あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《落宮スズキ VS 烏丸詩音》
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aioricharabattle
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《落宮スズキ VS 烏丸詩音》
陽炎のように揺れる空気の中、ふたりの影がにらみ合っていた。
「……うわ。絶対ヤバいやつ来た。」
落宮スズキは、手にしたシャベルをぎゅっと握りしめ、数歩後ずさる。その目線の先には、何やら足を地団駄踏んで不機嫌そうに睨んでくる小柄な少女――烏丸詩音がいた。
「は?初対面なのに何なのその態度?ちょっと土下座しなさいよ。」
「意味がわからねえよ!!」
「あんたバカなの!?私がムカついたから以外に理由が必要!?」
詩音がとんでもない理由で癇癪を起こすと同時に、空気が一瞬揺らいだ。
それは彼女の能力《反転》が起動した気配だった。スズキの背筋に冷たい汗が流れる。
「…何かが来るっ!」
スズキは即座に飛び退いた。直後、彼のいた場所に重力が逆転したように土が盛り上がり、空へ向かって土塊が吹き飛ぶ。
「無理無理無理!!能力が意味不明すぎる!!どこがどうなってそうなるんだよ!!」
「うるさいッ!!問答無用!!」
詩音はその場で足を踏み鳴らしながら、次々と《反転》を予約する。
空間、重力、そしてスズキの落とし穴――すべてがひっくり返されて脅威となる。
「うわーー!死ぬーー!!」
何もかもがおかしくなっていく世界を前に、スズキはとにかく逃げるしかなかった。
「ふん!私を怒らせたのが悪いのよ!!」
詩音は子供のように怒りに任せて暴れており、その強大な能力に似合わぬ精神の幼稚さが伺える。
スズキは走りつつも次々と落とし穴を発生させていく。逃げながらシャベルで地面を突き、刻一刻と自分の足元を罠に変えていく。
「くっ、10秒稼げば穴ができる……それまで逃げ切れば……」
その思考すらも、次の瞬間には反転された。思考に自信が生まれたその刹那、「確信」が「混乱」へとひっくり返る。
突然頭の中がこんがらがり、まともに歩くことすらままならなくなってしまう。
「ッ!? やば、やばいやばいっ!!」
詩音の瞳がぎらぎらと輝き、次の反転を放つ。彼女の「普通」の身体能力が反転し、「異常」な身体能力へと変化する。
「これで死になさい!!」
彼女はとても人間とは思えない速度で移動し、まるで音を置き去りにするかのようにスズキに接近する。その残像が一瞬、空気を裂くように走った。
スズキは心臓が止まりそうになりながら、最後の希望にすがるように叫ぶ。
「どの穴でもいいからとりあえず落ちてくれ!」
叫びと同時に、地面が震える。詩音の足元に、ちょうどタイミングよく落とし穴が作られていたのだ。
「なっ!? こんなところにッ!!」
彼女の身体が沈み、バランスを崩したその瞬間、先ほどの《反転》の効果によって「落とし穴」が反転して「上昇穴」となる。
ブオッ!!
まるで上空へ落下しているかのように詩音の体が浮かび上がり、超スピードで吹っ飛ばされる。その軌道は直線的で、空高く伸びていった。
「なんか吹っ飛んだ!? よっしゃああ!!上昇穴ありがとう!!」
スズキは狂ったように笑いながら、今度は自分の周囲にさらなる落とし穴を展開していく。彼の脳内ではすでに勝利のファンファーレが鳴り響いていた。
「詰んだな!!お前は一生上に落ち続けるしかないぞ!!」
詩音は落とし穴の反転を解除しようとするが、今解除してしまえば重力で地面に叩きつけられて落下死するのが目に見えている。
また、落下死の原因となる重力を反転させたところで結局は上に落ちていくだけで何も変わらない。
彼女の反転はあくまで物をひっくり返すだけであり、落下するという現実をゆっくりにしたり優しくすることはできない。空中で身動きが取れない状態に陥り、彼女は顔を歪めた。
彼女の反転はあくまで物をひっくり返すだけであり、落下するという現実をゆっくりにしたり優しくすることはできない。空中で身動きが取れない状態に陥り、彼女は顔を歪めた。
「ッ……この私が、こんな奴に……!!!」
怒りと羞恥が混ざった悲鳴が空に消える。スズキは肩で息をしながら、地面に膝をついた。
「ふ、ふふ……ふはは……勝った……俺が……!」
息を荒くしながら、シャベルを杖のように支え、スズキは勝者のポーズを取った。全身汗まみれ、泥まみれ、だがその顔には確かな勝利の誇りが浮かんでいた。
勝者――落宮スズキ。