あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第7回トーナメント エキシビションマッチ 第1試合
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aioricharabattle
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第7回トーナメント エキシビションマッチ 第1試合
《獅童 烈 VS 落宮スズキ》
あにまんオリキャラ最強トーナメント特設リング。決勝戦の熱狂が去った後の静寂を打ち破るように、エキシビションマッチの幕が上がった。
黒髪短髪の巨漢、獅童 烈。その佇まいには威圧感すら漂い、その強さから放たれる強大なオーラが場内の空気を支配していた。
一方、痩身の青年、落宮スズキはその対極にあった。震える手足、逃げ腰の姿勢、それでも決して折れぬ眼差しが彼の芯の強さを物語る。
「試合開始ッ!!」
ゴングの音と同時に、スズキは跳ねるように後方へ飛びのいた。瞬時にその場から消え去るような動きは、もはや超常の域に達していた。
とにかく逃げる——だがそれは、生き延びるための戦略。スズキの体はまるで風のようにリングを駆け抜け、観衆はその奇妙な動きに息を呑んだ。
とにかく逃げる——だがそれは、生き延びるための戦略。スズキの体はまるで風のようにリングを駆け抜け、観衆はその奇妙な動きに息を呑んだ。
リングの床に無数の穴が点在し、そのたびに彼の足取りが変化する様は、舞台の上で踊る即興のダンサーのようだった。
「怖いよ……でも、勝つよ。」
対する獅童は動かない。動く必要がないとでも言わんばかりに不動を貫いていた。動かなければそこら中にある落とし穴に落ちることはなく、警戒するのは自分の足元だけで済む。知ってか知らずか、スズキの能力に対して有効的な戦略を取っていた。
「……何かはわからないが、この感じだと下手に動くべきではないな。」
ふとそう呟くと、その右腕に尋常ならざる力が蓄えられていく。
「砕角(クエルノ・キエブラ)。」
純白に染まった右腕から、軽く指をはじくような動作がなされる。その瞬間、空気が爆ぜた。
ブオォォォ!!
「うわっ!?あぶなっ!!」
スズキが反射的に転がるようにしてリングの端へと逃げる。彼のいた位置を通過したのは、獅童の右手による“デコピン”だった。
だが、ただの指弾ではない。その圧倒的なパワーが生んだ風圧は、目に見えるほどの衝撃波として空気を引き裂き、床をえぐるようにして突き進んでいた。
「いまの、冗談だろ!?デコピンで床にヒビ入るって何なんだよぉ!」
獅童は無言のまま、再び右腕を構えた。その動きには無駄がなく、むしろ美しさすら感じさせる。
スズキは汗を滲ませながらも、その目に宿る光を消すことはない。
スズキは汗を滲ませながらも、その目に宿る光を消すことはない。
「怖いよ……でも、それでも……あんなの喰らったら一撃で終わりだ……っ!なら……当たらなきゃいい!!」
リングの端、端、端……彼の動きは無秩序に見えて、女神の加護によって秩序だった回避となる。
「……でも、動かない相手にどうすれば……!」
スズキが攻めあぐねるが、なんとかして策を振り絞る。
一度目の攻防は、突如リングに開いた小さな穴からスズキが顔を覗かせ、瞬間的にその勢いのまま放たれた鋭い蹴りだった。
一度目の攻防は、突如リングに開いた小さな穴からスズキが顔を覗かせ、瞬間的にその勢いのまま放たれた鋭い蹴りだった。
「えいっ!」
その攻撃は斜め下から伸びる角度で、死角を狙った見事な一撃だったが、獅童は一切動じず、わずかに左腕を傾け、赤黒い骨の層を斜めに重ねてその一撃を受け止めた。
「……なるほど、悪くない。」
骨と骨がぶつかる鈍い音とともに、攻撃の勢いは完全に殺される。だが、スズキは持ち前の逃げ足と能力を活かし、獅童の反撃が襲ってくるよりも早く、作り出した落とし穴に飛び込んで姿を消した。
二度目の奇襲は真正面から突っ込んできたスズキが、空中に生み出した落とし穴を利用して不意打ちの遠隔攻撃を仕掛けるというものだった。
「うりゃーー!!!」
スズキはあえて獅童に届かないギリギリの位置でパンチを放つと、空間をまたぐ落とし穴を生成し、それによって射程を誤認させつつ攻撃を仕掛ける。
「ここだぁっ!」
だが、獅童はわずかに目を細めると、瞬時に左肘をひねり、赤黒い骨を幾重にも重ねて正面からその拳を受けた。
「…重心の移動で丸わかりだ。」
骨の層が鈍く振動し、スズキの拳はまたしても完全に弾かれた。
三度目は空中からの強襲。リングの中央で小さく跳ねたスズキは、落とし穴の出口を上空に設定することによって一気に高く舞い上がり、そこから両足を突き出して降下した。
「これでどうだぁぁ!!」
スズキとしては、この攻撃が直撃すれば、さすがの獅童も足場を崩され、次の展開に繋げるチャンスを得られると考えていた。
しかし、その瞬間、斥壁が螺旋状に巻き上がり、獅童の左腕が空からの衝撃を抱きしめるように受け止めた。
「…発想は悪くない。だが、捨て身の割りには威力がお粗末だな。」
衝撃は柔らかくも堅牢に吸収され、スズキの両足はまるで厚い布団に叩きつけられたかのように無力化された。
「…能力の活用技術や戦術の策定力など見どころはある。…だが、反撃を恐れる気持ちが攻めを弱めているな。」
普段の癖でついスズキの戦闘方を批評してしまう。職業病というやつであろうか。
そして——ついに獅童が踏み込んだ。
重々しい足音が一歩ごとに大地を揺らし、観客席からもその衝撃が感じ取られる。まるで山が歩き出したかのような迫力に、場内の空気が震えた。
「…攻めというのは恐れを捨てなければならない。」
その一歩が地を砕き、周囲の空間を強制的にねじ曲げる。獅童は右腕を高く掲げ、そのまま地面を殴りつけた。
ドォォォンッ!!!
地鳴りのような音が響き渡り、その瞬間、リングの中央に巨大な穴が開いた。
「え…!?」
その力はただの衝撃ではない。白い拳から放たれたエネルギーは地中にまで染み込み、地盤そのものを捻じり潰した。
地面が爆ぜ、激しい振動と共にクレーターが生まれる。スズキは反射的に跳ねたが、足元の崩壊にわずかに遅れる。
「っ……あっ!」
跳び退こうとした瞬間、崩落した地面が彼のバランスを奪い、重力が彼を黒い空間へと引きずり込んでいく。
「うわぁぁぁぁ!!」
スズキの落とし穴を用いたとしても、今回ばかりは意味を持たない。
手数や小回りはスズキの能力の方が圧倒的に上だが、規模に関してはこちらの圧勝であり、大地そのものが開く力を持っていた。
獅童は拳を下ろしたまま、動かずにリングの中心に立っていた。その背に燃えるような熱と、凪のような静けさが宿っていた。
「勝者――獅童 烈!!」