【容姿】
身長2メートルを軽く超える大男。
薄汚れた灰色の作業着の上に黒いラバー地のエプロンを着用し、黒いゴム長靴を履いている。
角ばった顔つきに短めに切り揃えられた黒髪。瞳の色は黒。額には、面積を埋める形で巨大な第三の目玉が存在している。右顔面には皮膚が引き攣ったような傷跡がある。
異様に太く長い舌と、獣のように鋭く尖った歯を持つ。
喉の内側の肉には、カノッサ機関員の証である逆五芒星を刻んでおり
能力によって喉を左右に開くことで表に出せる。
単純に機関員であることを明確に示すための名刺代わりのようなもの。
本人は機関に忠誠を誓っているわけではないため、肉を分離すれば簡単に消すことも可能。
【装備】
肉切り包丁
十数本携帯しており、近距離戦での凶器や遠距離戦での投擲武器として用いる。
大型拳銃
『S&W M500』と『デザートイーグル』を使い分けている。二丁拳銃として用いることもある。
鎖付きブッチャーフック
袖口に仕込んだ肉吊るし用の大型フック。腕を振ることで袖口から飛び出すように仕込んである。
『神滅の轟腕/タイタニック・ノア』
レギンより賜った、黒と金がベースカラーの大きさ1m半以上にもなるバトルアックス。
帝竜岩と呼ばれる凄まじい硬度を持つ地の国の鉱物で造られた代物。
柄の部分にカートリッジを接続する箇所が存在し、マギタイトや宝玉などの属性物質を組み込むことで
刃全体への属性効果の付加による破壊力増大、ならびに魔力放出による範囲攻撃が可能。
カニバディールの戦闘における主武装の一つ。
【能力】
自分の肉体を変形・増殖・膨張・分離・融合させる能力。
四肢や首や舌などを膨張によって伸ばしたり、眼球や耳や鼻などの感覚器官を肉体のどこかに生やしたり出来る。
手足や口を増やすことも可能。
膨らませた肉で怪我を覆うことで出血を止める、といったことも出来る。
増殖・膨張の限界量は、過去に食べた生物の質量に比例する。
食った生物は、種族問わずこの能力によってその身に取り込まれるため、
この能力の保持者は今まで食らってきた命の絶望や無念、怨嗟の声を常に感じ続けることになる。
同時にこの副作用によって、精神汚染に対するある程度の耐性を有している。
現在では、直接間接問わず手にかけた命全てが、体内に取り込まれるようになり、
取り込んだ命が表面に浮かび上がった赤褐色の肉を生成することが可能となっている。
さらには、
廃の国にて盗掘した技術と自身の能力を掛け合わせ、配下である『スクラップズ』の構成員らとの『命の共有』を実現。敵対者の一人である
トライデントには、『命のプール』と例えられた。
『スクラップズ』が生きている限りは、死に瀕するほどのダメージからも蘇生することすら可能としている。これにより非常に強靭な生命力を獲得しており、彼を殺すには配下たちのものを合わせた大量の肉の全てを破壊し尽くす必要がある。
また、配下たちとの記憶や感覚の共有も任意で行える他、自身の肉体をゲートとし、配下らを召喚・回収することも可能。
【性格】
自身の損得に固執する利己主義者。金、物、人の命、どんな形であれ、何かを得ることを常に求めている。
こうした自らの利益のためならば手段を選ばず、平気で他人を踏みにじる悪党。
カノッサ機関に所属しているのも、利益追求を行いやすいと考えているため。
そうした自身の在り方に対して自嘲的・自虐的な面もあり、小悪党を自称することも多い。
後述の能力による副作用で、物心ついた時から怨嗟の声を聴き続けており、更には生まれ故郷である
悪徳の街ヴェンドゥラーでの生活を通して、「生きることはそれ自体が罪悪」という歪んだ価値観を形成している。
機関に身を置くうちに、数多くの強者と出会い、立場や善悪を問わず、彼らに対しては密かな畏敬を抱いてもいる。
同時に、自身の価値観に真っ向から対立する正義の持ち主に対しては強い恐怖心を持つ。
自身が受けた恩義に関しては、決して忘れない。同様に受けた屈辱も忘れない。
だが根底では、自分の利益や目的の妨げになるなら、恩義より利己を優先する歪んだ覚悟もしている。
大司教
アーグに、数々の戦闘で肉の残骸のような姿となっていた自分を治療された経験から、神に対する歪んだ信仰心も持ち合わせているが、配下たち以外の前で滅多に表に出すことはない。
用心深い一面も持ち、あらゆる方面での情報収集を積極的に行おうとする姿勢も見せており、自身が機関員として活動する前の、過去の事件についても調査を行っている。
【対人】
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非敵対 |
普段は横柄な態度が多いが、同じ機関員の前では、慇懃にふるまう。
ナンバーズ No.50の デュアル兄弟とは、逃亡後に流れ着いた泥の街で、組んで悪事を行っていた共犯者。立場は違うが、互いに対等に接している。
盗賊団『スクラップズ』の首領であり、腹心である スカーベッジ・トラーシュを始めとした配下らに対しては、比較的寛大。
個人的協力関係にある ボックス一家とは、ビジネスライクに接している。
