仮面ライダーギーツ


「さあ、ここからがハイライトだ!」

2022年から放送されている特撮作品『仮面ライダーギーツ』に登場する仮面ライダー。
え?2022年ライダーは『仮面ライダーシノビ』のはずじゃなかったのかだって?
ソウゴ歴史を変えたからだよ、きっと。そもそも、シノビは平成34年ライダーであって令和4年ライダーではないし…多分*1


変身者は浮世英寿(演:簡秀吉)。読みは「うきよ ひでとしえーす」(「えいす」ではない。ネ実ネタでもない。もう完全なDQNネーム)。
各メディアからスター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズ若干くどいコピーで称され、
普段から常にタキシードといった豪奢な服装を身に纏う有名人であるが、
その裏では謎の怪物「ジャマト」の脅威から街の平和を守る「デザイアグランプリ」に仮面ライダーギーツとして参戦し、
優勝者「デザ神」の常連となっている掴み所の無い人物
天才肌かつ歴代ライダー作品主人公の中でも上位に入る策士であり、常に二手も三手も読む慧眼と、
自分が劣勢に陥ってもなお最後に勝つのは自分と信じて疑わないメンタルの強さを持つ。
さらにギーツのモチーフであるキツネの様に嘘も交えて巧みにデザグラ参加者を欺き、
自分を信じる者は勿論の事、信じていない者さえも思い通りに動かして、最終的には勝利を掻っ攫ってしまう心理戦に長けた策略家である。
一方で、眼前で退場した参加者の「難病に苦しむ息子を救いたい」という願いを叶えるべく多額の治療費を匿名で寄付したり、
デザグラ参加者の退場・脱落の現場を前にして平然を装いつつもどこか沈痛な面持ちを浮かべるなど、
普段の自信家で尊大な態度とは裏腹に、本質的には人情家である事が要所で描写されている。

いつからデザグラに参戦したのか、何故幾度もの優勝を経てなお戦い続けるのかなど、
主人公でありながら彼の身の上については謎が非常に多いが……?

「また化かされたな」

+ 「デザイアグランプリ」解説
             DGPルール 

ドライバーとIDコアが届いたら、それは仮面ライダーへの片道切符。
           もう 後戻りはできない。

「おめでとうございます!今日からあなたは仮面ライダーです!」

『ギーツ』作中で人知れず開催される生き残りゲームの事で、作品内外では「DGP」「デザグラ」と略される。
隔絶空間「ジャマーエリア」に現れるジャマトの脅威から人々の平和を守りつつ、運営から出されるミッションをこなしていくのが基本ルール。
そして優勝者には「デザ神」の称号と共に「理想の世界を叶える権利」が与えられる
前述の「スター~」も英寿の「俺が世界スターになっている世界」と言う願いによるもの。
デザ神が決定した時点でゲームは終了し、デザ神と運営を除くゲームに関わった全ての人間の記憶はリセットされてしまうが、
本作の変身アイテムであるライダーコアIDに触れれば即座に過去の記憶は蘇る。

なお、あくまでスコアを競う形式を採用しているため、所謂バトルロイヤル系のゲームとは異なり
ライダー同士のバトルは推奨されておらず、違反すると減点などのペナルティが課される。
ただしこれは他の参加者への故意の攻撃が禁止されているだけであり、
敵も参加者も巻き込んでしまうような範囲攻撃は明確な違反とは見なされないなど、抜け穴はある
(一方、参加者の休憩所として使用されるサロン内での戦闘行為は即脱落となる)。
運営から出されるミッションの中には個人での突破が困難または不可能な物も珍しくないため、
勝ち抜くには状況に応じて参加者同士での協力や連携、そして時には裏切りなどの駆け引きも重要となる。

また、デザイアグランプリでは参加者の「脱落」と「退場」は明確に区別されている。
スコア争いで敗北する、ルール違反、負傷や病など緊急の理由によって参戦不可能となった、もしくはこれ以上の戦いは命に係わると運営に判断される、
そして最後まで勝ち残りながらもゲーム終了までデザ神になれなかった参加者は「脱落」し、「仮面ライダー失格」となる。
脱落した参加者は青い光に包まれ「RETIRE」の音声と共に消滅し、命を失わずに元の生活に戻されるが、
デザイアグランプリに関する記憶を消されて理想も失い、人格が変わってしまう。
なお、前回の脱落者であっても再びデザグラ参加者に選ばれる事もあり、前述の通りIDコアに触れれば記憶が蘇るのと共に人格も元に戻る。

