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竜の騎士とは、人間、魔族、竜の三人の神が世界の秩序を守るために生み出した究極の戦士だ。攻防一体の竜闘気を身に纏い、あらゆる魔法を使いこなし、数千年にわたって代々受け継がれてきた闘いの記憶は、あらゆる戦闘で優位を築く。



だからこそ、驚愕した。



それは単なる拳だった。闘気など微塵も込められていない愚直な一撃だった。だけど、それがあらゆる攻撃、魔法をはじく最強の鎧――竜闘気を貫いてダメージを与えてきたのだ。しかも、それをしてきたのはただの人間。ありえるはずがない。人間など弱く、儚き存在だ。それが何故身体能力のみここまで強くなれるのか。


「馬鹿なッ!?」


思わず吐いて出る驚きと疑問に答えるかのように、再び拳が見舞われた。音速を凌駕し、幾多の戦闘経験によって培われてきた竜の騎士の反応をも置き去りして、吹き荒れる疾風怒濤の連撃。暴風雨となって吹き荒む栄螺殻(さざいがら)は、神々が創りし最強の戦士を容易く血塗れにしていった。それは勝敗を知らせる鐘の音にも等しい有様だ。だけど、その狂気の攻撃はそれだけでは終わることはなかった。何故なら、相手は不敬にして不遜の大罪人。そこに一片の容赦すら含む理由などないのだから。


「ナイブズ様を殺す? 僕の前でよくもそんな汚らわしい言葉を並べてくれたものだ。それは許し難き蒙昧だよ。絶殺に等しい」


顔など見たくない。そうと言わんばかりにレガートは罪人の頭を、思い切り地面に叩きつけた。轟音と共に地面が陥没し、おびただしい流血が辺りを彩る。思わず目を背けたくなるような凄惨な光景だ。だが、レガートは僅かに力を緩めることなく、そこから更に驟雨の如く握り拳を敵に振り落としていった。


地面が揺れる。拳の一発ごとに地面が削らていっているのだ。その圧倒的な暴虐の力が、優に百を超える固まりとなって襲い掛かる。まさに絶望的な状況だった。決して逃れなれない終焉。それは運命の頸木となって、打ち込まれる。だけど、それを簡単に打ち払えるのが、ここにいた男――バランであったのだ。


「舐めるなああッ! 人間ッッ!!」


潜在する竜闘気を全て開放。その圧倒的な量の闘気は津波となってレガートに押し迫り、木っ端のように吹き飛ばしていった。その姿を確認すると、バランはようやく立ち上がり、息を吐いた。そこには最初に見せた相手を突き刺すかのような鋭い双眸と身を削るかのような鋭利な殺気はない。ただ相手と距離ができたことに安堵する男がいただけだ。竜の騎士が何とも情けない。バランは自らを省みて、そう自嘲した。だが、このまま恐怖に駆られてこの場から逃げ出すことなどできようはずもない。何故なら間違いなく目の前の敵は、息子であるダイの災いの種になるだろうから。


この殺し合いが始まった当初、バランは尋常ではない殺気を確認した。そしてその場所にに飛んできてみれば、一人の人間が佇んでいるだけ。早速殺気の出所を確認してみようと質問をぶつけてみれば、返ってきた答えは、その方をどうするのか、というもの。無論、バランの答えはただの一言、殺すだった。今ここにいる息子のためにも、邪魔となるものは全てを排除しなければならない。息子は優しい。人を殺すことは決してない。それを知っているだけに、バランはダイが躓き、倒れないように早急に殺し合いに乗った存在の殲滅を心がけたのだ。


だが、レガートの返答は実に痛烈なものだった。いきなり彼の拳が、自らを貫いたのだ。殺人への忌避と反旗か。そう思うのは余りに無理な、無慈悲な一撃だった。だからこそ、バランはレガートを放っておくことなどできない。この情け容赦ない暴力を振りまく輩は、間違いなくこの殺し合い打破、引いては大魔王バーン打倒における障害だ。そしてそんな者など、息子の道に決して必要ない。故にバランは目の前の人間を確実に殺すべく、本気を出すことを決めた。


「ギガブレイクで散れ」


バランは背中に背負いし剣を抜き、そこに雷を落とした。それはバランが誇る最強の一撃。オリハルコンで出来た真魔剛竜剣と大岩すらも容易く打ち砕く極大電撃呪文ギガデインの完全なる融合。剣に纏われた雷光は夜を明るく照らし、それでもなお飽き足らんと、空と大地を震わせ威嚇してくる。神々しい。だが、同時にそれは終末を予感させてくれる圧倒的な力の具現だった。そしてバランは死そものを肩に担ぎ、それをレガートに振るってきた。


「ああ、ナイブズ様……」


レガートは喜びにより、目を見開いた。身体を操るという自らの魔技が、敵の全身を覆う謎の光により寸毫も通じず、人間を遥かに超え、プラントとすら拮抗する自らの力をもってしても殺しきれなかった。それはもしかしたらナイブズと比肩するかもしれない力を持つほどの敵だ。しかも、敵は明確に自らの主に殺意を抱いている。だから、レガートは喜ぶ。これこそレガートが待ち望んでいた時だと。





ナイブズ様に仇名すこの敵を排除すれば、このどうしようもない化け物を殺せば、ナイブズ様、あなたは僕の忠誠をほんの少しでも認めてくれますか?





ひょっとしたらナイブズですら、手こずるかもしれない強敵。その難敵を排せば、その労をナイブズは理解して、忠誠心が届くかもしれない。その可能性は平素のナイブズを思い返してみれば、絶望的なものだ。だけど、そこには一縷の望みを託せるものがある。それならば、己の全力を出す価値が十二分にあるのだ。レガートはバランの攻撃を狂喜で以って迎え入れた。



【一日目 深夜】
【現在地 D-6】
【バラン@DRAGON QUEST-ダイの大冒険】
【状態】全身打撲、頭部に裂傷
【装備】真魔剛竜剣@DRAGON QUEST-ダイの大冒険
【道具】ランダム支給品、支給品一式
【思考】
 基本 ダイの障害となるものの排除
 1. レガートを殺す


レガート・ブルーサマーズ@トライガン・マキシマム】
【状態】全身麻痺
【装備】金属糸@トライガン・マキシマム
【道具】ランダム支給品、支給品一式
【思考】
 基本 ナイブズ様への忠誠心を示す
 1. バランを殺す
 2. ヴァッシュを苦しめる
 3. バーンを殺す
【備考】
※金属糸がなければ、身体を自由に動かせません



【支給品説明】
  • 真魔剛竜剣
神々が鍛えしオリハルコン製の片刃の剣で、正当なる竜の騎士に代々受け継がれてきた武器。再生能力を持ち、折れたとしても時を経て再生することができる。



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バラン 36:Lessons in Love
13:What the Hell レガート 36:Lessons in Love




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最終更新:2012年04月29日 07:47