ヨゾラミアゲテ
ソラ。
ソラが広がっている。
この地獄の島でも。
永遠に。
永久に。
永久に。
何処までも。
何処までも広がっている。
そしてヒトはソラを見上げる。
何時でも。
何処でも。
何処でも。
見上げるんだ。
ソラはそんなヒトを受け入れる。
ずっと。
ずっと。
ずっと。
ソラは何処までも永遠にあるから。
でもソラは何時でも何処でも同じじゃない。
ソラは一つとして同じものはないから。
だから。
だからこそ。
ヒトは見続けるんだ。
ソラを。
ハテの無いソラを。
ずっと。
ずっと。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ソラが。
ソラが広がっていた。
空に黄色い真円がひとつ浮かんでいる。
大きな。
大きな真円が。
大きな真円が。
優しい光を放って唯地を照らす。
その照らされた住宅街の一角でガンガンとけたたましい音が響いている。
その場所はジュースの自販機が置かれている場所。
その場所はジュースの自販機が置かれている場所。
そして騒音を出している持ち主の少女――四方茉莉――は
「む~~~~」
自販機を連続で叩いていた、全力で。
彼女の端整な顔が怒りで歪んでいる。
理不尽な事に耐えられないが如く。
一心不乱に自動販売機を見つめて。
彼女の端整な顔が怒りで歪んでいる。
理不尽な事に耐えられないが如く。
一心不乱に自動販売機を見つめて。
「はぁ……よし」
茉莉は溜め息をつきながら黒の長い長髪を覆ってる臙脂色の帽子を被りなおす。
次に目を瞑って何かの構えを取る。
次に目を瞑って何かの構えを取る。
「はぁあぁ~」
気合を篭った声をだしながら円を書くように右腕を回す。
そして大きな目をパッチリ明けた。
その瞬間
そして大きな目をパッチリ明けた。
その瞬間
「せーの……てりゃああああ!!」
蹴った。
全力で。
目の前の自販機を。
ガンッととても鈍い音が響く。
その時一迅の風が吹いて。
髪に付けられた白いリボンが揺れ。
ミニスカートがはためいた。
そして幾許かの時間がたって。
ボロボロと目に涙が溜まって。
「…………くぅ」
自販機を蹴った足を押さえた。
つまり、痛かったらしい。
はぅはぅと呻きながらも更に自販機を睨む。
そもそもなんで自販機を蹴ったかというと。
はぅはぅと呻きながらも更に自販機を睨む。
そもそもなんで自販機を蹴ったかというと。
「なんで……!……お金……入れたのに!……出てこないの!」
ビシッと指を自動販売機に向かって指す。
顔は烈火のごとく真っ赤になっていて溜まりにたまった怒りを機械向かってはきで出していた。
そう、茉莉がそこまで怒っていた理由は単純。
お金に入れたのにジュースが出てこない。
顔は烈火のごとく真っ赤になっていて溜まりにたまった怒りを機械向かってはきで出していた。
そう、茉莉がそこまで怒っていた理由は単純。
お金に入れたのにジュースが出てこない。
唯、それだけ。
そんな下らない事に怒りをぶつけていた。
ついでにジュースが出てこないかなーという淡い期待を持って。
出ないから蹴るという限りなく原始的な方法ではあったが。
ついでにジュースが出てこないかなーという淡い期待を持って。
出ないから蹴るという限りなく原始的な方法ではあったが。
「くぅ……この島に来る前にもそんな事あったよね……うぅ」
茉莉が想うはこの地獄の島に連れてこられる前のこと。
四方茉莉が住んでいた町――加名覚町――であったこと。
お金も入れても出てこない自販機の事。
四方茉莉が住んでいた町――加名覚町――であったこと。
お金も入れても出てこない自販機の事。
まさか殺し合いの中でもそんなものに遭遇するとは想わなかった。
茉莉は懐かしさとともに憤りを感じて溜め息をつく。
そしてその自販機の事を思い出すと浮かぶ顔がひとつ。
懐かしくもあり不思議でもあり「存在しないはず」の少年の顔。
茉莉は懐かしさとともに憤りを感じて溜め息をつく。
そしてその自販機の事を思い出すと浮かぶ顔がひとつ。
懐かしくもあり不思議でもあり「存在しないはず」の少年の顔。
(依人……)
森宮依人という少年の事を。
彼もこの殺し合いに巻き込まれているらしい。
彼はどうしてるのだろうかと茉莉は想う。
とりあえず願うのは生存のみ。
未だ、茉莉は考えていたいから。
彼もこの殺し合いに巻き込まれているらしい。
彼はどうしてるのだろうかと茉莉は想う。
とりあえず願うのは生存のみ。
未だ、茉莉は考えていたいから。
