あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第3回トーナメント 準決勝 第2試合
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aioricharabattle
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第3回トーナメント 準決勝 第2試合
《野焼橘花 VS バカ》
あにまんオリキャラ最強トーナメント」二回戦第二試合。
特設リングを囲む観客席は、すでに熱気と歓声で満ち溢れていた。先の試合の余韻が残る中、今、二人の戦士が向かい合う。
野焼橘花は腕をぐっと回し、軽く屈伸をする。
燃え盛る炎をまとわせるように指先を動かし、戦闘の感覚を確かめた。
「私、何でも屋さんのところでお仕事のお手伝いをしてるので、無茶苦茶なことされるのは慣れっこですよ!!」
彼女は自信を持って前に出る。今までの経験がこの戦いで役立つのだろうか。
対するバカは、試合前にも関わらずコーナーポストの上で逆立ちをしていた。
「うおおお!逆立ちしてると強くなった気がするぅぅ!!!」
「……ほんとに戦う気あるんですか?」
橘花が冷めた目で見ていると、バカは勢いよく地面に着地し、堂々と胸を張る。
「あるに決まってるだろ!俺はバカだぞ!!」
「何の説明にもなってないですけど……」
二人の間に変な空気が流れる中、ついに試合が幕を開ける。
「——試合開始ッ!!」
試合開始の合図が鳴った。
それと同時に野焼橘花が即座に動く。
「火廻《ソレイユ》!」
彼女が手を振ると炎が巻き起こり、そのまま槍のように伸びてバカを突く。
しかし——
「おっとっと〜!危ない危ない!」
バカは唐突に一本のバナナの皮に足を取られ、前のめりに転び、その勢いで橘花の炎槍をかわした。
偶然か、意図的か——そんなことは些末な問題だ。
偶然か、意図的か——そんなことは些末な問題だ。
「……はえ?」
橘花は呆然としたが、すぐさま立て直し、今度は足元から炎を噴き出して上空に跳び上がる。
「こんどはこれです!」
空中で「赫煌《ヒガンバナ》」を展開し、回避ができないように全方位に向けて燃え盛る炎の波を放つ。
だが——
「えっ!?」
バカは直立したまま炎の中に立っていた。
その体は一切燃えておらず、むしろ炎を服のようにしてファッションショーをしている。
その体は一切燃えておらず、むしろ炎を服のようにしてファッションショーをしている。
何らかの方法でヒガンバナを避けているのか?それともそもそもの当たり判定が存在しないのか?
それは誰にもわからない。
それは誰にもわからない。
「お前の攻撃は俺には効かぬ!!」
「なんでですか!!」
「バカだからだ!!!」
理屈など通じない。彼はバカであり、バカであるがゆえに全ての攻撃が無意味だった。
「あなた何なんですか!」
橘花は苛立ちを抑えながら、心を落ち着かせるために深く息を吸い込む。
「ふぅ……何がなんだかわかりませんが、とにかく今は攻撃あるのみです!」
そう言い放つと、炎の力を極限まで圧縮し一点に集める。
「青燈《ネモフィラ》!」
青白い光が収束し、一つの閃光となってバカを貫いた。
……かに思われたが
「ふぅ〜っ」
バカは口をすぼめて思い切り息を吹きかける。
すると、圧縮された高温のレーザーが、ただのロウソクの火のようにフッと消えてしまった。
「そ、そんな……!」
「よくあるだろ?誕生日ケーキのロウソク。ふーってやったら消えるだろ?」
「そんな簡単に消えるんですか!?結構本気の火力なのに!?」
ギャグ補正。そう、彼は理不尽を押し付ける存在。
橘花の能力や自然界の法則なんてものは彼の前では全くの無意味だった。
橘花の能力や自然界の法則なんてものは彼の前では全くの無意味だった。
「なら……これならどうです!」
今度は霊や魔法などの超常に対して特効を持つ黄燿《ヤマブキ》が放たれた。
黄色い炎は一直線にバカへと向かい、その肉体を浄化すべく勢いを強める。
黄色い炎は一直線にバカへと向かい、その肉体を浄化すべく勢いを強める。
しかし――
「すっげぇ!ファイアーおしっこじゃねぇか!」
案の定といったところか、やはりバカには一切効果がなかった。
バカはバカというただ一つの存在であり、霊でも魔法でも概念でもない。
バカはバカというただ一つの存在であり、霊でも魔法でも概念でもない。
「これは……かなりまずいですね。」
彼女の能力や知識・経験ではどうにもできない圧倒的な概念。それを前にして、一切の打つ手なしという感じだ。
……だが、諦めるにはまだ早い。彼女には秘められた真の力がある。世界創世の時に万物を生み出すエネルギー源「原初の熱」があるのだ。
ブワッ!!
