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用語集/ジャンル/1 - (2023/03/05 (日) 10:15:15) の編集履歴(バックアップ)



用語集/ジャンル/あ~わ行

この項目では、プレイ形態やゲームシステム以外の、共通する特定の性質によるジャンル区分(キャラゲー、運ゲー等)について解説する。
形態、システム上のジャンル区分(アクション、シューティング等)は「システム」に掲載。

※注意事項は用語集を参照。



アダルトゲーム

成人向け(アダルト)のゲーム。と言っても「大人びた内容*1」と言うよりは「18歳未満(子供)にはプレイさせられない内容」のことである。
日本では「性的描写」を含むいわゆるエロゲーを指す事が一般的だが、海外では主に「ゴア描写(残虐表現)」のある「暴力的なゲーム」を指す事が多い。
実際、Epic Game Storeで「このゲームはアダルトコンテンツを含んでいます」と表示されるものの大半はゴア描写によるものだったりする*2
その為か日本のエロゲーや、その影響を受けた海外製ゲームは、英語圏でも「EROGE ("EROTIC GAME"ではなく"EROTELIKKU GE-MU"の略。要はEngrish*3)」等と呼んで区別するらしい*4

Unspeakable Games

C.V.やナレーションなどの音声が無いゲームのことではない。
Apple社の弁護団が「itch.ioでは "法廷では言葉にするのも憚られるゲーム" が配信されている」と発言した。
これを受け、itch.ioは同サイト内で「Sensitive Content」にカテゴライズされていたゲームを「Unspeakable Games」というカテゴリーに変更するという意趣返しを行った。

イマーシブシム

Wolfenstein 3D』の大ヒットによって一人称視点ゲームが「カジュアルに銃撃戦を楽しむ"FPS"」として定義される前の「難しい一人称視点ゲーム」を源流とするジャンル。直訳すれば「没入型シミュレーションゲーム」といったところ。
定義は曖昧なところがあり明確な基準は存在しないが、大まかに言えば「一人称視点の没入感を生かし、ただ銃撃戦をするだけでなくプレイヤーに様々な選択肢を用意する自由度の高いFPS」といったもの。
このため一言に「イマーシブシム」と言ってもTRPGのような個別パラメータによる育成やポイントクリックADVのような展開が変化する複数選択肢、平和から暴力まで複数用意された解決方法など様々な要因を含めている。
代表的なものとして、TRPGの自由度を色濃く受け継ぐ『Ultima:underworld (1992)』『The Elder Scrolls: Arena (1994)』に、あらゆる要素を作りこむことで没入感の向上を図った『System Shock (1994)』や、パラメータ調整によるプレイスタイル変化を狙った『System Shock 2 (1999)』と、任務を達成可能な手段を増やすことで自由度を高めた『Thief (1998)』『Deus Ex (2000)』『HITMAN 2: Silent Assassin (2002)』『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド (2017)』に加え、採った手段によって根本的なストーリーすらも変化する『Fallout: New Vegas (2010)』『Fallout 4 (2015)』『The Outer Worlds (2019)』等が存在する。

手段を複数用意するということは操作体系が複雑になりがち・推奨しない行動をすると難易度が高くなりがちであり、また自由度を高くするためにはあらゆるプレイヤーの動作を想定して作り込まなくてはならない。
このためプレイヤー・開発側ともに敬遠されがちであり、90年代後半のFPSジャンルの台頭後はその陰に隠れて評価されず、一時期は死に絶えたジャンルとも揶揄されるものであった。
しかし、幾多のゲームを経てFPSを快適に遊べる直感的な操作体系(フリーエイム・WASDやツインアナログスティックなど)が確立され、また大手ゲーム開発会社がオープンワールドジャンルの普及と共に「自由度」を謳い文句に大規模予算を注ぎ込んだイマーシブシムの製作を試みるようになった(近年では『サイバーパンク2077 (2020)』等)ことで、現在は再興の兆しが見え始めている。

インディーズゲーム

インディーズとは「メジャー」の対義語で、インディーズゲームとは大手制作会社に属さない者やサークルが作ったゲームのこと。
「洋ゲー」「和ゲー」などと同じく制作者によって規定されるジャンル。
詳細はインディーズの項目を参照。

ウォーキングシミュレーター

アドベンチャーゲームの一種。初出は『Gone Home』の宣伝文句から。
ウォーキング=散歩の名の通り、無人のフィールドでナレーターの声を聞いたりボイスログや日記を取得するなどして世界を調べていくなど、環境ストーリーテリングの手法で物語を語る。
戦闘などの要素はなく、攻略するというよりは雰囲気を味わう趣きが強く、雰囲気ゲーと要素が近い。

言ってみればFPSやRPGやサバイバルホラーの探索パートだけ抜き出したような作品であり、様々なジャンルの作品にも要素を見出すことができる。
例えば『Portal』や『THE WITNESS』は「パズルゲーム」だが、ナレーションで進行したり過去のストーリーを解き明かすなど、「ウォーキングシミュレーター的手法」を使用している。

鬱ゲー

プレイヤーを「鬱」な気分にさせるような要素が多いゲームのこと。
ゲームのシチュエーションとして災害や無力さが強調されたり、キャラクターの死やバッドエンドなど陰惨で悲劇的な描写が存在する。
そういった展開の回避策やフォローなどが無い場合にこう呼ばれることが多い。

ゲーム全体のジャンルや出来ではなく、演出やストーリーの種類を指すジャンル区分である。
良くも悪くも印象に残りやすい要素であり、上手く行けば複雑で奥が深い描写が可能になる。
だが、失敗すれば単に気分を害するだけの悪趣味な展開に陥ってしまうため、作り手の技量とセンスが問われることになる。

以前は本Wikiにも「鬱ゲー」の判定があったが、現在は廃止されている。

運ゲー

プレイやクリアにおいて、運の要素が大きいゲームのこと。
ゲーム内のステータスとして「運」が設定されている作品もあるが、この場合は現実におけるプレイヤー自身の運(いわゆるリアルラック)を指す。

適度に運の要素がある事で、リプレイ時の新鮮味やレア確率を引いた際の興奮を作り出したり、初心者が上級者に勝てるきっかけを作る事ができる。
また、優れたバランス調整がなされた作品は運要素を上手くゲーム性に取り込んでおり、運の要素をコントロールするかも駆け引きとして機能している。
例えば、『ポケットモンスターシリーズ』では「外す可能性があるが高威力の技」「先述の技に威力は劣るが命中率が100%の技」「(一部タイプには)命中率はかなり低いものの相手を一撃で倒せる技」があり、基本的にダメージと命中率がトレードオフになっている。

しかし、ゲームというのは基本的にプレイヤーの操作によって結果が変わるという「介入性」が前提にあるため、人間が関与できない「運」によって重要な要素が決まるというのはゲーム性が失われる要因になりうる。
例えば「じゃんけん」や「コイントス」は勝敗が運によってのみ決まる完全な「運ゲー*5」であり、それらをゲームとして楽しむ人間は殆どいないだろう。
また基本的にプレイヤーの介入によって進むゲームなのにランダムで発生するイベントやアイテムの影響が強すぎるといった場合も、良く言えば大逆転を狙えるが悪く言えばそれ一つでせっかくの駆け引きがぶち壊し、とも言える。
このため、重要な要素が運で決まってしまうゲームを「運ゲー」と呼ぶ際は、多かれ少なかれ非難の意味が込められていることが多い。

ただし、プレイヤーの知識や技術で運の要素に対処できるにもかかわらずそれを怠った結果クリアできない(要するに自分のせいでクリアできない)のを運ゲー扱いするプレイヤーも少なくない。
この場合自ら介入性を捨てているため実際はすべてが運ゲーと言えないことも多く、レッテルの貼り合いや論争の種になってしまう事もある。
もちろんランダム要素には抽選結果の極端な偏りが発生することもあるので、最適な行動をしていてもどうしようもないくらい引きが悪いゲーム展開もある。とはいえ何度もプレイして他のプレイヤーより勝率が低いようならプレイヤーに問題があると考えざるをえない。(完全な運ゲーなら誰がプレイしても勝率は均等に近くなるため)
トランプ等のカードゲームや麻雀バックギャモンなど運と戦略を絡めた古典ゲームでは、一発勝負ではなく規定の回数勝負して最終得点を競ったり、規定のポイントを先取した人が勝ちとするなどのルールで偏りの影響を軽減している。

一方で、運要素を完全に排除したゲームは不確定要素が無いため、何度かプレイしていると同じ展開を繰り返す事になってしまう、プレイヤー同士で激しい実力差が生まれる(初心者参入の敷居が上がる)*6、最適解の行動を繰り返す場合先手(後手)が有利になるという課題が出てくる。 「将棋」「チェス」

ちなみに、近年の基本無料のゲームで多く採用されている「ガチャ」システムはランダムでアイテムやキャラクターなどが当たるものであり、特にプレイヤーキャラクターといった根本的要素をガチャで供給するゲームは運ゲー要素が極めて強くなる。

また、アーケードゲーム(とカジノゲーミングマシン)を分類する際、ゲームとギャンブル(ゲーミング)の線引きの基準としての「確率のゲーム (Game of chance、確率機)」を指すこともある。
これは、介入性が低く*7、抽選結果と収支に一喜一憂するだけのゲームであるという意味であり、これに該当するゲームは本wikiでは取り扱うことが出来ない。
逆は「熟練のゲーム (Game of skill、実力機)」である。

エロゲー

性描写が含まれている為、18歳未満の購入が禁止されているゲームのこと。「アダルトゲーム」と呼ばれることも。
後に性描写などを抜いて家庭用ゲーム機に移植されることも多く、その場合は「ギャルゲー」「美少女ゲーム」と呼ばれることになる。

基本的にはエロゲーの多くはPCをプラットフォームとしている。
家庭用ゲーム機においては、80年代は「子供向けである家庭用ゲーム機で露骨な性描写を売りにした作品を売るべきではない」という自主規制から、非公式ソフト以外にこうした作品は見られなかった。
だが、1996年頃から規制が強化され「18禁X指定」「18歳以上推奨」というカテゴリが誕生する一方、主に末期のPCE*8に(エロを除いた)移植版が登場するようになった。
その後、当時の次世代機(3DO/SS/PC-FX)向けに、エロ込みの移植版が発売されるようになり、特にSSではヒット作となったものも少なくない。
しかし、セガの方針転換*9及びNECと3DOが家庭用ゲーム機製造から撤退したことにより、家庭用ゲーム機向けアダルトソフトは再び姿を消すことになる。

なお、当Wikiでもゲーム記事としての取扱いが認められており、クソゲーや良作等の判定もしっかりされる。
しかし、ゲームとしての出来以上に「エロさ」が求められることもある特異なジャンルである為、一般向け作品ともエロゲー本来の評価軸とも多少異なる基準(そのゲームが何を重視しているかによって変化)で判断される点に注意。詳しくは「このWikiで扱う作品」参照。
会社規模が小さくても作品が作りやすいエロゲー市場では、家庭用ハード向けゲームとは比較にならない程の低クオリティな作品も散見される(実は他ハードでも相当に酷いものが結構出ているが)ことから、KOTY2009の総評以降は同じくクソゲー率があまりにも高かった『北斗の拳』になぞらえてか「修羅の国」と呼ばれるようになった。

当Wikiでは扱わないが、2010年代以降は個人やサークル製作でダウンロード販売を主とする「同人エロゲー」がかなりの勢力を獲得している。
特にツクールなどのソフトで作られた「エロRPG」はゲーム業界で無視できない一大ジャンルとして成立している。

余談だが、国産で初めてエロティック要素のあるソフトを開発・発売したのは、光栄マイコンシステム(現:コーエーテクモゲームス)である。
光栄マイコンシステム以外にも、アスキー(現:エンターブレイン*10)、エニックス(現:スクウェア・エニックス*11)、日本ファルコムといった、後に業界大手へと躍進した有名ソフトメーカーが1980年代前半に当時のPCに向けたエロゲーを発売した事がある。

2000年にPS2が発売されたあたりから、PCゲーム業界は「洋ゲー、もしくはエロゲーでなければ店頭に置いてもらえない」と言われるほどの低迷期に陥った。
非18禁パソコンゲー最大手であった日本ファルコムですら評判に反する売上から流通会社との取引を失い、メインプラットフォームをPSPに移行せざるを得なかった。
またそのストーリーの重厚さから「エロはオマケでしかない」とまで言われた『Fate/stay night』も「エロゲーでないと普通の店で取り扱ってもらえない*12」という身も蓋もない理由でそのようなシーンを入れたとインタビューに答えている。
現在ではPCの低価格化による普及拡大、360以降のゲーム機がWindowsと親和性の上昇から、CS機とのマルチという形で非18禁ゲームのPC進出が進んでいる。
と言うか、通販やダウンロード販売の普及により「店頭に置いてもらえない」事が問題にならなくなったとも言える。…言い換えると店頭販売されているPCゲームは相変わらず極少数。囲碁や将棋といった著名なボードゲームのPCゲーム版が扱われる程度の店もある。

同人エロゲー

インディーズで作られたエロゲーのこと。
主にDLsiteやDMMなどのサイトでダウンロード販売されており、大きな市場を形成している。
他、Steamにも「外部のパッチを入れることでR18になる」という形式のエロゲーが売られている。
PCを主なプラットフォームとしているのは通常のエロゲーと同じ。

エロさえ入っていれば成立するので内容は非常に幅広いが、ツクールなどの作成ツールで作られたRPGが比較的多め。
商業エロゲーのようなテキスト主体ADVは多数というほどではなく、「テキスト量の多いRPG・SLG」にされていることが多いか。
一方でゲームとしての攻略要素を極力カットした「マップを歩き回ってNPCに話しかけてエロ絵を見るだけ」のような作品も散見される。
他のパターンだとミスるとゲームオーバー画面の代わりにエロシーンの入るアクションも多め。

自由に作れる同人ということで特定の特殊性癖に特化した作品や自主規制に縛られない作品も多く、価格も柔軟に決められる。
同人ゲームは扱わないこのWikiだが、一般ゲームより「難があってもプレイヤーが18禁要素さえ気に入れば正義」という趣が強いため、
客観的な評価は難しいと思われる。

かつてのエロゲーブームのような巨大ジャンルとなっているが、
「売る為に仕方なくエロを入れた」ような作品は意外と少なく、どれもエロエロである。
PCショップに置いてもらうにはアダルトゲームの体裁を整えないといけなかった過去と違い、
ダウンロード販売の発展した今ならエロを入れない方がむしろ一般向けとして広く販路を確保できることも
視野に入れられるようになった。

同人ではあるがいわゆる二次創作は少なく、一次創作が圧倒的に多い。

オープンワールド

舞台となる世界を自由に動きまわって探索・攻略できるように設計されたゲームジャンルの副要素。
狭義的には「3Dゲームでメインマップが非常に広域かつシームレスであるもの」を指す。
単に自由な攻略手順をとれるノンリニアなゲームは「サンドボックス (砂場・砂箱の意味)」とも呼ばれる。
広義的な意味では初期からの『ゼルダの伝説』や『ドラゴンクエスト』シリーズなども含まれることになる。
近年ではもっぱら狭義的な意味の方を指すことが多く、定義の話をすると荒れやすいため注意。
「オープンワールド」という言葉を初めて使い、世間に広く定着させたのはRockstar Gamesの『Grand Theft Auto III』である。

オープンワールドとゲームジャンルの組み合わせは幅広く、RPG・アクション全般・レースなどが中心だが、ミニゲームやサブミッションとして他ジャンルの要素を組み合わせることも多い。
概念自体はゲーム黎明期から存在しているが、ゲームの容量・スペックから表現の自由の幅が飛躍的に広がったPS3/360の時代から、3Dゲームとして主要ジャンルの仲間入りを果たした。

プレイヤー以外にも多数のNPCが独自のAIで活動していたり、時間や天候の概念、物理演算等多数の要素が取り入れられ、プレイヤーの行動やAIの行動でゲーム内世界で変化が起こったりする。
近年ではゲーム内で起こる物事の因果関係がより複雑で多様化し、仮想世界を体験する感覚が強まっている。
メインクエストよりもサブクエストや寄り道要素を重視する傾向が強く、メインストーリーだけを追っていった場合には短時間でエンディングに行き着ける場合が多い。
また、エンディングを迎えてもゲームプレイ自体はそのまま継続できるものや、敵との戦闘においてFPS/TPSおよびステルスゲームの要素を大きめに取り込んでいる作品も多い。

サンドボックスは『Minecraft』の大ヒット後、素材を収集して組み合わせることで新しい素材を作り出すクラフト要素のあるゲームが増えていった。
一方で、自由に行動できるが故に重厚なストーリー展開との相性の悪さ、移動可能なエリアややれることが多すぎて迷うプレイヤーもいる等、ゲームの方向性やプレイスタイルによっては不向きな場合がある。

