ドキエレOP
安価主人公は孤児院の院長の部屋に呼び出された。
院長の部屋に呼び出されて怒られるのはいつ振りか、数年ぶりのはずだ。
気から飛び降りた以来か、それとも野草を調理して食事としてだしたとき以来かあの野草おいしいのに・・・
コンコンコンコンと4度ドアを叩く。
「入りなさい」
失礼します・・そういって俺はドアをゆっくりと開けて入る。
この孤児院の院長である、フィリア=リスカ様が難しい顔をしながら書類を見ていた。
リスカ伯爵家の変わり者といわれていることを知っているが
俺たちには優しくも厳しい人だ。
「よくきましたね、安価主人公。また変なものを料理にいれたりしていないでしょうね」
「していませんよ院長先生。それで俺になにか変なことはしてないと思うんですけど」
「今日はそのことではありませんよ、この書類についてです」
「それですか?何がかいてあるんですか?」
「エレクシアン王立学園の入学について」
「エレクシアン王立学園?エレクシアン王立学園ってあの王都にある貴族が通う学園ですよね。
院長先生の親戚が入学するんですか?」
エレクシアン王立学園といえば貴族、もしくは超優秀な平民でかつ親が金持ちしか入れない。
院長先生に子供はいないが、家族の子供やがいるのだろうか?
間違っても俺が入るということはないだろう。
「たしかに、そう思うの普通よね。
勉強はそこそこに貴族が顔見知りや知り合いを作ったり婚約者を探すというのが一般的な意見だし
そう思うのが普通よね。
これはね分家の子が入学するからではなくてね、この孤児院から入学するように国王からの勅命書よ」
「え?えっと、え?勅命?って王様が出すものですよね?
もう一回言ってください、俺の聞き間違いじゃないですよね?」
「きっと私もそんな顔をしていたんでしょうね。
私も国王の封蝋をみて驚いて、中身を呼んでさらに驚いたもの
もう一度言うわ。この孤児院から一人、エレクシアン王立学園に入学させるように国王からの勅命が下ったのよ」
「その、どういうことなんですか?」
「わからないわ、でも勅命が下ったのよ。
貴族である以上、いえ国民である以上勅命ならば誰にも逆らうことはできないわ。
貴方を呼んだ理由はわかったかしら?」
冷や汗がでる。
も、もしかして俺がエレクシアン王立学園に!?
俺は孤児で親もいないしの俺なんかが入学なんて
「この孤児院にいる子達のなかで学園に年齢的に候補は数名に絞られるわ。
そのなかで最低限の文字の読み書きに、計算ができるのは貴方だけよ。
それに子供のころから私が面倒をみたから少しは礼儀というものを知っている
貴方しか居ないのよ」
「孤児の俺なんかが」
「孤児の貴方ではなく、私が育てた貴方なら問題ないわ」
「っ!?院長先生。」
私が育てた貴方。
貴族であるフィリアが自分のことを育てたといってくれる。たったそれだけ。
フィリアと俺とでは見た目がちがすぎるので実は隠し子だったとかいうわけでもない。
本心で言ってくれているかもわからないだが私が育てた貴方。
自分のなかでは母親だと思っていた人にそういわれて、たった一言。期待されているということに涙腺が緩みそうになる。
「王立学園にいってくれるわよね?安価主人公」
「はい、わかりましたフィリア院長先生。俺、がんばります」
一生懸命がんばって、学園でなにかを学んで院長先生に恩返ししないと
「あ、いや頑張らなくていいわよ」
その言葉に地面が崩れるような感覚に陥る。
「その、それはどういうことですか?」
最終更新:2019年11月04日 23:18