しかし、ゲーム中にIDコアが破損してしまうと、その参加者は赤いノイズに包まれ、
「MISSION FAILED」の音声と共にこの世界から「退場」、つまり命を失う
デザ神決定後に世界がリセットされた時、ゲーム内でジャマトに殺されて死亡した人間も蘇生されるが、
あくまでもそれは巻き込まれた一般人にしか適用されず、参加者、つまり仮面ライダーとなった者だけは復活できない
(デザ神になった際の願いが「死んだライダーを生き返らせる事」だった場合は蘇生も可能という事は示唆されており、
 実際劇中でそれを願いに書き込んだ参加者が受理されてもいる)。
しかも、世界が改変された際に都合の良い記憶改変等が 起きる事が無い らしく、
周囲からは当該人物が突然失踪したという神隠しにも似た扱いを受けている。
更にデザイアグランプリ開催中、参加している仮面ライダーが全滅した場合は発生中のジャマーエリアは消える
この場合でも次回以降のデザグラは開催されるが、該当エリア内にいた人間はライダー含め誰一人助からず、犠牲者の蘇生も行われない。

+ 英寿とデザイアグランプリとの関係
「運営が母さんを苦しめてる」

英寿の本当の望みは「行方不明の母・ミツメとの再会」であり、
その手段として「デザイアグランプリを完全解明」という確固たる目的のもとで行動している。
というのも、ミツメはデザイアグランプリの運営スタッフの一員だったらしく、
そのせいなのか、「母との再会」という願うことはできず(デザイアカードに書いても受理されず消される)、
故に最初に優勝した際に「自分が死ぬまでデザイアグランプリに参加できる世界」を実現し、
長期的かつ念入りな調査を以って「叶えられる理想の限界」を自らの理想を持って試しつつ、
デザグラ運営の実態の把握と、母と再会できる手段を模索しているのである
(前述の「俺が世界スターになっている世界」ですらも、有名人になってミツメに気付いて貰うため)。
なお、戸籍上は英寿の母親の名前はミツメではなく浮世美歌、父親の名前は浮世一誠となっているようだが、
この情報が明かされた時点では詳細は不明だった。
(劇中「いつからDGPに参加してるんだ」という質問に英寿は「西暦元年」と答えた事があり、
 その場では冗談だと思われ流されたものの、運営からは諸々の理由から現代の人間ではないと推察されていた)。

これらの行動は運営にも把握されており、特にゲームマスターからは警戒されていたが、
運営は「参加者に絶対中立」という原則がある上に、英寿は上記の通り最初の願いで永久参加権を確保しており、
英寿が生きて勝ち続けている限りエントリーさせざるを得ない状況を作られていた。
そして9話にて「デザイアグランプリの運営と家族になっている世界」を英寿が実現させたことで、
ゲームマスターは本格的に英寿を危険視し、露骨な優勝妨害工作を実行し始めるようになる。
他の参加者の助力もあり辛くもそれらの圧力を退け、ゲームマスターのギロリを失脚に追い込む英寿だったが、
そこでデザイアグランプリが「オーディエンス」なる存在に世界を救うエンターテイメントとして提供されているショービジネスと判明。
そのオーディエンスの1人であり「次元を旅する観光客」を自称してギーツを支持するジーンという青年だけでなく、
個々の思惑や趣向により他の参加者を支援する「サポーター」達の介入、
さらにはデザイアグランプリの関係者でありながらデザグラの破滅を目論む「ジャマーガーデン」の暗躍など、
更なる第三、第四の勢力達の干渉に振り回されながらも、徐々に核心に近付いていくことになる。

第4章に当たる慟哭編終盤でついに明かされた英寿の正体は「記憶を持ったまま輪廻転生を繰り返す転生者」。
ミツメは彼の最初の前世の母親である。この現象は少なくとも英寿本人が望んだものではないらしく、
さらに毎回生まれる都度にどこの国に生まれようとも最初の名と同じ「エース」と命名され、
ミツメからの贈り物であるコインも生まれ変わる度に人生のどこかで彼の手元に現れていた。
故に「なぜ自分は輪廻転生をし続けるのか」と問うために英寿はミツメとの再会を求めていたのである。
なお、これも偶然か必然かは不明だが、生まれ変わる度にデザグラにエントリーされていた模様で、
劇中の頭一つ飛び抜けた戦績は、前世から蓄積した圧倒的な経験値によるものである
(後述するブーストマークIIレイズバックルを誕生させた「かつてのデザ神達」も、即ち全員が英寿の前世)。
もっとも、そこまでデザグラと関わりが深かったにもかかわらずミツメがデザグラ関係者と知ったのは本編時点が初めてだったそうだが、
それもそのはずでミツメはデザイアグランプリにおける「世界を作り変える力」の根源たる願望具「創世の女神」そのもので、
いわばデザイアグランプリ運営のトップシークレットとして隠匿されている代物のためであった。

