あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第5回トーナメント 準決勝 第1試合
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aioricharabattle
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第5回トーナメント 準決勝 第1試合
《【魂遁:メリー】 VS 紫電改・サンダーボルト・田中》
あにまんオリキャラ最強トーナメント特設リング――
観客席を突き抜ける歓声と雷鳴のような拍手が、地響きのように場内を包む。
「二回戦第一試合ッ!――開始!!」
一瞬で静寂に転じた空間に、二人の姿が映える。
メリーは紫電改に目を合わせながらゆっくりと歩み出る。その瞳には曇りがない。ただ静かに、全てを見通すような視線。
対する紫電改は、銀髪を乱しながらも軽く首を鳴らし、腕を組んだまま相手を見据える。
「…久しぶりだな。」
「そうですね。今回はあの騒がしい小娘もいませんし、中々楽しめそうです。」
観客席から野焼橘花が何かを言っているが、他の観客の歓声に紛れてその声は届かない。
「そう言ってやるなよ。あいつはあいつなりにそこそこ頑張ってんだぞ?」
「そんなことは私の知ったことではありません。私はあなたのようなドブネズミが女を侍らせていい気になっているのが気に食わないだけです。」
その声には普段のメリーからは感じられない特別な感情が感じ取られる。
かつて死想となった自分を蘇らせた相手だからか、彼女にとっても何か思うところがあるのだろう。
「……これ以上の問答は不要です。さっさと始めましょう。」
その言葉と同時に、メリーは【鞭後泡零】を構えて攻撃を仕掛ける。
ブンッ!
概念的な鞭が紫電改目掛けて振り下ろされた。
彼は咄嗟に飛び退けて回避するが、彼が先ほどまで立っていた地点には大きなクレーターが作られている。
「なんか前と戦い方変わってねぇか?」
彼の言う通り、第一回トーナメントでのメリーは死想時代から継承していた呪いの力をある程度行使できていたが、今の彼女にはその呪いの力が残っておらず、戦闘スタイルも大きく変わっていた。
「…私の呪いの力は全てあなたに持っていかれましたからね。以前のような戦い方はもうできませんよ。」
そう言いながらも、彼女は鞭を振るって攻撃を続ける。その一撃一撃が致命の威力を含有しており、当たれば一巻の終わりだろう。
「それだけじゃ俺には勝てないぜ!電装豪雷(オオイカヅチ)!!」
彼がそう叫んだ瞬間、雷鳴一閃。天から鋭い雷が落ちる。
一回戦でも披露したこの技は、彼自身の電気を利用することで自然の雷を呼び起こす技だ。
大自然が持っている絶大かつ概念的な力はメリーの耐性すらも無視して大ダメージを与えることが可能なため、いかにメリーであろうとこの攻撃は慎重に対処しなければならない。
バンッ!
鋭い轟音と同時に、雷がメリーに降来する。
――だが、メリーの身体に触れることなく、霧のように分解された。
「……は?」
あっけにとられる紫電改。メリーの足元から広がる、謎の灰色の霧。その正体は彼女の能力の一つ――
「【天夷霧崩】。触れた物は全て消滅しますよ。」
霧はどんどん周囲を砕いていき、あっという間に相手の元へと到着する。
紫電改はすぐさま後退しながら、電装盾雷(ツチイカヅチ)を展開。バリバリと帯電している電磁バリアが形成され、まるで防御に徹しているかのように見せかける。
「電装炎雷(ホノイカヅチ)!」
その傍ら、彼は自身の体を透明化しながら電磁バリアの裏から脱出。真正面からの攻撃は危険と判断し、不意打ちの一撃で仕留める算段だ。
透明化しながらゆっくりとメリーの背後に近づく紫電改。その手には電装斬雷(サクイカヅチ)のプラズマ剣がしっかりと握られている。
(チャンスは一度きり……確実に決める!)
バシッ!
