「フハハハ!! 南斗鷹爪破斬!!」
ユダは十指全てを使い、四方八方へ奥義を放った。空気を切り裂き、ユダの指から飛び出す真空波は何かに触れ、たちまち周囲に爆発を引き起こす。何故爆発するのか、また何が爆発しているのか、ユダにその理由も種も分からない。しかし、ユダが誇るは、南斗紅鶴拳。そこに何かが存在するとなれば、破壊など容易い。
「南斗爆殺拳、恐るるに足らず!!」
咆哮と共にユダは鴉に向かって駆け出した。本当の美。それを自らの拳法で知らしめてやらん。その意気込みに応えるように、ユダの腕は力で漲った。しかし、足元で突如起きた爆発。ユダの疾走は、鴉へと届かずに終わった。
「マッディボム」
地面に膝をついたユダの耳に、鴉の声が聞こえた。ユダの右足の血肉は飛び散り、骨が露となっている。足が動かない以上、最早それは食われるのを待つ、単なる骸にも等しい。だけど、そこにいるのは、南斗紅鶴拳正当伝承者ユダである。血の花を咲かせたとしても、己の拳法に、また己の美しさに、何ら翳りは見せることはない。
「愚か者が!! この程度でおれが止まると思っ……ッ!!」
「……動かないでください、ユダさん!! 囲まれています!!」
ユダの怒声を遮るように、なのはの叫び声が辺りに響いた。ユダの周囲には何も見えないし、何の気配も感じない。しかし、入念に耳を傾けてみれば、何かの存在を知らせるように空気の揺れ動く音が確かに聞こえた。しかも、それは今にもユダの肌にくっついてしまいそうなほどの距離で、多数がざわめいているのだ。これが先ほどのような爆発を引き起こすなら、死んでしまう。その考えを頭にちらつかせたユダは、たちまち総毛立った。
「……ほう、見えているのか? それほど力があるように見えないが」
ユダの苦々しい顔から目を背けて、鴉は幼いながらも凛とした顔を際立たせる
高町なのはに目を向けた。彼女の小さな手には、いつの間にかピンク色の杖が収まっている。その先端にある赤い宝玉と共に向けられる鋭い視線は、血が彩られる戦場にあって尚、淀みない。まるで宝石のようだ。そこにある確かな輝きは、鴉の心を虜(とりこ)にした。
「高町なのは……やはりお前は美しい」
鴉は屈辱に顔を歪めるユダを置き去りにして、なのはの方へ歩み寄っていった。鴉からは、甘い吐息と共に殺気が零れ出る。なのはの美貌に感極まるあまり、鴉はだらしなく殺意を露にしてしまったのだ。
途端に、周囲の温度が下がっていく。そういった如実たる変化は、まだ幼いなのはの恐怖心を掻き立てて止まない。しかし、なのはは震えだしそうになる身体を必死に押さえて、鴉を見据えた。
「どうして戦うんですか? こんなことをしたって意味はありません! 胸にある呪いだって、みんなで頑張れば、きっと何とかできるはずです! 何もしない内から何もかも諦めて、バーンって人の言いなりになるなんて、絶対間違っています!!」
「フフッ……」
なのはが見せる気丈さに、鴉はより笑みを濃くして迫っていった。美しいもの殺すことに快感を得る。鴉のそういった性分など、誰も理解できないだろう。そもそも鴉自身、他人にそういったことへの理解など求めていないし、また人を殺すことへの躊躇いもない。だから、鴉はなのはの必死な叫びに応えることなく、彼女に襲い掛かった。
耳を劈(つんざ)くような爆発が生じ、濛々と煙がなのはを覆う。ユダを襲ったその威力を考えれば、なのはの小さな身体など、一発で致命傷だ。しかし、風によって煙が取り払われた後、鴉は思わず感嘆の息を漏らしてしまった。高町なのはは、その身にかすり傷一つ負わず、大地に立っていたのだ。
「ほう……それはバリアか? 面白いことが出来るな」
いつの間にか、ピンク色の膜が球体となって、なのはを守るように覆っていた。その力の質は鴉の知るものではない。そのこと自体に疑問はあるが、それ以上の感情が鴉の心を占有する。淡い燐光のようななのはの魔法は、その優美な輝き故に、より深く鴉を魅了したのだった。
「なのは……おまえは絶対にこの手で殺す! 首から上は傷つけない! おまえの顔は、この先ずっと私の手元に置いておこう!」
