あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第1回トーナメント 『屍術師の残骸【死想】』 VS 『紫電改・サンダーボルト・田中』
最終更新:
aioricharabattle
-
view
『屍術師の残骸【死想】』 VS 『紫電改・サンダーボルト・田中』
あにまんオリキャラ最強トーナメント特設リング。再び観客席が熱気に包まれる。二回戦第一試合、戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
リングに現れたのは、空中を漂う黒い靄に包まれた頭蓋骨──"屍術師の残骸【死想】"。死霊と怨念の塊、ただそこに存在するだけで周囲を呪いの波動が蝕んでいく。
対するは銀髪碧眼の青年──"紫電改・サンダーボルト・田中"。無造作にポケットに手を突っ込んだまま、鋭い視線で死想を見据える。全身に微弱な電気が走り、今にも雷撃を解き放たんとしている。
「戦闘開始!!」
司会者の合図とともに、死想から溢れるオーラが紫電改に襲いかかる。死想は戦うことなく紫電改を呪い殺すつもりだ。
「クソッ……意識が……」
早速ピンチに陥る紫電改であったが、彼は一回戦の試合を見てこうなることを見越した秘策を用意していた。
ビリビリ!
突如、紫電改の体から電気が迸る。その電気は一定のリズムを刻んでおり、紫電改の内部から響くように鳴っている。
その直後、紫電改は何事もなかったかのように立ち上がり、死想に向かって語り掛ける。
その直後、紫電改は何事もなかったかのように立ち上がり、死想に向かって語り掛ける。
「AEDって知ってるか?これはそれを模倣した電気ショックだ。」
そう、彼は事前に心臓が止まった際に自動で一定周期の電気ショックが流れるように自らの体にプログラムしていたのだ。
「これで真っ向からやりあえそうだな。」
紫電改が構えると、死想も応じるようにして攻撃を仕掛ける。
「〈大玉〉。」
黒い靄から漆黒の魔力弾が連続して射出される。それは放物線を描くどころか、直線で紫電改を目がけて突き進んだ。
「電装盾雷《ツチイカヅチ》!」
紫電改の周囲に電磁バリアが展開される。魔力弾が次々とバリアに衝突し、バチバチと火花を散らす。しかし、いくつかはバリアを擦り抜けるかのように接触し、紫電改はギリギリでそれを躱す。
「チッ……透過する魔法弾かよ、厄介だな。」
死想は再び黒い霧を吐き出す。当たった物質を損壊させるまるで呪いのガスだ。
「〈呪怨溜息〉。」
黒い霧が扇状に広がり、リングの床がみるみる腐食していく。紫電改は素早く後退したが、電装伝雷《フシイカヅチ》を発動して死想の位置を確認。
「そこだ。電装豪雷《オオイカヅチ》!」
空から巨大な雷が降り注ぎ、死想の頭蓋骨に直撃する──かに見えたが、死想は瞬時に念動魔術で自らの体を跳ね上げ、雷をかわした。
概念的な攻撃しか通じない死想がなぜ雷を躱したのか。それには理由がある。
雷は古くから神聖な力として考えられており、自然界の力や人々の生活を制御する力として信仰されてきた。
そう、すなわち雷とはれっきとした概念的な現象なのである。
「やるじゃねぇか。」
紫電改は意外に身軽な死想に対して舌打ちをしつつも、次の一手に出る。
「電装兵雷《ヨモツイクサ》!」
バチバチと音を立てながら紫電改そっくりの分身が八体出現。それぞれが電撃を放ちながら、死想を取り囲む。
「……鏖殺…鏖殺…」
死想は冷徹に告げると、茨の槍を無数に生み出した。その一本一本が致命の威力を宿しており、命中すればただでは済まないだろう。
「〈送茨槍逢〉。」
