あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第3回トーナメント 決勝戦
最終更新:
aioricharabattle
-
view
第3回トーナメント 決勝戦
《クエイド VS 野焼橘花》
- 前口上
あにまんオリキャラ最強トーナメント決勝戦。 その対戦カード発表の時がやってきた。
特設リングの中央に設置された巨大スクリーンに、出場者たちの名前が映し出される。緊張と興奮が入り混じる中、場内アナウンスが響いた。
「さあ、皆さんお待ちかね!これより決勝戦の対戦カードを発表します!」
司会者の言葉に観客席から歓声が上がる。出場者たちの視線もスクリーンに釘付けになっていた。
「クエイドVS野焼橘花」
二回戦で対抗不可能とも思われた悪魔の猫を機転とアイディアで潜り抜けたクエイドと、常識の通じないバカを別の常識を利用して下した橘花。
まさに概念を超越した異能同士のぶつかり合いだ。
クエイドは発表された名前をじっと見つめた。対戦相手の情報はすでに確認済み。
橘花の持つ炎の力はただの熱ではなく、様々な特性を持ち応用範囲が広い。
しかし——
(炎……それはつまり、消せるもの。)
冷静に分析しながら、彼女は自分の手のひらを見つめる。その周囲を浮遊する四つの目型の機械が、静かに光を灯していた。
「まぁまともに戦えるんだし、悪魔の猫よりはマシかな……」
小さく呟いた彼女の声は、誰にも聞こえない。しかしその指先は微かに震えていた。
期待なのか、不安なのか——それは彼女自身にもわからない。
一方、橘花は発表された自分の名前を見て、満面の笑みを浮かべた。
一方、橘花は発表された自分の名前を見て、満面の笑みを浮かべた。
「ついに決勝戦です!これで何でも屋さんに追いつきましたよ!」
ふとスクリーンの方に目を向けると知的な雰囲気の女性の姿が、対戦相手としてスクリーンに映し出される。その目には冷静な光が宿っていた。
「ふむふむ、なかなかの手練れみたいですね。でも負けませんよ!」
橘花は拳をぎゅっと握りしめる。彼女がこの大会に参加した理由、それは何でも屋さんに自分の実力を認めてもらうため。
そして、この戦いもまた、そのための大切な一戦だ。
「よーし、気合い入れて頑張るぞ!」
観客の熱気は最高潮に達し、二人の対戦に期待が集まる。
「以上が決勝戦の対戦カードです!果たして、どんな戦いが繰り広げられるのでしょうか!? 」
発表を終え、会場はさらなる盛り上がりを見せる。
クエイドは静かに立ち去り、橘花は興奮を隠せないまま控室へ向かう。
最強とはいったい誰なのか。それが決まるのはそう遠くなさそうだ。
- 戦闘描写
あにまんオリキャラ最強トーナメント特設リング。
決勝戦を迎えたリングの中央に、クエイドと野焼橘花が向かい合って立つ。
「クエイドさん!あなたも強いんだろうけど、私だって負けませんよ!何でも屋さんにカッコいいところ見せるんだから!」
橘花が快活に言う。黒髪が揺れ、彼女の持つ炎のような気質を体現している。
「私なんかが決勝まで来るなんて…でも、ここまで来たら負けるわけにはいかないよね。」
対するクエイドは伊達メガネをクイっとして冷静に相手を見つめている。
「——試合開始ッ!!」
ゴングが鳴り、決勝戦が始まった。
クエイドの機械が四方からそれぞれ魔法を放ち、炎と氷が交錯する。
橘花は軽やかなステップで跳ね回り、「火廻」で生み出した炎の剣を手に持つと、氷を斬り捨てた。
「動きが速い…でも、苦手なものを押し付ければ!」
クエイドが「並行干渉」を発動すると、彼女の視界に無数の橘花が映る。
いくつかの並行世界を見て彼女が放つ技を先読みし、機械が雷の網を張った。
橘花が剣を振るう瞬間、雷が彼女を絡め取ろうとするが、彼女は「赫煌」を放ち、全方位に炎の波を広げて雷を焼き払う。
「今度はこっちの番です!」
橘花が素早く動いた。指先が軽く弾けると、赤々とした炎が彼女の手を包む。
次の瞬間、火の玉が放たれた。クエイドは即座に後退し、四つの浮遊する目が彼女の周囲に展開され、それぞれが異なる魔法で攻撃を仕掛ける。
「並行干渉。」
無数の世界線を超えて、橘花の回避ルートを解析する。どこに逃げても、クエイドの攻撃は橘花を追い詰めるように仕向けられていた。
「…逃げ場はどこにもないよ。」
クエイドは冷徹に言い放つ。あらゆる並行世界を認識する彼女にとって、相手の動きは手に取るようにわかるのだ。
「なら、逃げなければいいだけだよね!」
橘花は火廻によって足元からジェットブーストをかけ、超スピードで機械が放つ魔法に向けて突っ込む。
「火廻爆進(ソレイユ・フルブースト)!」
橘花の体が灼熱の弾丸となり、魔法を貫きつつクエイドへと突撃する。
「くっ、存在証め…」
「遅い!」
ドンッ!