代表作には『Grand Theft Auto』『The Elder Scrolls』『Fallout』『The Witcher 3: Wild Hunt』等のいわゆる「洋ゲー」が主流。
単純にプレイ空間が広い為、比例してグラフィックデータやイベント、デバッグの量等も膨大化する。
その為、潤沢な予算を確保出来てなおかつPCゲームで培ってきた研鑽の歴史が深いという事情もあってか、海外のゲーム会社がこのジャンルに強い傾向にある。
和ゲーではカプコンの『Dragon's Dogma』に始まり、『ゼノブレイドクロス』『メタルギアソリッドV ファントムペイン』『ファイナルファンタジーXV』『NieR:Automata』がその追随者となった。
しかし、そもそも国産ゲームで重視されてきたストーリー演出重視の構造とオープンワールドの自由度の高さは相性が悪く、プレイヤーから大きく評価が分かれてしまうケースが多く見受けられた。
そんな中、2017年に発売されたNintendo Switchのローンチタイトルである『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、そのサンドボックス的な高い自由度と完成度から国内外で高い評価を得た。
また、2019年には小島秀夫監督率いるコジマプロダクションの第1作『Death Stranding』が以上の作品とは別の切り口を以て賛否はともかく一定の評価を得ており、和ゲーのオープンワールドも徐々に安定した評価がなされるようになっている。
そして、2022年11月に発売された『ポケットモンスター スカーレット/バイオレット』ではオープンワールドが採用された。
さらに、2021年には中国ソーシャルゲームのオープンワールドアクションRPG『原神』が登場。スマホ・PC・CS機でマルチ展開されており、スマホの性能でもオープンワールドゲームが制作可能という証左になった。
それに加え、韓国産オープンワールドアクションアドベンチャー『紅の砂漠』の発売も予定されており、今やオープンワールドは洋ゲーの専売特許では無くなりつつある。

+ オープンワールドゲームの歴史

オールドスクール

音楽用語として多く使われる単語で、一言で言うならば「昔ながらのスタイル」を指す言葉。
ビデオゲームに関しても「意図的にレトロゲームに寄せた作風」に対して使われる場合がある。
特に多く使われるジャンルは擬似3Dもしくはローポリ3DのFPSに多いとされ、『DOOM』までの初期作のように2Dスプライト表現を使ったり、『QUAKE』などのようにゲームスピードや展開をスポーツ系FPSの中でも高速にしている作品に対して「オールドスクールFPS」という表現が用いられる。
有名かつ人気の高いものでは擬似3Dを採用した『Ion Fury』や、ローポリグラフィックが特徴の『DUSK』などが存在する。

ジャンルを問わず大手ゲーム会社が軒並み3Dへと移行している現在では、オールドスクールとされやすい作品はインディーズデベロッパーによるものが中心となっている。

おつかいゲー

子供のおつかいのごとく「ここへ行け」「あれを持ってこい」等の単純な指示をこなすだけの展開が多い作品を揶揄した表現。
「与えられた課題をこなす」ということはあらゆるゲームに共通した要素ではあるが、やることが単純すぎる、物語が単調、同じ場所を何度も往復させられる、等でプレイヤーが「やらされてる感」を感じてしまい、プレイ時間の水増しと捉えられると批判の対象になりやすい。
ゲームの展開上、特定の行為をプレイヤーに行なわせる必要がある場合でも、ストレートすぎる指示をせずに何をすべきかプレイヤーに考えさせる、ストーリー展開に変化をつける等の「やらされてる感」を感じさせない工夫が必要になる事が多い。

乙女ゲーム

主人公の女性と男性キャラクターとの恋愛をメインテーマにしたゲームのこと。微短縮して「乙女ゲー」と呼ばれることも。
女性層が主なターゲットだが、視点が逆とはいえ男女間の恋愛の話には違いない為、BL作品と比べると男性プレイヤーも多い。
基本的にADV(ノベルタイプのゲーム)だが、一部に『ときめきメモリアル Girl's Side』のようなシミュレーションタイプも存在する。
多くの乙女ゲームは物語やキャラクターを楽しむ事がメインであり、それを彩る「声優」と「絵」が分かりやすい指標として大きな売り要素になる。
大御所である『アンジェリーク』でも90年代半ばの登場であり、ジャンルとしての歴史は比較的浅い。しかしその独自の方向性から安定した需要と人気があるとして、多くのゲームショップなどで専用コーナーが置かれている。
「太い」顧客を囲い込むことができる可能性が高く、一度囲い込めれば大きな利益になるため、ソフト単体ではなく、グッズやイベント込みでの展開を行いやすいのも特徴。
この手のゲームを最初に考案したのは光栄(現コーエーテクモゲームス)社長夫人の襟川恵子氏*13である。
まだゲームがヲタクの細々とした趣味という時代に「乙女向けにも需要はある」と確信してリリースする所は先見の明があったと言えよう。
そしてこの先読みの強さは株式投資に活かされている。

美形男子との恋愛をテーマにした女性向け作品ということで「BLゲーム(主人公が男性で男性同士の恋愛がテーマ)」と混同されることがあるが、両者は似て非なるジャンルである。
同様に「乙女ゲーマー=腐女子」というのも誤解であるが、乙女ゲームを制作するメーカーですら両者を混同し、乙女ゲームにBLのような描写を織り交ぜてユーザーから批判される事もある。

なお、乙女ゲームにも専門のKOTY(18禁除く)があった。
女向ゲーム一般板にスレが立っている。IDが出ない板なのでその雰囲気は独特。
新作ゲームの供給が無くなってきた2016年に「選評が1本も出ない」という形で幕を閉じた。

ちなみに、女性向けライトノベルでは「乙女ゲーの悪役令嬢(女性の悪役キャラクター)に転生してしまう」というあらすじの物語が多くあり、「悪役令嬢もの」という一大ジャンルを形成しているが、現実には「悪役令嬢の出る乙女ゲー」は非常に少ない。
そもそも異性キャラとの関係がメインなのに同性のライバルキャラを出しても意義が薄いので、当然と言えば当然。
一応『マイネリーベ』のライバルキャラがこの手の元祖と言われているが、基本的には芸能・スポーツものの少女漫画で醸成された概念であろう。

覚えゲー

クリアしていく上で、攻略パターンの記憶が有効なゲームのこと。
特に記憶量が膨大だったり、攻略法が突飛なものだとこう言われやすい。

「死にゲー」と被る部分もあるが、こちらは攻略パターンさえ熟知していれば安定したクリアを望める点が相違点。
わかりやすい傾向がシューティングで、一見すると回避不可能な弾を垂れ流すボスがおり無策ではやられまくるのだが、相手の側面・後方などの安全地帯の発見・活用や、部位の優先破壊など、特定の戦法の有効度が著しく高く、これを知っているかどうかがクリアの鍵になるゲームが多い。
これが「死にゲー」というよりは「覚えゲー」たる所以である。
「攻略法の暗記が有効」というのはほとんどのゲームに共通する要素のため、単に「知っていればクリア可能・容易」というだけで「覚えゲー」扱いされることは少ない(大抵「初見殺し」などと呼ばれる)。
ところが、この傾向が極端になると「○面ボスの第×ウェーブの安置は△□」程度では済まず、「○面は開幕集中ショットで右端 ⇒ 左端 ⇒ 拡散ショットで中央前に詰めて~」といった攻略チャートを構築・暗記し、忠実に実行すること以外でのクリアが望めなくなる。
こういったゲームには、ネガティブな意味を込めて「覚えゲー」という評価が付けられることになる。
アクションゲームやFPS/TPSでは、「弾き後くらいしか攻撃チャンスがないボス」「本格的な戦闘の前に殺しておかないと厳しいスナイパー」等の死にながらテクニックや死亡要因を覚えていく「死に覚えゲー」と呼ばれるゲームも多い。
また、音楽ゲームではレーンが突然ストップする・スピードアップするなどの特殊演出が入ったり、無理押し*14を要求するような譜面も「覚えゲー」として揶揄される。
また、ゲーム性は近いが、ステージが多い・実行自体が難しいわけではないなどの理由で攻略法の暗記より構築がメインになる場合(RPG『真・女神転生III』以降のアトラス製RPG等)、「研究ゲー」とも呼ばれる。

「覚えゲー」と呼ばれるゲームには、攻略法ではなく膨大なデータ類の記憶を要求するものもある。
例として『ポケットモンスター』シリーズはネット対戦や大会等で上位を目指す場合、環境で使用率の高いポケモンの型やおおまかなステータスを覚えていることが重要となる。
SLGでも、地形補正や相手兵科による補正などが煩雑になってくるほど覚えゲーと化しやすい。
また、多くの格闘ゲームも技コマンドやコンボレシピの暗記が最初の壁として立ちはだかることが多く、初心者にとっては覚えゲーとなる。

覚えゲーで無いものとしてだが、純粋な暗記力ゲーム*15は登場頻度の少なさと、「メモる」という古典的な攻略法があるため覚えゲーとは呼ばれにくい。
他方ではSRPG含むSLGもよほど突飛なシステムでなければステージなどの記憶量がそのまま優位に傾くことになるが、これは半ば仕方ないものとされ、覚えゲーと呼ばれることは少ない。

「覚えゲー」と評された場合、「暗記している動作を繰り返すだけの単調なゲーム」「複雑なコマンドなどを覚えないと初心者以前の間口の狭いゲーム」というネガティブな意味で使われる事もある。
しかし 攻略法の開発・実践には研究と練習が必要なことは当然であり、単純に覚えゲー=つまらないというわけではない
そういう場合は得てして「死にゲー」とも呼ばれるほどに難易度の高いゲームが多く、攻略法の構築やパターン化がゲーム性の前提であり主要な目標である、というのは一つの方向性である。

そして、タイムアタックやスコアアタックといった「極める」事を前提にしたプレイを行わせる場合、ランダム要素が極力絡まない覚えゲースタイルが好まれる。
ゲーム性とプレイスタイルの相性というものは実に複雑である。

ランダム要素(プレイヤーが介入できない他プレイヤーの行動も含む)が一切存在しないゲームは、最終的には覚えゲーとみなせる。
例えば『パックマン』は、モンスターの行動ルーチンに一切のランダム要素が含まれていないため、全255面すべてに最適手順が存在する覚えゲーともいえる。
また、ランダム性が強い物でも、そのゲームで起こり得る膨大なパターンを全て暗記して覚えゲーにしてしまう猛者も存在する。

お祭りゲーム(コラボゲー)

あるテーマにおいて、複数のタイトル・企業のキャラクターがその垣根を越えて一堂に会するゲーム。非日常的で特別なイベント感覚をお祭りに例えた呼称。
この場合、アメコミでよく行われる作品の垣根を越えたヒーロー達の共演の事を指す「クロスオーバー (交差)」という呼び方もある。

お祭りゲームの企画は、ユーザーの心が躍るようなテーマを設定し、そしてファンの満足度の高い人選を行って、それぞれに見せ場を演出する必要がある。
制作のハードルこそ非常に高いが、安定した売り上げが見込める上にハマれば爆発力の高いゲームである。
人選や出典がカオス過ぎて「何故開発を断行した?」とユーザーから思われるものも稀に見受けられるが、それもまた醍醐味の一つであろうか。

ゲームをより盛り上げるために出演キャラの数は多くなる傾向にあるが、それでも人選の問題は「あちらが立てばこちらが立たず」の状態になりやすい。また、出典作品の設定再現も、完全な刷り合わせは難しい。
キャラゲーの一種でもあるお祭りゲームで、各作品・キャラクターごとのファンの全てを納得させる出来に仕上げるのは至難の業である。
いっそバランス調整を犠牲にして、ゲーム全体を豪快に大味に大胆に…という路線を取る事が往々にして多い。

もっとも、何事も程度問題。ゲームバランスが崩壊していたり、勝手な都合でキャラが冷遇される羽目になると、お祭りゲームに付き物の「○○を出せ!」というファンの声が逆転し「頼むから○○は出さないで!」とする嘆きが聞こえてくることもある。
他にも過去のキャラをたくさん出す都合で制作側や声優陣が元のキャラを忘れていることがよく起こるが、この場合に人格や重要設定に重大な齟齬があった場合は批判の的に上る可能性が大きい(極稀に思い切ったキャラ改変として受け入れられることもあるが…)。

他のジャンルに無い争点として「人選が妥当か」というものがある。その筋ではメジャーなキャラクター(作品)を入れればいいという単純な話では断じて無いほど難しい話ではあり、人選が極端に偏っていたりで「なんでこんなのが参加しているの?」「(○○がいるのに)何故××を入れない?」と言った意見に加え、「見慣れたメンバーでつまらない」と問題視されてしまうこともある。

学園騎士物

「学園+騎士」というモチーフを組み合わせている物語。ゲームのみならずラノベなどでも時折見かけるジャンル。
当然ながら、学園+騎士という時点でおかしいというつっこみもよくされる。

現実っぽい世界を舞台にした学園騎士物は『ワルキューレロマンツェ』の評価はともかく商業的な成功(メディアミックス)の後、主にエロゲー界隈で手を出すブランドが増加傾向にあった。
しかしいざ作るとなると、態々騎士専門学園を創立する意義の説明*16、戦闘時のリアリティ等の問題から大抵ボロが出る、さらに戦闘描写の陳腐さや違和感を解決する為に理屈をこねた結果、逆にツッコミ所が増える。
等々作り手にとっては相当厄介な題材となっており、これらの理由からクソゲーとなる確率が飛躍的に高い地雷ジャンルと化している。

一方、ファンタジー物なら『ぱすてるチャイム』『プリズムアーク』等の作品が『ワルキューレロマンツェ』以前から存在する。
とは言えファンタジー物でもあえて騎士だけの学園と言うのは少なく、前述の作品含めて「冒険者育成=魔法使いも僧侶も盗賊も育てる」と言ったように純粋な学園騎士物とは言える作品は少ない*17
更にファンタジーなので「技名を叫びながらカッコいいポーズを決めれば敵が吹っ飛ぶ(原理は気にしない)」傾向が強いなど、戦闘のリアリティなどは最初から投げ捨てていることも多い。

拡張現実ゲーム

ゲームと現実社会をリンクさせて没入感を高くしたゲーム。
ゲーム内から実際の携帯電話にメールが届けられ、中には日時指定でゲームセンターに来るようにアイドルから呼びかけられた『THE iDOL M@STER(AC)*18』や現実の居場所をGPSで検知して(現実の)場所によりポケモン出現率の変化する『ポケモンGO』に加え、現実時間に従って成長し餌の要求もあり放置すると死亡してしまう『たまごっち』等が代表的。

一方で、たまごっち等のプレイ時刻指定はリアルの生活に影響を与えてしまったり、『ポケモンGO』等の位置情報系は地方格差が生じる*19、無神経なプレイヤーが押しかける*20、自動車運転中のプレイで事故を誘発するなど、特有の問題も多く抱えている。
新型コロナウイルスの流行で外出志向が極端に下がり、2020年頃から位置情報を利用するタイプはめったに話題にならなくなった。

通常「拡張現実」は「AR(Augmented Reality)」の訳語だが、「リアルの映像に同期したデジタルの情報を表示する技術」を指し、ここでの用法とはやや異なる。
カメラ、高性能のPC、変化に富んだプレイ空間など要求するものが多く、『ポケモンGO』『Ingress』などで一部採用されているものの、現在はスマホ向けの簡単なものがほとんど。

ガッカリゲー

ユーザーの持っていた期待やイメージ、あるいは既存のシリーズ作品と比較して、不満点が多いゲームを指す感想。
本wikiでは「シリーズファンに不評」評価が付く可能性が非常に高い。
受け手の「事前の心理状態」をも含めた表現である点がポイントである。そのため、単に「クソではないけど問題点も多い」作品は「微妙ゲー」という結論に達することになるが、
そうでない場合はそのシリーズをやり込んでいるプレイヤーにとって「ガッカリゲー」だが、シリーズ初プレイの新規層にとっては「普通ゲー」ということもしばしば起こりうる。
ゲームを評価する表現の中でも、特にプレイヤーの個人的な感覚や趣向の影響が大きな言葉と言える。
作品単体としての評価を重視しがち*21な本wikiでの使用はあまり好ましくない表現なので、作品を評価する際は可能な限り「ファン心理・旧作との比較・個人的な好み」等の要素は少なめに、入れる場合はそれらを余談にまとめて隔離する等の処置が必要になる。

KOTYスレでは関連作品(スレのテンプレでいう「シリーズ・続編・移植ゲーム」に該当するもの)との比較でよくこの表現を用いることがあり、その場合クソゲー認定のハードルが大きく跳ね上がる傾向がかなり強い。
特に有名シリーズであるほどガッカリゲー扱いされることが多く、これが良くも悪くも本wikiとKOTYスレとの評価の相違点にもなりやすい*22

ちなみに新規作において、前評判の盛り上がりに対して実際の製品がしょぼいと「1作目にしてガッカリゲー」という珍事が発生することもある。

神ゲー

「神」の如き完成度・面白さ・魅力を誇るゲームに対する最上級の賛辞。「クソゲー<凡作<佳作<良作<名作・傑作<神ゲー」といったところか。
この表現が使われる作品は、単純にゲームとして面白いというだけではなく、プレイヤーの思い出に強く残るような印象的な要素(革新的なシステム・ゲーム性、優れたシナリオ・グラフィック・サウンド・演出等)が含まれていることが条件となる。
ただし、当然価値観は人にって異なるため、世間で神ゲーと評されているからといって自分にとっても神ゲーとは限らない。逆もまた然りである。

なお「八百万の神」を認める日本とは違い、「唯一神」を信仰するキリスト教圏やイスラム教圏には「神ゲー」に相当する言葉は存在しない*23

また『アクトレイザー』等の「プレイヤーが(設定上)神であるゲーム」や、『大神』など「操作キャラが神であるゲーム」、はたまた『ポピュラス』『シムアース』など「地形操作・天災発生など神レベルのコマンドが自在なゲーム」*24の場合ネタ混じりにこう呼ばれることもある。ゲーム性上、箱庭ゲーやリアルタイムストラテジーに多い。

