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エンヤバランの死体を見つけると、愛情たっぷりにそれを撫で上げた。


DIO様ほどではないにしろ、ヒヒ……中々いい男じゃないか。
私がもう十年若ければ、生娘のようにはしゃいだんじゃが…………まあ、いいいさ。さあ、立ちな!!」


バランの死体から煙が立ち上り、程なくして彼は自らの足で地面に立った。
傷ついた身体ではあるが、一目で屈強と分かる肉体。バランのそれを仔細に検分しながら、エンヤは僅かに頷いた。
ミッドバレイを痛めつけようとした時に訪れた大破壊。大地そのものを根こそぎ奪っていった強大なエネルギーの固まり。
その発射場所にいた男――バランなら、何となくそれが可能のように思えたのだ。


勿論、それは確かではないし、こうして死体を目の当たりにしても、何の慰めにはならない。
寧ろ圧倒的な破壊を起こした輩が死んだとたら、それを倒すことの出来た化け物の存在の可能性を示すことにすらなる。
不安や心配は増すばかりである。だが、こうして強さおいて説得力を持つ人物に出会えたことは幸運と言えるかもしれない。
何故なら不確かな存在では緩みがちになる警戒が、それによってピンと糸を張ったように引き締まるからだ。


エンヤは周囲に入念に目を配りながら、ミッドバレイ、フェイト、バランの三人を引き連れて
深い霧の中をのそり、のそりと歩いていった。



      ――

   ――――

     ――――――――



DIO様!!
そんな尊ぶべき名が、周辺に気を配っていたエンヤの耳に届いてきた。
主の名前を叫ぶ者が、自らのスタンドである霧の中に入ったことを悟ると、
エンヤは早速幻覚を作り出し、その人物の足がこちらに向くように仕向けた。


「おお!? しみったれたバアさん……確かDIO様の部下だっけか? DIO様が呼んでいたぜ。街に来いってさ」


エンヤの前に現れ、浦飯幽助と名乗った男のからは、やはり渇望していた主の名前が聞くことができた。
そしてそれだけにあらず、かの主は自らを必要としているとのこと。
その事実に行き当たると、エンヤは感極まり、涙を滂沱の如く垂れ流した。


「おおおおおおおぉぉぉぉぉ!! DIO様!! 何と勿体無いお言葉!! おおおおおぃ!!! おおいおいおい!!!」


涙を振りまき、髪を左右に乱しながら、エンヤは身体全体を使って喜びを露にしていく。
その異様な姿に浦飯の足が後ろに引いたのを横目で確認しながらも尚、エンヤを歓声を上げるのをやめない。
それほどに主からの言葉が、嬉しかったのだ。


「あ~、ちゃんと伝えたぜ、バアさん……それじゃあな!!」


狂態を見せるエンヤに恐る恐る声を掛けると、浦飯はこの場を去るべく、すぐさまに足に力を入れた。
見ているだけで、怖気が走る。彼が知る老女とは別種の恐さを届ける彼女から逃げるのに迷いはない。
しかし、そんな浦飯の背中にピシャリとエンヤの冷たい声が投げかけられる。


「待ちな、小僧!」

「あ~ん? 何だよ、バアさん?」


心底嫌悪を覚えた浦飯だが、DIOの部下であるエンヤの言葉を無視するわけにもいかず
彼はゆっくりと面倒臭そうにエンヤに振り返った。 


「幽助……おまえの出身はどこだい? 今は西暦何年だい?」

「ああ? 何でそんなこと……」

「……いいから答えな!! このボケぁ!! これはDIO様のためにも必要なことなんだよおおお!!!」

「DIO様の?」


その言葉を聞いた途端、浦飯は心が満たされていくのを感じた。
これから自らの主に益することが出来る。そう思うだけで、浦飯に喧嘩をする以上の至福をもたらしてくれたのだ。
浦飯は今まで見せたことのない笑顔を作り、エンヤに答えを述べていく。


「出身は日本だよ。西暦は~……良く分かんねえや。すまねえな、バアさん」

「大体で構わないよ」

「あ~~、1992年か93年だったか? 90年代っつうのは覚えてんだけどな、その先はいまいちっつううか……」

「確認しとくが、おまえの住んでいた星は地球じゃな?」

「あん? バアさん、ボケちまったか? 他にあんのかよ?」

「……数年の違いじゃが、やはり参加者の時間軸がずれておる。となると、彼奴めの能力はDIO様と同じ時間への干渉?
…………いや、それでは地球とは違う星にいるというミッドバレイへの説明がつかない…………。
違う場所、違う時間……………まさか……時間と空間を含めた次元への…………? バカな! ありえんッ!!
幾らスタンドといえど、そこまで出来るわけが……!! いや、もしそれが可能となれば、それは王すらも超えるッ…………!!!」


あまりにスケールの大きさに恐れおののき、エンヤの顔からは冷たい汗が滝のように零れ落ちる。
もしエンヤが危惧したことが事実ならば、それは自らを奉じる主すらも凌駕する絶対的な存在を示すこととなる。
そんな輩にはたして反逆の牙を突き立てられるか。


