あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《フラワーミスト VS ウェイバー》
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aioricharabattle
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《フラワーミスト VS ウェイバー》
無表情のまま、ウェイバーは黒いローブの袖から銃を取り出した。その長く細身な銃身には、どこか禍々しい呪術的な気配がまとわりついている。
それはただの武器ではなく、深淵に触れた代償とでも言うべきものだった。
対するは、平原の中央にぽつりと立つピンク色の少女型人形――フラワーミスト。
見た目こそ可憐で無垢な雰囲気を纏っているが、その内には誰にも制御できぬ狂気と混沌が渦巻いていた。
ピクリとも動かない姿は、まるでこの世界の摂理から切り離された異物のようでさえあった。
「あなたの相手をする事になったウェイバーです。加減はできませんので降参する事をお勧めします。」
ウェイバーが淡々と銃を構えたその時、遠く離れた場所に鎮座するフラワーミストの内部で何かが動いた。
まるで見えない歯車が噛み合うような音が微かに響き、花弁のように開いた装甲の隙間から、まるで意思を持ったかのようにカラフルな爆竹が次々と飛び出していく。
≪爆竹フローラ≫
パンパンパンパン!
乾いた破裂音が辺りに轟き、無数の火花と煙がウェイバーを包みこむ。煙の中、見えないはずの光景が、まるで意志を持つように蠢く。
「魔弾の契約。履行。」
煙の中、ウェイバーの銃が七発の弾を読み込み始める。カチ、カチと静かな音が平原の静寂を切り裂くようにして響き、空気に緊張の糸を張らせる。
その間に、フラワーミストの手が動いた。いや、動いたように見えた瞬間、彼女の手に造花が握られている。
《81の魔法》
地面一面に撒き散らされた1900個もの釘爆弾が、爆発の合図とともに次々に炸裂し、荒れ果てた平原を紅と橙の火花で埋め尽くした。
まるで地そのものが怒りを顕現させたかのように、破壊と閃光が咲き誇る様は、さながら死の花畑であった。
高熱と衝撃波が重なり、空気そのものが震え、爆風が吹き荒れる中、フラワーミストの周囲に続けて閃光弾が散布される。
1990個に及ぶ閃光が次々に瞬き、一瞬で視界を白く染め上げた。
その中央に、まるで狂気の核として、彼女は微動だにせず立ち尽くしていた。
周囲を埋め尽くす閃光と煙、そして爆発音の渦中にあって、ただ一人、ウェイパーは揺るがぬ存在として佇んでいる。
「散弾、展開。」
風が止まり、空気が凝縮したような静寂が広がる中、ウェイバーの声が鈴のように澄んで響く。
彼の指がわずかに動いたその瞬間、銃口から放たれたのは漆黒の弾丸――それは風を裂くほどの勢いで走り、視認すら困難な速度でフラワーミストの心臓部を目指して一直線に突き進んでいく。
一発目――《延焼の魔弾》。命中と同時に炎が爆ぜ、燃え盛る渦が人形の身を包み込む。プラスチックが焼け焦げ、焦臭さが風に乗って広がる。
しかし、その身を隠すように漂う爆竹の煙と、閃光爆弾の余波が視界を曇らせ、命中の結果は不確かとなった。
それでも、ウェイバーの指は微動だにしない。彼の眼差しは、ただ敵を見据えていた。
「散布開始。」
その隙に、フラワーミストの体内からまたも爆弾が噴出する。色とりどりの塗料が爆発と共に撒き散らされた。
《カラーボンバー》
だが、この能力の本領である絵の具に含まれるシェーレグリーンの毒性は、相手が人間でなければ意味を成さない。
ウェイバーは悪魔と契約した時点でとっくに人間ではなくなっており、その無表情は崩れない。
「二発目。《並行の魔弾》。三発目。《破裂の魔弾》。」
黒い弾丸が空気を裂いて放たれた。一つはフラワーミストの防御をすり抜ける速度で突進し、もう一つは彼女の体内に魔力を充満させ、爆発を誘発する。
ドガンッ!