クエイドが存在証明を発動するよりも早く橘花の攻撃が命中した。
「まだまだ!」
橘花は相手にペースを掴ませないように続けて「青燈」を放つ。
至近距離から放たれた青いレーザーがクエイドを貫こうとするが、彼女は機械の一つを盾にしつつ、こんどこそ「存在証明」を発動する。
並行世界の中から炎をノーダメージで耐え切れた世界線を選び、炎を避けるのではなく受け止める。
「それも計算通りですよ!」
橘花が放ったそれは単なる青い炎ではない。魔法や概念に対して特効を持った炎、超常を焼く黄燿が混じっていたのだ。
「……いい判断。」
だが、並行干渉によってそれすらも把握していたクエイドは、機械の目の内の一つを犠牲にして防御する。
爆炎がリングを包み込むが、魔法や概念ではないただの金属を用いてガードしたため彼女の姿は無事だ。
爆炎がリングを包み込むが、魔法や概念ではないただの金属を用いてガードしたため彼女の姿は無事だ。
「次はこれです!凍焔!」
橘花の手から放たれた水色の炎がクエイドの足元に流れ込む。寒気と熱が同時に襲い掛かった。
カチンッ!
一瞬のうちにクエイドの足元は凍結し、その場から動けなくなってしまう。
「これでもう避けられないですよ!」
「火廻撃剣(ソレイユ・ギガントバスター)!」
橘花の手に凄まじい炎の大剣が現れ、クエイドに向けて思いっきり振り下ろされる。
「…無駄よ。」
しかし、クエイドは奥の手の一つ「地の力」を発動し、黒いオーラを身に纏う。全てを相殺する黒い力によって炎の剣だけでなく足元の凍結さえも相殺され、彼女は自由になった。
深淵のような瞳が、橘花の動きを捕らえる。三つの目も強化され、より攻撃的になっている。
深淵のような瞳が、橘花の動きを捕らえる。三つの目も強化され、より攻撃的になっている。
「明らかにヤバそうですね……。こっちも全力で行きます!」
橘花は本気になったクエイドに対抗すべく「炎装劫火」を発動。全身が燃え盛る炎へと変化する。
「擬似証明。」
『炎→燃えるから紙』
『紙→木製だから実質木』
『木→二酸化炭素を含んでいるから発泡スチロール』
炎と化した橘花の体そのものが発泡スチロールへと変化し、彼女はもはや人ですらなくなってしまった。
「なっ……」
突然の変化に驚愕している橘花だが、息をつく暇もなくクエイドの拳が橘花の腹部に叩き込まれ、彼女は吹き飛ばされる。
ドンッ!
壁に叩きつけられた橘花はバラバラになり、発泡スチロールの破片が周囲に散らばる。
「……これでおしまい。」
橘花は完全に行動不能となり、勝負は終焉を迎えようとしていた。
だが、橘花もただでは倒れない。
ガオンッ!!
