あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《レイオニック VS ツマイ&ガル》
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aioricharabattle
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《レイオニック VS ツマイ&ガル》
暗い洞窟に、湿った空気と重たい静けさが漂っていた。壁面には不気味なコケが這い、わずかな隙間から漏れる光だけが、この閉ざされた空間にかすかな輝きを添えている。
「おい、ツマイ。慎重に行け。」
低く響く声の主は狼モンスターのガル。彼の毛並みは闇に溶け込むように灰色と黒が入り混じり、光の筋が彼の鋭い瞳に反射している。
「わかってるって!相手がどんなやつでも、ガルと一緒なら怖くないもん!」
ツマイは闘志を燃やすかのように剣を抜き放つ。刹那、剣先には紅蓮の炎が巻き付き、洞窟内を明るく染め上げた。
「うわぁ、怖い怖い。」
突如、闇の奥から皮肉めいた声が響く。その声の主はレイオニック——悪感情を糧にする魔界の悪魔。その容姿は細身で、漆黒のマントを羽織ったまるで芝居がかった魔術師のようだ。しかし、その口元は常に歪んだ笑みを湛えている。
「ねぇねぇ、本当に僕と戦うつもり?だってさ、僕チン、そんなに強くないんだよ?」
この悪魔めは子猫のようなつぶらな瞳で二人をバカにする。
「なら大人しく捕まって!」
ツマイは勢いよく踏み込んだ。炎を纏った剣が空を切る。しかし——
「パラライズ。」
レイオニックが淡々と呟いた瞬間、ツマイの体がビクリと痙攣した。
「な、なにこれ……動かない!」
体に力が入らない。剣を持つ手すら震え、炎が揺らめく。
「ククク……早くその炎を消したら?このまま勝手に燃え尽きちゃうのも面白いけどサ。」
全身が麻痺したことで闘気は垂れ流しとなっており、剣の炎はより一層強くなる。このままではツマイごと燃やしてしまう勢いだ。
「ツマイ!」
ガルは疾風のように駆け寄り、レイオニックを囲むように旋回する。彼が風を纏うと、洞窟の埃が舞い上がり視界が霞む。
「今のうちに!」
視界不良にあやかってガルはツマイを助けようとするが、レイオニックの性格の悪さはここで終わらない。
「ポイズン。」
レイオニックはガルに向けて毒魔法を放った。紫色の霧が漂い、ガルの鋭い嗅覚を刺激する。
「チッ……こんなもの……!」
ガルは風の魔力を爆発させることで毒霧を吹き飛ばした。だが、その一瞬のスキを突いてレイオニックは次の魔法を紡ぐ。
「コンヒューズ。」
「!?」
突然、ガルの意識が揺らぐ。視界が歪み、ツマイの姿がぼやける。敵と味方が曖昧になる感覚だ——
「ガル!?大丈夫!?」
「うるさい……どこにいる……敵か?」
レイオニックは愉快そうに手を打った。
「これだからバカ正直なコンビは楽しいんだよねぇ。さあ、殺し合いでもしてみせてよ。」
ツマイは必死に麻痺に抗いながら、気合で剣の炎をさらに強く燃やした。自分の声はガルに届かない。ならば——
「目を覚まして、ガル!!」
剣の炎が大きく立ち上がり、爆炎を巻き上げる。それと同時にガルの目の前で炎が炸裂し、衝撃波が彼の混乱をかき消した。
「……ツマイ!?」
正気を取り戻したガルは鋭い眼光をレイオニックへと向ける。
「よくもやりやがったな!絶対許さねぇ!」
麻痺状態から抜け出したツマイは安堵し、いつもと変わらない声色で語り掛ける。
「おかえり、ガル!今度は一緒に行くよ!」
炎と風——二つの力が一つになり、ツマイとガルは見事な連携でレイオニックに迫る。
レイオニックは焦りの色を見せることなく、薄暗い洞窟の奥へと後退しながら笑みを深めた。
「ゴルゴーン。」