狩りゲー

モンスターハンター』シリーズに代表される、アクションゲームにおける派生ジャンルの1つ。「ハンティングアクション」とも呼ばれる。
具体的には「TPS視点で自キャラを動かし、強敵を倒して武具の素材を収集 ⇒ それを使ってより強力な武具を生産、装備することで自キャラが成長→より強い敵に挑んで素材を…(以下ループ)」となる、広義的なハクスラ要素を含むアクションRPGの事。
いわゆるボス戦に特化した内容で、雑魚戦やマップ構成はあまり重視されない。
魅力的なマップや雑魚の存在は世界観に深みを出す上で重要な一方で、複雑なマップ構成や鬱陶し過ぎる雑魚は面倒な要素として批判されがち。
通信機能を活用して他のプレイヤーと共闘することが可能なタイトルが多く、コミュニケーションツールとしても非常に優秀なので、携帯ゲーム機の発達とともに台頭していった。
そもそものゲームデザインが「やり込み」というストイックさ、かつては非常にシビアなバランスだった『モンスターハンター』シリーズ*25の影響が強い。
そのためか、他のシリーズも難易度が3Dアクションゲームではかなり高い部類の作品が多く、シリーズを追うごとに進む難易度インフレも少々問題視されてきた。
また協力を前提とした調整が施されている、いわゆるオンラインゲーム・ネトゲー志向の作品が多く、一人でのプレイには高難易度や長時間の戦闘による敷居の高さに輪をかけたハンデが付きがち。
その為、近年はNPCとの疑似協力プレイが可能になっている作品が増えている。
様々な事情で協力プレイができないユーザーもいるので、それを考慮しない作品やシステムは槍玉に挙がりやすい。

『モンハン』シリーズは元々は『ファンタシースターオンライン』に影響を受けたPS2の作品から始まったのだが、PSPで発売された『モンスターハンターポータブル 2nd』がミリオンヒットを達成したことを基点として知名度が大きく上昇。
その数年後から同シリーズなどに影響を受けた他のメーカーによる「狩りゲー」の追従作が多く現れ始め、『GOD EATER』や『討鬼伝』のように、シリーズ化やメディアミックスも果たした人気作品も登場した。 しかし武器種や敵の強さといったバランス調整の難しさ故か、2021年現在においては、このジャンルにおけるゲームはノウハウと知名度のある『モンハン』シリーズが寡占状態となっている。

キャラゲー

「キャラクターゲーム」の略。現在では、元々の狭義の意味と、そこから派生した広義の2種類の意味が存在する。

  1. 元々の意味:漫画、小説、TV番組等で登場した「既存のキャラクター」や、いわゆる版権キャラを使って作られたゲーム。実在のタレントを使った場合は、タレントゲームとも言う。
  2. 派生した広義の意味:ゲームとしての面白さだけなく、「(オリジナル・既存を問わない)キャラクター」の魅力をセールスポイントに据えた作品。

まずは元々の意味であった1.について説明する。
歴史は非常に古く、家庭用ゲーム機やパソコンが市場に出回った当初から存在している。
ターゲットを絞りやすく、キャラの知名度・人気をそのままゲームへの注目に繋げることができるため、一定数の売り上げを見込める。つまり、ゲーム作りにあたって企画を通しやすいという大きなメリットがある。
しかしその一方で「題材の旬や契約期間などの制限から開発期間の延長が難しい」「著作権料が開発予算を圧迫する」等の問題がある。
また、「版元がゲームに関しては素人だからと口出ししない(出来ない)」「原作が継続中の場合は今後の展開が不明」な場合は、「ゲーム作家の書いた陳腐なオリジナル展開(陳腐でなければ問題ない)」「版権の都合で原作のイラストや音楽が使用できない」「続きは原作で、と誤魔化す未完作品」「ゲームバランス的な問題で改変した設定がファンから批判を受ける」「原作愛が無いスタッフの姿勢」等の問題が噴出するパターンも少なくない。
逆に「ゲームに関しては素人な版元の口出し」「原作のファンであるスタッフが原作再現に拘り過ぎた」結果、「ゲームバランス崩壊」「シナリオが一本道過ぎる」等も起こり得る。
とはいえ、版権作品である以上、版元による監修が入る事は当然であり、イメージにそぐわない演出や設定等に制限を掛けている版元も多い*26*27

TV放送作品が題材の場合は、特に時間的な制限が強い*28ため、綿密に企画を練り、ほぼ計画通り(納期に余裕を持たせる)開発ができなければ出来はお察しである。
最初からそういう事情を織り込んで汎用的なゲームシステムを利用する、いわゆる「ガワ替え」によって解決しているケースも多い。その原作を使うorそのキャラが出演する意味が全く無いパズルゲームが出たりするのはそういう理由から。
こういった問題を回避する為、アニメとゲームの企画を並行して進める作品も珍しくない。

ラブコメ作品が題材の場合は、元々の内容から、アドベンチャーゲームとして作られることも少なくない。
その場合は原作で結ばれなかったヒロインが結ばれるIFストーリーが求められる傾向が強く、マルチエンディングが採用されることも多い。

上記のように「どんな出来でもキャラクターのネームバリューによって一定の売り上げが見込める」「原作のキャラクターを使っていることが肝要で、ゲーム性は二の次になりやすい」といった土壌から、不出来なゲームが生まれやすいジャンルである。
キャラゲー≒クソゲー」と言うイメージも根強く、実際に壊滅的な出来のキャラゲーも少なくないが、もちろんキャラゲーでありながらゲーム性も優れている良作も存在する。

またキャラゲー独特の評価基準として、原作の要素をいかに盛り込んでいるか、スタッフの原作愛に溢れているか、という観点も存在する。
これはキャラゲーを「原作のファンアイテム・派生作品」の1つとして観た場合であり、原作の要素を上手くゲームに昇華していたり、原作ファンが楽しめるような要素が含まれている場合は、「単体のゲームとしては不出来だけど、キャラゲーとしては合格」と言った評価がなされることもある。

また、現代では入手が難しくなったレトロゲームもDL販売などで購入できるようになるケースが増えているが、キャラゲーは版権の都合かそうした再販をされないことが多く、プレミア化することがある。

2.は、本来の1.の意味が広義化した表現である。
すなわち「キャラゲー = 原作がある既存のキャラクターを使ったゲーム」という元々の意味が、前述の通り「(原作のある)キャラクターのネームバリューや魅力のみに頼って、ゲーム性などその他の要素をおざなりにしているゲーム」である傾向から、次第に「(原作の有る無しに関係なく)キャラクターの魅力を第一に押し出しているゲーム」全般を指す意味に拡大した結果である。
特に女性キャラの場合「萌えゲー」とも呼ばれるが、「萌え」の使用頻度が落ちるのに従って「キャラゲー」の名称は復活してきている。 この言葉には、暗に「(キャラばかり取り上げて)肝心のゲーム性が無い」といったマイナスの意味が込められていることが多い。とは言え「キャラクター要素を全面に出す事」と「クソゲー」である事は直結しない。
そもそもオリジナルのエロゲーやギャルゲー、BLゲー等はキャラの魅力こそが最重要課題であり、キャラに魅力があるとして「キャラゲー」と評されることもある。安易なレッテル貼りに使わないようにしたい。

ギャルゲー

「女性キャラクター」の魅力をセールスポイントに据えた作品。現在では「男性向け恋愛シミュレーションゲーム」の俗称になっている。

タイムギャル (1985年)』や『夢幻戦士 ヴァリス (1986年)』等がその最初期の作品と言われる。
ときめきメモリアル (1994年)』がコンシューマソフトとしてヒットしてからは恋愛ゲームがギャルゲーの人気ジャンルとなった*32

広義には18禁作品も含むが、18禁作品には「エロゲー」という呼称が既にあったこともあって狭義では非18禁作品のみとされる。
「美少女ゲーム」という表現は18禁作品も含めて使われることが多く、特にコンシューマー移植した作品などにおいては公式が用いていることが多い。

ちなみに、「ガールズゲー (Girl's Game*33)」と言うギャルゲーと似た名称のジャンルも存在するが、こちらは「主にファッションやダンス等を扱った少女向けゲーム」の事である。おっさんプレイヤーもいるけど*34

クソゲー

読んで字のごとく「クソ(糞)」みたいなゲームのこと。低品質なゲームに対する蔑称。
イラストレーターのみうらじゅんが『いっき』を指した発言が初出とされており、みうらじゅん本人もそれを自認している。
『いっき』発売から約1年後には「ファミコン通信(現・ファミ通)」にて「くそゲー」との表記があったが、みうらじゅん起源説の他に有力な説はない。

しかしながら、その 『いっき』は当Wikiにおいてクソゲーには分類されていない。 そのことからも分かる通り、使う人間や場所、使い方によって解釈の変わる言葉である。
バカゲー(アホらしい演出の多いゲーム)を(一種の褒め言葉として)クソゲーと呼んだり、ガッカリゲー(期待よりつまらなかったゲーム)程度でもクソゲーと呼ばれることがしばしばある。
だが、当WikiやKOTYにおいては、現在「 ゲームを単体で見て、特につまらないものや出来の悪いもの 」を「クソゲー」の定義としている。

何を面白いと捉えるかは人によって異なるものだが、当Wikiで「クソゲー」判定されるゲームは「操作性が非常に悪い」「難易度が理不尽」「ゲーム性や内容が無さすぎる」といった、比較的万人に納得されうるマイナス要素が根拠になっている。
しかしそういった問題点を理解した上で、あえて酷い出来の作品に怪しい魅力を感じプレイしてしまうという「クソゲー愛好家」「クソゲーハンター」と呼ばれる酔狂な人種も一定数存在するあたりが人間の複雑な心理と言えよう。

自分に合わなかったゲームや嫌いなシリーズをクソゲー呼ばわりする者もいるが、この手のクソゲー呼ばわりはレッテル張りでしかなく、掲示板やSNSでは不毛な言い争いが繰り広げられている事も多い。

また、対戦ゲーム等で「あまりに理不尽なゲーム展開」を指して「クソゲー」と呼ぶ場合もある。
試合開始前から既に勝敗が見えている状態だったり、一方が全く何もさせてもらえないままゲームが終わる様な展開(例:麻雀ゲームでの天和)等。
こちらの使われ方での「ゲーム」は、「作品」ではなく「試合」のことを指す。

ちなみに、排泄物やスカトロを全面的に扱ったゲーム(PCEの『トイレキッズ』やエロゲーの『夜勤病棟』等)は文字通りの「糞ゲー」ではあるが、この「糞」は「フン」と読んだ「糞(フン)ゲー」として別物扱いされ、「クソゲー(物理)」などと呼ばれる事もある。

クライムゲーム(crime game)

crime (クライム)は"犯罪"を意味し、クライムゲームはゲーム内で窃盗や殺人などの犯罪行為を行えるゲームを指す。やりたい放題に犯罪を犯せるものは少なく、さすがの『グランド・セフト・オート』シリーズであっても犯罪行為が見つかれば警察に追いかけられるというペナルティはある。
CEROにおける「犯罪」に分類されるに表現に抵触しやすいことから、低年齢には推奨されないレーティングとなるものが多い。

主なクライムゲーム
『グランド・セフト・オート』シリーズ、『PAYDAY』シリーズ、『Watch Dogs』、『Satellite Reign』

グロゲー(残虐ゲーム)

目を覆いたくなるほどにグロテスクなシーンが満載なゲームの事。グロテスクとはいっても美術様式の事ではなく残虐表現を指す。
激しい欠損表現、臓物が飛び散る、凄惨な拷問シーン、大量の死体が頻繁に出てくるような、常軌を逸したゲームに対して使われる。
大量の虫、手術シーンなど、残虐とは言えなくとも人によっては気持ち悪くなるような演出が多いゲームも「グロゲー」と呼ばれやすい。
アクション、バイオレンス、サスペンス、ホラー系統の作品に発生しやすく、写実的な描写を追求する傾向のある洋ゲーにも多く見られる。
アメリカのAppleII用手術ゲーム『LIFE & DEATH』がPC-9801などに移植されたあたりから、日本のゲーム業界でも残虐表現が話題にのぼるようになった。

日本ではこの系統のゲームのジャケットや説明書に、「このゲームには暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています」という旨の注意書きか、高年齢向けのCEROレーティング表示をする。
グロの程度はものによって様々だが、内容を知らずにプレイしたユーザーが余計な不快感を催す状況を避けるよう配慮する事は、国内における業界の常識となっている。家庭用リリースにあたって残酷表現を修正する場合も多い。
表現の過激さのあまり成人指定(18禁)を受けると、店側も未成年者立入を禁止する販売コーナーへの隔離を行うことになる。

洋ゲーの日本語版ローカライズでは、残酷描写規制の比較的緩い海外と厳しい日本の間でしばしば問題が生じ、「血の色を黒くする」「人間は切断できない」「人間ではなくゾンビやミュータントに設定を変える」などの修正を加える。
そうした手を尽くしても審査を通りそうにない…という理由で、日本ではゲームが発売自体されない場合もある(例:『Dead Space』等)。

この手のゲームの制限が一番厳しいのは「人間の欠損表現を一切認めていない*35」ドイツと言われていたが、そのドイツも2017年にEU圏内と同じレベルに緩和され、『Half-Life』は「ドイツ向け一般化パッチ」なるアップデートが行われた。
そのためグロに関しての規制状況は日本がトップと言われている。

…と言われるが、グロではない暴力表現やフェニミン関係では日本より海外のほうが厳しい。
これは欧米では規制が両極端であり、大人向けは日本より規制が緩く、子供向けは日本以上に規制が厳しいという2分された状況があるためである。
実際「エンターテインメントソフトウェアレイティング委員会 (ESRB)」や「汎欧州ゲーム情報 (PEGI)」では、CERO:A(全年齢対象)の『大乱闘スマッシュブラザーズ』でさえ「ESRB-T (Teen=13歳以上対象)」や「PEGI-12 (12歳以上対象)」に判定されており、子供が買うには保護者の同意が必要だったりする。

ちなみに、残虐表現に由来する成人指定作品もまた「アダルトゲーム」と言えるのだが、この言葉は日本では基本的に性描写のあるエロゲーを示す事が多い。
また、こちらとも区別して配慮する必要があるので単に「アダルトゲーム」と呼ぶことはまずない。
なおこちらも海外では、大人向けは実写で無修正もOKだが、子供向けはアニメ絵だろうとビキニでNGと言う両極端さである。
実際、アニメ『ワンピース』の女性陣の服装はことごとく変更された(深夜放送版なら日本版と同じ恰好)。

子供向けゲーム

主に低年齢層(幼稚園児~小学校低・中学年程度)をメインターゲットにしたゲームのこと。
その性質上、TVアニメなどの有名キャラクターを起用したキャラゲーや、子供受けの良さそうな可愛らしい・かっこいい絵柄で低年齢層向けをアピールした作品が多い。
内容の特徴としては、一般的なゲームよりもゲーム性や操作方法を単純化したり、難易度を低くしたり、画面構成をシンプルにしたり、文字にひらがなを多く使う、といった子供への配慮が見られることが多い。
また子供向けの中でも特に女児や男児といった、ターゲットの性別を絞った作品も一般ゲームより多い傾向にある。
子供は自分専用のテレビモニタ(部屋)を持っていないことが多いという事情から、措置機よりも携帯機でリリースされることが多い。

子供向けゲームは、ゲーム性やルールが単純であり、大人にとっては興味を持てない退屈なものと映りやすいが、一方で大人のプレイにも耐えうる高いゲーム性や完成度を持つ作品もある。
ポケットモンスター』や『妖怪ウォッチ』は社会的にも大きな影響を与えた子供向けゲームの代表的タイトルと言えるだろう。

一方で、特にキャラゲーでは「子供向け」と「子供だまし」を勘違いしたクソゲーも少なくない。販売時期の限られるアニメ・特撮などのゲームで顕著。

コンストラクションソフト(ツールソフト)

自分オリジナルのゲームを制作できるソフトや、アクション/レースゲームなどで極稀に用意されているステージエディターなどを指す言葉。平たく言えば、「ゲームを作るゲーム」の事を示す。
ソフトウェアの開発支援ソフトを指す「ツール」や、「構造・組み立て」を意味する英単語「construction」が語源。
現・角川ゲームスの「〇〇ツクール」シリーズにちなんで、「ツクール系」と呼ばれることもある。

あらかじめ用意された素材を組み合わせる事により、プログラムや素材をわざわざ自作しなくとも手軽にゲームを制作できるのが強み。
もちろん「ありものの組み合わせ」に加えて表現力やシステム上の制限にひっかかりやすく、当然ながら本来の開発環境と比べると制作自由度(システムへの手の加えやすさ等)の面では大幅に劣る。
とは言え低工数で作品を完成させやすく(良い物を作ろうとするとやはり工数がかかるが)、バグで遊べない等の致命的なクソゲーも誕生しにくいという長所がある。
中には、本来想定していたジャンル以外のゲームを作れてしまうほどのポテンシャルを秘めつつ、その分実際のプログラミングに等しいレベルの知識・技術レベルを要求してくるマニアックな代物もある。

ただし、PCが普及した現在ではバリエーション豊かな性能を持ち、安価で制作環境を整えられるゲームエンジンやプログラミング言語も登場しており、更にそれで作った作品の公開及び販売も容易になっている。
その為、わざわざ制限の強い家庭用ゲームで創作する意義は薄れつつある。

