群れはゆっくりれいむが気づかぬ内に、非常に騒がしくなっていた。
それもそのはず。家の中であっても、外であっても構わずにいきなりゆっくりが破裂しているのだ。
これで恐慌をきたさない方がどうかしている。


「ままー! あちゅい!? あびゅぎ!!」
「ゆぅぅぅぅぅ!? あ゛り゛ずのどがい゛はあがぢゃん! とがいはぎゃぁぁあああ!?」

「ま゛り゛ざ あ゛づい゛よ゛う゛」
「ぱちゅりー! しっかり! しっか「ぶぎゅ!」あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!? あぢいいいいぃぃぃぃ!!??」

「おがぁぁぁざぁぁぁんっっっ!!」

「ゆ゛っぐりぃぃぃ!! お゛う゛ぢ に゛が え゛る゛ぅ゛!」

「わがらない! わ゛がら゛な゛い゛よん゛ん゛ん゛っ!?」

「ぢぃぃぃぃんぼうううう!? ぼっぼー!!」


群れのゆっくりたちが思い思いの言葉を吐きながら破裂していく。
身体が小さいゆっくりは「パン」という軽い音で、大きいゆっくりは「バン!」と大きな音で破裂していく。
大小の区別無く、無慈悲に、ひたすらにゆっくりたちが消えていく。
ただし、破裂しているのはゆっくりだけで、他の自然物はまったく破壊されていない。
せいぜい、餡子が飛び散って見た目が黒くなっているだけだ。

「み゛ん゛な゛ぁぁ゛ぁぁ!! どぼじだの゛ぉ゛ぉ゛ぉぉぉ!!??」

その惨状にゆっくりれいむは悲鳴をあげる。
しかし、ほとんどのゆっくりは悲鳴を聞き遂げることなく、散っていった。
一方、ドクターはその光景を興味深げに眺めていた。

「おぉ~、絶景かな絶景かな。自分の作ったものが、ここまでの効果を発揮するのは感慨深いものがありますねぇ」

腕を組みながらうむうむと頷く。その言葉にゆっくりれいむが反応した。
如何に餡子脳と言えども、その言葉が意味する所は理解できた。

「お゛ね゛え゛ざん゛がごんなごどじだの?」

「え? ええ、はい。直接的にではありませんが、こうなる要因を作ったのはワタシですねぇ」

ゆっくりれいむの餡子脳では所々の意味は分からない。
しかし、ドクターがこの惨状を起こしたことは理解したようだった。

「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛……」

「ん~? どうしましたぁ?」

「ゆ゛っぐりじねぇ!」

言葉と共に繰り出される体当たり。ドクターはそれをまともにくらい、「ふもっ!」と変な声を上げて倒れた。
所詮はゆっくりの攻撃なので大した痛みはなかったが、ドクターにとってはいきなりの行動で驚いていた。

「わー、びっくりした……なんなんですか急に」

のたのたと立ち上って土を掃いながら、ドクターはゆっくりに問いかける。

「いきなり暴力に訴えるなんて、酷いことをするゆっくりですねぇ。
 こう見えても虚弱なので、そういうことはやめてほしいもんです」

「お゛ま゛え゛が み゛ん゛あ゛を゛!」

「待ってくださいな。要因を作ったのはワタシですが、こうなったのはアナタがいたため、ですよ?」

「ゆ、ぎ?」

ゆっくりれいむの動きが止まる。言われている意味が分からない。分かってはいけない。
ようやく話を聞く状態になったとドクターは判断し、「んふ」と怪しい笑みを浮かべて説明を始めた。
懐から何やら飴のような物を取り出す。前にゆっくりれいむにあげたものと同じ性質である。