突如として彼女の全身から白い炎が溢れ出す。ピンチの時だけ発動する最終エネルギー「燐光昇華《ホワイトローズ》」だ。
「おっ、ついに来てくれましたね!この力ならいけるかもしれません!」
橘花の顔に再び自身が戻る。この状態になった彼女はもはや無敵。どんな相手も焼却する究極の存在なのだ。
「全部がバカになるのなら……バカのルールに合わせて戦えばいいんです!!」
白い炎が渦巻き、橘花の姿を包み込む。その身はすでに炎そのもの——彼女は炎の概念にすら干渉する万能の力を得た。
「これなら……!!」
橘花は再び「青燈《ネモフィラ》」を発動する。今度の炎は普通の青い炎ではない。「燐光昇華」の影響を受けたそれは、ギャグの概念すら焼き貫く力を秘めていた。
ジュッ!!
白いレーザーは今度こそバカを貫き、その体に確かなダメージを与えることに成功したのだ。
「ぐああああ!!!やられたーー!!!」
バカはあまりの熱さと痛みに叫び声を上げる。橘花の攻撃がしっかりと効いている証拠だ。
「やった!ついに効いてくれました!」
彼女はやっとのことで与えられたダメージに喜びを感じている。それもそのはず、攻撃が効くということはいつかは倒せるということだからだ。
「うわあああ!!痛い!すっごく痛い!」
バカはまだ騒いでいる。ここまでくるとこのまま降参するのではないかと考えるレベルだ。
「あの、大丈夫ですか?そんなに痛いなら早く降参した方がいいと思いますよ?」
あまりの痛がりように対戦相手の橘花も心配を隠せない様子だ。言い方が無意識で煽りっぽくなっている。
「マジで痛ってぇ!!……と見せかけて〜〜〜〜〜!!!」
バカは突如元気に立ち上がると、そのまま勢いよく跳躍し、橘花の頭をがっしり掴む。
どうやら先ほどの過剰なまでの痛がりは攻撃の隙を生み出すための演技だったようだ。
「つかまえたぁぁ!!ゴ○ゴ○の~生け花!!!」
ドゴォォォン!!!
バカは橘花の頭を持ったまま、まるでゴム人間のように腕を伸ばして全力で地面に叩きつけた。
腕が伸びたことで生まれた遠心力によってリングに大きな亀裂が走り、観客席にまで衝撃が走る。
「やったー!俺の勝ちだ!!」
バカは両手を上げて喜びの声をあげる。冷静に考えてこんな攻撃を受けて立ち上がれるわけがない。
そう、”冷静に考えたら”だ。
常識を破壊するバカが、こんな”現実的"な発想をしたのが間違いだった。
「うっわー!なんか手が溶けてる!!」
橘花の原初の熱によってバカの両手が融解し始めている。いや、手に限らず全身が溶け始めている。
「…半端な攻撃じゃあなたを倒せそうになかったですからね。ちょっと無茶をしてみました。」
橘花は原初の熱を回復エネルギーに変化させて肉体を回復しつつ立ち上がると、なぜこうなったのかを解説し始める。
「あなたが私に触れた瞬間、原初の熱を超強酸に変化させました。」
「カートゥーンとかだとキャラクターが燃えることは少ないですが、溶けることは多いですからね。これなら特に効くと思ったんですよ。」
そう、彼女はバカの能力によって世界がギャグマンガになることを利用し、ギャグマンガの常識を基に作戦を企てたのだ。
「勝者――野焼橘花!!」
リングに響き渡るアナウンス。
バカは完全に骨のみになっており、動いてはいるが戦闘不能とみなされた。