関連項目『RPG製作ソフト』『ゲームエンジン

コンボゲー

格闘ゲームのジャンル分けのひとつ。
連続技(コンボ)の要素をクローズアップし、コンボを主軸とした構成で製作された格闘ゲームのこと。

2D格闘ゲームの技は基本的に「攻撃を出し、それを引っ込める」事で一連の動作となっている。
だが、『ストリートファイターII』以来、その「引っ込める動き」を中断して次の技を出す「キャンセル」と呼ばれる要素(最初はバグだったが、面白いからと意図的に残された)がほとんどの作品で搭載されており、キャンセルを利用することで連続技を組み立てていけるようになっている。
かつては連続技は非常に強力な代わりに、狙えるチャンスも限られているのが常であったが、90年代後期あたりから「より狙いやすく」「より長く」「より派手な」連続技を豊富に揃えたタイトルが現れ始める。
特にカプコンの『MARVEL』シリーズはその方向性が顕著であり、他社でもそうした要素の強い作品が増えていった。
こういったコンボゲーの多くは、エリアルコンボ(空中連続技)や二段ジャンプなどを駆使した空中戦も考慮されていることも特徴である。

複雑な連携を暗記したり地道な反復練習を行うことが前提であるため、ただでさえプレイのハードルが高くなりがちな格闘ゲームの中でも、さらに新規プレイヤーが手を出しづらいジャンルであるのが問題点である。
簡略化されたコマンド操作でコンボを出せるようにするなど、取っ付き辛さを緩和する配慮のなされたコンボゲーも多くリリースされているが、それでも中々間口は広がらない模様。
とはいえ、派手なコンボを成功させる操作感や見た目の華やかさなどは魅力であり、根強い人気のあるジャンルでもある。

格闘ゲーム全体に言えることだが、特にコンボゲーは開発側が細心の注意を払ってもバランス調整が難しく、弱いと思われていたキャラが思わぬ戦術やコンボの発見・研究によって一躍強キャラと化した例も多々ある。
また、永久コンボ・即死コンボの多発や強力すぎる連携が見つかったことにより、ゲームバランスが大きく崩れてしまったり意図せずバランスが取れてしまったタイトル(主に世紀末などと呼ばれている格ゲー群)も珍しくない。
あえてコンボにプラス補正をかけることによって意図的に(?)即死コンの応酬と化している『闘姫伝承』なんて例もある。

ちなみにコンボゲーとは逆に、技単発の威力が高く、連続技よりも相手の隙の見極めや間合の取り合いが重要な格闘ゲームは「差し合いゲー」と呼ばれる。
初期の格闘ゲームはほぼ全てこのタイプのものだったが、その中でも『サムライスピリッツ』は差し合いゲーの極致と言えるだろう。
ただしコンボゲーだからと言って差し合いは軽視されていない。時に一度のチャンスが絶大な重みを持つほどにコンボを洗練させた上級者同士の戦いもまた、差し合いゲーと似た光景に至りやすい。
特に「全キャラに即死コンボが存在する」強烈なコンボゲーである『北斗の拳 (AC)』等は、対戦が極まり過ぎると1周回って「"即死コンボの始動技をどちらが当てるか"という差し合いゲー」と言われる事も。
どのあたりからコンボゲーと呼ぶかは人や時代によって違っており、あくまでその線引きは曖昧である。

上ではコンボゲーは初心者が手を出しにくいと書いてあるが、実はコンボゲー以上に手を出しにくいのが差し合いゲーである。
というのも「相手の○というキャラの×という技をスカした場合、返しに入れられる技は△のみ」という知識面での要求が多かったり、
「△から□への技の繋ぎは誤差0フレームが要求される」等、入力面でも非常にシビアな事が多いためである。
コンボゲーでは「相手の技をガードしたらとりあえずAボタンを連打しておけばいい」「Aボタンの技が2発ぐらい当たったらBCDを順に連射して、Dが出たら波動コマンドで締める」など、先行入力が効きやすいタイトルが多く、コンボが出来なくともダメージが落ちるだけで、とりあえず試合にはなるというパターンが多い。

サバイバルホラー

ホラーゲームの一ジャンルで、ホラー映画のようにキャラクターが生き残ろうとする表現に主眼を置いたもの。
BIOHAZARD?』にて用いられたのが最初で、それ以降似たスタイルのゲームがサバイバルホラーと呼称されるようになった。

このジャンルでは銃弾や回復アイテムなどの多くのリソースが限られていて、プレイヤーが常に万全の体勢で敵と挑めるとは限らないのが特徴となる。
そのため敵を戦闘で倒すことは必ずしも最善策とはならず、物資の節約のために敵から逃げる必要に迫られることも多い。
この関係からステルス要素と相性が良い。作品によっては敵と戦うことが全くできず、逃げたり隠れたりしてやり過ごすしかないケースも多々。

また、パズルや謎解き要素と組み合わされることも多い。
アクション要素を持つものが多いが、他のアクションゲームと比べて、視点の悪さや操作性の悪さなどが全方面でマイナスポイントになるとは限らないのが特徴。
『BIOHAZARD』を例にとると、固定アングル視点は「先に何があるか分からない」という恐怖感や、慣れるまで難しいラジコン操作は「焦ると敵からうまく逃げることができない」といったようにプレイヤーの恐怖心を煽り、ホラーを盛り上げるプラス要素となり得る。
このように、意図的にプレイヤーキャラの性能や操作性を抑えめにして、リアリティを出している作品もある。

サンドボックスゲーム

子供が遊ぶ「砂場」のように、プレイヤーがゲーム世界で自由に物作りをすることを主眼に置いたオープンワールドゲーム。
本サイトにもサンドボックスと呼ばれる練習や実験用ページが存在する。

代表作は『Minecraft』であり、この作品はプレイヤーの意志で地形を変化させたり、建物を作れるなど、地形の操作に対する自由度が高く、また基本的にゲームクリアの概念が存在しない事が特徴。
後追いで登場したサンドボックスゲームにも『Minecraft』の影響を受けたものは非常に多く、どうやって楽しむかをプレイヤーに委ねている傾向がかなり強い。

とはいえ、まったく制約がないと使いにくいモデリングソフトでしかないので、素材を収集してアイテムを作るクラフト要素や、どれだけ長く生き延びられるかに挑戦するサバイバル要素、あるいは何らかの達成すべき目的を取り入れているものが多い。

実写ゲー

主に実写を使用したゲームの事。
昔はハードの制約で静止画のみであったが、PS/SS世代以降は実写ムービーも扱えるようになった。
ジャンルとしてはホラーゲームや特撮をゲーム化したものなどが特に豊富である。
ボイス担当も含め、キャストには本職の俳優・女優が起用されることが多い。

実用ソフト

知育ソフトや日常生活において役立つ情報の提供を前提に作られたソフトの事。
古くはファミコン時代の『ポパイの算数遊び』や『アイアムアティーチャー スーパーマリオのセーター』に加え、PC黎明期の夜の営みシミュレータ(?)『ナイトライフ』といったソフトが存在していた。
だが、ハード性能の限界もあって実用性を長きにわたって確立しているものはほぼなく、ジャンルとしてもマイナーの域は出ていなかった。
こういったソフトは、主に購買層である「親」の財布の紐を緩めさせる目的でリリースされており、出来不出来は度外視であることも多い。
しかしそれから時が流れ、ハードの性能も上がった時代になって『脳を鍛える大人のDSトレーニング』がロングランヒット。
これをきっかけに、携帯機であるニンテンドーDSを中心に資格試験の学習ソフトや電子書籍といった作品が雨後のタケノコのように次々と発売、1つのジャンルとして定着した。

原則的にゲーム性は度外視されており、あくまでデータベース・学習補助ソフトの意義が強い。
いかに実用性が高いか、次点で有力な評価軸は操作性の良さ・ボリュームあたりでソフトの良し悪しが決まる、といっても過言ではないだろう。
それ故にクソゲーや良作といった分類基準に沿わせるのが難しいジャンルであり、だからこそ稀に存在する「実用性とゲーム性の両方を兼ね備えた」ソフトは特に高く評価されやすいようだ。

ゲームに限った話ではないが、他との違いを押し出しにくいため、魅力的なキャラクターなどを付随させて売り出す場合もある。
据え置き機種よりも持ち歩きやすい携帯ゲーム機と相性が良いため、その多くがDS・PSP(または携帯電話/スマートフォン)対応でリリースされている。
だが、現在となっては携帯やスマホの台頭・高性能化と携帯ゲーム機側もインターネットブラウザ機能を搭載するようになり、またインターネット接続を前提とするソフトも増加傾向にあるため、オフラインの辞書ツールなどはより影が薄くなっている。

一方で、エロゲー業界ではいわゆる「抜きゲー」の事をこう呼ぶ事がある。何が「実用的」なのかは該当項目を参照してほしい。

シニア向けゲーム

高齢者向けのゲームのことで、認知症対策の一環といった文脈で使われることが多い。
本Wikiで扱うテレビゲームの中では、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』が高齢者層に対してヒットしたのが代表例。
また、囲碁や将棋などの、シニア層にも親しみやすく人気のあるジャンルのゲームもこちらに入れることが出来るだろう。
大人向けに作られたゲームの中で、「アダルト」の語を嫌って代わりに「シニア」と呼ぶこともある。

死にゲー

基本的にはかなりの頻度でゲームオーバーになるゲーム。
主人公が異常に弱かったり、敵が強すぎたり、選択肢を間違うと即死する仕様だったりとその原因は様々。
単に「自分がよく死ぬゲーム」を指す言葉であり、対処法を身に付ける事でミスを克服できるもの(これは「(死に)覚えゲー」として区別される)もあれば、明らかにゲームバランスが悪い・ゲーム側の調整がおかしいものもある。

ゲームの冗長さに対してしょっちゅう死ぬ事は多大なストレス要因であり、 立派なクソ要素として判断されやすい。
しかし、それを補って余りある魅力や解法が用意されている場合もあるため、必ずしも「死にゲー=クソゲー」というわけではない。
また、その死に様の表現や展開の面白さ次第では、笑えるネタとして評価されるバカゲーにもなりうる。
死に方(殺し方)にこだわったゲームは「リョナゲー」と呼ばれることも。

シネマティックプラットフォーム

プレイヤーのジャンプ動作やダッシュに予備動作や慣性といった現実的な制限を設け、シネマティック、即ち映画的なゲーム演出を可能とするジャンル。
スーパーマリオブラザーズ (1985)』によってプラットフォーム(横スクロール)がシビアでなくより娯楽的(高いところから落ちても死なない・高く、操作できるジャンプ・機敏な移動)になった際にそれらとそれ以前を区分するために初めて普及した概念である。
代表的なものとしては『プリンス オブ ペルシャ (1989)』『Outer World (1991)』『Flashback (1992)』『Deadlight (2012)』『ASSASSIN'S CREED CHRONICLES: CHINA (2015)』等が存在する。
現在ではそのほとんどが『プリンス オブ ペルシャ』に準拠したゲームデザインとなっており、実質的なペルシャライクとも言い表せるジャンルである。
プレイヤーの機動性、体力ともに現実的な調整であることが多く、転落やトラップによる死亡も多いため難易度は平均しても非常に高い。
その反面、アスレチックやパズル要素について操作のパターン化が容易であることも重視されており、如何に正しい行動パターンを構築し実行できるかが試される上級者向けのジャンルとなっている。

敷居が高いため2Dプラットフォームの減少と共に廃れていったが、「動作や耐久力は現実的だが、計算ずくのアクションが可能な探検ゲーム」という概念は3Dゲーム普及後も『トゥームレイダース (1997)』や『Indiana Jones and the Infernal Machine (1999)』といった3Dアスレチックタイトルに受け継がれていった。

ステルスゲーム

アクションゲームの一種で、敵を倒し高得点を獲得するのではなく「敵と遭遇しない」「敵から逃げる」ことに重きを置かれたゲーム。
アーケードゲーム『005』が始祖と言われ『メタルギア』でゲーム性が確立された。
敵を一人も殺さずに全く見つからない不殺プレイから、敵を片っ端から倒して目撃者を0にする殲滅プレイまで高度な遊び方が幅広いのも魅力。
AIの進歩と共に敵も賢くなり、単に視界に入らなければ良いという状態から、物音に敏感になったり、敵の死体を見つけることで応援を呼んだり巡回経路を変更したりと、技術の進歩をダイレクトにゲーム性に反映させてきたジャンル。
しかし、敵が賢くなりすぎるとクリアも容易でなくなるため、難易度調整が困難なジャンルの1つだと言える。

昨今ではゲームの自由度の上昇により、「正面対決とステルスの好きな戦闘スタイルを選べる」「通常の戦闘とは別にステルスパートがある」ようなゲームも珍しくなくなっている。

スローライフ

ある世界の一員となってのんびりマイペースに暮らすことを目的としたゲーム。
ゲームの方から次々と示された目的を達成していくのではなく、自分で「何をするか」を決めてプレイをする。
農場経営、牧畜、釣り、生産や建築をしながら住民と交流し、やがて結婚したり…といった要素をしながら、世界観によってはダンジョン探索やモンスター退治も行うことも。
また、強制力が少ないほうがよいとされるため、シングルプレイ専用であることも多い。
一方で、効率化を求めるプレイヤーや、ゲームオーバーが存在するゲームの場合、スローとは真逆の休む暇もない忙しい日々を送ることになってしまうことも多々ある。
自由なプレイができる一方で明確な目的がないと何をしていいのかわからなかったり、毎日の繰り返しでルーチンワーク化してしまう、という問題もある。

ゾンビゲーム

生ける屍とも呼ばれるモンスターの一種。ホラー映画の題材として人気が出て以降ゲームにも取り入れられ、『BIOHAZARD?』のヒットによってメジャージャンルとなった。
「生きている人を襲う」「動きが緩慢」「襲われた人はゾンビ化する (感染する)」という昨今のゾンビ像はジョージ・A・ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド (1968年)』によるところが大きい。
一方で、菊地秀行の『魔界都市シリーズ』では「ゾンビは常に火事場の馬鹿力状態だから素早くて不思議じゃない」としている。
ゲームとして見れば、現代的な銃火器などとファンタジー的な異形の怪物を無理なく共存させられるシチュエーションであり、様々な作風のゲームが作られている。
作品によっては人以外のゾンビや人の造形からかけ離れたゾンビ*36なども出てくる。また、ゾンビ化する原因も呪術的なものから薬やウィルス、外科的処置などイメージ以上に幅が広い。

  • ゾンビゲームの代表例
    • BIOHAZARD?』……ゾンビゲームの代表格。
    • DEAD RISING』……上記の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』をインスパイアしたゲーム。
    • LEFT 4 DEAD』……ゾンビといえば動きが遅い、というゲーム界隈での常識を覆したゲーム。
    • Dying Light』……ゾンビゲームにオープンワールドとパルクール要素を加えた意欲作。

体感ゲーム

体を動かして操作する入力装置を用いたコンピュータゲームのジャンル。
コンピュータゲームの多くは手(指先)を主に動かしてプレイするが、体感ゲームではそれ以外の部位も大きく使って遊ばせようというデザインのゲームが中心となっている。

かつてはアーケードゲームの得意分野であり、測定器を直接殴って衝撃力を競うパンチングマシーンや、搭乗部を模した大型筐体に実際に乗り込んで操作するレースゲームといった、およそゲームセンターでしか遊べないような業務用ゲームが多く取り揃えられていた。
特にセガはこの分野でのパイオニア的存在であり、『スペースハリアー』や『アフターバーナー』等の数多くの傑作ゲームを世に送り出してきた。
一方で家庭用ゲーム機にも体感ゲーム特殊な周辺機器を併用する形でリリースされてきた。踏んで使用するマット型コントローラを用いたFC『ファミリートレーナー』、家庭用周辺機器としては異例の大型専用コントローラが話題となったXbの『鉄騎』など。
ただ、可動筐体はPL法の施行と同時に実現が難しくなり、また危険度(事故の可能性)が高いとみなされた機種は当局から有人運営(筐体毎に専属のオペレーターを配置した運営)を義務付けられるなどにより衰退していった。
最終的には、アトラス製の腕相撲マシンで稼働開始当日に複数の負傷事故が発生し、該当機種が回収となったことでこの系譜は完全に途絶えた。

それらと前後してコナミの音楽ゲーム『BEMANI』シリーズがアーケードで急速に台頭し、専用コントローラーとともに家庭用ゲームにも進出していった。
それからいくらか世代をおいた家庭用ゲームではWiiの標準付属品である「Wiiリモコン」やXbox 360の周辺機器「Kinect」といった、ボタン押下以外の入力を検知するセンサーを用いた汎用性のある入力デバイスも登場し、双方においてメジャーな存在となりつつある。
ただし、汎用性があるからとこれらを活用するためにかえってパッドよりも使い勝手が悪くなったり、あるいは手の小さいプレイヤーを考慮しないようなレイアウトなど、ユーザビリティを損なっているケースも皆無ではない。

体感ゲームの一種として、バンダイやエポック社などが手掛ける「ハード・ソフトウェア一体型のTV接続式体感ゲーム玩具」もある*37が、この系統のTVゲームは本サイトでは取扱い対象外としている(このWikiで扱う作品参照)。

脱衣ゲーム

ゲーム内の対象キャラを脱衣させる(脱がせる)ことをメインとしたゲームの事。多くは「ゲームに勝ったご褒美」として脱衣する。

このパターンで有名なのは、80~90年代のアーケード業界における脱衣麻雀。他には『ギャルズパニック』などのパズルゲームにも脱衣ゲーが存在する。
そのシンプルな売りは常に安定した人気を持ち、脱衣の求心力のみに留まらず魅力的なキャラクターを輩出していくシリーズものも登場した。
しかしマニア向けの「ゲームセンター」からファミリー層向けの「アミューズメントセンター」への移行にあたり業界も自主規制するようになり現代では衰退してしまった。
ちなみに、ショー(見本市)出展の際は脱衣要素はNGであるため、必ず「脱衣シーンを表示しない」設定が存在する(取扱説明書に記載のない隠し設定である場合も多い)。
該当シーンをスキップするものから、着衣のまま動かないものもある。AV麻雀等では、エアロビクス映像等に差し替えて出展されていた。
現在では2004年改定の風適法で明確に規制されている(これは、景品類や、4号営業向けの機種においても同様)。遊技機においても、パチスロで言うところの5号機世代からは性的表現ができなくなっているのはこのためである。
家庭用ゲーム機でもギリギリないし限界を超えるエロスに挑戦しているゲームは幾らか存在したが、やはりアーケードゲームと共に衰退した。