分身たちは次々に茨の槍に貫かれ、電撃を迸らせながら消滅していく。しかし、その一瞬の隙を見逃さなかった。
「これが俺の本命だ。電装極雷《ナルカミ》!」
紫電改の体が雷そのものへと変貌する。電撃を纏い、音速を超えた凄まじい移動で死想に接近した。まさに雷速と言えるだろう。
「……鏖…殺…」
死想が何かを詠唱しようとするも、紫電改は一瞬で死想の背後を取り、プラズマの剣《電装斬雷》を叩き込む。
「ぶっ壊れろ。」
プラズマの斬撃は死想の頭蓋骨を裂き、雷がその内側に残る死霊たちを一瞬にして全て焼き尽くす。
本来プラズマである電装斬雷は死想に触れることさえできないはずだが、電装極雷によって雷そのものと化した紫電改が使用しているため大ダメージを与えることに成功したのだ。
本来プラズマである電装斬雷は死想に触れることさえできないはずだが、電装極雷によって雷そのものと化した紫電改が使用しているため大ダメージを与えることに成功したのだ。
しかし、死想は最後の力を振り絞り、最奥の魔術を解放した。
「〈死施誄涙〉。」
魂の鼓動が響き渡る。死想が奥義を発動しようとするが、紫電改はその一瞬の溜めを逃さない。
「それを待ってたぜ!!」
紫電改は電装極雷の最大出力で死想の頭蓋骨に触れ、ありったけの雷撃を流し込んだ。
バリバリバリィィィ!!
膨大な量の電気がスパークし、リングが焼け焦げる。しかし、この雷の意図は攻撃ではない。
一回戦で死想が死施誄涙を使用した時から紫電改はこの作戦を思いついていたのだ。
「俺を攫おうとしてる組織が死者蘇生の実験をやっててな。死後数百年は経ってる死体を生き返らせたことがあったんだよ。」
「残されてた資料にはこう書いてあった。『人間の生存に最低限は必要なものは、肉体、血液、臓器、そして魂』ってな。」
「さて、今のお前の状態を振り返ろう。屍は肉体、魔力は血液、演算装置として内包している生命は臓器とすると、最後のピースは死施誄涙の時に出てくるこの魂だ。」
そう、人間の生存に最低限必要な条件は全て整っている。
「邪魔な死霊どもは全部焼いた。後はきっかけ一つでお前は蘇るってわけだ。わかったか?」
紫電改はそう言い放つと同時に、微量な電気をメリーの魂に流し込む。死想が抵抗しようにも既に手遅れだった。
ブワッ!!
死想の体から呪いの霧と呪詛が一気に噴き出し、徐々に姿が人間に近づいていく。
……霧が晴れると、そこには1人の少女が立っていた。不気味な瞳が特徴的なその少女は、疲れ果てて倒れる紫電改に対して呟く。
「……私を生き返らせるなんてよく考えましたね。」
全てを出し切って限界の紫電改は、気合いと根性でなんとか言葉をひねり出す。
「一か八かだったけどな。おかげでもう立つ力も残ってないぞ。」
何とか立って一撃を加えなければと思いながらも、その体は少しも動かせない。
――だが、そんな紫電改に対してメリーが放った言葉は意外なものだった。
「まぁ…あなたは見た感じ金も権力もなさそうなドブネズミですからね……特別に見逃してあげます。」
「ただし、勘違いしないでくださいね。別に私があなたに負けたわけじゃないですよ。所詮この世は弱肉強食です。調子に乗ったらすぐブッ殺しますからね。」
メリーはとぼとぼとリングから立ち去り、どこかに消えていった。この先何があるのかは分からないが、少なくとも昔よりは楽しめそうだと彼女は感じていた。
リングに落ちていた頭蓋骨は完全に崩れ落ち、残っているのは紫電改だけとなった。
「………何が起こったのかさっぱりですが決着です!死想選手の消滅により、勝者──紫電改・サンダーボルト・田中!!!」
観客は事態を飲み込めていないが次々と歓声を上げる。
「……せっかく拾った命だ、せいぜい強く生きろよ。」