「いいですか? かいつまんでお話しますが、外の世界にはニトロなんちゃらという爆発物があるのです。
 それは糖を原料として爆発物に至るのだとか。厳密に言うと色々とあるそうですが、それは置いてといて。
 ワタシはこう考えたのです。糖を原料とするなら、餡子を原料としてもいいのではないかとぉ!
 上役の人に掛け合ってみたら、『だったらお前がやってみればいいんじゃねえの?』と許可をもらえました。
 そこから、語るも涙、作るも苦労の日々を重ねて作り上げたのが、この飴のような物体。
 その効果は食したゆっくりを媒介として、それに接触した他の個体に感染して破裂させるというもの。
 これの恐ろしさは二次感染した個体が他の個体に触れても、感染してしまうという所なんです!
 ねずみ算式に増えていく、名づけて『ゆっくりニトロ』です!」

「…………………」

ゆっくりれいむはまったくの話の内容を分かっていなかった。
ゆっくりれみりゃなら頭から蔦でも生えてくるかもしれない。
その様子に気づいたのか、ドクターは照れ笑いを浮かべながら捕捉する。

「あぁ、ちょっと難しすぎましたか。ワタシ、説明が長すぎるってよく言われるんですよねぇ。
 えぇと……簡単に言うと、アナタにあげた飴がこの『ゆっくりニトロ』だったんです。
 で、アナタに触れたゆっくりは『バン!』ってなっちゃうんですよ」

「ゆ゛!?」

ようやく言われたことの意味を把握出来たが、それでも分からないことがあった。

「れいむがさわってないこも、ばん! ってなってるよ!?」

「それはですねぇ、アナタが触ったゆっくりは既にゆっくりニトロって病気が感染(うつ)ってるんです。
 そして、病気が感染ったゆっくりが、他のゆっくりに触るとまた感染っていくんですよ。
 こうやって、ねずみさんみたいにいっぱい増えていくという代物なんですねぇ」

嬉々として説明を終える。その顔はとても晴れやかだ。
説明を終えたためか、ゆっくりニトロを懐に仕舞いこむ。

「じゃ、じゃあ、れいむがあかちゃんやまりさにさわったから……?」

「他のゆっくりに触ったなら、すごく簡単に感染りますよ。
 まあ、あれですね。要因を作ったのがワタシなら、流行らしたのはアナタ、ということで」

おあいこです、と笑顔で言うドクター。
当然、その論法の穴には気づいているが、それを口に出すことはしない。
ドクター個人としては嘘が嫌いなのだ。

「れ゛い゛む゛のせいじゃな゛いよ! お゛ね゛え゛ざんのせいだよ!」

泣きながら、必死に己の責任を認めようとしないゆっくりれいむ。
論法の穴に気づいているわけではなく、単に自分の責任であることを認めたくないだけだ。
ドクターは笑いながら、ゆっくりれいむを追い詰める。

「でも、助けた時に飴が欲しいって言ったのはアナタじゃないですか」

「ゆぐぅぅぅ……!」

それは餡子脳でも覚えていた。あれだけおいしいものを食べたのは初めてだったので、鮮烈に記憶していたのだ。
助けられて治療を受けていた時、綺麗な飾りとおいしい飴のどちらかをあげると言われた。
その際、一応は長々と講釈を垂れて効能を説明したが、餡子脳で十分の一も理解していなく、話も聞いていなかった。
言うまでも無く、そうなるように仕向けたのはドクターである。
そして、飴もといゆっくりニトロを選んだのはゆっくりれいむ自身であった。

「うろ覚えですが、どこかのちぇん子さんも
『背負った罪によって道を選ぶのではなく、選んだ道によって罪を背負うべきだ』
 って言ってますし、認めちゃったらどうですか?」

「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ! れ゛い゛む゛のせい゛じゃないいぃぃぃいい!!」

身体を震わせ、叫ぶゆっくりれいむ。その瞳はどこも見ていない。

「そうですか。でも、お友達や赤ちゃんはそうは思っていないみたいですけどねぇ」

ドクターはつい、とゆっくりれいむの背後を指差す。
そこには家族になるかもしれなかったゆっくりまりさと、家族である子ゆっくりたちがいた。

「れいむぅ!」「「「おかーさん!」」」

「ゆっ!? まりさ! みんなでこの……」

ゆっくりれいむはその言葉を最後まで言えなかった。
ゆっくりまりさに思い切り体当たりをされたからだ。

「なにずるの、まりじゃ!?」

「うるさいよ! さっきのおはなしきいてたんだよ! ぜんぶれいむのせいだったんだね!」
「おかーさんのせいでゆっくりできないよー!」
「ゆっくちあっちにいってね!」
「ゆっきゅりちね!」