一応アーケードや家庭用ゲーム機で脱衣ゲーが衰退してからも、PCのアダルトゲームにおいて脱衣ものは生き残っている。
ただし「本番が主体」のアダルトゲーム業界で「脱衣が主体」のゲームはかなり珍しく、ファンディスクやスピンオフのネタとして採用される程度である。
2018年頃にSteamにてHentaiゲームブームが沸き起こり、脱衣要素のあるパズルゲームが急増した。『Mirror』等が制作されている。
Mirror』と同様にSteam外のサイトにてCGを丸見えのものに差し替える差分データを配布しているゲームもある。

  • 代表例(R15) ……『スーパーリアル麻雀』『アイドル雀士スーチーパイ』
  • 代表例(R18) ……『いただきじゃんがりあん』『フルアニ』
  • ファンディスク系(R18) ……『ぴあ雀*38』『いちご打*39

しかし、脱衣ならぬ「衣装破壊ゲーム(脱衣K.O.)」は今でも流行っていたりいなかったり(ただし局部は絶対に見えない)。

  • メイン扱い……『クイーンズブレイド』『艦隊これくしょん』
  • おまけ扱い……『黄金の城*40』『龍虎の拳』『ファイティングバイパーズ*41
  • ?!……『ゼロディバイド』『超鋼戦記キカイオー』

脱出ゲーム

アドベンチャーゲームの一種。プレイヤーは「密室に閉じ込められた」という設定でそこからの脱出を目指す。
部屋の中から手がかりやアイテムを探し出し、それを使用・活用して新たな手掛かりや鍵を手に入れていくことがゲームの基本。また、多くの作品では暗号やパズルといった謎解き要素を織り交ぜている。
頭を使う以外にはクリック操作が主体であり、広義ではクリックアドベンチャーの一種となる。
フラグなどの構造がシンプルなので、当時のブラウザコンテンツで使用されていたFlashなどでもゲームを作りやすく、無料でお手軽に楽しめるブラウザゲームが数多く発表されている。

ジャンルを有名にしたのは、2004年発表のブラウザゲーム『クリムゾン・ルーム』で、当時はストーリー性がなく展開としては「いきなり見知らぬ密室からスタートし、脱出したら即終了」というものが珍しくなかった。
その後、'00年代後半あたりで携帯機中心にリリースされた商業作品では、一般的なADVと同様にキャラクターや物語を設定したものが出てきている。
ちなみに、世界初のグラフィック付きADV『ミステリーハウス (1980年)』も、設定の骨格は「謎の屋敷からの脱出」でストーリー性は無く、脱出ゲームと性質が似ている。
脱出ゲーム自体は2000年以降に流行ったジャンルだが、コンセプトや手法などは古くからあるゲームそのもので本質はむしろ古典への原点回帰的な部類に入るゲームだった。

ゲームの大部分をランダム要素がなくテクニックも不要な探索と謎解きが占め、ネタがばれていると面白みが少ないことからリプレイ性に欠けていることが最大の弱点。
有料の商業作品ともなれば解決策や緩和策を用意していたりもするが、中には室内に即死トラップなどを仕込んで難度を尖らせ延命を図っているものもある。こうした発想もまたどこか古典的。

この独特のシチュエーションやゲーム性は、映画界では『CUBE』『SAW』等が比較的早い段階で映像化している。また2000年代後半からは現実に脱出ゲームを体験できる大規模なイベントや、同様のテレビ番組なども企画・制作されている。

アクション性やリプレイ性が無いため、現在ではアナログゲームとして運営されるのが主流である。イベント毎に作り直すこともまた容易である*42為、規模の割に水増しすることや使い捨てることが容易なので、イベントとして好まれている。
イベントの内容によって、商店街(地下街)やそれ以上の範囲からキーワードやスタンプを収集する広域タイプと、特設会場を用いた演出重視の密室タイプに分類できる。前者は一般参加懸賞型、後者はTV番組などの参加者限定型や特設会場への入場料を取る有償型が多い。

タレントゲーム

「タレントゲー」ともいう。キャラゲーの一種ではあるがキャラゲーとは違う点は実在の人物…主にタレントやミュージシャンなどの芸能人・有名人を起用している点である。
ファミコン全盛期の80年代末は多くのタレントゲームが生産された。バブル経済の高まりも相まって猫も杓子もこぞってタレントを起用しており、当時の流行が窺えるのも特徴。
その手のファンにとってみれば芸能人のゲーム化は大変うれしいものであったりするのだが、本人がゲームシステムなどに口出ししたせいでゲームバランスが破綻した例もある*43
口出しせずとも、タレントの肖像権を利用しただけで中身やバランスがスカスカだったりする例もあるが、クソゲーばかりとかというと、必ずしもそういう訳でもない。
キャラクター愛に溢れて上手く表現されたゲームや、タレントのノリに合わせてバカゲーになる例も少なくない。
所属事務所などタレント本人の肖像権が絡むために、バーチャルコンソール化やゲームアーカイブス化する作品は総じて少ない。
特に故人だったり不祥事や所属事務所とのトラブルの結果表舞台から消えたような人だったりすると絶望的。中には海外版でのキャラクター違いでVC・GAされたものもある。
また、ゲーム会社が生み出した有名人(ゲーム名人*44)を起用したゲームもある。

ジャンルとあまり関係が無いがタレント・芸能人がゲームタイトル愛を語るシーンもありクリエイターと対談、番組、ゲーム会社公式の動画コーナーなどで挑戦という形で挙がることもしばしばある。例として宮本茂氏とピクミン愛を語ったダウンタウンの松本人志氏、糸井重里氏とMOTHERを通して対談した爆笑問題の太田光氏。任天堂公式の「よゐこの○○で○○生活」や「ゲームセンターCX」で活躍中のよゐこの二人が有名である。

弾幕系シューティング

「弾幕」は元は軍事用語。多数の弾丸を一斉に発射して作る高密度の弾丸の幕で、制圧力や殲滅力を上げること。
シューティングゲームにおいては、画面を覆い尽くすほどの大量の敵弾が出ている状態を指し、それをゲームデザインの全面に押し出したシューティングゲームを弾幕系(弾幕)シューティングと呼ぶ。

一見しただけではとても避けられそうにない攻撃が頻発し、異常な高難易度に見える弾幕系シューティングだが、実は見た目ほど難しくはない場合も多い。
共通して「敵弾や自機の当たり判定のどちらかor両方が見た目よりも小さい」「自機の移動速度を変えられ、自機が細かく動けるようになっている」「時に、一定のアルゴリズムに従って連続射出される弾の軌跡は、画面上に美しい幾何学模様を形成する事もある」という特徴を持つ作品が多い。
これら全てを兼ね備えたシューティングを狭義の弾幕系シューティングとし、広義の弾幕系シューティング(敵弾が多いだけのシューティングゲーム)とは区別する事もある。
敵弾を消せる攻撃や特定条件下で無敵になれるなどのシステムを搭載している作品も多く、それらのシステムを使いこなす事を前提にした作品も存在する。

これを明確にゲームデザインの前面に押し出したジャンルの先駆けはAC『バトルガレッガ』や『怒首領蜂』が挙げられる。
特に上述したの特徴を全て持った『怒首領蜂』は(狭義の)弾幕系シューティングの金字塔として知られ、シューティングゲームの歴史を大きく変えた。 当時は敵弾のスピードはそれほどでもなかったものの、とにかく弾の数が多く(敵弾の)密度が濃いインパクト重視の側面が強かった。
高速の弾を一度に多く滑らかに扱えるほどマシンパワーが向上した2000年前後から、同じような特徴を備えたゲームが増えていき、日本で展開されるシューティングゲームの代表系列として定着した。 国内外問わずインディーズゲームでの人気も高く、『東方Project』や『Crimzon Clover』のようにPC向けの同人ゲームから好評を博して規模を広げた作品もある。

なお、敵弾の間を潜り抜けられる設計ではないため、弾幕全体を一つの大きな攻撃とみなして大きく回避しなければならない(見た目だけでなく、本当に避けられない弾幕)、主な弾幕系STGの避け方と大きく異なるセオリーを要求されるようなものは弾幕系とは呼ばない。
例えば、横STGのグラディウスやR-TYPEは実は自機の当たり判定こそ1ドットと小さいが、弾の当たり判定を見た目以上に大きくして釣り合いを取っているため、高次周の弾幕は全体を誘導して退路を少しずつ消費しながらやり過ごすことになる(この2つシリーズにおいて、地形に対する当たり判定がゆるいのはこの仕様による)。
また、『バミューダトライアングル』のような巨大判定高耐久の自機で不可避な集中砲火を浴びながら耐久力が尽きる前に敵を殲滅していくタイプも弾幕の濃さとは無関係に弾幕系の定義から外れる。

泣きゲー

感動シーンを重視して作られており、実際にそれらの評価が高い美少女ゲーム(エロゲー・恋愛ゲーム)を指す。
名前だけ見れば「感動できるゲーム」全般を指すように思えるが、実際には(一般に普及している定義では)エロゲー・恋愛ゲーム限定の表現である点に留意されたい。
特にエロゲーにおいて、性描写(エロ要素)ではなく感動的なシナリオ面の描写を重視した作風を、性描写を第一義とする「抜きゲー」の対極に位置する存在として区別する目的でこの呼称が使用されるようになった。

2000年頃から急増した質の悪い泣きゲーには「人の生き死に*45安易に頼っているだけ」と批判されるゲームが多い。
多少評価が良い程度では「泣きゲー」ではなく、ただの「キャラゲー」や「凡作」扱いをされるジャンルであり、手軽に作っているかのように見えるがその実、シナリオライターの腕が非常に問われるジャンルである。
逆に完成度や演出などが素晴らしければテンプレ的な流れに終始していてもそう批判はされない為、やはり実際にプレイするまでは判断は不可能である。

忍者ゲー

忍者をメインモチーフとしたゲーム。大抵は主人公からして忍者であり、特殊なアクションや武器攻撃を行う。
忍者とは本来、戦国時代に影で活躍した諜報や暗殺*46等の秘密任務を行っていた隠密部隊で、その設定や能力は映画やテレビドラマでも多々用いられる。
『ウィザードリィ』『サスケvsコマンダ』『最後の忍道』等のゲームにおいても、能力を全面に押し出した存在が多く登場しており、裸状態が強かったり一撃で敵を倒す能力があったり怪しげな術を使う等という独特な役回りで扱われてきた。

80年代中ごろにアメリカで「現代に生きる忍者の末裔が悪の組織に妻子を殺され、復讐の為に大暴れする」という筋書きの映画を主体とするニンジャ・ブームが起きる。
それと同時にスシ・サムライ等とともに妙に偏った日本文化として紹介され、忍者のイメージもまたダイナミックな方向にエスカレートしていった。
その結果「現代が舞台なのに忍び装束を着て敵基地に真正面から堂々と乗り込み、破壊の限りを尽くす」ような、全く忍んでいないニンジャ・スタイルとそれを元にしたゲームが登場するようになる。
アメリカでは堂々とヒットして代表的なモチーフの一種になり、以降も様々な形でリリースが続いているほどに無視できない影響力を持つ文化となった。
最早ギャグにしか見えないその立ち回りは巡り巡って日本人にとっても実際ウケたりしている。
だが、ニンジャについてもっと忍ぶべきだなどとつっこみを入れようものならばガチ反論されることもあるほどに、ニンジャスタイルの方向性は固まっているので外国の人と話す際は注意。

もっとも日本でも近年まで忍者の実態を知るのは関係者のみで、一般人に対しては(仕事をしやすい様に)誇張して吹聴していた*47という事実があり、
結果『児雷也*48』や『真田十勇士*49』等に代表される、人間離れした体術や派手な忍術(と言う名の幻術や妖術)を駆使して立ち回る「ファンタジー忍者」は明治以前から多数存在していた*50

抜きゲー

アダルトゲーム(エロゲー)の中でも、自慰行為(抜く)をする際にオカズに使えるかどうかを重視した作風のゲームを指す。
オカズに使いやすく自慰行為がはかどる内容は「実用性がある」として評価される。

このタイプの作品は、作り手も受け手も性描写要素(=エロさ)を最重要視し、それ以外の要素は瑣末事としてあまり重要視されない。
一般向け作品の評価対象としてメジャーな「ゲーム性」「隠し・やり込み要素」「優れたストーリー」等も、このジャンルでは逆に「抜くのに邪魔」と批判されがちなあたりが、抜きゲーの特殊性と言える。

エロゲーなら当然エロさも立派な評価点である。しかし基本的に一般向けである当ゲームカタログでは、判定において実用性を考慮しない。
そもそもの話、どのような描写が抜けるかは人によって基準が大きく異なるので考慮しようがない。
ついでに記事中で過激な表現・題材を用いる事も許されていない*51為、記述の大部分がそれのみで構成されるような生粋の抜きゲー記事はページ作成を禁止されている(このWikiで扱う作品参照)。
よって、このジャンルの作品の記事を書くなら、余程飛び抜けた何かを持っているものに限られるだろう。

基本的にはエロCGやエロシーンさえ実用に耐えることが出来れば良いので、優秀なイラストレーターさえ雇えれば製作難度は低めなのだが、それでも変なクソゲーが時折現れるのが日本のエロゲ界たる所以でもある。
単純に絵が下手クソすぎるか手抜きのクソゲーもあれば、テキストをコピペや擬音でごまかしたり下ネタが激しすぎるなど、余りにも酷すぎて笑うしかないゲームも散見されている。

時折エロゲーにおいて「抜きゲーでもここまで酷くない」「抜きゲー未満(のストーリー)」の様な表現が使われる場合もあるが、これは必要最低限の水準すら満たせていないことを意味している。
逆説的にまともに読めない程に支離滅裂なテキストやイラストの場合は、抜きゲー云々に関係なく単なるクソゲー扱いされることもある。

ヌルゲー

攻略のための難易度がヌルい(温い)=低いゲームの事。
「攻略パターンを考えずとも楽にオールクリアできてしまう」「ゲームオーバーになる要因が非常に少ない」「レベル上げなど、クリアしていく上での重要な努力過程がほとんどいらない」と言った要素を持つ。
基本的には簡単すぎて張り合いが無い、創意工夫や上達の意味が無くゲーム性が無い、と言ったマイナスの意味で使われることが多い。
しかし難しすぎる方向にバランスが崩れているよりは、適当にプレイしてもエンディングまで辿りつけるだけマシ、という見方もできる。
またプレイヤーのゲームの腕前や熟練度などによっても難易度の感覚は変わってくるため、ヘビーユーザーやシリーズプレイヤーにとっては物足りなくても、子供やライト層向けなど作品の方向性によっては多少ヌルいくらいが丁度良い、という場合もある。

ヘビーユーザーでも、「本数を多くこなしたい」「トロフィー・実績を稼ぎたい」「息抜きにゲームをしたい」といった理由でヌルゲーを歓迎することもある。
また、ヌルゲーであってもタイムアタックなど突き詰めたプレイをする場合は、ヌルゲーであっても細かな操作すら妥協しない高度なプレイをすることになる。
他、クソゲーなどのプレイしていて辛いゲームにおいては、「さっさとクリアしてスッキリしたいのでヌルゲーで良かった」等の変な評価・細やかな擁護がなされることもたまにある。

なお、昨今ヌルゲーのことを「ゆとりゲー」と呼ぶこともあるが、この言い方には特定の世代に対する侮辱の意味が込められている為、避けるべきであろう。

バーチャルリアリティ

仮想現実(Virtual Reality)略してVRと呼ばれる。コンピュータによって作り出された環境を現実だと知覚させる技術。
研究自体は古くからされており、1990年代にはヘッドマウントディスプレイを装着させるタイプのゲームも出ていたが、画素数が粗く没入感を得られなかったうえにあまりにも高価などといった理由で普及しなかった。
2010年代になってOculus Rift、PC/Steam用となる「HTC Vive」やPS4の周辺機器「PS VR」等と言う形でようやく性能と価格の水準が落ち着いたことで、一般への普及が始まってきた。
日本で一番ネックなのは「部屋が狭いのでロクに歩いたり振り回したりできないこと」と言われている。

パーティゲーム

多人数でわいわいプレイする事を想定した、またはそういったシチュエーションでプレイするのに適したゲーム全般の事。
真剣に勝ち負けを競うよりも、コミュニケーションツールとして一緒に盛り上がるという遊び方が目的にされることが多い為、「ライト―ユーザーでも楽しめるようルールや操作がシンプル」「その場に揺らぎをもたらす運要素が多い」といった特徴があると望ましい。
ミニゲーム集やボードゲームといった、短時間で結果の出るジャンルがパーティゲームの定番とされる。
見た目の面白さや演出の派手さも重要な評価のポイントであり、ここの出来が良ければそれだけで場は一気に盛り上がることだろう。

この手のゲームの面白さはプレイヤー同士の接し方次第で大きく変わり、極端な話、仲の良い友達同士で遊ぶなら大抵のゲームは楽しめてしまうものなのだが、中には擁護できないクソゲーもある。
特に、00年代後期にタカラトミーから据置機向けで発売された『人生ゲーム』が、アナログのボードゲームの頃からの人気パーティゲームの後継作でありながら場の雰囲気を凍りつかせるほどの凄まじくヘボい出来であり、KOTY2009・2010据え置き部門次点、2011据置機大賞と3年にわたって記録を残した。