ミツメは元々は古代を舞台にしたデザイアグランプリのナビゲーターだったが、その当時のデザ神と恋に落ち、
三日三晩祈りを捧げた結果子を授かった。それが英寿の最初の前世であった。
本来、未来人である彼女は現代人と身体の構造が異なるため、当時の人間との間に子供が産まれることはおろか身籠ること自体さえ有り得ないが、
愛する者との子を授かりたいという強い想いにより、世界の改変を起こす力に目覚めてこの奇跡を実現したのだという。
しかし、この力を発現させた結果、事態を重くみたデザグラ運営により夫は幽閉されてその存在を抹消された上、
ミツメ自身はその力に目を付けたスエルにより創世の女神に変えられて、デザグラに利用されることになってしまったのである。
彼女が英寿の前から去ったのもデザグラ運営から英寿を守ろうとしたが故だと思われる。


作風

令和ライダーでは初となる本編前から変身していた「完成された主人公」をメインにした物語と、
世界各国で人気を博しているFPS『Apex』やTPS『Fortnite』などから着想を得た、
お互いの夢や生存を賭けたサバイバルゲーム風の作劇が特徴となっている。
制作陣から「生き残らないライダーもいる」と明言され、1話から退場ライダーが出たり、
参加者達の勝ち残りを賭けたクエスト勝負や心理戦のドロドロなドラマ部分は勿論のこと、
運営の内部にもデザイアグランプリ存続を優先して越権行為に出る者と、
あくまでルールを重視してそれに対立する陣営の水面下の出し抜き合いが行われる一枚岩ではない描写など、
各登場人物の思惑が入り乱れた陰謀劇も見所なハードな作風となっている。

バトルロワイヤルが題材で勝者の特権が「願いを叶える」という触れ込みだった『仮面ライダー龍騎』とは、
非常に酷似した要素が散見され、ファンからは「令和版龍騎」と称されることもあり、
『龍騎』のキャスト陣もそれを指摘してSNS等で注目する発言をしており、
実際に劇場版では『龍騎』のキャラが登場している他、英寿が「愛する人との再会を望む者」である事に加えて、
など、細かい差異はあるが、『龍騎』を意識したようなキャラ付けの主要登場人物が多い。
それでいて、強化アイテム入手経路が敵を倒すことによるドロップが中心だったり、
ドロップアイテムにレア度があるなどソーシャルゲームのガチャを意識した演出など、
低年齢層が感情移入できそうなゲーム要素も違和感なく作中で使われている。
また前述の『Apex』や『Fortnite』は低年齢層の人気も高く、その事を踏まえて『ギーツ』ではバトルロイヤルゲームを舞台にするに至っていた。
低年齢層は『Apex』(CERO:D)や『Fortnite』(CERO:C)の対象年齢を大幅に下回っている?気にするな!
まあ『モンスターハンター』シリーズ(CERO:C)や『鬼滅の刃』等が低年齢層の人気も高い時点で何を今更という感じだが


形態

  • エントリーフォーム
デザイアドライバーと仮面ライダーギーツコアIDで変身する形態で、デザイアライダー共通の基本素体。
それぞれの固有の装飾「パーソナルアクセサリー」や頭部等を除いて、
全てのデザイアライダーが流用しやすく予算に優しそうな共通したデザインとなっている。
スペックの自重が外れがちになった平成2期以降のライダーの基本形態の中では珍しく、
パンチ力1.8t、キック力4.5t、ジャンプ力6.0m、走力7.9秒(100m)とかなり控えめ。
設定上は基本形態だが、作劇的には『仮面ライダークウガ』の「グローイングフォーム」や『仮面ライダー龍騎』の「ブランク体」、
仮面ライダー電王』の「プラットフォーム」の様な素体扱いに近い。