参謀 ソーン一派と、六罪王 コマチ及び ブレンヒルト率いるフェイタルベルン・ファミリーと同盟関係にある。
彼らに命を救われたことに強く恩義を感じ、この二勢力との協力を第一としている。
機関内部においては、ナンバーズ権限で機関兵らや研究員らを多く率いている。配下の兵らは『スクラップズ』の残虐行為にも平然と手を貸せる凶悪な者、情報収集に長けた者などを中心に構成している。
ニーベルンゲン・シュバルツシルトや ノーグ・ナシエなど顔見知りの機関員も多かったが、彼らが次々と行方不明となり、後述の『黒幕』との対立も相まって、以前より機関内部における繋がりは少なくなっている。
外部においても、契約を結んでいたマフィアの ビスク・フランコの蒸発、古の大司教 アーグの一味の壊滅、遊戯を結んでいた悪魔 邪禍一味や悪魔 アリスも行方をくらませたことで、協力関係の多くを失った。
『黒幕』の対抗馬たる『円卓』の王 ジルベール・デュボンとも、彼の伴侶 ミラ・クラァケを助けた縁でその傘下に入ったものの、彼が姿をくらませたことでこの繋がりも喪失している。
代わって、世界情勢に合わせて取引先は新たに開拓しており、冒涜者 “ブラスフェミア”とは幾度か取引を行っている他、櫻の国の妖怪密輸会社 ヨシビ商会の顧客として彼らから妖怪を買い付けている。
ヨシビ商会の 英群水鶏とは、取引の際にいつも顔を合わせる間柄。
水の国最高議会議員の一人である イスラフィールとは、Justice再建の打診を受けて自身の利益に反しない限りの協力を約束しているが、完全には信用しておらず
ブレンヒルトと計らって、彼女の正体を探ろうとしている。その後、彼女が敵対する円卓の幹部であることを知り、敵対することとなる。
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敵対 |
当然ながら、正義に属する者たちとは敵対関係にある。
幾度となく自分たちの前に立ち塞がった『財団W』、自警団や警察に対しても敵愾心を持つ他
UNITED TRIGGERに対しては数度の対立の末、自ら宣戦布告を行い、 SCARLETとも激しく対立していたが
UTが半壊状態となり、SCARLETも活動が見られなくなって以降は敵意を半ば失っており、むしろ心のどこかで彼ら認めていたことに気付かされる羽目になった。
奇怪な縁で知り合い、火傷の一部を治療してくれた 鈴音に対しては、非常に複雑な感情を抱いており、敵対しながらも信頼を抱く言い尽くせぬ関係となった。
全身全霊でぶつかり合った、UTリーダーの セリーナ・ザ・"キッド"に対しても、対立しながらその姿勢にどこか憧憬すら感じていた。
後にセリーナが姿を消し、鈴音も 虚神に纏わる一連の事態によって世界中と対立した挙句、生死不明となったことで、やり場のない思いを抱えている。
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【戦闘方法】
主に四肢を能力で膨らませ肉塊と化し、それを振り回して攻撃する近・中距離戦を行う。
肉体の一部を膨らませることで盾として使用することもある。
より巨大な肉塊を作り出せば破壊力も上がるが、あまり大きすぎると扱えなくなる。
相手の肉を味わおうとする傾向もあり、四肢の先に口を作り出したり首を長く伸ばしたりしての噛みつき攻撃を好んで仕掛ける傾向もある。
遠距離においては拳銃を用いる他、前述の『神滅の轟腕/タイタニック・ノア』による範囲攻撃を主とする。
舌は先端を尖らせることで伸縮自在の槍のように使用することが出来、中距離ではこの攻撃手段を取ることが多い。
肉膨張による防御力、持ち前の体力の高さからくる耐久力は脅威ではあるが、その分機動力が低い。
配下たちと連携して手数を武器とした集団戦を仕掛けることも多く、基本的には能力・武装・物量に頼った戦いをする。
『人面瘡』
肉体の増殖と分離を応用して作り出す、カニバディールの分身体。
筋肉がむき出しになったような赤い身体と、主同様の鋭い牙と長い舌、ギョロリとした大きな眼球を持つ。
ある程度の自立思考が可能だが、最初に与えられた命令一つを遂行することしかできず、
命令を遂行すると闇雲に主の元へと帰ろうとする。
カニバディール本体に接続されたままでの運用も可能。
【備考】
カノッサ機関の活動が下火となった間隙をつき、ナンバーズNo.29から六罪王に昇格を宣言。機関内部に自派閥を形成している。
カノッサ機関加入以前は肉屋を経営しており、安価で生産できるという理由で、食肉としての人肉の生産・売買に手を染めていた。
それが自警団に発覚し、住んでいた街から逃亡したという過去を持つ。
この件では未だ逮捕されておらず、現在に至るまで指名手配されている。
相当な悪食であり、毒でもない限りは、人肉も含めてたいていのものは食せる。
能力強化のため、殺した相手の屍肉を習慣的に食べている。
金持ち相手の残忍なショーに出演していた経験もあり、ある程度の教養や銃器の扱いなどは、この時に身につけたものらしい。