バカゲー

あまりにもバカバカしくて、不覚にも笑ってしまうような雰囲気のゲーム。
大抵はゲームシステムやストーリー・世界観及びゲーム展開・演出が、ギャグやパロディ、突っ込みどころが満載だったり常軌を逸していてシュールだったりする場合にこう呼ばれる。
クソゲーと混同されがちだがポイントとなるのは基本的に「バカらしさ」のみなので、ゲームとして評価にかかわらずバカゲーのタグがつくことがある、非常に広範囲で副要素的なジャンル*52

そのバカゲーが生まれる経緯も、開発スタッフが敢えて暴走した場合と、作り手の感性を真面目に発揮したらバカなことになった場合とがあり、一筋縄ではいかない。
前者は養殖もの、後者は天然ものなどと呼ばれる。意図的であれ偶発的であれ、バカゲーと呼ばれる作品を作れるクリエイターはある意味貴重な存在。
本来バカゲーではなかったが、ゲーム中のバグを活用したり、妙なところをいじれるエディット機能でおふざけしたりといった遊び方をユーザーが開拓し、
結果的にバカゲーという事に仕立て上げられてしまったものもたまに散見される(MODを含めると大きく増えるが、キリがないので考慮はされない)。
こうした例は動画サイトなどでお披露目されているので、探せば色々見つかるだろう。

ただし、「意図的にバカゲーを作ろうとしてだだ滑りしたゲーム」や「度が過ぎて悪趣味になっているゲーム」はただのクソゲー扱いされることも多い。
「間違った(或いは常識ハズレな)方向に発揮された強烈なパワー」…これがバカ要素に映るかクソ要素に映るかの境目は、まさに、紙一重にして天地雲泥の差である。

発祥については諸説あるが、コンシューマーゲーム専門誌『BEEP!メガドライブ』の単発企画が初出であり、KTC出版『ユーズド・ゲームズ』内連載及び単行本『美食倶楽部 バカゲー専科』から定着した説が有力。

バグゲー

挙げればキリがない程バグの多い、もしくは致命的なバグが当たり前の如く存在し、まともなプレイが困難なゲーム全般を示す。
バグはプログラムには付き物であり、大規模な商用ゲームといえども、ある程度バグが残っているのはさほど珍しくない。
しかし目をつぶることも出来ないほど数が多くて回避不能か、あるいは実害が大きすぎると、この呼び名とともに商業製品として問題視される。

特に悪質な実質未完成品レベルの代物は、ゲーム自体の批判のみに留まらずメーカーへの信頼にも亀裂の入りうる要素である。
そうなったゲームは大抵バランス調整も行き届いておらず、クソゲー扱いを免れ得ない場合がほとんど。
一方で、バグが多い代わりにそれ以上に魅力があったり、使い方次第で面白い現象が発生する場合はバグゲー呼ばわりされつつも良く評価される例が数少ないながらもある。

公式や有志による対処法がネットに上がっている場合もある。泣き寝入りせず、またなるべくネタバレを踏まないよう、注意しながら情報を集める事はインターネット普及直後のゲーマーの嗜みの一つとなった。
また、インターネットの普及でアップデートなどリリースされたゲームのバグが修正されるケースも多々出てきている。それでも、直ったり直らなかったり、新たに別のバグが現れたりと、プログラマからすると馴染みの光景を目にすることも。
他にも既存の作品が他機種に移植された際、移植を担当したメーカーの不手際により、原作ではありえないほどのバグ塗れの劣化移植と化してしまうという事態が発生することも決して少なくはない。

KOTY界隈においてはスレに革命を起こした『四八(仮)』を筆頭に、元々バグだらけだったのにアップデートパッチで逆に致命的なバグが追加されるという、スレのクソゲーマーの常識を打ち破り大きな衝撃を与えた『ジャンライン』『アジト×タツノコレジェンズ』が有名。
ただユーザーに心傷を与えるだけでなく笑いのネタになることもままあり、その方面ではジャンラインを打ち破って2008年大賞になった『MAJORDREAM メジャーWii パーフェクトクローザー』や、2015年に唯一、アジト×タツノコレジェンズに比較するに足る次点として挙げられた『テトリス アルティメット』*53が知られている。

  • 深刻すぎるバグゲーの例……『四八(仮)』『ジャンライン』『MAJORDREAM メジャーWii パーフェクトクローザー』『戦極姫 ~戦乱に舞う乙女達~』『テトリス アルティメット』『アジト×タツノコレジェンズ』

ハックアンドスラッシュ

「hack (切り刻む)」と「slash (叩き斬る)」という言葉が指し示す通り、ストーリー等より多数の戦闘を重視する傾向を示すゲームジャンル。略称はハクスラ。
元々はTRPGでの「ロールプレイよりも敵の殲滅を優先する」プレイスタイルやゲーム性を指す言葉だったが、コンシューマーゲームの発展(特に『Diablo』シリーズの登場)と共にジャンルの1つとして定着した。

今日では「ストーリーに縛られず戦闘を繰り返して、レアアイテムやポイントなどの報酬でキャラを強化してさらに強力な敵の撃破・レアアイテム獲得を目指す」ゲームの総称として定着しており、有名どころとしては『Wizardry』や『Diablo』シリーズおよびDiabloライクゲーム等の名が挙げられる。これらは「ランダム可変値を取るアイテムの性能をひたすら吟味する」「キャラ育成の幅が広い」「単調な作業にならないよう、マップを自動生成したり、出現する敵もランダム変化する」といった風に、システム面でもレベル上げ&アイテム収集に特化している。
RPG内のサブジャンルという印象が強いが、アクションゲームでも『無双シリーズ』や『Borderlands』などのように同様の要素を導入しているものは有る。特に後者のようなハクスラ要素を採用したFPSはルートシューター(ルーターシューター)とも呼ばれる。

バトルロイヤル / ハンガーゲーム

マルチプレイヤー対戦ゲームのジャンルの1つ。
多くのプレイヤーが1つの戦場に集まり、自分以外の全員が死ぬ、もしくは生存者が規定の人数になるまで戦うというもの。
語源は「1つのリングで3人以上が乱闘を行い最後まで立っていた者が勝者」と言うプロレスの試合形式。

FPS/TPSでは「敵をより多く倒す」ことを目的とするゲームが多いが、このジャンルでは自分ができるだけ長く生き残ることが目的になる。
突き詰めると誰ひとり敵プレイヤーを倒さなくとも、最終的に立ってさえいれば高順位を取れるゲーム*54
逆に残機は基本的に存在せず、1回でもやられてしまうとその時点で敗北・ゲームオーバーとなる。
FPSではデスマッチルールのバリエーションとして1人が生き残るまで戦うゲームもあったが*55、近年になってそれをフィーチャー。
フィールドと参加人数を大幅拡大する形でリリースするゲームも増えてきた、比較的若いゲームジャンル。

「1回でもやられるとその時点で敗北」というルールは一見シビアに思えるが、実際は初心者からすれば何回も死ぬストレスが無いため、これまでFPS/TPSを遊んだことのないユーザーにも受け入れられた。
2017年3月にSteamでリリースされたPCゲーム『PUBG: BATTLEGROUNDS』が世界的な大ヒットを記録し、その後に基本無料でリリースされた『FORTNITE』は低年齢層にも受け入れられ*56、バトルロイヤルは一大ブームとなった。
また、2019年2月に電撃発表された『Apex Legends』は僅か8ヶ月でEAの主力FPSとなり、2020年3月には『Call of Duty: Warzone』がリリースされ、そちらは本編シリーズを上回るプレイ人口を誇っている。
さらに『TETRIS 99』と言ったFPS/TPS以外のジャンルでもバトルロイヤルは採用されており、現在発表及び発売されている新作マルチプレイゲームの大半がバトルロイヤル制を実装している。
今や、バトルロイヤルは多人数参加型対戦ゲームのグローバルスタンダードと言えるだろう。

1990年代に隔離した地帯で学生などを殺し合わせるいわゆる「殺し合いゲーム(殺人ゲーム*57・デスゲーム*58)」を描いた『バトル・ロワイヤル』の小説・漫画・映画がヒット。
以降、ソロプレイ用ゲーム(特にノベル系アドベンチャーゲーム)にも『シークレットゲーム』等の「バトルロイヤル物(バトルロイヤル物)」が登場するようになった。
なお、日本映画である『バトル・ロワイヤル』の知名度が低い海外では小説・映画『ハンガーゲーム』や、映画『パージ』などに影響を受けている場合が多い(例:『Minecraft Hunger Games』等)。

  • バトルロイヤルゲームの例……『PUBG: BATTLEGROUNDS』『FORTNITE』『Apex Legends』『Call of Duty: Warzone』等

パンツゲー

ゲームとしてのジャンルは問わず美少女のパンツが見えるゲームのこと。
ドット絵や粗いポリゴンのころはアクションの際に数ドットの白いモノが見える程度で、一枚絵を多用する美少女ゲーには及びもしなかった。
しかし近年では高精細テクスチャを作りこむ余裕も出てきたためか、パンチラ程度では満足できない紳士への欲求に応えるため、下着に異様なこだわりを見せるゲームが数多く登場するようになった。
堂々と下着に力を入れていることをアピールするゲームもあれば、普段は見えないのにどうにかしてスカートの中を覗き見てみると意外としっかり作り込まれていたムッツリなものまで多様。…と言うか、キャラクターのポリゴンモデル化が一般的になった現在、(股下数センチな)超絶ミニスカートでアクションをしてもスカートの中身は絶対に見せない所謂「鉄壁スカート」が不可能となってしまっているのが現状である*59
そんな内容のゲームのため、総じてレーティングは高くなりがち。
Hentaiの国、日本ならではジャンルであるらしく、レーティングで18禁ギリギリを狙った着エロに近いものもあり、海外の審査が通らず販売禁止措置が取られてしまう例もある。
なお、登場人物自体がパンツそのものである『パンティパーティー』という奇ゲーもある。
ちなみに、パンツ以上のモノが見えて当然のエロゲーは含まれることはない。少年漫画のお色気漫画的ポジション。

BL

少年愛を直訳した和製英語「ボーイズラブ」の略。男性同士の恋愛を題材にした、セクシャル表現を含む女性向け作品のこと。
これと同じ系統の略語には、他に「TL (ティーンズラブ。十代のキャラが中心)」「NL (ノーマルラブ。ごく一般的な組み合わせ)」「GL (ガールズラブ。女性同士)」等がある。
ゲームに限らずエロ作品は嗜好におけるジャンルの垣根が非常に高いので、間違えないようにこうした言葉を使い分ける。
特にBLはサブカル界隈でもかなり目立つ言葉であり、見かける機会は多いだろう。ちなみに、BLを嗜む若い女性をネットスラングで「腐女子(ふじょし)」、そのまま年を取っていくと「貴腐人(きふじん)」と呼ぶ事が多い。
「女性のオタクを表わす言葉」として腐女子という言葉を用いているケースも見受けられるが、あくまでBL作品を好む女子を指して言う言葉なので、間違っても他人を安易に腐女子呼ばわりしてはいけない。トラブルの元である。
同義語として、「やおい(801)」「耽美系」「掛け算」「スラッシュ」等。

これをメインに取り扱ったゲームもあり、主に18禁のPCゲームとして数は少ないながら存在している。
しかし何を間違ったか、乙女ゲーや男性向けアダルトゲームにBL要素をいきなりぶっこんで*60叩かれるケースもある*61
何らかのBL(あるいは腐女子)要素をキャラ要素の一環として、それとなく使う程度ならジャンルや媒体(ゲーム以外にも漫画やラノベなども)問わずそこそこある。

『Coming Out on Top』のように男性の同性愛を扱っているが、メーカーが「BL」や「やおい」ではないとアナウンスするゲームも存在する。
メーカー側は女性も楽しめるかもしれないとアナウンスしつつも、こちらはゲイカルチャーを意識した作品になっている。

ピクセルアート

ドット絵のこと。
特に「ピクセルアートを採用したゲーム」などと強調される場合は、グラフィックのドット絵の美しさを意識したゲームのこと。

SFCやメガドライブなどのレトロゲームを再現した「レトロ風画風ゲーム」も人気があるが、
洞窟物語』のように輪郭の線がなく液晶ディスプレイの解像度に最適化された画風や、レトロハードではスペック上不可能だった粒子風のエフェクトが採用されたゲームなども含み、
ピクセルアート採用ゲームが必ずしもレトロゲーム風ゲームであることを意味しない。

スクウェア・エニックスが『OCTOPATH TRAVELER』でピクセルアートと3Dを組み合わせた「HD-2D」を採用するなど、ピクセルアート採用ゲームの表現技法は現在も進化し続けている。

非対称マルチプレイヤー

ひとつのマルチプレイの中で、プレイヤー/チームによって異なったルールや勝利条件、システムが適用されるゲームのこと。「非対称型対戦ゲーム」とも。逆に言うとすべてのプレイヤーまたはチームが全員同じ条件でプレイするゲームは「対称的なゲーム」と言える。
例えば一般的な格闘ゲームでは使用キャラの違いやキャラ間の相性はあるが、「タイマンで戦って相手を倒せば勝ち」という点がどちらのプレイヤーも変わらないため対称的ゲームと言える。
多くのマルチプレイヤーゲームは多かれ少なかれプレイヤーによってゲーム性が異なる非対称な要素を持つが、その差が大きいと「非対称マルチプレイヤー」のジャンルに分類されやすく、特に「強力な1人のプレイヤーvs多数の非力なプレイヤー」という構図が多くみられる。
非対称のゲームで一番わかりやすいイメージは『マリオパーティ』シリーズの1vs3のミニゲームや「鬼ごっこ」だろう。鬼の側と逃げる側では目的が異なる。

このタイプのゲームとしては「攻撃側と防衛側」を明確に区別した『Counter-Strike』が先鞭とされるが、こちらではチーム人数が同じ・共通の勝利方法(相手チームの全滅)があるなど、まだチームごとの違いはそれほど多くなっていなかった。
本ジャンルを一躍メジャーにした『Dead by Daylight』ではより攻撃側と防御チームが差別化され、参加した5人のプレイヤーのうち4人は攻撃する手段をほとんど持たない「生存者」として脱出条件を満たすのに対し、
残った一人のプレイヤーが攻撃側となり、逃げる生存者を攻撃し、全員の捕獲を目指すことになる。

『Dead by Daylight』の大ヒットにより徐々に類似作がリリースされているが、一方で通常の対戦型ゲームに比べバランス調整が非常に難しいジャンルでもある。
同作においても「非力なプレイヤー」間がボイスチャットで意思疎通できてしまうと大幅にゲームバランスが歪められるという問題が浮上しており、今後どのように洗練・派生作が生まれていくかが注目のジャンルとも言える。

hidden object game

背景に隠されたアイテムを見つけ出してクリックし、規定数収集することでゲームが進行するタイプのADV。
ブラウザゲームでは根強い人気があり、買い切り型のものもSteamなどで販売されている。
かつてはSteamで「hidden object game」の和訳として「非表示のオブジェクト」という、やや間違った訳*62が使用されていたが、2021年頃から「探しもの」と訳されている。

微妙ゲー

クソゲーというほど酷いわけではないが、良作と言うほど出来が良いわけでもない。しかし「普通」と言うには見逃せない点が多い。そんな面白いけど一部が不満つまらないけど見どころはある等のまさしく微妙な評価のゲーム。

当ゲームカタログが作られるより前の「クソゲーまとめWiki」で取り扱っていた「評価点はあるが良作とも言えないゲーム」カテゴリは、省略表現として「微妙ゲー」判定と呼ばれていた。
しかし、その微妙さからカテゴリの拡大解釈が進み、もはや良作やクソゲーと言っても良い、微妙と評することこそ微妙なゲームも対象に含まれていた。
その後微妙ゲー判定は廃止され、Wikiが統合された現在もこの表現は判定として使われていない。
基本的にはこういった評価の作品は「判定なし」、人によって高評価と低評価が極端に分かれる作品は「賛否両論」の判定がつく。

不謹慎ゲーム

ゲームの題材として実在の事物や出来事(に類似したもの)を取り上げており、不快感を及ぼす可能性が高いゲーム。
実際に起こった事件や事故、特定の疾病(特にパンデミック)、災害を連想させる内容、差別問題、それらに関わる実在の人物(又はそれを彷彿させるキャラクター)を登場させる等。
主にフリーゲームや違法ソフト(ハードメーカー非公認ソフト)で見られるが、極めて稀に商業ゲームにも存在する。
大抵は修正されるが開発中に不謹慎描写が発覚したり、後から偶然に現実との関連性を持ってしまったりして、発売中止に至ったゲームもある。
発売当時は不謹慎ではなかった表現も社会情勢の変化により、後の価値観から見て不謹慎と思われるようになることもある。例えば新型コロナ禍前に発売された『Plague Inc.』は新型コロナ禍後に中国において販売中止となった。

商業作品の場合、たとえ偶然の一致であっても世間からその対象を茶化していると受け取られる恐れがある。 株価の下落や海外での販売中止というような事態になってしまっては取り返しがつかず、メーカー側は神経質に対処せざるを得ない。

  • 関連:未発売ゲーム 12 (一部に、不謹慎な内容が発売中止の理由となった作品がある)、非公認ソフト

プラットフォーマー

空中に浮いた足場(プラットフォーム)などの間をジャンプで渡っていくアクションゲーム。
2Dサイドビューアクションで登場し、3Dになっても『Haydee』など、プラットフォーマーとしか言いようのないアクションゲームが存在する。