ギーツの固有装備は聴覚装置兼レーダーも兼ねた頭部のパーツ「ギーツイヤー」と、
上の立ち絵では分かりにくいが、後ろに垂れている紅白のマフラー状のパーソナルアクセサリー「ギーツテイル」。

  • アームド/フォーム
ジャマトがドロップするハテナミッションボックス002から入手する事ができるアイテム「レイズバックル」を用いた形態。
小型バックルは使用者の片胸若しくは片大腿の側面に固有のマークが入った簡素なアーマー「アームド」を装備し、対応する武器や防具を召喚する効果を持つ。
武装させるだけでこれ単体ではスペックそのものは変化する事は無い。
大型バックルは上半身もしくは下半身に装甲を纏い使用者を強化する形態「フォーム」を実現させる効果があり、
さらにこちらで召還される武装には一部を除いて通常攻撃とは別に固有の必殺技がある。
ソシャゲで例えるなら、小型バックルがコモンレア、大型バックルが高レアと見なして差し支えない。
ただし、隠し要素として参加者のそれぞれのライダーコアには特定のバックルの力を他のライダーより強く引き出せる相性が存在しており、
デザイアライダー達はまず「強力で自分に合うバックル」の一早い入手を迫られる。
とはいえ、アームドでも能力の理解度や後述のデュアルオンの組み合わせなどによりフォームに劣らぬ強さは発揮可能で、
最終的に「どんなバックルでも活かせるかは所有者の使い方次第」という結論に帰結する。

なお、ギーツと最も相性が良いのは拳銃マグナムシューター40Xを武器とするマグナムレイズバックル。
しかし英寿は常連優勝者だけあってそれ以外のバックルも特に難なく使いこなしており、
その事もあってマグナムレイズバックルに拘ることもない。このせいもあり基本フォームかと思ったら出番が少なくて肩透かしになりがち
とはいえ相性の良さに間違いはなく、手に入れられれば優先的に使用している。
またページトップ画像で察せるであろうが、基本相性の良いバックルは頭部マスクとカラーが一致しており、
仮面ライダータイクーンとしてエントリーした桜井景和からも「マグナムが一番似合う」と評されている。
他にも同様にマスクが白いカラーの仮面ライダーダパーン(名前からも察せる通りパンダモチーフ)も、
マグナムと相性が良いらしくギーツに次いで使用している。

  • ブーストフォーム
レイズバックルの1つである「ブーストレイズバックル」を用いる事で変身する。
ブーストレイズバックルはドライバーなどにセットする事で各種アビリティを数倍に強化する機能があり、
さらに専用マシン「ブーストライカー」を召喚する能力もある。
大型バックルの一種でありながら他の大型よりも頭一つ分抜けた強力なアイテムだが、
その分使用回数に制限があり、必殺技「ブーストタイム」を使用すると炎と煙を吐き出しながらドライバーから離脱してどこかへ飛び去ってしまう。
このため、入手してもおいそれとは使用できない切り札でもある。

  • デュアルオン
デザイアドライバーにレイズバックルを2つセットする事で変身するフォームチェンジ。
上半身と下半身に同時にアーマーを展開、2つのレイズバックルの性能を引き出せる。
また、相性の良い=バックルのリアクター周りのカラーが同じバックルで発動する事でより高性能になる。
ライダーから見てベルトの右側が上半身、左側が下半身の装甲を形成するのだが、
装着したレイズバックルをベルトごと回転させる機能「リボルブオン」により、
いちいちレイズバックルを付け替えなくても上半身と下半身の装備を(ライダーの身体ごと)瞬時に入れ替えることもできる。
まさかの『超力ロボガラット』いやさ『ビーロボ・カブタック』仮面ライダーエグゼイド』の後継者である。
…これを再現したアクションフィギュアは(手首兼用な)足首が心許なかったりするが。