鴉は似つかわしくない程の大声で叫ぶと、手を振りかざし、攻撃を放った。その意図を察したなのはは、すぐさま魔法――アクセルフィンを発動。飛行魔法によって、その場を流れるように移動する。
『Homing bullet』
鴉の攻撃になのはが手に持つ杖――レイジングハートは、宝玉を煌かせながら、主へと助言する。
『Alert! It comes from right front』
「うん、分かったよ、レイジングハート! アクセル・シューター!」
『Accel Shooter』
「シューート!!」
宙を滑るかのように飛ぶなのはの足元に魔方陣が出現。その上に桜色に輝く小さな光の弾が現れると、すぐさま尾を引きながらなのはの右前方へ向かっていった。
『All were hit』
レイジングハートの声と同時に八つの爆発が生じた。なのはの魔法が鴉の攻撃の相殺に成功したのだ。しかし、なのはそれに喜ぶわけでもなく、寧ろ悲痛とも言える声で鴉に語りかけた。
「話をしてくれなくちゃ、分かりません! それとも私の言っていること、間違っていますか!?」
「やはり見えている……?」
なのはの訴えを無視して、鴉は再び手を振りかざした。
『Mastaer! It comes from left at a high speed!』
「……そう」
レイジングハートの警告に、なのは顔を俯かせながら、微動だにせず受け答えた。そしてすぐに訪れる死の爆発。しかし、それはなのはの横に現れた魔方陣によって、容易く防がれることとなった。
「その杖で攻撃を察知しているわけか」
なのはの一連の行動から、鴉はそう推測してみせた。そしてそれが真ならば、杖をどうにかすることで、勝機は掴める。鴉は勝ち筋を冷静に模索しながら、足を前に進めていった。が、その歩みはすぐに止められた。射抜かれてしまったのだ。目の前の少女が放つ、少女とは思えない苛烈な視線に。
「約束だよ!! 私が勝ったら、話をしてもらう!! 話を聞いてもらう!! いーい!!?」
顔を上げ、目を見開き、大地を力強く踏み締め、杖を再びこちらに向けるなのは。ここに至って、鴉は目の前の少女が、宝石などという脆弱で、弱弱しい光を放つものでないことを知った。何ら翳ることのない燦然たる輝き。これは夜すらも明るく照らす太陽だ。鴉はそのあまりの眩しさに胸を弾ませ、今までにないほど恍惚とした表情でなのはを迎え入れた。
「う……美しい」
戦場の片隅にいるユダの口から、溜息と共に賞賛の声が漏れだした。なのはのもたらした光が、ユダの心の奥深くまでに届いたのだ。しかし、その陶然とした気持ちは、すぐに怒りへと塗り替えられた。
「ふ……不覚な!! たとえ一瞬とはいえ、おれは高町なのはの動きに魂を奪われた!!
ぐくく!! おのれ、なのは!! ……この屈辱は決して忘れぬ!! おまえには、この手でもっとも醜く哀れな死をくれてやる!!」
ユダは奥義によって、目に見えぬ周りの爆弾を取り払うと、殺意のこもった目で高町なのはを睨みつけた。
【一日目 早朝】
【現在地 B-7 展望タワー前】
【ユダ@北斗の拳】
【状態】顔に爆傷、右足に爆傷、怒りMAX
【装備】なし
【道具】武器支給品、ランダム支給品、支給品一式
【思考】
基本 美しいものは全て手に入れる
1. 鴉を殺す !
2. なのはを殺す!
3. この島はおれのものだ!
4. 美しいものを探す
【高町なのは@魔法少女リリカルなのは A's】
【状態】健康、魔力消費(極少)
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは A's
【道具】ランダム支給品、支給品一式
【思考】
基本 殺し合いの打破
1. 戦闘を止める
2. 協力してくれる人を探す
3. フェイトとはやてと合流
【鴉@幽遊白書】
【状態】右目失明(回復中)、上半身に打撲(回復中)
【装備】なし
【道具】武器支給品、ランダム支給品、支給品一式
【思考】
基本 美しいものを殺す
1. なのはを殺す、ユダを……
2. 蔵馬を探す
3. 美しいものを探す
【備考】
※
ジャギを
ケンシロウだと思っています
最終更新:2013年05月23日 23:08