彼の最後の切り札——石化魔法が解き放たれる。
しかし、その瞬間——
「そんな小細工、見飽きたぜ!」
ガルが猛スピードで駆け抜け、風の刃と化した爪で魔法の詠唱を阻む。その隙を見逃さず、ツマイが炎を纏った剣を振り下ろした。
「これでもくらえ!!」
剣の炎がレイオニックを焼き尽くし、悲鳴が洞窟内に響き渡る。マントが燃え上がり、彼は後退しながら歪んだ笑みを残した。
「まだまだぁ、もっと盛り上げないと。」
レイオニックはやぶれかぶれになりながらも魔法の行使を試みる。
「させるか!」
「合体技、いくよ!」
「 「ヴォルカニックサイクロン!!」 」
ツマイの炎をガルの風が増幅させ、獄炎の嵐が渦巻く。これこそが二人のコンビネーションが成せる大技だ。
あまりの威力に洞窟は崩壊し、外の明るい日差しが差し込める。
……嵐が落ち着くと、そこには全身が焼け焦げてボロボロになっているレイオニックがいた。
「やるじゃん。でも、今日はこの辺で勘弁してあげるよ。」
そう言うと、レイオニックは黒い煙となって姿を消した。
ツマイは肩で息をしながら剣を収める。
「……逃げられたか。」
「だが、勝ったのは俺たちだ。」
ガルが冷静に言い放つ。こうして、闇に包まれた洞窟での戦いは、ツマイとガルのコンビによる友情の勝利で幕を閉じた………
「なーんてね」
グサッ!!
「……え?」
突如ツマイの背後から逃げたはずのレイオニックが現れ、鋭い尻尾で彼女の体を貫く。
「こんなコテコテのテンプレ勝利じゃみーんなつまんないでしょ?」
嫌らしい笑みを浮かべながら心底嬉しそうに話す。ツマイの体から抜いた尻尾には鮮血が滴っている。
「ツマイ!」
ガルは突然の出来事に対して驚きよりも怒りが勝った。文字通り風のようにレイオニックへ襲い掛かる。
「お友達の心配するのはいいけどサァ、自分の心配もしたらどう?」
ガルの攻撃を軽くいなしながらレイオニックがそう言い放つと、何故かガルはその場に倒れ伏した。
「ガハッ!!」
「さっき僕チンの毒を吸っちゃったでしょ。あれ微量でも結構効くんだよねぇ。」
恐ろしい悪魔は不遜な態度でベラベラと続ける。
「おまけに僕チン好みの遅効性ときた。こりゃあ喜んで使っちゃうよね。」
ガルは痛みに打ち震えながらもツマイ譲りの根性で立ち上がる。
「貴様ぁ!」
爪を立てて攻撃を仕掛けようとするが、体はフラフラ、走りだそうにも足には力が入らない。
「そんなボロボロの体で何ができるって言うのサ。」
レイオニックの笑みはさらに深みを増し、なおのこと気味悪くなる。
「でもまぁ安心してもらっていいよ。君たちを今ここで殺す気はないからサ。」
突然のカミングアウトにガルは驚く。本心を問いただそうと口を開ける。
「なんのつも…」
「ゴルゴーン。」
ガルが言い終わる前に、ツマイの体は一瞬で物言わぬ石と化した。
「……は?」
ガルは呆けている。未だ現状が理解できていない様子だ。
「この娘の石化はあと数日もすれば勝手に解けるよ。でもサァ、怪我はそのまんまだよねぇ。」
「今は石になってるから出血もしないけどサァ、これが解けたらどうなっちゃうんだろうねぇ。」
そんなこと想像するまでもない、したくもない。ガルは毒なんてどうでもいいほどに怒りに満たされていた。
「俺の命に代えても貴様はここで殺す!」
彼の風の爪は今までにないほどに荒れ狂っており、現在の心情がそのまま具現化しているかのようだ。
「アハハ、怖い怖い。そんじゃ、僕チンは尻尾撒いて逃げさせてもらうよ。」
そう言い残すと、レイオニックは先ほどと同じように黒い煙となって消え去った。
「逃がすか!」
ガルは全力で攻撃を仕掛けるが、霧が風でかき消されるのみ。
「アオ―ン!!」
嘘のように美しい日が差す洞窟に残ったのは、死を待つのみの石像と、慟哭する狼だけだった。
勝者:ガル(レイオニックは逃走したため敗北とする)