+ その他の強化形態
  • フィーバーフォーム
想定外のエネミー「ジャマトライダー」の出現により運営から救済措置として支給された「フィーバースロットレイズバックル」で変身する。
他の大型バックルと共にデュアルオンして使用することを前提としたアイテムで、使用するとスロットリール「レイズジャックポット」の、
「MAGNUM」「ZOMBIE」「NINJA」「MONSTER」「BEAT」「???」の絵柄からランダムで1つが表示され、
デュアルオンされたバックルと同様の絵柄が出ると、数倍に力が高められる「フィーバー」が発動し、
本来のフォームより数倍のスペックに強化された「フィーバー〇〇フォーム」となる。
ギャンブル性の高い武器・装備は平成ライダー以降で前例は複数あるが、変身形態そのものがランダムなケースはかなり珍しい。
どの形態でも共通して各ライダーが保有するパーソナルアクセサリーが強化された金色のアクセサリー「バランサー」が追加される。
なお、フィーバースロット単体を使用した場合、絵柄が出た際は該当する5つのフォーム、
「???」の場合はランダム(ブーストなどレイズジャックポットにない形態含む)で決定したフォームに変身する。

フィーバーが発動した時の戦闘力は高く、特にフィーバーブーストフォームはキック力117tという、
序盤フォームでありながらアルティメットクウガ越えのデタラメなスペックを誇り、その他の5つのフィーバーも単体の時より2倍のスペックを発揮可能。
ただしどの絵柄が出るかは完全にランダムで、使用回数やクールタイム等の制限は無く、目当てのフォームが出なくても何度も再抽選が可能なのだが、
再抽選は変身した後で無ければ出来ないらしく、望んでいないフォームが出たり下半身側と不一致が確定した場合であっても、
一度は絵柄の形態に変身する必要がある。
運が良ければ絶大な戦闘力は発揮できるが、安定的な運用は難しい装備である。

  • レイジングフォーム
デザイアドライバーに二対一組のコマンドツインバックルの片割れである「コマンドジェットバックル」をセットして変身する形態。
「レイジングソード」と呼ばれる拡張武装が備えられる他、バイザーの左耳側には次元測定器「コマンドアンテナ」が付属される。
レイジングソードで敵を既定量倒し続けてエネルギーの充填を行い「フルチャージ」状態になる事で、
剣に付属している「コマンドキャノンバックル」の使用が解禁され、コマンドジェットバックルとデュアルオンさせることで、
真の力を解放した「コマンドフォーム」と化す。
言わばサナギマンポジションの立ち位置で、この形態単体では装飾も簡素な上にエントリーフォームに毛が生えた程度のスペックだが、
固有武器のレイジングソードが非常に強力なため、並みの大型バックルのフォームよりも強い。

  • コマンドフォーム
コマンドツインバックルをデュアルオンさせることでレイジングフォームからさらに強化した形態。
引き続きレイジングソードは使用可能な他、リボルブオンによって飛行能力を備えて機動性に秀でた「ジェットモード」と、
パワードアーマーのような重装甲を備えて砲撃に秀でた「キャノンモード」の2つの形態を切り替えて戦う。
ジェットの飛行用ウイング「ウインガンカー」がキャノンモードでは砲撃の反動を支えるアンカーになり、
その逆のジェットモードでは砲門「トロンキャノン」が飛行ブースターとして機能する構造となっている。
いずれも総合スペック自体はフィーバーブーストよりは低いが、
消費式のブーストレイズバックルやランダム系のフィーバースロットレイズバックルと比較して、
フルチャージ前提とはいえ安定して運用できるため使い勝手は格段に良く、さらに2つの形態の使い分けで臨機応変な戦法が可能。
従来のフォームがデザグラのミッションクリア用なのに対して、コマンドフォームは純粋に戦闘に特化したフォームとなっている。

コマンドツインバックルは邂逅編までのデザイアグランプリには実装されていなかったアイテムだったが、
謀略編にてゲームマスターの越権行為を見咎めた運営のニラムが独断で追加実装した。

  • パワードビルダーフォーム
『MOVIEバトルロワイヤル』のボスであるシーカーが使用したものと同種である「パワードビルダーバックル」で変身する形態。
上半身に黄色のパワードビルダーバックルのアーマーが装着され、
ギガントコンテナバックルに搭載された3種類のギガントバックルを装備することで、
あらゆる物質を建材に変える「ギガントソード」、地面に打ちつける事で壁や柱を生成する「ギガントハンマー」、
狙撃の用途に加えてモデリングマテリアルを出力して様々な構造物をクラフトする「ギガントブラスター」を用いて、
敵を攻撃するだけでなく、サンドボックスゲームのようにあらゆる構造物を瞬時に建築可能とする能力を得ている。
その延長で、「ウエポンレイズバックル」と呼ばれるバックルを使用することで、
他のフォームの専用拡張武装すら生成して使用することもできる。
武器の攻撃力は高いがスペック自体は並みの大型バックルのフォームと同程度で、フィーバーやコマンドにこそ大きく劣るものの、
「純粋な戦闘力」ではない能力でデザグラのミッションクリアに大きく貢献する形態である。