だが、メリーは振り向かないまま、何もない空間に鞭を振るう。
「その程度で私の魂拍眼があなたを見逃すとでも?」
完全に透明化してステルスに徹していたはずの紫電改だが、魂の奥底まで見抜く魂拍眼を持つメリーにとっては普段となんら変わらないように視えていた。
メリーにとって視覚というものは光の反射から得るものではない。魂からおのずと得られるものの一つでしかないのだ。
「チッ……!」
鞭の軌道上にいた紫電改の肩口から血が噴き出す。彼の危機感知本能が無意識で電装瞬雷(ハタタガミ)を使用したことによってこの程度のダメージで済んだが、まともに命中すればここで勝負が終わっていただろう。
「こうなったらこれしかないな――電装極雷(ナルカミ)!」
その瞬間、凄まじい雷鳴が響き渡る共に空気が割れた。これこそが紫電改の奥義の一つ。3分間だけではあるが、全身を雷そのものへと変質させることができる奥の手。この状態になった紫電改の攻撃は皆一段階グレードアップし、先ほどまでとは桁違いのものとなる。
雷そのものとなった紫電改は、音速を超える速度でメリーに迫る。空間を滑るように、雷がメリーの身体を貫いた――かに思われたが…
「…遅いですね。前と速度がなんら変わっていません。」
メリーは紫電改の攻撃を軽く右手で防ぎ、流れ込んでくる凄まじい電流を受けて尚、余裕の表情を崩そうとしない。
「…あの小娘と一緒にいて鈍りましたか?昔のあなたはもっと強かったですよ。」
彼女がそう嘆きながら【写廻拒理】を発動。紫電改の意識がメリーの位置を見失った瞬間、認識が歪められ、彼女の本体を捉えられなくなった。
「なっ……どこに……っ」
狼狽えている紫電改をよそにメリーは静かに魔法陣を描く。彼女が求めているのは心を動かしてくれる刺激だけ。例え自分を蘇らせた相手だったとしても、その指標は揺るがない。
「せめてものお礼です。あなたの“今”も、“過去”も、“未来”も、私が貫きましょう。」
「【伐屠燕弩改】」
ビシュンッ!ビシュンッ!ビシュンッ!
秒間数千発の魔弾が、あらゆる時間軸に向かって放たれた。
その攻撃はあらゆる攻撃をすり抜けてしまう雷の体には効かないように思えるが、この技はそんなに簡単なものではない。雷の身体をすり抜けたはずの弾が、過去の紫電改を、未来の紫電改を、そして今の紫電改の“死”を確定させる。
その攻撃はあらゆる攻撃をすり抜けてしまう雷の体には効かないように思えるが、この技はそんなに簡単なものではない。雷の身体をすり抜けたはずの弾が、過去の紫電改を、未来の紫電改を、そして今の紫電改の“死”を確定させる。
「…あなたには期待していたのですが……残念です。」
紫電改はその命を落とし、勝負はメリーの勝利に終わった。
………かに思われたが
バチバチバチッ!!
突然に紫電改の体に超高圧電流が炸裂する。彼の心臓が停止した時にのみ発動する特殊技能、電装蘇雷(イザナミ)だ。
「…たしか前にもこんなことがあったな。」
彼が再び立ち上がると同時に、彼の体から漆黒の稲妻が迸る。
「俺もタダで死んでやるほど安い男じゃねぇ。死ぬにしても、それは本気でやりあってからだ。」
黒い雷は紫電改の全身を覆っていき、最終的に紫電改の体そのものが呪いの電気に変質した。
「お前に貰った力で終わらせるぞ!電装怨雷(ヨモツヘグイ)!!」
かつての戦いで手に入れた力を再び覚醒させ、またしてもメリーに向かい合う。
「……面白くなってきましたね。それでこそ私の見込んだ男ですよ。」
彼女は再び【伐屠燕弩改】を発動し、無数の即死の矢を放つ。
バババババ!!
一つ一つが即死の一撃。たとえ呪いの雷に変質したとはいえ、その現実が変わることは無い。
「もうその手はくわない!電呪装茨雷!!」
だが、紫電改は黒い雷を纏った茨を地面から召喚し、それによって放たれた矢をどんどん破壊していく。
先ほどはただただすり抜けて避けるだけだったので死んでしまったが、全弾を対処できるのであれば死ぬことは絶対にない。
先ほどはただただすり抜けて避けるだけだったので死んでしまったが、全弾を対処できるのであれば死ぬことは絶対にない。
「さぁ!これで決着だ!!」
紫電改はさらにエネルギーを溜めて、最終奥義の準備に入る。全身からとてつもないオーラが吹き出し、その姿はもはや人間の領域とは思えない。対するメリーも全ての魔力を一点に集約し、それを迎え撃つ構えだ。
「いいでしょう!あなたの力を見せてみなさい!!」
「電装伐屠雷弩!!!」
「【伐屠燕弩改二】!!!」
「【伐屠燕弩改二】!!!」
ドガァァァァン!!
二つの力が衝突し、会場が大きく揺れる。大地が砕け、空間が崩壊する程のエネルギーのぶつかり合い。
この真っ向からの力比べを制したのは………紫電改であった。
この真っ向からの力比べを制したのは………紫電改であった。
「はぁ…はぁ……これで……俺の勝ちだよな?」
「……えぇ、そう認めてあげてもいいでしょう。あなたのようなドブネズミ風情にしてはよくやったと思いますよ。」
発言こそ中々に酷いが、彼女の心には確かに歓喜の気持ちが湧き上がっていた。あらゆるものごとから刺激を得られない毎日に辟易していた彼女にとって、この戦いはとても楽しいものだったのだ。
「最後に一つ言っておくことがあります……どうやら、私とあなたの繋がりはかなり厄介なものになっているようですよ。」
「は?それってどういう…」
紫電改がメリーに詳しく聞こうとした瞬間、彼女の姿はもうリング上のどこにもいなくなっていた。
「…あいつの考えてることは今一つわかんねぇな……」
「勝者――紫電改!!」