「おい、バアさん、さっきから何言ってんだ?」


突如と響いた浦飯の声にエンヤは現実に引き戻された。


「何だい、まだいたのかい、小僧」

「んだよ、その言い草はよ」

「フン」

「じゃあ、今度こそおれは行くぜ!」

「……いや、待ちな、小僧!!」

「っと、何だよ、バアさん?」

「おまえさんは、このまま島中にDIO様の言葉を届けるつもりかい?」

「当たり前だろ! DIO様の命令なんだから!」

「それじゃあ、ついでだ。出会った参加者の出身地、今現在の西暦を聞いときな。
それと……一番最初にバーンとやらに刃向かっていたガキ共を覚えているかい?」

「あ~ん……確かさっき空に映像が映っていた奴だろう? 飛影を倒した奴だからな、バッチリ覚えているぜ!!」

「それと緑の変な服を着たガキさ。そいつらをちゃんと生かして私の所に、DIO様の所にお連れするんじゃ!! いいな!!?」

「別にかまわねえけれど、何でそんな面倒くさいことをすんだよ?」

「それくらい自分で考えな」

「んだよ! ケチくせーな!」

「フン……あとは、そうだね。おまえの仲間のことも聞かせてもらおうか。名簿に載っていた飛影という名前を気軽に呼ぶんだ。
この場には、おまえの知り合いがいるんだろう?」

「まあな! あいつらにも早くDIO様に会わせてやりてえぜ!」


そう言うと、浦飯は喜色満面に己の仲間、そして敵のことをエンヤに語っていった。



      ――

   ――――

     ――――――――



浦飯が拡声器を手に走り去っていくのを見届けると、エンヤは思考の渦に身を沈めた。


(バーンの能力は次元を操る……そう考えるのは早計じゃな。そんなことをするよりも、私らの記憶を操る方が、遥かに容易い。
どちらにしろ、バーンめの能力を探るには他の参加者の情報、それにダイ、ポップとかいったガキ共の話を聞いてからじゃ。
それまでにこの私がすべきことはDIO様への合流、ジョースターの抹殺、そして禁呪の謎を解くことと言ったところか。
幽助が走ってきた方向を考えれば、DIO様がお待ちしているのは、D-3の市街地のことじゃろう。
ここからは距離があるにしろ、そこまで行くことには、何ら問題はない。
問題があるとすれば…………それはこのまま何の手土産もなしに、DIO様の元に訪れていいかということじゃ。
ただDIO様への元に赴く。そんなことは誰だって出来るし、それ故にそれをするだけでは単なる有象無象と同じでしかない。
仮にもあの御方の御側で仕えさせてもらっている身のこの私が、そのような評価を得るわけにはいかないッッ!!!
そこらの配下と同程度の存在と思われては、我慢がならん! 無能とあの御方に蔑まされるのは、とても許せるものではない!
何が何でもDIO様を喜ばせるものを、お持ちしなければ、この私の沽券にも関わる……ッ!
…………ジョースターの首を獲れば一番なのじゃろうが、肝心のジョースターがどこにいるかなど、見当もつかん!
……となると……現状では、これが精一杯かのう……口惜しいが)


エンヤは地図を広げ、現在地と放送された禁止エリアを見比べた。
そしてそれを確認すると、後ろにいたミッドバレイに向かって、事も無げに言い放った。


「ミッドバレイ、おまえには禁止エリアに入ってもらうよ」



【一日目 朝】
【現在地 D-6】
ミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク@トライガン・マキシマム】
【状態】全身穴だらけ、ナイブズへの恐怖、エンヤへの恐怖、生への絶望、正気がヤバイ
【装備】ミッドバレイのサックス@トライガン・マキシマム
【道具】ランダム支給品、支給品一式
【思考】
 基本 死にたい
 1. 死にたい


【エンヤ@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】健康、憎しみと怒りで心が一杯
【装備】木の棒(現地調達)
【道具】なし
【思考】
 基本 DIO様に組するもの以外は皆殺し
 1. ミッドバレイを禁止エリアに突っ込ませて、禁呪発動の仕組みを探る
 2. DIO様の元へ向かう
 3. ポルナレフは絶対に殺す
 4. ジョースターの家系も根絶やしにする
【備考】
※正義(ジャスティス)でフェイトとバランの死体を操っています
※正義(ジャスティス)でミッドバレイを操っています
※参加者間による世界観、時間軸のズレはバーンの能力によるものだと思っています
※ミッドバレイ、浦飯幽助の仲間と敵の情報を得ました


フェイト・T・ハラオウン(死体)@魔法少女リリカルなのは A's】
【状態】死体、穴だらけ
【装備】ハサミ@ジョジョの奇妙な冒険
【道具】ランダム支給品×2、支給品一式×2


【バラン(死体)@DRAGON QUEST-ダイの大冒険】
【状態】死体、穴だらけ
【装備】なし
【道具】なし


【浦飯幽助@幽遊白書】
【状態】健康 、肉の芽による洗脳
【装備】拡声器@オリジナル
【道具】武器支給品、支給品一式
【思考】
 基本 バーンをぶっ倒す、DIOに忠誠を示す
 1. 皆をDIOの所へ呼び込む
 1. 仲間と合流
 2. 戸愚呂と対決
【備考】
※名簿は引き千切られて捨てられました
※リヴィオの仲間と敵の情報を得ました
※ジョースター一行とDIOの部下の情報を得ました
※肉の芽はDIOへの忠誠を高めるだけのものです



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052:In too Deep エンヤ :[[]]
052:In too Deep ミッドバレイ :[[]]
082:Stop and Stare 浦飯幽助 084:Something about You




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最終更新:2014年05月03日 00:36