「どう゛じでぞんな゛ごどい゛う゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉぉ!?」

ドクターの言葉をゆっくりなりに解釈した結果がこの結論のようだ。
分からない部分も多かったが、餡子脳をフル回転させてゆっくり理解したのだ。
ゆっくりまりさはさらに追い討ちをかける。

「みんながばん! ってなっちゃたのも!」

「ゆぎっ!?」

「からだがあついのも!」

「ゆぐぅぅ!」

「みんなみんな、れいむのせいなんだよ!」

「ゆべぇ!」

最初のダメージが抜けきっていなかったゆっくりれいむは為す術もなく、攻撃をくらっていく。
ゆっくりまりさはまるでヒーローのようだった。
群れにひどい被害を与えた、悪いゆっくりを成敗する。
ゆっくりまりさの心の中はそんな使命感で一杯だった。
悪いことをしたゆっくりを許してはいけないのだ。仲の良いゆっくりれいむであっても、それは例外ではない。
一方で、ゆっくりれいむは不意打ちと仲の良かったゆっくりに攻撃されて、身と心をボロボロにしていく。

「やっちゃえー! そんなやつ、おかーさんじゃないよ!」
「ゆっくちしんでいってね!」
「ゆっきゅり……」

子ゆっくりたちもゆっくりまりさを応援している。既に母親を見捨てているのだ。
子供故の残酷さ、という奴だろう。
その事実もまた、ゆっくりれいむに多大なショックを与えていた。
ゆっくりれいむが動けなくなった所で、ようやくゆっくりまりさは攻撃を止めた。

「……れいむはここからでていってね。あかちゃんたちはまりさがそだてるよ!」
「「「ゆっきゅりしていこうね!」」」

「ま゛り゛じゃ゛ぁ゛ぁぁぁ……れ゛い゛ぶのあがぢゃんま゛っでぇぇぇぇ……!」

「ゆ……まりさはれいむのことはきらいじゃないよ……
 でも、わるいことをしたら『せいさい』されなくちゃいけないんだよ!」

子ゆっくりたちを集めて、ゆっくりれいむから距離を置く。
ゆっくりまりさが新しい親になることに、子ゆっくりたちも異議はないようだった。
ゆっくりれいむはそれを見て、皆が遠くへ行ってしまったことを理解した。
もう自分はここにいてはいけないのだ、とゆっくりらしくもなく悟ってしまった。

「み゛ん゛な゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」

涙混じりの声に振り向く家族たち。ゆっくりれいむは目から大量の涙を流している。

「れ゛い゛む゛のぜいで、ゆっぐりできなぐなっでごべんなざいぃぃ!!」
 だがら゛ぁ!
 ごれがらも……れ゛い゛む゛のぶんま ゛で、ゆ゛っぐり゛じでい゛っでね゛!!!」

「れいむ……」

「でも、でも……!
 み゛ん゛あ゛とい゛っじょに、ゆっぐり゛じだがっだよ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛!!」

「「「おかーさん……!」」」

心の底からの叫びがゆっくりたちにも届く。
ゆっくりまりさはゆっくりれいむと過ごしてきた日々を思い出す。
優しかったれいむ、自分が危なかったときに我が身も省みず助けてくれたれいむ。
餡子脳故に多くの場面は回想できなかったが、それでもゆっくりまりさは思い直す。
たとえゆっくりできなくなっても、れいむはれいむなのだと。
しかし、ゆっくりまりさたちは肝心なことを忘れていた。

「れいむぅ! いっしょにゆっくりしていっ『バン!』べ!?」

ゆっくりれいむに言葉をかけようとした所でゆっくりまりさは破裂した。
当然、近くに集まっていた子ゆっくりたちにも餡子が降りかかる。

「びぎゃがあ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」
「ぎゃばばばばば!!」
「ゆ゛っぐじ゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」