  • ブーストフォームマークII
5つのブーストレイズバックルが合体して誕生した「ブーストマークIIレイズバックル」で変身する本作の中間形態。
ブーストフォームと異なり、単体バックルながらデュアルオンのように全身に赤と黒を混ぜたアーマーが装着され、複眼部分が金色に変化する他、
ギーツテイルに加えて4つのバーミリオンエグゾーストテールが装着され、さながら五尾の妖狐にも見える姿となる。
他のフォームを遥かに上回るスピードに加えて、頭の「ヘッドエグゾースト」、尻尾の「バーミリオンエグゾーストテール」は、
自然発火する程の超噴射力を利用し空中を自由自在に動き回ることを可能とするため、瞬間的だがジェットモード以上の瞬発力で飛行することもでき、
これによる高速ラッシュ戦闘を得意とする。
また、リボルブオンすることでブーストライカー・ギーツモードのような獣形態「ビーストモード」となり、
バーミリオンエグゾーストテールが増えて六尾のようになる他、その恩恵で高速機動状態でより柔軟な方向転換が可能になる。
一方で並の人間では極限のスピードに身体が追いつかず、使用すると変身者に時差ボケのような強烈な眠気をもたらす。

ブーストマークIIレイズバックルは初登場回で前触れも伏線も無く唐突に出てくるため戦闘場面だけ見るとおざなりな強化展開に見えるが、
同回で戦闘後にかつてのデザ神達が願った「生まれ変わった俺がいつか、世界を救う覚悟を決めた時、それを実現する力」
という願いが受理された末に実現したアイテムと明かされる形で、作劇的に英寿の身の上を明かす役割も果たすものとなっている。

  • レーザーブーストフォーム
ブーストマークIIレイズバックルと仮面ライダージーンの変身アイテムであるレーザーレイズライザーを、
デザイアドライバーにセットして「ハイパーリンク」することで変身する。
胸に装着された増加装甲「クロスリアライド」はブーストフォームマークIIの時空を歪ませる力を制御・拡張する機能を持ち、
ビーストモードへの変形機能こそ失われるものの、ブーストマークIIレイズバックル単体で起きる副作用を抑えつつ、
スペックを向上させた状態で変身を可能にしている。
さらに仮面ライダージーンの持つベクトル重力操作能力を行使でき、壁や天井すら自在に歩行・移動できる。

+ ネタバレ注意
  • ブーストフォームマークIII
スエルによって創世の女神=母のミツメが破壊される光景を目の当たりにした英寿の叫びに呼応するかのように、
突如として誕生した「ブーストマークIIIレイズバックル」を用いて変身する形態。
このバックルは、英寿が母から継承した創世の力によって生み出されたアイテムであり、
「運営が全てを創造・管理し、例外は存在しない」とされていたライダーシステムの原則を覆す代物である。
スペックはついにフィーバーブーストを上回っており、固有能力として創世の力の「破壊」の側面である、
周囲の物質を空間ごと破壊する力を持つが、この形態では完全い制御することができず、
攻撃方法は黒く禍々しい尾の様なオーラを地面から噴き上げながらギーツから伸びる3本の赤い炎の様な尻尾が周囲を薙ぎ払うという、
まさしく妖狐のようなおぞましい様相となっている。
また、負担も大きいらしく英寿は変身後に即座に気を失っている。

実はブーストフォームマークIIIレイズバックルはある種のリミッター状態で、
それに伴いブーストフォームマークIIIも不完全な形態である。
ブーストフォームマークIIIレイズバックルは分離させて真の姿「ブーストマークⅨレイズバックル」となるギミックがあり、
こちらを用いるのが正しい使い方である。

