「美しい」
その言葉は二人の男によって唱和された。その内の一人であるユダは、ほくそ笑んだ。相手は黒絹を梳かしたような美髪とそれと調和したかのような輝きを放つ白磁の肌を持つ青年。それも顔立ちは人形のように整った極上の美しさだ。そんな男が自分の美を認めたこと、またその男が自分のモノになるということにユダは至上の喜びを感じた。だけど、それもすぐさま決定的な形でヒビを入れられることとなった。相対していた鴉はユダを素通りして、後ろにいた
高町なのはに声をかけたのだ。
「美しい」 鴉はそう言って、なのはの髪を撫で上げた。 「だが、少し髪が痛んでいるぞ。ちゃんとトリートメントはしているか? 人間は傷つきやすいからな」
「ふぇ、えと、たまに……です」
「おまえッ……!!」
なのはの答えをよそにユダは歯軋りした。鴉が自分を無視して、なのはの相手をしているのだ。美しさを求めるのなら、自分を求めなければならない。それは絶対不変の宇宙の真理。それを違えるのは木の枝から落ちたリンゴが空へ上るように、この世にあってはならないことなのだ。それをこうも平然とやってのけられては、ユダの寛容が発揮されるわけがない。ユダは激情のままに鴉の背中に向かって、研ぎ澄まされた手刀を放った。黒い髪の毛が数本、地面にゆっくりと落ちていく。必殺を期したユダの攻撃は、音もなくかわされてしまったのだ。
「醜いものに興味はない。さっさとどこへにでも行け」
ユダの背後から、鴉の色のない淡白な声が響いた。途端にユダの血管が音を立てて切れる。美の集約であるユダ。その偶像の否定は、まさに神に弓を引かんとするもの。美の敬虔な信徒であるユダは、怒りに更なる怒りを重ねて、振り向き様に南斗紅鶴拳の斬撃を放った。南斗六聖拳のひとつ南斗紅鶴拳。神速を尊ぶその拳は、あまりの速さにより真空破を放つ。有象無象など、攻撃されたことすら気がつかないほどのスピードだ。しかし、その一瞬後に残された結果は、またもや幾本かの鴉の黒い髪を地面に落とすだけであった。
「やはりおまえは美しい。名前は何という?」
再びユダの背後から鴉の声が聞こえてきた。
「た、高町なのはです」
「高町なのは、か。なるほど、なのははおれのコレクションに相応しい価値がある」
鴉はそう言って、愛おしそうになのはの頬を撫でた。鴉が誰でも見て分かる美丈夫だからだろうか、なのはの顔もそれに伴って、ほんの少しだけ上気する。ブチリッ、と再び血管が切れる音が聞こえた。最高の美の輝きを無視して、滔々と他を賛美する。自らが世界に誇る美貌をとことん虚仮にしてくれた鴉に、とうとうユダの怒りは限界を迎えた。
「クズがッ!! おれより美しいものがあるかあぁ!!」
繰り出されたのは、南斗鷹爪破斬。奥義であるそれは、南斗紅鶴拳の要たる拳速を更に追求したもの。この技を前にして、かわせる道理など、どこにもない。そしてユダの五指は空気を切り裂き、猛然と鴉に押し迫った。しかし、あろうことか、その奥義の発動によって血を流したのは鴉ではなく、当のユダであった。
「あ……ああ!! あああ…………うあああ~~!! お……おれの顔に傷がぁ~!! こっ……この美しい顔に傷がぁ~~~!!」
ユダは顔面に大きな爆傷を負い、血を垂れ流した。目の前で突然と起きた爆発。それがユダの技を中途で止めさせ、傷を負わしたのだ。 その攻撃方法は、ユダには皆目見当がつかなかったが、誰が攻撃したかというのは、すぐに理解できた。下手人は本当の美を寸毫も理解できない黒髪の愚か者である。ユダは怪我を心配して近寄るなのはを力任せに振りほどき、鴉に向かって吼えた。
「おおおお、許さん!! 誰よりも美しく輝くおれの顔を傷つけることなど、神でも許さん!! おまえにそのことを思い知らせてやる!!」
【一日目 黎明】
【現在地 B-7 展望タワー前】
【ユダ@北斗の拳】
【状態】顔に爆傷、怒りMAX
【装備】なし
【道具】武器支給品、ランダム支給品、支給品一式
【思考】
基本 美しいものは全て手に入れる
1. 鴉を殺す
2. なのははおれの女だ!
3. この島はおれのものだ!
4. 美しいものを探す
【高町なのは@魔法少女リリカルなのは A's】
【状態】健康
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは A's
【道具】ランダム支給品、支給品一式
【思考】
基本 殺し合いの打破
1. 戦闘を止める
2. 協力してくれる人を探す
3. フェイトとはやてと合流
【鴉@幽遊白書】
【状態】右目失明(回復中)、上半身に打撲(回復中)
【装備】なし
【道具】武器支給品、ランダム支給品、支給品一式
【思考】
基本 美しいものを殺す
1. なのはを殺す、ユダを……
2. 蔵馬を探す
3. 美しいものを探す
【備考】
※
ジャギを
ケンシロウだと思っています
最終更新:2012年06月13日 22:49