至近距離で熱い餡子を浴びた子ゆっくりたちは、叫びながら『パン』と破裂していった。
運が良いのか悪いのか、一匹だけが半死半生の状態で生き残っている。
しかし、その命の灯火もすぐに消え去った。

「おがあ゛ざん、あづいよぉ……だずげ『パン』じぇ!?」

ゆっくりれいむに助けを求めた子ゆっくりが、その目の前で破裂した。
自分の目の前で、しかも家族が破裂してしまったのを呆然と見ているゆっくりれいむ。
ドクターはその様子を見ながら、特に興味を持つでもなく、補足説明を行う。

「言い忘れてましたけど、運動による過熱と急激な振動によって、ゆっくりニトロの症状は進行しますので。
 先ほどみたいなことをすると、簡単に破裂しますよー?」

何も言わずにゆっくりれいむはドクターを見る。その顔から説明を理解できていないと判断。

「えぇと、ゆっくりニトロに感染したゆっくりは、身体が熱くなっていきます。
 その熱さが限度を越えた時、破裂してしまうんですねぇ。
 または、身体の中の餡子がとても揺れた時などの場合でも破裂します。
 先ほどの状況ではアナタを攻撃するために身体を動かした結果、身体の餡子が熱くなりすぎた、ということかも?」

淡々と語りながら、持っているメモに書いていく。これはこれで、貴重な実験資料である。
当然のごとく、ゆっくりれいむは話の内容を欠片も理解していない。
ドクターはそれを分かっているが、自分の考えをまとめるために口に出しているだけだ。

「……しかし、実際に見ての感想ですが、ニトロだとゆっくりがロクに苦痛を感じる暇もなく、死んでしまいますねぇ。
 虐待には向かない、かも? 一斉駆除とかには向いてるとは思いますが」

自分の意見を口に出しながら、メモに書いていく。
楽しむでもなく、悲しむでもないドクターの様子を見て、ゆっくりれいむは重い口を開いた。

「どうじで……」

ゆっくりれいむは、もうわけがわからなかった。
何故、どうして、何で、と疑問だけが頭の中を巡っている。
人間は確かに恐ろしい存在だ。頭が良いし、力も強い。そのぐらいのことは分かっている。
だから、この群れの皆は人間となるべく関わろうとせずにゆっくりだけでゆっくりしてきた。
人間に迷惑なんてかけてない。なのに、なんでこんな酷いことをされなければいけないのか。
ゆっくりれいむはそれを明確な言葉には出来ない。だから、それらの思いを一気に吐き出した。

「どう゛じで、ごん゛な゛ごどずるの゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!??」

その思いを過不足無く聞き遂げたドクターは「あは♪」と笑って、返答する。
聞かれた質問に答えられねば、ドクターの名に恥じる。

「ゆっくりニトロを作ってみたかったから、ですよ。それを試せるのなら、他のものなんて興味ないんですよ。
 ワタシにはアナタたちを虐める趣味はありません。
 何故なら、『どうでもいい』から。一匹の個体や群れが、死のうが生きようがどっちでもいいんです。
 ワタシはワタシの作ったモノを試してみたいだけ。そして、アナタたちは実験台というわけです。
 正直言って、ゆっくりならどれでも良かったので、適当にアナタにしました。都合が良かったし。
 唯一の後悔はニトロの感染具合と発症が思ったよりも早かったことですねぇ。
 おかげで、感染したゆっくりをあんまり確保出来なかったのが残念です。
 おや、どうしましたぁ?」

畳み掛けるように言葉を羅列していくドクター。勿論、ゆっくりれいむが返答出来ないことはお見通しである。
一度に沢山の言葉を浴びせられて返答できるほど、餡子脳の性能は良くない。
ゆっくりれいむは何かを言おうとしているが、口も頭も回らずに「ゆぐぐ……」と唸っている。

「じゃ、行きましょうか」

「ゆ゛ぎ?」

どこへ、と視線で問いかけるゆっくりれいむ。にっこりと笑顔で応えるドクター。

「勿論、ワタシの研究室ですよ。アナタは大切な大切な『実験台』なんですから。
 逃がしませんよ離しませんよ。他のニトロ感染個体は皆、破裂しちゃいましたからね。
 残ったのはアナタだけ、です。
 アナタにはニトロの抑制剤を服用させてあるので、簡単には破裂しません」