彼女は疑似証明が立証される直前に「熾束」によって炎をクエイドの黒い力と同じものに変容させており、時間差でクエイドの上半身を消し飛ばす。
――両者が同時に倒れる。
……
橘花はいつかの日のことを思い出していた。何でも屋に初めて会った日のことだ。
あの日、あの時、あの場所で彼に出会っていなければ、彼女はここにいなかっただろう。
あの日、あの時、あの場所で彼に出会っていなければ、彼女はここにいなかっただろう。
(あれ、なんでこんなこと思い出してるんだろう……)
走馬灯だろうか。楽しかった何でも屋との日々が頭の中を駆け抜けていく。
彼女は朦朧とする意識の中、思い出の奥に、白く光る炎を目撃した。
彼女は朦朧とする意識の中、思い出の奥に、白く光る炎を目撃した。
(あれが…私の本当の力……「原初の熱」)
今まではぼんやりとしか理解していなかった能力の輪郭がはっきりとしてくる。
(あの力があれば…私は変われるのかな。守られる私じゃなくて、守れる私に。)
(なら…やることは一つのはず。)
(なら…やることは一つのはず。)
胸の奥の「原初の熱」を全力で掴み取ると、消えかけていた彼女の心の炎が再び燃え上がる。
「絶対にこの戦いに勝って、何でも屋さんに認めてもらうんだ!」
「あの人と対等になるためにも、絶対に!絶対に!!負けられない!!!」
今までは内から湧き出るだけだった「原初の熱」が橘花と完全に一体化し、能力が覚醒する!
「これが本当の私!【燐華不知火≪フローレス・グロリオーサ》】!!!」
彼女は全ての始祖たる炎と同一の存在となり、あらゆる枠組みを逸脱した超越者へと至ったのだ。
「これならいける気がします!!」
………
一方クエイドは、自動発動した「完全同一存在証明」によって並行世界の最高の自分を被せて復活しようとしていた。
前の試合と合わせて二回目の発動。自動で発動してくれるのはこれで最後である。
さらに、体力の消耗や脳への負担のことを考えると、「完全同一存在証明」の発動自体もこれで最後になるだろう。
(……このままで本当に勝てるのかな?)
先ほどまでは「決勝戦まで来た」という事実で自信を保っていたが、ここで素の自己肯定感の低さが露呈してくる。
この戦闘が開始してから見てきた並行世界の中には、世界創世の力によって焼き尽くされた自分や、覚醒した橘花によってあっさり倒されてしまう自分の姿が見えた。
(いくら最高の私だったとしても、結局は私だしなぁ…)
まだ勝負はついていないはずなのに、既に心が折れてしまいそうだ。
その時、どこからか何かの声が聞こえてきた。
「にゃあ。」
声の方を振り返ってみると、そこには悪魔の猫がいた。
「えっ、なんでこんなところに?」
ここは彼女の精神世界。彼女以外が立ち入ることは本来不可能なはずだ。
ここは彼女の精神世界。彼女以外が立ち入ることは本来不可能なはずだ。
だが、猫はそこにいる。
どこにでもいてどこにもいない。それがこの猫である。
「にゃあ。」
猫がまた鳴くと、クエイドがかけていた伊達メガネがひとりでに浮かび上がり、光を放ちはじめる。
「……何がどうなっているの?」
いくつもの並行世界を見てきた彼女であっても、この謎の現象を見るのは初めてだ。
精神世界の悪魔の猫と、現実世界の悪魔の猫が変身した姿である伊達メガネが融合し、猫耳のついたメガネへと変貌を遂げる。
「…ふふっ。」
意味不明の事象に思わずクエイドから笑みがこぼれる。
「…結局何がなんなのかはわからないけれど、なんだかまだやれる気がしてきたわ。」
アニマルセラピーというやつだろうか。彼女の心の不安はどこか紛らわされ、立ち上がる活力が湧いてくる。
クエイドはそのメガネをかけ、最高の自分になって優勝することを再び決意した。
………
静寂に包まれたリングでは、この決着にどう勝敗を付けるべきかと審判が悩んでいる。
すると――
ブワッ!
