あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第4回トーナメント 第1回戦 第3試合
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aioricharabattle
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第4回トーナメント 第1回戦 第3試合
《紫月凛音 VS クロウ・モルディウス》
「第4回あにまんオリキャラ最強トーナメント特設リング」は一回戦第三試合の戦場として異様な緊張感に包まれていた。
紫月凛音はブレザーを翻し、リングに颯爽と飛び込んだ。黒髪ストレートロングが揺れ、凛々しい顔立ちに不敵な笑みが浮かぶ。
紫月凛音はブレザーを翻し、リングに颯爽と飛び込んだ。黒髪ストレートロングが揺れ、凛々しい顔立ちに不敵な笑みが浮かぶ。
「クロウ君、楽しい戦いにしようね。」
「…。」
対するクロウ・モルディウスは、凛音の発言に答えることもなく杖を構える。
「——試合開始ッ!!」
開始早々凛音は影を操り、リング全体を暗闇に染めようとする。
「夜霧!」
彼女の異能が闇を呼び込み、一瞬で戦闘を終わらせんと広がる。
「…。」
クロウは動じることなくそのままの様子で固まっている。一体何を考えているのだろうか。
「よくわからないけど、とりあえずいくよ!新月!」
凛音は影から出てきた真っ黒な球体を剣に成形し、クロウに向けて斬りかかる。一時的とはいえ彼女が全力を発揮できる場となっているため、まともに受けてしまえば一撃で決着がついてしまうだろう。
しかし、クロウは一切動こうとしない。
「…悪いがお前の相手は俺じゃない。【死者の大軍勢 (アンデッド・レギオン)】」
その言葉と同時に、地面から現れた死霊たちが振り下ろされた剣を受け止める。
そして、物量を活かして凛音をクロウから離れるように押し流す。
既に霧は晴れており、リングの証明が凛音たちを鮮明に照らしている。
既に霧は晴れており、リングの証明が凛音たちを鮮明に照らしている。
「なるほど。ネクロマンサーって言うだけあってこういうのが得意なんだね。」
まるで神輿のように運ばれている凛音は不敵な笑みを浮かべ、一番近くにいた死霊の頭を蹴り飛ばす。
「でも、それは悪手だよ。」
そう、数が増えるということはその分足元などに影が生まれるということだ。影が大きく、深くなるほど強さを増す凛音にとって、この状況は決して悪いものではない。
「大波!」
彼女の合図と同時に死霊たちの影が急激に隆起し、質量を持って動き出す。
「どれだけ数が多くても、影が濃くなる以上は私が有利だよ。」
影の波は死霊たちをどんどん飲み込んでいき、最終的にはクロウの生み出した全ての死霊が影に沈んでしまった。
「さて、お得意の死霊術は私と相性最悪みたいだけど、ここからどうするの?」
「…さぁな。もうしばらくすればわかるさ。」
自分の技が完封されたのにも関わらず、クロウは不敵な態度を崩さない。クロウの目的はあくまで時間稼ぎであり、死霊を使って相手を倒すことではないからだ。
「私としてはこうやって喋ってるのも悪くはないんだけど、これは勝負だからね。」
話しながらも凛音は影を体に纏って戦う準備をしている。
「申し訳ないけど、一方的に終わらさせてもらうよ。」
そう言い終わると、彼女は影で全身を覆うことで「鎧」を発動。全てのステータスが上昇し、完全に戦闘モードに入る。
(おそらく彼は遠距離からこそこそやるタイプのはず。なら、近距離戦で一気に決める!)
彼女は地面を強く踏み込み、クロウに向けて殴りかかる。
「ちょっと痛いけど我慢してね!」
大きく振りかぶった拳がクロウの顔面を捉える……かに思われたが。
スカッ
何故か凛音の拳はクロウに命中せず、虚しく空を切るだけに終わってしまった。
「どうした?俺は痛いのが苦手だからな。早いところ終わらせてもらえると助かるんだが。」
クロウは薄ら笑いを浮かべたまま不動を貫いており、とても自分で攻撃を回避したとは考えられない。
(何かの死霊術?それとも呪い?)
凛音は思うところもありながらも、何がどうなっているのかを探るために攻撃を続ける。
――だが、攻撃すれどもすれども何故かそれがクロウに命中することはない。
――だが、攻撃すれどもすれども何故かそれがクロウに命中することはない。
(彼が何かをして避けている?……もしくは、私に何か施されている?)
「…気づいたみたいだな。」
「さっきの死霊軍団に【憑依する絶望 (ディペンド・ホープレス)】を紛れさせておいた。お前がさっき蹴っ飛ばしたあれだ。」
そう、凛音の攻撃が命中しなかったのは、彼女の体に憑依した死霊によって、ステータスが下がっていたからである。身体機能が少し変化しただけでも体の動かし方は大きく変わる。体幹、一歩で進む距離、体を動かすために必要な力、そのどれもが変わってしまうのであれば、攻撃を命中させるのは至難のものになるであろう。
「なるほどね。なかなか姑息なことするじゃない。」
「まぁ、自覚はある。代わりと言ってはなんだが、お前に一つハンデをやるよ。」
「ハンデ?」
「今から1分間だけこのフィールドを完全なる闇に変える。そこで俺を全力で攻撃しろ。」
彼は何を言っているのだろうか。
闇においては完全に無敵の凛音にとって、それはもはや降参と大差のない行為と言えるだろう。
闇においては完全に無敵の凛音にとって、それはもはや降参と大差のない行為と言えるだろう。
「…後でやっぱナシとかはしないでね。」
凛音は彼の言葉に何か裏を感じながらも、その提案を飲む。
(何をしてこようと、闇の中の私は最強だから何とかなるはず。)
「じゃあ行くぞ。【奈落の門出 (ナラク・エンドゲート)】」
リングの上にナラクが展開され、完全に暗闇へと包まれた。
「ハンデとはいえ遠慮はしないよ!」
…そこからの戦いの様子はもう語るまでもないだろう。
「夢幻」で増えた凛音に最高状態の「鎧」で殴られ、「新月」によって一部を吸収され、「業」で引き裂かれ、「処刑」で貫かれ…
――永遠のように感じられる1分が流れ、ついにナラクが晴れた。
リングの上にはもはや原型を残していないレベルになったクロウと、やりきった表情を浮かべた凛音
そして、直立不動でそれを見つめるクロウがいた。
「楽しかったか?化け物。」
彼がナラクの範囲内に入れていたのは、自分ではなく【贋作の代行者 (フォージド・サロゲート)】だった。
凛音はまんまとクロウの策に嵌ってしまい、暗闇の中で偽物をひたすら攻撃していたのだ。
「その体に罪は無いからな。後で元の持ち主の魂を入れといてやるよ。」
今までの時間稼ぎによって既に3分は経過している。
「≪完璧なる死の結論 (パーフェクト・タナトス・コンクルージョン)≫」
凛音は即死した。
「勝者――クロウ・モルディウス!!!」