簡単には破裂しない、という言葉で自分が死ねないことを悟るゆっくりれいむ。
恐怖よりも絶望が襲う。

「い゛、い゛や゛ぁぁぁぁ!? れ゛い゛む゛もごろじでぇぇ!! ま゛り゛じゃとあ゛がぢゃん゛のどごろ゛にい゛ぐぅぅぅぅ!!」

「ダメですねぇ。さ、ずっと『ゆっくり』させてあげますよ? ワタシなりのやり方で」

淡々と語りかけていく。その目に浮かぶには間違いなく狂気の光。
どこかが狂ってしまっているモノの眼である。
そして、ゆっくりれいむを抱き上げて歩いていく。

「気をつけたほうがいいですよ? 人間は場合によっては妖怪よりも怖いんですから。
 特にアナタたちみたいに、どんな風に生きているのか分からない生き物には興味を示します。
 どうなっているのかバラバラにして、中まで調べるし、平気で殺したりもします。
 ワタシも頼まれて、何匹もバラバラにしたことがありますよ? 最後までそのゆっくりは泣き叫んでましたっけ。
 だして、いたい、やめて、おうちにかえる、ゆっくりしたい、とか色々と叫んでましたよ。
 こんな酷いことも平気でするのが人間。だから、人間なんて信用しちゃダメ、ですよ?
 特にワタシみたいな」

ドクターは耳障りな笑い声をあげながら、山を降りていく。
ゆっくりれいむは、じたばたと暴れて逃れようとするが脱出することは適わない。
最早、このゆっくりれいむは二度とゆっくりできないだろう。
後に残ったのは、無残に餡子が飛び散った『ゆっくりプレイス』だけだった。








後書き

AAでゆっくりゃの頭が破裂してるのを見て、何となく思いついたネタ。
東方キャラを出そうとしたけど、やけに書きづらかったんでオリジナルのキャラを出してしまった。
ニトロなんちゃらに関しては、知識があるわけでもないので化学的にはスルーしてください。

無駄にドクター(仮)のデータでも書いてみる。
加工場とは別にゆっくりの研究などをしている人。
どちらかというと、人間よりも妖怪、特に河童や天狗に近い立ち位置。
基本的には腰が低くて、変な口調。文中に「-(伸ばす棒)」や「ねぇ」などの言葉を多用する。
というか舌足らずっぽい。でも、なんとなく小悪魔っぽくなってしまった気もする。
幼児体型。


ゆっくりニトロの解説

ゆっくりに服用させることで、ゆっくりの中の餡子が熱を持って、終いには破裂させる。
感染力が異常に高いが、当然ゆっくり以外には感染しない。
感染方法は接触・交尾・体液交換(唾液)などによる。
餡子全てにニトロが感染しきると破裂する。餡子を侵食するウィルス的存在か。
2~4日で発症。


第一段階 最初にニトロに感染した個体から、群れのゆっくりに接触感染していく
第二段階 中の餡子が熱を持ち、ゆっくりたちが自覚出来るほどに熱さによって動きが鈍くなる。
第三段階 子供などの身体の大きくないゆっくりにニトロが行き渡っていく。熱さで動けなくなる。
第四段階 ニトロが全身行き渡った瞬間にゆっくりは破裂する。
     その際、餡子の温度が一気に上昇し、表面の皮や髪、飾りを燃やし尽くして、周囲に餡子が飛び散る。
     破裂する時、瞬間的にだがゆっくりへ絶大な痛みをもたらす。
     ただし、その一秒後には痛みを感じる身体そのものがなくなっている。

注意事項 破裂した餡子は外気に触れると急速に冷えていくので、火災の心配などはない。
     しかし、至近距離で破裂した餡子を浴びると、まだ熱を持っている状態なのでとても熱い。
     ニトロに感染した個体が激しく動き回ったりすると、運動で発生した熱と振動で、ニトロが全身に行き渡る。
     ゆっくりしていれば、少しは症状を遅らせることはできる。

現状では試作品なので飴のような形にしてある。
一応はドクターが抑制剤と解毒薬を持っている。

これらのネタを使いたい人は好きに使ってね!