橘花とクエイドがほぼ同時に復活した。
橘花は制服姿から「原初の熱」が変容した紅白のドレスを纏った姿に変わっており、クエイドは一見そのままだが、かけているメガネに猫耳がついている。
「今の私は超最強ですよ!」
「……生憎ね。私もよ。」
お互いにやる気満々というようなところで、最後の戦いが始まる。
「先手必勝です!『火廻乱舞《ソレイユ・パッション》』!」
まるで踊るようにステップを踏むと、そのリズムに合わせて原初の熱がクエイドに襲い掛かる。
「……なるほど、このメガネ、相当ヤバいわね。」
一方クエイドは、猫耳メガネ越しに見える世界に驚いていた。
悪魔の猫の力が込められたそのメガネにはあらゆるパラドックスを視認する能力が付与されており、クエイド本来の「並行干渉」と合わさって並行世界と世界線におけるパラドックスを自在に証明できるようになっていた。
「悪魔の存在証明」により、彼女は”原初の熱が体をすり抜ける”というパラドックスを証明して攻撃を回避する。
「どうやら私だけじゃなくてあなたも相当強くなってるみたいですね!」
橘花は対戦相手の進化に驚きと喜びを隠せない様子。
その理由は至極単純、相手が強ければ強いほど、自分が何でも屋の隣にいてもいいことの証明になるからだ。
その理由は至極単純、相手が強ければ強いほど、自分が何でも屋の隣にいてもいいことの証明になるからだ。
「あなたの全力と私の全力、ぶつけ合ったらどっちが上ですかね?」
「……さぁ?確かめてみる?」
クエイドもその顔に不敵な笑みを浮かべており、今までの自信のなさが嘘のようだ。
「じゃあ行きますよ!【燐華開花≪フローレス・ブロッサム≫】!!!」
原初の熱が無数の花びらへと姿を変え、凄まじいスピードで一点に収束していく。
最終的に集まった原初の熱は巨大な花のつぼみになった。
「……私だって!【完全同一存在証明 Q・E・D】!!!」
「悪魔の存在証明」によって「地の力」を発動した状態で「完全同一存在証明」を発動するという矛盾をパラドックスとして実現する。
あらゆる並行世界における「地の力」を全て自らに被せるという荒業によって、彼女の体には今までにないほどに黒い力が集約される。
半身のみならず彼女の全身が黒紫に染まり、その力の異常さが目で見てわかるほどになっている。
さぁ、これで全てが終わる。
お互いが全身全霊を尽くしており、明朗快活な橘花も、冷静沈着なクライドも、声を荒げ、なりふり構わず自分を開放している。
巨大な花のつぼみが開くと同時に、花の先端部分から極太ビームが放たれる。
対するクエイドも、残っている3つの機械の目と共に黒い力を極限まで圧縮したビームを放って迎え撃つ。
チュイーン!!!
二つの強大なエネルギーがぶつかり合い、その余波でリングどころか世界を崩壊させる勢いの衝撃波が放たれる。
「「いっけぇぇぇぇ!!!!」」
二人の声が重なった瞬間、過剰エネルギーの相殺に伴ってとてつもない大爆発が起こった。
………
爆発が収まると、凄まじい煙の中に一人の人影が見えた。
その人物こそが、決勝戦の勝者であり、今トーナメントの優勝者である。
徐々に煙が晴れていき、人影がだんだんはっきりとしてくる。
「あれは………」
そこに立っていたのは………
野焼橘花だった。
「勝者及び第3回あにまんオリキャラ最強トーナメント優勝者は――野焼橘花です!!!!」
審判の宣言と同時に、観客席からは割れんばかりの歓声と喝采が沸き起こる。
最強を決めるべく行われたこのトーナメントにおいて、何人もの強者を押しのけて最強の座を手にしたのは、野焼橘花であった。