過去の戦闘において幾度となく大きな傷を負い、自らの能力をもって生き延びてきたものの、一度は肉体の大半を失い、人間の残骸の如き異形の姿となったこともある。
大司教アーグの協力を得て、現在は五体満足の肉体を取り戻している。
【所持品】
レギンより提供された、筒型の爆弾。驚異的な威力を誇るため、普段持ち歩くようなことはない。
カニバディールの切り札の一つ。
"紫電の宝玉"は中で幾度も稲光を輝かせる宝玉。攻撃に雷属性を付加する効果を持つ。
"暗幕の宝玉"は一切の光を受け付けない暗闇が内在する宝玉。使用することで攻撃した相手の目の前に視界を遮る"暗黒空間"を同時に二つまで発生させられる効果がある。
双方とも、コマチの要請を受けて参加した移動研究所『AMAGI’s LABO』襲撃において、ドクター・アマギから強奪し、コマチから賜ったもの。カニバディールの切り札の一つ。
上記の二つの宝玉と同じ事件で、コマチから賜った旧異物。身に着けた人物がこの首飾りに意識を向けた時、激しいスタミナ消耗と引き換えに攻撃翌力と機動力が一定時間の間著しく上がるドーピングアイテム。
リスクが大きいため、ここぞという時にのみ使う切り札の一つ。
武器商人、Pから購入したカード。権能《〝Ability Record〟》をもたらすアイテム。
裏には〝黒いピラミッドの中に金色の瞳〟が描かれており、表にはレコードのイラストが書かれている。
そして表面には『〝一度〟のみ使用可能。貴方の記憶の中にある〝力〟を99%出力で行使できる。』と記されている。
カニバディールの切り札の一つ。
ソーンより賜った、『対・特殊生物用火器』。
リリアとの最終決戦に際して、ソーンから贈られたもの。
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詳細 |
擬似魔法再現機構、通称"M.I.R.A.G.E"が機関部に搭載されている。
ソーン曰く、「現代に蘇った"ドラゴン・スレイヤー"<屠龍刀>」
「擬似的な"術式"再現機構を生み出した、つまりは機械仕掛けの魔法発生装置」
人為的に生み出した人口宝具を銃各所に配置することで術式の力を高め、さらには人口魔弾と言うべき特殊弾頭を使用。
弱点としては、機構の細かさと精密部品が多い故に剛性には欠け、コスト・パフォーマンスも最悪という点。
〝一挺の重火器ながらに、アストン・マーチンが購入できるほどの値が張る代物〟らしい。
後にセリーナとの決闘にも用いられ、セリーナの愛銃 "弾"末魔を、一時行動不能にまで追い込んだ。
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邪禍より譲り受けた、彼の魔力を主軸に作り出した菌。10cm程で、黒を基調に紫や赤の模様を持つキノコ。
水分や魔力を与えれば本来の姿を取り戻し、その場に留まらせれば混沌の魔力の胞子をばら撒く。
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詳細 |
- それは邪禍とよく似たカラーリングのキノコであり、食用にはとても不向きである
- それは身長約5mであり、軸の太さもそれ相応であり、根は広い範囲の地面の表面にしがみついている
- それは眼を持たないが、芽という名の菌糸は多数持つ
- それは丸みを帯びた三角錐の形状の傘を持ち、その下面から胞子(カビのそれの様に宙に漂い広がれる)をばらまくことが出来る
- それは傘の下の方に180°程に広がる口部を1つ持ち、そこから胞子を吐き出すことも出来る
- それは身体から菌糸を素早く伸ばしたり飛ばしたりすることが出来、攻撃手段の一つでもある
- ばらまかれた胞子もまたマーディケリウムに成長するが、ここまでの大きさになるには半年~数年は必要である
- なお、10cm程度の大きさならば一週間~数週間程で十分であるが、勿論力はかなり劣り、有用性は闇鍋以外にはあまり期待できない
- すくすく成長させるには、実際のキノコ養殖を参考にしつつ、適度な混沌を与えると良いだろう
- 弱点:聖(かなり弱い) 熱(ある程度の高温以上) カビとりハイターの類のもの
- 耐性:邪(かなり強い) 毒 水
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ソロモンより譲り受けた精巧なロボット。ソロモンの従者、
花嵐が書いたマニュアル付き。
映像や音の記録が可能。
ダグラス・マックスウッドに贈られた、自身の肖像画。
正面からのカニバディールの姿を写実的に描き出し、反面、背景の部分は全て真っ黒に、何重にも塗りつぶされている。
暗さがあるのに何処か凄惨なまでの一枚。
カニバディールの自室に飾られている。
昼の国で採れる鉱物、太陽光の雫を混沌のエネルギーで汚したもの。
混沌の力を撃ち出す射出機、混沌のエネルギーを増大させる増幅器などの役割を果たす。
最終更新:2019年09月11日 10:41