プラスチックの肢体がぎしりと軋む。だが、それは悲鳴ではない。異物としての存在証明であった。
「四発目。《拡散の魔弾》。」
ウェイバーが放った弾丸は、空中にて霧のように散り、瞬く間に数千の微細な弾片へと変貌した。
それぞれが異なる角度から、異なる軌道を描き、時空の裂け目すら縫うようにしてフラワーミストへと殺到する。その姿は、まるで雨に紛れて落ちる無数の隕石の如し。
だが、フラワーミストは動じなかった。
微笑みの仮面を張り付かせたまま、その身体が微かに震えたのは、戦慄か、あるいは快楽か。
迎撃も防御もせず、彼女はその嵐の中を突き進む。花弁のように散った弾片がボディに当たり、火花を散らす。
迎撃も防御もせず、彼女はその嵐の中を突き進む。花弁のように散った弾片がボディに当たり、火花を散らす。
その直後、彼女の背後に突如として咲くように現れたのは、一輪の鉄の花。
《マジックキラー》
その銃は、まるで自律的な生命体のように意思を持ち、ウェイバーの心臓を確実に捉えようと照準を合わせた。
銃口に浮かぶ魔紋が淡く脈動し、宿された呪いが撃鉄の動きと同調する。
「五発目。《神殺の魔弾》。」
だが、それを遮ったのは新たに放たれた恐ろしい魔弾であった。
発射された弾丸はマジックキラーの銃口を逆走するようにして貫き、さらにそのままフラワーミストの胸部へ到達する。
バキンッ!
撃ち抜かれたその瞬間、甲高い金属音が辺りに響き、ボディに散りばめられていた装飾が砕け、舞うように地面へと散乱した。
ひび割れた装甲の奥からは、人工心臓のような球体が露出し、その規則的だった脈動がぴたりと静止する。
「六発目。《千貫の魔弾》。」
その詠唱と同時に、夜空に打ち上げられた花火のように魔弾が上空で炸裂する。そこから放たれたのは、まるで雨季の終わりに降る無数の氷雨の如き鋭利な針。
次々に突き刺さる針に、プラスチックの装甲が苦鳴のように軋み、裂け目が走る。色彩を構成していた花弁が剥がれ、関節部が外れ、片腕が音もなく地に落ちる。
それでも、フラワーミストの瞳は揺るがない。壊されながらもなお、彼女の中に潜む執念は、静かに次なる一手を編み出そうとしていた。不気味なまでの執念を以て、彼女は次の攻撃手段を模索している。
「…終わりです。」
ウェイバーが静かに銃を構える。その眼差しは冷たく、もはや感情の揺らぎすら捨て去ったかのようだった。
「最終弾。《必中の魔弾》。」
宣言と共に銃口が閃いた。魔弾は、もはや単なる物理弾ではない。空間そのものを貫通し、因果すら捻じ曲げる力を帯びていた。同時に、フラワーミストの体内に潜んでいた最後の手段が起動する。
背中から開いた花弁状のパネルの中から、巨大な装置が展開される。それは彼女の最終兵器——《エターナル・ブロッサム》だ。
数千本の金属製の花弁が螺旋状に重なり合い、彼女の周囲に巨大な花を形成した。その中心に浮かぶのは、純白に輝く魔力核。空間を震わせるほどの魔力が圧縮され、収束され、そして一点に放たれようとしていた。
数千本の金属製の花弁が螺旋状に重なり合い、彼女の周囲に巨大な花を形成した。その中心に浮かぶのは、純白に輝く魔力核。空間を震わせるほどの魔力が圧縮され、収束され、そして一点に放たれようとしていた。
――《終焉の花弁》
巨大な花が開き、無数の魔力の矢が解き放たれた。同時に、ウェイバーの放った《必中の魔弾》が光となって疾走する。
魔力の矢と魔弾が空中で激突し、世界を断ち割るような閃光と衝撃が走る。
バチィッ!ビシャァッ!
空間を切り裂くような轟音が平原に反響し、続けて炸裂音と衝撃波が怒涛のように押し寄せる。 雲を割るようにして立ち上る濃厚な煙の中、焦げた花弁が舞う。倒れたのは、フラワーミストだった。
彼女の額には、確かに一条の黒光りする魔弾の痕跡が残されていた。その身体が崩れ落ち、残骸となって地に伏す。
彼女の額には、確かに一条の黒光りする魔弾の痕跡が残されていた。その身体が崩れ落ち、残骸となって地に伏す。
「戦闘終了。魔弾…消去。」
ウェイバーの銃が静かに霧散していく。七発目を撃ち終えた者に、もう武器はない。
風だけが、敗者の残骸をさらってゆく。
風だけが、敗者の残骸をさらってゆく。
「勝者――ウェイバー。」