  • 仮面ライダーギーツIX
ブーストマークⅨレイズバックルを用いて変身した、ギーツの最強形態。
変身時には二つに分離したブーストマークⅨレイズバックルをデザイアドライバーの両側にセットし、
変身と同時にリボルブオンを行いギーツⅨとなる演出となっている。
創世の女神のパワーを受け継ぎ「創世の神」として覚醒した姿であり、
全体的には上半身も下半身もマグナムフォームに似た歴代令和ライダーの例に漏れず比較的シンプルなデザインの最強形態となっているが、
黒の部分がなくなり純白となっている事、怒気と狂気を含んだ目、
そしてパーソナルアクセサリーである9本の尾のような背中のマント「ギーツテールナイン」が大きな違い。
さながら白面九尾の妖狐のような姿となっているのに加えて、
スペックもパンチ力69.9t、キック力149.9t、ジャンプ力169.9t、走力が100m0.9秒と、やたら9だらけな上に相当高い。
しかもこれは基礎スペックであり、胸部に備えられた拡張装備「カノミックエンジン」には、
一時的に全てのアビリティを極限まで向上させる「ダイナマイトブーストタイム」を起こす機能があり、瞬間的であればさらにスペックを上昇させることができる。

また、固有能力として「破壊と創造」=事象操作の力を持ち、デザグラ運営の世界改変でグランドエンドを迎えた暗い世界を吹き飛ばして元に戻した他、
固有装備「ギーツバスターQB9」を創造するなどの力を見せている。
ただし創世の女神のようにデザグラ敗者の幸福をリソースにしているわけではなく自前の力だけで能力を行使しているため、
叶える願い、起こす事象の規模にある程度の制約があった他、この形態使用後は激しい空腹に襲われるなど、消耗も大きかった。
なお、ギーツIXの場合は他者の幸福ではなく「強い願いへの想い」がリソースになる模様。

上記の「ギーツテールナイン」には事象を加速させる効果があり、これにより攻撃対象の破壊を加速させたり、
逆に破壊した物を瞬時に修復する事も可能で、劇中ではこれを応用して攻撃の余波で破壊した周囲の地面だけを敵を埋め込んだ形で巻き戻して修復するという方法で拘束している。
他にも口部の「カンナギクラッシュ」は言葉に神秘的な力を持たせることが可能となり、
実際に劇中では口元に指を当てて「しーっ…」と言っただけで実際に周囲の時間を戦闘時の挿入歌もろとも停止させる効果を披露していた。

単独の必殺技はブーストスロットルレバーを1回引いて青いエネルギーを纏い格闘能力を強化する「ブーストナインストライク」と、
ブーストスロットルレバーを2回引いてダイナマイトブーストタイムを発動しながら飛び蹴りを放つ「ブーストナインビクトリー」。
また、ギーツバスターQB9をブーストチャージして発動する「ブーストタクティカルビクトリー」という技もあり、
ブレードモードではバスターの刀身に青い高次エネルギーを纏って斬撃を放ち、ガンモードでは高出力の青い光弾を敵に放つ。

最終回にて英寿が創世の神になったことにより身体への負担や叶えられる願いの限界などの制約が無くなり、
最終決戦後には「誰もが幸せになれる世界」を創世している。
ただ、後日談の『ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』では九堂りんねの救出にアームドプロペラを用いており、
デザグラ運営は既に壊滅しているので創世の力で創り出したものと思われるものの、
創世の神の力で飛んだり転移させるなどより確実な方法を取っていないため、神と化して身体への負担や起こせる事象の限界は無くなったが、
単独で全能という訳ではなく、願う者や信仰する者というリソースがいなければ好き勝手に大規模な力を発揮できない制約はそのままと思われる。


MUGENにおける仮面ライダーギーツ

+ nama140号氏製作
  • nama140号氏製作
基本動作は一通り揃っており、アームドは必殺技として扱われている。
超必殺技は「エントリーフィニッシュ」。
AIもデフォルトで搭載されている。

+ qzak氏製作
  • qzak氏製作
MUGENライダーキャラでおなじみのqzak氏より作られたキャラで、仮面ライダー製作Wikiにて公開中。
アームド「アロー」やマグナムフォームの「マグナム構え」から繋げる2種類の射撃技「マグナムシュート」「マグナムスナイパー」、
近接技の「ニンジャデュアラー」など、アームド及びフォームが必殺技として搭載されている。
超必殺技は1ゲージ技でマグナムブーストフォームにデュアルオンして放つブーストタイム必殺技「マグナムブーストグランドビクトリー」。