書いた人 ゆっくりまんじゅうの人





ここから先はちょっとしたおまけ












「ゆー……ゆっきゅりしていってね……?」

一匹の子ゆっくりれいむが目を覚ます。連れて行かれたゆっくりれいむの子供である。
さっきまで外がうるさかった。眠っていても『ばん』という変な音で何度か目を覚ますこともあった。
結局、親ゆっくりれいむもいない状態が寂しくて怖かったので、そのまま眠ってしまっていたのだ。
それが今ではすっかり静かになっていることが不思議でしょうがなかった。
相変わらず、身体が熱くてゆっくりできない感じではあったが、流石に不安になってきた。

「みんなー、どこー?」

家から這いずり出て探してみるも、誰の姿も見当たらない。
何か黒いものが周囲に飛び散っているだけで、どんな声も聞こえはしない。
その黒いものがゆっくりの大事な中身であることは、このゆっくりは親からまだ教えられていない。
だから、特に恐怖も感じずに餡子の中を這って行く。

「ゆっきゅりしていこうよぅ……」

餡子に対する恐怖はなくとも、家族や仲間がいないことに対する恐怖はあった。
びくびくと怯えながら、周囲を見渡す。
しかし、誰もいない上に、ゆっくりの声すら聞こえてこない。

「ゆっきゅりー……」

寂しさと恐ろしさで泣きそうになるゆっくりれいむ。
その時であった。

「ゆっくりしていってね!」
「! ゆ、ゆっきゅりしていってにぇ!」

ゆっくりれいむは突然、声をかけられたことに驚き、口が回っていないまま返事をする。
そこにいたのはゆっくりまりさ。しかも、何匹もいる集団である。
どうやら、ゆっくりプレイスを求めて放浪していた群れのようだ。

「ゆっ! ここはゆっくりできるところ?」
「ゆっきゅりできるよ! でも、でも、おかーさんが……」
「ゆゆ!? どーしたの!?」

何があったのか、ゆっくりまりさは子れいむに問いかけた。
思わぬ所で同族と会えた子れいむは家族や仲間たちがいなくなったことを話す。
涙混じりに語る子れいむの姿に、ゆっくりまりさは深く同情するのであった。

「ゆっ! まりさ、ここはだれもいない……あかちゃんだー!」
「ゆみゅ!」

一匹のゆっくりれいむがゆっくりまりさへと報告に来るが、子れいむの姿を見て身体を擦り付ける。
勿論、発情したわけではなく、親愛の証としてである。

「れいむ、このこのおかあさんがいなくなっちゃったんだよ! みんなでゆっくりさがしてきてね!」
「ゆっくりりかいしたよ! みんなー!」

統率が取れている群れらしく、れいむの呼びかけに何匹ものゆっくりが集まってくる。
中には勢い良く向かってきたゆっくりがゆっくりれいむにぶつかったりもした。
幸い大事にも至らず、他のゆっくりがぶつかったところを舐めたりして慰める。
それらのゆっくりは簡単に事情を説明されると、すぐに各々の判断で周囲に散っていった。

「れいむもいってくるよ! あかちゃんはゆっくりまっててね!」
「ゆっきゅりありがとう!」

ゆっくりれいむはこの場所に来る途中にあった、他のゆっくりの群れへ探しにいった。
子れいむはその姿にとても感動した。
会って間もない自分のために、皆が頑張ってくれているのだ。
そのことが嬉しくてたまらなくて、自分もあんな風になりたいと思うのであった。

「だいじょうぶだよ! みんなでさがせば、きっとみつかるよ!」
「そうだね! ゆっきゅりまとーね!」

残った二匹は身体を寄せ合って、暖かな日差しの中でゆっくり待つ。
その姿はまるで親子のようだった。



「「ゆっくりしていってね!」」







パン、という破裂音がゆっくりプレイスに響き渡った。






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最終更新:2022年05月03日 15:06