雰囲気ゲー

世界観、グラフィック、音楽、演出、ストーリーなどによる総合的な「雰囲気」を重視して作られたゲームのこと。
雰囲気を重視したゲームというのは古くから存在しているが、ゲームの表現力や地位が上がると別ジャンルのアーティストからもインタラクティブアートとしてゲームが注目されるようになり、新たな表現の場としてゲームも選ばれるようになった。
ゲームシステムやストーリーと違って未プレイヤーに特徴や魅力を説明するのが難しい要素であるが、「雰囲気が良い」というのは歴とした評価点なので、記事作成の際にはオリジナリティや演出・美術と言った視点から触れておきたい。

「(広義の)キャラゲー」と同じく、「雰囲気だけ重視してゲーム性が乏しい」というネガティブな意味を暗に託して使われることもあるが、やはり両者に相関関係があるわけではないので、混同は避けるべきである。

フリーシナリオ

シナリオが一本道のゲームに対し、シナリオ進行の自由度が高いゲームのこと。
具体的にはFFに対するサガシリーズのようなシステムのゲームのこと。
厳密な定義があるわけではなく、「メインシナリオがほぼない」ようなゲームから、「メインシナリオは決まっているが、多数のサブシナリオがある」ようなゲームまで幅広く呼ぶ人がいる。

その性質上、オープンワールドゲームとの親和性が高い。

Hentai

主に海外で使われるジャンル。語源は日本語の「変態」であり、かつては文字通り明確にエッチ*64*65な描写のある日本のエロゲーやエロ漫画に対して使われる言葉であった。
だが、現在では意味が拡散し「日本の漫画、アニメ調の絵柄の、可愛い女の子が多数登場するコンテンツ」全般にこの言葉は使われるようになってきている。
日本語で言うところの「萌え」に近いニュアンスを表す言葉にシフトしてきている、と言えるかも知れない。

一昔前までは海外製のイラストというと非常に顔の濃いリアルな造形か、デフォルメするにしてもディズニーのような子供向けというのが大勢だったが、インターネットの発展で日本の萌え文化や二次創作物が海外でも気軽に見られるようになる。
次第に日本のイラストレーターと遜色ないイラストが出始め、ついには海外製の萌え絵恋愛ゲーム等も発表されるようになってきた。

Steamで配信されている、そのものズバリの『Hentai』というインディーズゲームは少女キャラがキノコを集めるだけであった。このようにSteamではゲームのキャラデザが日本のアニメ調であるだけで"Hentai"のタグが付けられる状況となっている。
これに対し、Steamを運営するValve社は2019年末にパブリッシャー/デベロッパーへ「Hentaiとはアダルトコンテンツを含むという意味である」という見解を通知し、アダルトコンテンツを含まないのにタイトルに"Hentai"が入っている作品に改名を呼びかけた。

ボクセルゲーム

Minecraft』に代表されるジャンルでキャラやマップが複数の立方体で構成されたゲーム。
ボクセルとは「体積 (volume)」と「ピクセル (pixel))」を合わせた言葉で2次元の単位が「ピクセル」で表されることに由来している。
かつてのドット絵をそのまま立体箱(Box)的にしたような表現になることが特徴的。マイクラのヒットもあって、建設やクラフトを行うゲームが多数ある。
もちろん両方とも持たず、普通の3Dアクションゲームという物もある。

凡ゲー

良ゲーという程面白くもなく、クソゲーという程つまらなくもない、至って普通な出来の「平凡」なゲーム全般を示す分類。
当wikiでは評価「判定なし」がこれに該当すると言えるが、当然価値観は人にって異なる点には留意しておくこと。

マゾゲー

基本的には常軌を逸した高難易度で、適合者・耐性者しか喜べない…とさえ思わせるバランスのゲームのこと。対義語はヌルゲー。
マゾと称されるだけあって大抵の人間は途中でギブアップしてしまうが、苦しみの末にクリアできれば他のゲームには無い達成感を味わえるものもある。
ただし、単純に操作性が劣悪、理不尽な要素といった理由で高難易度である場合は、単にゲームとして出来が悪い(クソゲー)と言ったほうが適当であり、どうにかクリアしても虚しさやストレスばかりが募るということになりがち。
PvP要素のあるゲームは強い人にボコされながら上達するしかないため、トップ層を目指そうとする場合確実にマゾゲーになる。

貢ぎゲー / 課金ゲー

主にプレイごとに料金のかかるアーケードゲームにままある、大量のプレイ回数を重ねて解禁される隠し要素や、個別販売されているコンテンツが大量・大比率にあったりするもの。
古くから似たようなシステムはあったが、カード媒体によるユーザー情報の保存が可能となった事、コナミ「PASELI」のような専用電子マネーが普及した事などを受けて、こうした要素を持つゲームが急増している。
要するに、多くのお金を投じさせるゲームのこと。特にお金のかかりっぷりが頭抜けていれば確実にこう呼ばれる。

音ゲーの曲解禁、自キャラのカスタムパーツなど、ユーザーが貢ぐ目的はもちろんお目当てのコンテンツの入手。
ただし、将来的にどのようなものがどれくらい登場するのか、いくらかければ入手に至るのかの具体的なところが特定できず、そして大抵、家庭用ゲームのそれよりも際限がない傾向にある。
そこに継続してお金を注ぎ続けていく様をして「メーカーに貢いでいるかのよう」というニュアンスを込めた言葉と言える。

かかるクレジット数の多いものでは、100や1000の単位が飛び交うという。なおアーケード筐体の1クレジットは大抵が100~200円なので、うっかり計算すると恐ろしい事に…。

一方スマートフォンを主に展開されるソーシャルゲームを筆頭に、広義的なオンラインゲームで流行した商法の台頭により、それまで貢ぎとは縁遠かった層にもこの類のコンテンツが蔓延してしまった。
中でも、特に基本料金以外(もしくは基本無料における)の追加課金の額の多寡がゲームの勝敗を大きく左右するようなゲームは「課金ゲー」「Pay to Win (P2W) / Pay to Start (P2S)*66」と呼ばれ、批判の的になることが多い。

ムービーゲー

「映画のようなゲーム」「映画原作のゲーム」ではなく、ゲーム中にプレイヤーが操作できないムービー(映像)やカットシーンを多用しているゲームを揶揄する言葉。
プレイヤーの介入が不可能なムービーはストーリー展開との相性が良く、ストーリー重視の作品に多く見られる。
ムービーの数だけがゲームの評価を決定づける物ではないのだが、ボリュームの薄さを誤魔化している、操作できない時間が長くて退屈といった批判に繋がりやすい。
長いムービーが終わって少し進んだらまたムービー、それが終わったらまたムービー…とプレイできない時間が多くなれば、一体これはゲームなのか映像作品なのかと文句も言いたくなるのも無理はない。
こうしたプレイしていない時間を極力減らす為の対策として「QTE」が施されることがあるが、「長いムービーがスキップ出来ない」「難しい上に失敗すると即ゲームオーバーになる」「前兆が無く唐突に操作を要求される」といった要素は批判の元になりやすい。

無理ゲー

マゾゲー、覚えゲー、死にゲー、運ゲーよりもさらにクリアが困難(無理)なゲーム。これに当てはまるゲームは少ないが、この域に達すると「パターンを覚えようが」「残機を費やそうが」「運に頼ろうが」クリアは困難。
あまりの理不尽さに多くのプレイヤーが音を上げる究極のドSジャンルであり、一応クソゲーと区別されるがクソゲー扱いされても仕方ない。

難易度が高いとか低いというのは努力次第でクリア可能な前提の上に成り立つ話であり、それが出来ないというのはもはやゲーム(遊び)として疑わしい次元に達している。
しかしその苦行を乗り越え、勝利を掴んだ変態猛者は英雄として称えられることだろう。「前人未到の地」にロマンを感じる人向けの競技的なジャンルといえる。
例えば、発表から隠しボスの撃破までに月~年単位の時期がかかった、あるいは稼働開始後20年以上経過してやっと全面制覇者が出たようなゲームなど…。

無理ゲーが出来上がる原因は未調整や不具合だけではなく、「テスト中に何かのはずみでクリアできたので、もう少しキツく調整した」という不本意かつリサーチ不足と言えるものや、「人類に挑戦してみようかと…」という意図的なものもあるという。
当然ながら後者はともかく前者であるほど評価が悪くなりやすい。

名作 / 良作

クソゲーとは正反対の意味を持つ、出来の良いゲームの事。
ゲームの完成度が高いもの、定価以上の価値を持つもの、ある程度末永く楽しめるものなどを指す。
名作と良作とではやや意味合いが異なるが客観的かつ明確に差をつけることは難しいため、当Wikiにおいては判定を「良作」で統一し、「有無を言わさぬ不朽の名作」「少なからぬ賛否両論はあるが総合としては良し」「飛びぬけた要素は無くとも堅実に良し」などを全て「良作」としている。

言うまでないが、ゲームの評価には様々な尺度が存在する。
「操作性が良い」「グラフィックの写実度が高い」「ロードが短い」といった要素は比較的万人に受け入れられやすい客観的な尺度であるが、「ゲームシステムの良さ」「ストーリーの良さ」「美術や音響の良さ」に加え、総合的な「面白さ」といった要素は各々の主観によるものが非常に大きい。
数値などにして出せるものではないため、万人が納得する「正しいゲームの評価」というものはこの世に存在しない。
当Wikiの評価も、あくまで「(多くのプレイヤーにとって)良作」「(一般的な尺度で見て)クソゲー」といった最大公約数的なものでしかなく、「このWikiで良作扱いされてるゲームをやったけど自分にはつまらなかった」「世間ではクソゲー扱いされてるけど、自分にとっては良作」ということは当然有りうる。
ゲームの評価はあくまで複数の主観が積み重ねに過ぎないということを前提として閲覧・編集を行うべきだろう。

友情破壊ゲーム

友達と仲良くゲームで遊ぶ…はずだったのに、何故か喧嘩に発展してしまった…そんな危険性を孕むゲームのこと。
格ゲーやボードゲームなど、対戦をメインとしたゲームで起こりやすい。
格ゲーは両者の腕前が拮抗していれば名勝負となり、お互い切磋琢磨できるライバルとなるが、力量に開きがあれば強者が勝ち続けるだけで負ける方は面白くない。
ボードゲームは運も絡むが、積極的に相手を妨害できるシステムを導入しているものも多いので、ハマると這い上がるのが困難なほどのどん底に落とされることも珍しくない。
また、協力するゲームであっても仲間を妨害できる要素があると喧嘩に発展することもある。
しかし、そもそもスポーツなどの競技というものは相手の嫌がる行為を行うのも駆け引きの一つなのである*67
この手の話題で騒ぎになるのは主に小学生辺りの低年齢層であり、まだ対戦というものの本質を分かっていない年齢層だからこそ起こりうる事態である。
大人になればある程度理解できるようにもなるが、やはり負け続けたりするのは面白くないので、一方的な展開にならないためにも縛りなどのハンデを設けたりするというのも有効な手段である。

百合

女性同士の恋愛や濃い友情描写、またはそれを主に扱う作品のこと。
「百合」という言葉自体は、男性同士の恋愛を意味する隠語である「薔薇」から生まれた派生語だとされている。
名付け親は男性同性愛者向けの雑誌『薔薇族*68』の編集長であり、同誌の女性読者向け投稿コーナーは「百合族の部屋」という名前だった。

字面の持つ可憐なイメージや言葉の興りからか、「薔薇」と違って男性向け・成人向けという意味を含む訳ではない*69
男性向け・女性向け・過激な描写を含むものまで幅広く一緒くたにされやすいので、安易な使用は荒れる元になる言葉と言える。
男性同士の恋愛を扱う「BL (ボーイズ・ラブ)」に比べると百合ジャンルの流行史は浅い。
該当作品の絶対数もそう多くはなく、今後の文化の成熟が待たれるところである。

なお近年、百合シチュな作品が増えた理由としては、いわゆる「処女厨」の存在により「ヒロイン達に少しでも男の影があるとアンチ活動が起きる*70」と言う事情からだと噂されている。詳しくは「中古」の項目で。

洋ゲー

西洋(欧米)製のゲームのこと。音楽をざっくり「邦楽/洋楽」で分けるのと同じニュアンス。
もちろん欧米以外の国でも数多くのゲームは制作されているのだが、中国や韓国、台湾のようなアジア諸国のゲームが「洋ゲー」と呼ばれることはあまりない*71
人によっては、ロシア(ソビエト連邦)・イスラム圏・アフリカ・南米等を「洋ゲー」に含むかどうかは多少意識のズレがあるが、オーストラリアは北米と同じ「欧州移民の国」なので含まれる場合が多い*72

現在はDL販売の普及・台頭によってさまざまな国のゲームが日本でも遊べるようになっているが、ゲームの販売がパッケージ流通しかなかったころはアメリカとヨーロッパ以外の国で作られたゲームが日本で販売される事は希少であった。
また、当時は日本製以外の「東洋製ゲーム」があまり存在しなかった(存在しても出来が悪いので無視された)。
「洋ゲー」というのはその当時に生まれたスラングなので、世界のゲームというより「アメリカとヨーロッパのゲーム」の意味合いを強く持っている。
日本で東洋製ゲームが注目されだしたのは『ポトリス』『ラグナロクオンライン』と言ったネットゲームからだろう*73
対義語は「国産ゲー」や「和ゲー」等。RPGの話でよく出る「JRPG」は、元々は揶揄が込められた単語だったが、近年では分類上分かりやすいので国内外双方のクリエイター・ユーザーがマイナス的な意味合いを含まないで用いることもある。

異国の文化から生まれたゲームなので、当然のことながら日本のそれとは大きく傾向が異なる。
キャラクターや舞台などデザイン周りの違いは一見して判り易く、リアル系でもコミカル系でも「濃い」ビジュアルが特徴。
そして、流血などの残虐表現は日本より規制が緩いにしてもやたらエグく描かれる。また、対象年齢が低めの作品であってもブラックジョークの類は当たり前に飛び出す。
このあたりは日本向けローカライズでは有無を言わさず修正される場合が多い。

内容の傾向としてよく囁かれるのが、グラフィックとゲーム性ともに「リアル志向 (全体的にアクションゲーム多めで、RPGや戦略SLGでもリアルタイム進行形式をよく採用する等)」が見られること。
また、ファミコン/NESの時代から「総じて高難度*74」である。もちろん例外も少なくはないが*75

インターネットやPCの普及、PS3/360/Wii以降のゲーム配信システムを搭載したCS機やSteamを始めとするPCゲームプラットフォームの登場により、洋ゲーに触れる機会は昔よりかなり増えている。
これらの普及で国内であっても20~30万、ソフトによっては100万以上の売上を達成するソフトもあり、一定の市場を築いている。
もっとも日本国内でも話題になる洋ゲーは、基本的に海を越えて評判が伝わってくるほどの名作に限られるので、世に数多ある洋ゲーの氷山の一角でしかなく、当然その数倍の凡ゲー・クソゲーが存在する。クソ過ぎて評判になる作品も比例的に増えているが。
日本語版の存在しないものは言語・国籍の壁も立ちはだかるため、深く踏み込むには勇気と知識のいるジャンルであるともいえる。それもまた洋ゲーの醍醐味ではある。

日本国内での洋ゲーの取り扱いについては2010年代後半になってから大きく様変わりしている。
よく言われるように日本のゲーム市場は「ガラパゴス市場」として世界の流行とは隔絶が激しいものとなっており*76、CEROによる規制の影響も強いため国内未発売となるソフトも多かった。
ボードゲーム類を含め、日本の会社が海外からライセンスを取得して国内でローカライズするケースがほとんどなので、欧米圏で「マルチリンガル」を謳っていてもその中に日本語が含まれるという認識もなかった。
しかし、2010年代後半になってからはそれまでは考えられないくらいのレベルで海外のゲームが日本語化されて発売されることが多くなった。
この原因については諸説あるが、日本国内でSteamの普及が進んで、洋ゲーに対して一定の市場規模が形成されたことが大きいと言われている。
その流れによってCS機市場も対応し、DL販売のみのゲームに関してはCEROを通さなくても日本国内で販売できるような方針転換も行われるようになった。この結果、大量の洋ゲーがCS界隈をにぎわすことになった*77
そして2020年代になってからは、日本のCS機市場で発売されるゲームはタイトル数だけで言えば国産ゲームより海外のゲームの方が多いという逆転現象が起こってしまっている。
その意味では、日本のCS機市場のガラパゴスはすでに破壊され、外資に浸食された…という見方もできるのかも知れない*78

なお、和ゲーの衰退期であった2000年代後半から2010年代前半において洋ゲーは「日本のゲームより遥かに先進的」とコアゲーマー達から高く評価されていた。
しかし、現在の洋ゲーはイデオロギー的な価値観の対立による混乱に加え、『Fallout 76』『サイバーパンク2077』『Battlefield 2042』のようにバグまみれで売られるAAA作品が増えた為、「今は和ゲーの方がしっかりしている」と考えるゲーマーも増えてきている。

ランクゲー

通常のオプションなどで設定される難易度のほかに、プレイ内容や進行に応じて難易度が変化する仕組みを「ランク」と呼ぶ。
ランクゲーとは、このランクシステムによって難易度が極端に上下したり、それの意図的な制御行為がことさら重要であったりするゲームを指す。

