりーを?何の為に?
ありすが居るのに?ありすじゃダメなの?ぱちゅりーがいいの?
そのぱちゅりーが好きなの?結婚するの?ありすは要らないの?お邪魔なの?

「お、お兄さん、その、ぱちゅりーは・・・だ、ダレなのかしら?」
「ん?あぁ、気に入ったんで連れて来た」
「むきゅ!そうしそうあいなのだわ!!」

ユガーン!
ありすがパーフェクトフリーズ。

「お、おい!ありす!?」
「やったんだぜ!ばかなにんげんだぜ!!くうきがよめないんだぜw」

勝ち誇った顔でまりさは高らかに宣言する。

「ありすはにんげんにふられてすれられたいらないこなんだぜー!?」
「このまりさ何言ってるのぉー!?」
「ゆへへ!あきらめてまりさといっしょになるんだぜ!!」

まりさも空気を読むつもりは全く無い。

「これでこのいえはまりささまのものなんだぜ!!」
「いやマテ、何故そうなる?」

「そのぱちゅりーはおにいさんにやるからすきなところへいっていいんだぜ?」





「くそっ!なんて憎らしいまりさなんだ!最高じゃないか!!」

あぁ・・・このコがゆっくりじゃなくて
本物の魔理沙ちゃんならどんなにウェルカムな事か!・・・会った事無いけど。
多分可愛いんだろうなぁ~
俺の推理によるとだな。ゆっくりまりさってのは熱狂的な魔理沙信者が欲望の性欲の煩悩
に秘められた潜在スペックを630%フルバーストして設計開発したウルトラ
オーバーテクノロジーファングッツだと思うんだ。多少顔と性格がアレなのは
科学の限界の壁に当たって砕けてこんな事に成ってしまったんだろう。
つまり俺の推理に従うとまりさの元になったオリジナルは激可愛い事が確定的に明らか!

「ゆっ?なにするんだぜ!はなすんだぜ!!」
「まりさ、良い事を思いついたんだ・・・」

ありすとは何回か遊んだけど、まりさも試してみたかったんだよなぁ~
ぱちゅりーは貧弱だし、もう少し栄養つけて丈夫にしてからじゃないと使えないだろうし
このまりさは性格はアレだけど、見た目はゆっくりにしては中々上物だよな。
まりさはやんちゃで少し性格悪い位のを無理やり力ずくで捻じ伏せて泣き顔見ながら
ヤるのが楽しみなんだよ。
野生の野良は何処で何触ってるか分からないからバッチイからナマは危ないけど、
話聞く感じじゃまだ未使用品っぽいし、具合が良ければキープするっきゃないよな。

「ありすにどちらか選ばせるなんて!辛い決断をさせるのは忍びないじゃないか!」
「ゆぎぃっ・・・や、やめるんだぜ!!かんがえなおすんだぜぇー!!」
「愛してるんだから皆で暮らせばいいんだよ!!」
「ぜったいむりなんだぜ!!こわ、こわれるんだぜ!?」

マトリクスエボリューチョン!!

「も、もうおうちかえるぅぅぅー!!!!」
「何言ってるんだまりさ?ココがおまえの家なんだろ?」

ジャイアントヴォルケーノブラスター!!

「こ、このニンゲンあたまがおかしいんだぜ!ぜったいともだちいな・・・ゆげっ」

誤解の無い様に補足しておくが、俺は友達が出来ないのではなく、特に友人関係と言う物
に対して必要性を見出しておらず、自分の時間を大事に過ごす事に重点を置いて、交友関
係というストレスの溜まる行為による人生のロスを最小限に抑えて、より豊かな生活を実
現する為に最も優れた選択を入念に検討した結果、特に親しい付き合いをする程の友人が
居ないだけであって、決して根暗とか性格に難有りとか私個人の人格形成において問題が
発生しているかの様な誤解を与える恐れも、可能性としては考えられなくは無い為、一応
言い訳がましい蛇足と成る事は承知の上で説明した次第である。

もっとも、私個人の農業と言う職業がら他業種と比較すると人的接触が薄く、地域の人間
関係において流動的変化は希薄となり、新たな出会いの切欠が皆無である現状を鑑みるに
これは偏に友人のみならず恋人獲得の機会に置いて大幅なハンディキャップを背負ってい
る事は想像に難しくなく、恋愛関係においては、交友関係以上には積極的に重視しつつ検
討してはいる物の、未だ好機に巡り合わず持ち前の戦闘力を発揮する機会が得られない事
は、当方としても非常に残念に思う所である。

「まっりっさっ!!お兄さんがまりさも友達になって上げるっよ!!」
「あ、ありすもフレンドになってあげてもOKなんだからね!!」

ありすがリブートしてきた。新しい友達とのドキドキワクワクの未来に目が輝いている。

「とっもだち!!」
「フレンド!!」
「ともだっち!!遺影!お~ともっだち!!」
「friend!! YES!! friend!!」

問題ない、俺は飼ってるゆっくりを外に出したりする事は滅多にない。
 「人間の友達が出来ない寂しさの余り頭がおかしくなり、
  とうとうゆっくり相手にお喋りする様になった」
…みたいな噂が立っては困るのだ。

「むきゅっ!なんということなの!?これはたいへんなことになったわ!!」

目の前で突然始まったプレイを目撃してぱちゅりーは驚きの声をあげる。
予想外の展開に顔は青ざめガクガクと震えているが・・・

「むきゅ~!きょうりょく らいばる しゅつげん!・・・なのだわ!!」

大丈夫、このぱちゅりーも十分おかしかった。
お兄さんとぱちゅりーとありすとまりさは、お家で一緒に楽しく仲良く気持ちよく
その後暫くの間は幸せに暮らしましたのでハッピーエンドです。



by アンノーマン



■あとがき?
家に来たゆっくりをストレートに暴力で追い出すんじゃなくて、相手の話を聞いた上で
意外性のある展開にしたいな~とか色々考えたのですが・・・虐待分が薄いなと反省です
まりさは念願かなって人間の家で暮らせる様になるけど、外に出る自由を失って、
これから毎日人間に玩具にされるであろう事を考えると十分かなとか
主人公がおかしいのは仕様です。人間的に最下層の住人かとw

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年05月19日 13:31