ちょっとした実験・前編
とある日の、昼。
3人の虐待お兄さんがゆっくりれいむを囲んで座っている。
れいむは威嚇するように頬を膨らませてお兄さんたちを睨んでいるが、
喋ることはしない。口の中に子どもを入れて守っているからだ。
「で、今日俺らを集めた理由は何だ、A」
「ああ、それはね・・・」
A、と呼ばれたお兄さんが針をれいむの体に刺す。
「・・・――――っッ!!!」
れいむは目をくわっと見開くが、声は上げない。
「ちょっと試したいことがあってさ。実験に付き合ってくれない?」
「実験?」
今度はお兄さんBがれいむに針を刺す。
「っ!!っっ!!!!」
体がビクンビクンと跳ね、目には涙が浮かび上がる。
「これはただの暇つぶしだけどね。はい、C」
「ん」
お兄さんCが針を受け取り、れいむの眉間に針を刺しこむ。
「〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」
ぼろりとれいむの眦から大粒の涙が零れた。
このゆっくりれいむについて語ることは特にない。
数十分前に伴侶のまりさと数匹の子どもと共に人間の住処に侵入し、
食糧を探して家の中を荒らしまわっているところを、友人を連れて帰ってきたお兄さんAに見つかった。
親まりさはお家宣言する前にお兄さんAに問答無用に踏み潰され、逃げようとした
赤まりさはお兄さんBに食い殺され、2匹の子れいむはお兄さんCに髪飾りを奪われ、
外に放り出された。
よくあるさわやかな虐待風景である。
親れいむは残り1匹となってしまった我が子(赤まりさ)を口の中へと避難させた。
お兄さんAが親まりさの残骸を踏みにじりながら、言った。
「せっかくだし、『ゆっくり危機一髪』でもしながら話そうか」
『ゆっくり危機一髪』。痛みに耐えられず子ゆっくりを吐き出すまで親れいむに針を刺し続けるという、シンプルなゲーム(?)だ。
そして今に至る。
親れいむには子どもを吐き出せば殺すし、逃げ出そうとしても殺す、と伝えてある。
「ほら、ゆっくりって想像だけで妊娠するだろ?」
ぷすり
「あぁ、そういや目隠ししてすっきりさせたら頭から茎が生えたって話聞いたことあるな」
ぷすり
「ただの水を『オレンジジュースだよ』って言ってかけてあげたら傷が治るらしいね」
ぷすり
「そうそう。つまり想像とか思い込みで体に変化が表れるんだわな」
ぷすり
「ときどき妊娠していないのに『思い込み』で体がでかくなるバカがいるらしいけどな」
ぷすり
「つまりAは、ゆっくりの思い込みを利用して何かしたいわけなんだね?」
ぷすり
「うん。それでちょっと2人に手伝ってほしいことがあるんだ」
ぷすり。ぷすり。ぷす、ぷす、ぷす。
「それじゃあ、できれば今日中には用意しておくよ。見つかればいいんだけど・・・」
「ああ、よろしくC」
「なぁ、その実験、聞いた限りじゃ俺がいる必要ないんじゃね?」
「いや、場合によってはBにいてもらわなくちゃ困るんだ。それじゃ、また明日」
「おう」
「うん」
お兄さんBとお兄さんCを見送り、お兄さんAは家の中に戻る。
散らかされた居間や台所を見て少し苛立ちを覚えるが、やられてしまったものは
仕方がないので、諦めて片付けることにする。・・・とその前に。
Aは居間の中央にいる親れいむを見た。
親れいむにはおよそ50本程の針が刺さっていた。
気味の悪いオブジェがぶるぶると震えているようにもみえる。
「おぉ、頑張ったなれいむ、もう終わったから針抜いてやるよ」
「ゆ・・・ぶ・・・」
お兄さんAが優しい手つきで針を抜いていく。
「よし、終わったぞ。子ども、口から出してやれよ」
「むぐ・・・ちびぢゃん、ゆっぐりででぎでねぇ・・・」
親れいむが口を開くと、衰弱しきった赤まりさがのそのそと出てきた。
「ゆ・・・ゆ・・・」
50もの針を突き立てて口内の赤まりさに傷一つ付いていないのは、
やはり虐待お兄さんたちのテクニックというべきか。
「おいれいむ、動くなよ。体中に穴が開いてるんだから、動いたら餡子が飛び出るぞ」
「ゆ・・・」
「今からお前の傷、治してやるからな。ちょっと待ってろよ」
Aは水を入れた桶を親れいむの横に置き、腰を降ろす。
手に水を付けてれいむの体を撫でると、簡単に傷穴が消えていった。
「よし、治ったぞ」
「ゆ・・・れいむの・・・れいむのちびちゃんは・・・?」
「ああ、ここにいるぞ」
Aの足元にぐったりして動かない子まりさがいた。数十分もの間口の中にいたため、
息苦しさやら唾液やらで相当弱っているようだ。
「ゆ・・・おにいさん、れいむのちびちゃんがくるしんでるよ!ゆっくりはやくたすけてね!」
どうやらもう回復したらしい。妻子を殺した人間に、「子を助けろ」とはさすがゆっくり。
「ああ、いいよ」
Aは赤まりさを、左手の平に置き、
「ぶぢゅえ!!!」
そのまま右手で押し潰した。親れいむの目の前で。
「ゆ・・・ゆぎゃああああああ!!!!れいむのあがぢゃんがあああああああ!!!!!」
泣き叫ぶ親れいむを蹴り飛ばし、窓に壁に当たって跳ね返ってきたれいむの頭を
思い切り踏みつける。上から圧迫され、上手く喋れないようだ。
「ぶぎゅうううう!どぼ、どぼぢでごんだごどぼおをを!!!!!!!!」」
「うーん。一応生かしておくかな。明日Bに処理してもらおう。Bのほうが虐待上手いしな。
よかったなーれいむー。お前明日狂って死ぬかもなー」
Aはれいむを透明な箱に閉じ込め、家の片づけを始めた。
{あとがき}
処女作です。初投稿です。
話を短くまとめるのってすごく・・・難しいです・・・。
最終更新:2022年05月21日 23:05