ランクシステムの影響はSTGで顕著に取り沙汰されている。例を挙げるとパワーアップ・プレイ時間・スコア・敵の破壊度合いなどによってランク数値が蓄積されていく。
上手い人ほどランクが上がり、敵の耐久力と敵弾の頻度・数や速度が強化され腕前相当に難しくなるシステム…と思いきや、元々のステージ難易度も徐々に上がっていく構成がそのままなので、ランク補正が余計になってしまうケースが多い*79
即ちこれを採用しているゲームは難易度の兼ね合いが「普通」レベルに見合わない場合がほとんどで、総合的な体感難易度は非採用のものよりも高い傾向にある。
また上級者はシステムを熟知しているためランクを下げる手段を駆使したり、ランクの低いうちに難所を潰したりなどと言った対策で有利にゲームを進めるなど、別の楽しみ方が生じると共に製作者の意図とは何だか違うものになっていることがある。
基本的にはコンティニューするとランクが一気に(大抵の場合最低値まで)下がるようになっており、下手な場合でも(追加課金という代償は必要だが)どうしようもないということは少ない。

「ランク」「難易度曲線」といった概念はアーケードゲーム発祥で独特の事情から生まれたのだが、結局タイマー制に近い料金システムに回帰して過去のものになった感のある概念である。
遠藤雅伸氏*80等、往年のゲームデザイナーからも「強くなったのなら相応に無双できるべき」という意見が出ている。

よく似たタイプとして、RPGなどに「自分のレベル/パラメータに応じて敵の強さが決まる」タイプの隠しシステムも見られる。
自キャラがどんなレベルでも相応の難易度に自動調整されるので「レベルを上げすぎてもヌルくなりすぎない」「経験値稼ぎをしなくてもボスに挑める(低レベル縛りがやり易い)」といったメリットがあるが、逆に「レベルを上げる楽しみがなくなった」「レベルを上げたら自分より敵の方が強くなった*81」と言った理由で敬遠されることも少なくない。
一応、TRPGではそういった臨機応変な対応はやって当然(苦戦感は与えるべきだが、本当に苦戦させるべきではないという思想)とも考えられているが、そもそもTRPGとCRPGではシステムも考え方も異なるので*82同列に語るべきではない。

リアル系・スポーツ系

FPS(ファーストパーソンシューティング)やTPS(サードパーソンシューティング)におけるジャンル分け。
リアル系はその名の通り現実的な戦争を舞台に実銃や軍隊が登場するもの。加えて銃の反動(リコイル)が激しかったり、数発の被弾で死亡する、走ると息切れするなどより現実さが求められる。
スポーツ系(カジュアル系)はマンガ染みた派手でスピーディな動きが出来るものが多く、「足元に自分からロケットランチャーを撃って、その反動で大ジャンプ」「前転中はダメージ軽減」等の格ゲー補正みたいなものもある。
登場する銃もレーザー銃やブラスター(熱線銃)、終いには水鉄砲なんてものもある。キャラデザも漫画チックな物が多め。
一般的にリアル系の方が内容が複雑な傾向にあるが、(非現実的な)特殊アクションが多彩なスポーツ系の方が操作難易度が高い事も少なくなく、対人戦がメインである作品に関しては最終的な難易度(敵の強さ)にリアル系もスポーツ系も関係ない*83
また、主にSF系では見た目はリアル系に通じるが動きがスポーツ系な場合もある。と言うか90年代のFPSはこちらがメインであり*84、純スポーツ系は日本人受けを狙って作られた後発組である。

歴史的区分で見ると、このジャンル区分は操作体系故に縦横無尽に動けず、意図せずして「リアル系FPS(カバーアクション重視)」となった1992年の最初のFPS『Wolfenstein 3D』に始まる。
その後『DOOM (1993)』『QUAKE (1996)』『Unreal (1998)』とスポーツ系SFにジャンル全体が寄っていく。
だが、1998年にリアル志向のFPSアドベンチャー『Half-Life』が登場し大ヒットしたことで同じFPSジャンル上でも「QUAKE・Unrealを代表とするスポーツ系FPS」「Half-Lifeを源流とする地形・操作が現実的なリアル系FPS」の2つに分離。
1999年には『QUAKE III』と『Unreal Tournament』の2大スポーツ系FPSが覇権を握るものの、2000年を境に『Medal of Honor』『Call of Duty』といったスクリプト演出多用・史実重視のリアル系FPSが台頭。
この頃から本格的に広がりはじめたTPSジャンルも、このリアル系に傾倒するようになっていった。
しかし、その後も『Serious Sam』や『スプラトゥーン』等、ゲーム的な楽しさを重視してスポーツ系スタイルに回帰した作品も多く、依然としてスポーツ系の勢いも衰えてはいない。

ヒーローシューター

FPS・TPS内のサブジャンルで、PvPの場合多くはスポーツ系に分類される。
名無しの一般兵をPCとし、兵科や武器ごとの微妙な差異しかなかった従来型に対し、格ゲーのように性能差の大きい個性的なキャラクターを選び、キャラごとに異なるスキルや必殺技を駆使して戦うゲーム。
PvPの場合、多くはMOBAの要素を取り込んでおり、従来型の作品よりチームワークや戦略性が求められるものが多い。
デザインもSF・ファンタジー風のポップなものが多く、ミリタリー要素が強いものは後述の「タクティカルシューター」に分類して別扱いすることもある。

様々なジャンルで製作されており、『Overwatch』(アリーナシューター)や『Apex Legends』(バトルロワイヤル)などが代表例。

ただし、『Rainbow Six Siege』『Titanfall』などのキャラ性の強いリアル系を含めるかは賛否が分かれる。
その為、キャラの性能差に重点を置いていてもミリタリー要素やリアリティも重視している場合は、「タクティカルシューター」としてヒーローシューターの対義に置くことがある。

リセットゲー

ザ・シムズ2 Dr.ドミニクの陰謀』のようにプレイ中に勝手に電源が落ちるゲームのことではなく、良い結果が出るまで「リセットしてセーブ時点からやり直し」の繰り返しを推奨されるシステムのゲームのこと。
トライアンドエラーではなく、ランダムで良い結果が出るまで同じことを繰り返すため、単純作業度が強い。
「運ゲー」と被る部分もあるが、こちらはリセットによって生じる損失よりも利益の方が明らかに大きいゲームで用いられる。
具体的には『ポケモン』で御三家や伝説ポケモンを「厳選」する際や、『パワプロ』シリーズのサクセスで高い初期値が出るまで粘る、と言った作業がこれに当たり、古くは『Wizardry』でボーナスポイントが高くなるまでキャラを作り直すと言うものがある*85
また、『Wizardry』における「全滅、即リセット*86」や『スーパーロボット大戦』シリーズの「命中率10%でも当たるまでリセットしてやり直せば100%*87」も当てはまるだろう。

家庭用だけではなく業務用ゲームでもリセットゲーは存在し、本当に実行するプレイヤーがいたらしい。
例えば『バトルガレッガ』では、電源パターンを使ってアイテムテーブルの調整と難易度のリセットをしないとやってられないレベルの高難度ランクゲーだったので、店舗側で電源ラインにスイッチを割り込ませてリセット出来るようにしている事が多い*88
これを受けて続編の『アームドポリス バトライダー』では対策として、「電源投入直後はスタートボタンを押しっ放しにしていないと基礎ランクが上がった状態で起動し、放置時間を経て下がる」というトラップを仕込んだ事で有名。
ただ、電パ推奨ゲーは上述の「リセットゲー」とは意味が大きく異なることに注意。

本Wikiの範囲外だが、新アカウントでゲーム開始毎に最低でも一回は試行できるガチャシステムの関係で、リセットゲーと化したソシャゲもかなりの数に及ぶ。
これにより主にヘビーユーザーにしか縁がなかったリセットゲーは、ソシャゲのメインターゲットであるライトユーザーにも「リセマラ (リセットマラソン)」として波及した。
ただしアカウントを消しているというわけではない為、企業側もアカウント数が増えることを利用して「アカウント数が多い作品=人気作品」と宣伝する為に態と見逃している部分があり、「実際のプレイヤー数はアカウント数の1/100以下」がプレイヤーの常識となっている*89
なお、複数アカウント所有やアカウント乗り換えを許容しないソシャゲでも、ツイッターの「トレンドワード入り」を狙ってか「宣伝文句をツイート」する事でガチャの引き直しができるというケースも見られる*90

陵辱ゲー

エロゲーのジャンルのひとつで、主に女性への性的虐待行為を中心に描写した作品のこと。
レイプや殴打などの暴力表現ですらまだマシな方で、強烈なグロ表現のある作品も珍しくない。
そのため、幅広いエロゲーの中でもアブノーマルなジャンルであり、そうと判っている人間の手だけに渡るよう、多くはその方向性を想起させるタイトルがつけられている。
ものによっては猟奇ゲーの側面がある場合もある。

ちなみに鬱ゲーと範囲が被ることがままあるものの、こちらは性的嗜好が主眼であくまで別物。大抵は抜きゲーとして扱われる。
暗い描写が多いものの、途中で犯人や被害者が陥落したり前向き(?)になるなどして、終始陰鬱な雰囲気の作品は意外と少ない(行為が行為なだけに良心的とは言えないが)。
中には純愛がテーマなどエロ以外が主眼に置かれている場合もあったり、被害者側が終始ノリノリの作品もあったりする。

と、色々説明したものの、数あるエロゲーの中でも一般的とは言い難く、抜きゲーと同等あるいはそれ以上に当wikiでは扱いにくいジャンルである。
少数ながらも記事が存在するが、実物に触れてみようと考える18歳以上の閲覧者諸氏は、後悔しないよう覚悟を決めてほしい。

そして扱うテーマの性質上、有害であるとしてメディア、政治家、市民運動家等から目の敵にされやすい存在でもある。
『177』『沙織-美少女達の館-』『レイプレイ』に対して起きた騒動が有名(ただし『沙織』のみ凌辱ゲーではない)。

ただし、ものが陵辱ゲーであっても制作・販売・単純所持自体は、手段や経緯が適切であればとりあえず現行法には触れない(2021年現在)。
ジャンルとしては一般に理解しがたい嗜好であるのも確かだが、実際の犯罪と混同して愛好者を犯罪者予備軍と見なしたり作品を悪と決め付けたりするのはまごうことなき偏見であり差別行為である。

ループ物

同じ時間を何度もループする(繰り返す)と言う、並行世界的なモチーフの作品。
大概のゲームはゲームである以上、リプレイの度に同じ時間をループするのは常識だが、態々「ループ物」と呼ぶ場合はプレイヤーのみならずプレイヤーキャラクターにも前回の記憶が残っているのが特徴。
そのため主人公が同じ時間を繰り返す事が可能な理由をシナリオで説明されている事が多い(前提条件オチ扱いかは作品による)。
アドベンチャーゲームでは前回の経験を元に新たな選択肢が増える(キャラクターが思いつく)事が多く、1周目でのハッピーエンドは絶対無理な事が多い*91

歴史ゲーム

歴史上の人物や出来事などを題材としたゲーム。
日本で特に多く用いられる題材は「戦国時代」「中国三国時代(三国志)」「第一・二次世界大戦」や、次点で「幕末」や「中世ヨーロッパ」等がモチーフとされやすい。洋ゲーでは「アメリカ独立戦争」「南北戦争」や「ナポレオン戦争」も多い。
ゲームシステムのジャンルとしては、シミュレーション、次いで無双系を大半とするようになったアクションゲームが多く見られる。
この系統はコーエーが「光栄マイコンシステム」名義だった初期頃から得意としているジャンルであり、歴史モチーフの国産ゲームというくくりでは、今でもコーエーテクモゲームスが間違いなく筆頭に挙がる。

ちなみに、創作上の都合もあって史実に忠実ではない部分がそれなりにあったりするが、ここらはNHK大河ドラマと言った他の媒体でも平然と行われていることで仕方ないことだろう。
それこそ日本で『三国志』と言ったら読み物の『三国志演義』*92を指し、歴史書の『三国志』を指すことはかなり少ない。
『三国志』⇒『三国志演義』⇒『三国志 (吉川英治版)』⇒『三国志 (横山光輝版)』⇒『天地を喰らう』⇒『天地を喰らう (ゲーム版)』と言った、二次創作どころか五次・六次創作なんてこともざらである。
ジャンルや歴史考察のガチ具合などを考えなければ、エロゲやアニメなどからも歴史上の人物を美少女化したり、仮想戦記ものとしてIF世界を扱ったり*93等いろいろ作られている。
これらを歴史物として扱うべきかは微妙なところだが、製作者の力の入れようによっては意外と史実や昔からのフィクション、逸話などが広く参考にされていたりする。
無双系を始めとするアクションや美少女化など、とんでもないアレンジが多い歴史系ジャンルは作品の中身以前にユーザーの好き嫌いが分かれてしまう事もありうるが、やはり創作として仕方のないことだろう。

レトロゲーム(レゲー)

古い時代に発売された、昔懐かしいゲーム全般の事。
具体的にどのあたりの時期を指すかは当人が何歳かによって変わると思われるが、ひとまずハードの世代単位で大まかに区分される。
ファミコンなどの80年代以前に登場したゲームは、間違いなくレトロゲームである。
現状(2020年代)ではSFC/PCE/GBあたりの「旧世代機」群もレゲーと呼んで差し支えないだろう。
参考までにレトロゲーのみ扱う人気番組「ゲームセンターCX」では、対象ソフトを「ハード発売後20年を経過したもの」としている。
これにより、2021年以降はPS2とGBAも対象となった。

中古店などでは現行ではないハード・ソフト全般をレトロに括ることもある。
この為、GC発売以降64ソフトがレトロゲーの棚に移されたのに、PS3で遊べた初代PSのソフトはいつまでも(通常の)中古扱いという逆転現象もあった。 更に時代をさかのぼると、インベーダー時代・オデッセイ世代・エレメカ全盛期等々…。
2ちゃんねる基準では、このほかにサービス終了したオンラインゲームもこの範疇に入る。
つまり、もはや二度と起動できないオンラインゲームもまた、レトロの仲間というわけである。
この定義では必然的に「現役でない」という意味も含むので、アーケードでは未だに稼働の多い『コラムス』や『上海』シリーズはレゲーとは呼ばない、とも言われることがある。

かつて主流だったゲーム機やソフトを時代が下ってから入手するのは困難だが、『ナムコミュージアム』シリーズや『タイトーメモリーズ』シリーズといった復刻版を収録したソフトを発売しているケースもある。
これだけでなく、ネットを通したゲーム配信がゲーム機に導入された現在は「バーチャルコンソール」「ゲームアーカイブス」といったレトロゲームを配信するサービスも登場した。これらにより、ある程度は当時を再現したゲームを今からでも楽しむことができる。

ちなみに、新作のオリジナルゲームで昔ながらの表現を採用したゲームは、あくまでもレゲー「風」であってレゲーとしては扱われない。
また、この手の作品は「レトロである」という点を強調するために、良く言えば分かりやすい、悪く言えばわざとらしい表現が目立つ傾向にある*94
そもそも、様々な制約のある中で少しでも見栄えよくすることに腐心していたかつての制作環境と、容量増加に伴う表現力の向上により2Dスプライトによるグラフィックそのものが表現・手法の一種に過ぎなくなった現在とは根本的に考えが異なる。
従って「懐かしさ」という観点で過度な期待はしない方が無難と言えるだろう。

レトロ風ゲーム

新作のオリジナルゲームだが、レトロゲームのような昔ながらの表現を採用したゲームのこと。
「ドット絵(ピクセルアート)」のゲームの他に、PS風の「ローポリゴン」を採用したゲームなどがある。
しかしながら色数が60色以上あったり、ドット絵に見えて半ドットや1/4ドットを使っていたりと、実際に昔の機種では再現できないグラフィックになっている事もある。

ワイドリニア

『Call of Duty』や『Medal of Honor』のように狭い通路状のマップをまっすぐ進むのではなく、連続した広い空間を用意してその端と端をスタートとゴールに定め、ゴールへの経路を複数用意してルート選択をプレイヤーの判断に委ねるレベルデザインを指す造語。
このスタイルが提唱され始めたのは『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』の開発チーム内であり、比較的新しいジャンルと言える。
『海賊王と最後の秘宝』の該当する箇所のレベルデザインはFPS『CRYSIS』が参考にされており、それを辿ると2004年のFPS『FARCRY』にその源流を見ることが出来る。

オープンワールド型ゲームの「目的地への自由なルート選択」と、リニア型ゲームの「連続するストーリーによる緊張感の維持」を両方取り入れることで、自由度から来る没入感とストーリーから来る緊張感の双方を維持できるとされている。

  • ワイドリニアのゲームの例……『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』『アンチャーテッド 古代神の秘宝』『CRYSIS』『FARCRY』シリーズ等

ワイヤーアクション

アクションゲームの要素のひとつ。その名を示す通り、ワイヤーロープの物理的原理をアクション要素に応用したものである。
またの名をロープアクション、ラバーリングアクションとも。
基本的にモノにひっかけて登ったり、振子状態になってぶらぶらして飛び移る等といったものが基本。
それから更に連続アクションを起こすことも可能で、爽快感があるのが特徴である。
通常のアクションと違って癖の強い代物であるために、これをメインとする作品はその原理や性質をよく理解していなければプレイが困難なものも多い。

コナミの『ロックンロープ』が元祖であり、その作者がカプコンに移籍して作った『ヒットラーの復活 TOP SECRET』で実装が定着。
それ以後、ワイヤーアクションの要素を含んだゲームが度々登場し、敵の装備をはがす・物をつかむ(主に『ミッキーのマジカルアドベンチャー』『スーパーメトロイド』以降)、8方向ショット(『海腹川背』)と言った要素が生み出される。
近年の3Dアクションゲームでも『GOD OF WAR?』等、副次的な要素として採用されている事が増えたため、ゲームジャンルとして扱われる事は大きく減っている。