概要
戦闘に至るまでの背景
▲9552年における勢力図
ビバスク大陸の「第四次世界大戦」は、
パラスティア国の
スレイヴギア実戦投入によって戦局が一気に動き出し、各戦線で
パラスティア国は圧倒的な優位性を得た。
しかし、
パラスティア国も、同時に四ヵ国を相手にしているという事情もあり、堅固な城塞都市はいまだの守備側が優勢を保っていた。
ナルミア国のコレイスレート城塞都市もそんな都市の一つであったが、9552年に一気に進軍の駒を進めるべく、
パラスティア国は主力部隊を投入した。
両軍の戦力
戦闘経緯
各地の戦線で大きな戦果を重ねていたイーグルホーク級強襲揚陸艦7番艦
ルビナスの艦長
ビジャスの元に、新たな作戦書が届いた。
強襲揚陸艦で編成された艦隊で突撃を仕掛け、一気に駆け抜けて敵の背後に位置する山地にパラシュートをつけた
スレイヴギア部隊と物資を投下、正面からの主力部隊と、山地からの
スレイヴギア部隊で都市を挟撃するというものであった。
スレイヴギア部隊を直接都市に投下するという案もあったが、破壊においては比類ない性能を発揮するが、都市の制圧をするには絶対的に数がすくなく、元々軍人でない兵も多いため判断の柔軟性に欠けるため却下された。
それまでの常識では、空挺降下作戦は敵の対空砲火を沈黙させているのが前提であったが、
スレイヴギアのシールドは対空砲火を弾き、パラシュートが破壊されても飛行能力を応用することで着地が可能との判断であり作戦は決行。
補給物資を詰め込んだ物資コンテナも同時に投下するが、このコンテナは物資を取り出したあと、簡易トーチカを組み立てる材料にもなる。
ルビナスをはじめとする浮遊艦隊は、対空砲火が届かない高度を維持して都市部を駆け抜け、一気に山頂を目指す。
ナルミア国の航空機隊がそれを見逃すはずがなく強襲を仕掛け、艦砲と直掩機で対応するも数隻が目的地にたどり着けずに撃墜される。
激しい攻撃を潜り抜けた艦は、
スレイヴギア部隊を一気に投下して撤退、この時の光景は、
ナルミア国では「天から悪魔が舞い降りてくる」と記録されている。
だが、
スレイヴギア部隊がいかに性能で優れていても、巨大な要塞都市の守備部隊を相手にするにはさすがに数が足りず、物資コンテナによる簡易トーチカで防ぐも、大軍の攻撃によって徐々に山頂に押し込まれていく。
3日間の防戦により、
スレイヴギア部隊にも少なくない犠牲者がうまれ、挟撃を仕掛ける筈だった
パラスティア国軍本隊も
ナルミア国軍の猛反撃を受けて進軍が止まっていた。
しかし、ここで工業都市ライン
ベルト方面から、歩兵部隊が密かに小型艇を使って海を越えて、側面攻撃を仕掛ける。
これに呼応して正面の本隊もようやく進軍を開始、難攻不落のコレイスレートはついに陥落する。
スレイヴギア部隊は挟撃こそできなかったものの、山地に敵の大部隊をおびき寄せてひきつけたことが評価される。
当時の
パラスティア国軍は、
スレイヴギアの実戦投入によるおごりから、内部で激しい対立があった。
工業都市ライン
ベルト方面の部隊が援軍としてやってきたのは、決して作戦に組み込まれていたわけでも、味方の危機に義憤をもって駆けつけたのでもなかった。
むしろ、この作戦が失敗した後、自分たちの力だけでコレイスレートの街を陥落させるべく準備をしていたほどである。
だが、旧知の
ビジャスの説得により部隊を動かし、戦いに勝利をもたらした。
戦いの結末
その日の夜、ライン
ベルト方面軍は突如としてコレイスレートの街で略奪をはじめた。
街を守ったのは、
ナルミア国正規軍ではなく民兵だったが、至急の事でもあり彼らには軍服が支給されていなかった。
国際法に基づき、軍服を着ていない者は兵士として扱わないと主張し、住民を処刑し、都市で略奪が行われた。
パラスティア国主力部隊は、勝利で湧いているところに下手に口を挟めば最悪の場合同士討ちにもなると、これを黙認するしかなかった。
この略奪を餌に彼らを援軍として呼び寄せたという説もあるが、あくまでも推論の域を出ない。
最終更新:2024年07月15日 18:31