2024年3月にななび氏により、性能、モーション、判定などが調整され、
試作版のAIが搭載された更新版が公開された。


「キツネのお供はいらん!」*2

「最後に勝つのは俺だ」

出場大会



*1
しかし本作にはニンジャフォームが存在したり
(しかも緑色で、シノビの演者の過去作『ニンニンジャー』のVシネマに出てくるミドニンジャーを彷彿とさせる)、
そのニンジャフォームを主に使う2号ライダー・タイクーンの後援者がカエルの姿だったり
(シノビの師匠もカエルの姿をした「ガマノ師匠」。ちなみに中の人もライダーになった経験有)、
さらに言えば『ニンニンジャー』の方法は分からないが強制的に妖怪化したライバル・十六夜九衛門が狐面のキャラであり、
ギーツのそれとも一致…と妙にシノビを思わせるポイントがいくつか散見されており、さりげなく意識しているようである
(そもそも『ギーツ』のプロデューサーは『ニンニンジャー』でもプロデューサーを務め、『ジオウ』にも携わっていた武部直美女史である)。

ちなみに他にも仮面ライダークイズよろしくクイズ王のデザグラ参加者が登場したり、
運営側が変身するライダーにフューチャーリングキカイのように他者を操る能力があったりと、
シノビのみならず『ジオウ』のミライダー的ポイントはさらに見受けられている。

*2
+ この声の主について
「今俺を見たな!?これでお前とも縁ができた!!」

…もとい、『ギーツ』の30分後に放送されているスーパー戦隊シリーズ第46作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の主人公(レッド)、
ドンモモタロウこと桃井タロウである。別名「妖怪縁結び」もしくは「ドンクリック詐欺」
『ドンブラザーズ』の作品詳細は割愛するが、前作『機界戦隊ゼンカイジャー』と同じくメタネタバリバリかつ、
脚本家井上敏樹氏によるキャラのクセが強い作風であり、スーパーヒーロータイムとしてのEDにてこのように英寿に突っかかった。
彼も何でもこなせる天才肌で(自称「得意な事は無い」だが、それは「通信簿がオール5なので、一番得意な教科を決められない」的な意味)、
尊大な態度を取る自信家(よって普通なら(肩書上は部下でも)対等な扱いをする処の仲間を「お供」呼ばわり。桃太郎モチーフだから仕方ないが)、
だが進んで善行は行う…と、英寿とはある意味似たタイプではある。近親憎悪か?尤も、英寿は余裕の笑みと上の台詞で躱しているが。
また英寿は必要とあらば嘘で人を化かすが、タロウは嘘がつけない(性格的なものもあるが、無理に嘘をつくと心臓が止まって死ぬ)。
その辺がこの余裕の表れと言えるかもしれない。
ちなみに英寿役の簡氏は『ドンブラザーズ』の最終オーディションまで残るも落選していたとの事で、
その頃から縁があったとも言える。
また同作のオニシスターこと鬼頭はるか役の志田こはく女史の姉・志田音々女史も『ギーツ』にレギュラー出演とこちらでも縁があり、
『ドンブラザーズ』終了までスーパー志田姉妹タイムが成立している。

なお前作『仮面ライダーリバイス』最終回の後の回においても、
「だったらドンブラザーズも最終回だ!」財団Bへの断りもなく勝手に最終回をやろうとしたり(実際はそういう体の総集編)と、
作品の壁を越えてやたらライダーに対抗心を剥き出しまくっていた。
挙句の果てに、夏の劇場版のゲストキャラも「ヒーローなんて仮面ライダーに任せとけばいいのよ!」と言い出す始末
おい巻き込むな。その癖夏の劇場版のキャッチコピーは「ライダーなどお供にもならん!」なっとるやろがい!(併映だから)
それどころか前述の最終回という名の総集編のサブタイトルが『ドンブラザーズ』と同期のプリキュアの追加戦士を彷彿とさせたりと、
最早ニチアサ全体を巻き添えにしつつある

そして『ドンブラザーズ』が本当に最終回を迎えると、同日の『ギーツ』では急遽「特別番組」
かと思いきやそれは劇中のデザイアグランプリというプログラム内での話という言わばメタネタのやり返しであり、
さらに若干の振り返りもありながらしっかりストーリーを進行させるという、ある意味見事なカウンターで返したのだった。
しかし『ギーツ』が最終回を迎え、『ドンブラザーズ』の次の戦隊『王様戦隊キングオージャー』も第一部の完結を迎えると、
それに便乗して『爆竜戦隊アバレンジャーwithドンブラザーズ』の予告を公開しており、放送終了してもなおスーパーヒーロータイムを振り回し続けている


最終更新:2024年04月04日 14:56