この島で自分はどうするべきなのかと。
依人の姉である存在、森宮蒼乃もいるのだから。
そして自分にとって負い目でもある存在の蒼乃。
蒼乃は自分の事を殺しにくるかもしれないとも想いつつ。
依人の姉である存在、森宮蒼乃もいるのだから。
そして自分にとって負い目でもある存在の蒼乃。
蒼乃は自分の事を殺しにくるかもしれないとも想いつつ。
その2人との因縁の事を想う。
昔から続いてる因縁。
とぎれたと思っていた因縁。
とぎれたと思っていた因縁。
自分が犯した罪故に始まってしまったもの。
茉莉、蒼乃、依人との3人の哀しい運命を。
茉莉、蒼乃、依人との3人の哀しい運命を。
茉莉は予感めいた確信があったから。
この運命がきっとこの殺し合いで終わりを告げる事を。
だからこそ茉莉は考えたかった。
この島で自分で何をすべきなのかを。
自分はどうしたいのかを。
この島で自分で何をすべきなのかを。
自分はどうしたいのかを。
ゆっくりと。
依人のためにも。
蒼乃のためにも。
そして自分の為にも。
蒼乃のためにも。
そして自分の為にも。
考えたかった。
その為にも。
「落ち着きたいから……何か飲みたいのだけれども」
今はまず飲み物を確保したかった。
再び忌々しく自販機を睨む。
蹴っても出てこない自販機に。
トマトしるこという茉莉が愛飲してるものはなかったけどそれでも甘い物が飲みたかったから。
再び忌々しく自販機を睨む。
蹴っても出てこない自販機に。
トマトしるこという茉莉が愛飲してるものはなかったけどそれでも甘い物が飲みたかったから。
「んー……どうしよう……」
腕を組みうんうんと唸り続ける。
さてどうしたものかと。
諦めるのも手かもしれないと想った矢先。
茉莉の頭に考えてはいけない事を思いつく。
さてどうしたものかと。
諦めるのも手かもしれないと想った矢先。
茉莉の頭に考えてはいけない事を思いつく。
「そうだ……んーでも犯罪だし……いや、そもそも殺し合いしろで犯罪も何もないよね……うんうん」
その手段を考えそして何か自己肯定をして実行に移そうと決めるる。
一種の背徳感を抱きながらも欲求が優先してしまった。
そのまま茉莉は不遜に聳え立つ自販機に手を当てて目を閉じる。
一種の背徳感を抱きながらも欲求が優先してしまった。
そのまま茉莉は不遜に聳え立つ自販機に手を当てて目を閉じる。
そして次の瞬間、不思議な事が起きた。
堅牢であった自販機が錆びれ始め朽ちていく。
またたくまに光輝いていた姿から朽ちて茶色い姿に変っていた。
そして拉げ始めた瞬間、取り出し口から大量の飲み物が出始めてきたのだ。
またたくまに光輝いていた姿から朽ちて茶色い姿に変っていた。
そして拉げ始めた瞬間、取り出し口から大量の飲み物が出始めてきたのだ。
「あわわ……こんなにいらないのだけど……やりすぎちゃったかな?……まあいいか」
大量に出てくる飲み物に焦りつつも満足そうに茉莉は微笑む。
そしてヒョイヒョイと飲み物をディバックに入れて担ぐ。
そしてヒョイヒョイと飲み物をディバックに入れて担ぐ。
「……重みを感じない?……不思議」
茉莉は飲み物を沢山入れたのに全く重みを感じない事に驚きつつも前を向く。
だがそれもつかの間の事。
よし、と掛け声をした茉莉は―――跳んだ。
自分よりも明らかに高い2階建ての家の屋根の上まで。
だがそれもつかの間の事。
よし、と掛け声をした茉莉は―――跳んだ。
自分よりも明らかに高い2階建ての家の屋根の上まで。
そしてそのまま屋根伝いをひょいひょい伝って跳んでいった。
まるで何時もやってるかのようにその動作は慣れていた。
まるで何時もやってるかのようにその動作は慣れていた。
そして残されたのは最初の姿からかけ離れた無残な自販機だけ。
「人ならざる力」によって朽ちた自販機だけ。
それは茉莉が人ではない事を証明するかのように。
朽ち果てていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ソラが。
ソラが見えるよ、依人。
でもそれは依人が見せたいソラじゃない。
蒼い。
蒼い。
蒼い。
ソラじゃなくて。
黒い
黒い
黒い
私が何時も見ているソラだ。
ソラは何処でも一緒なんだね。
依人。
貴方は今何をしているのかな?
ソラを。
ソラを見上げているのかな?
何時ものように。
永久に広がるソラを。
「依人……」
彼の名前を呟き暖かい飲み物を啜る。
不思議な味だった。
ホットナタデココという珍妙な名前。
ホットナタデココという珍妙な名前。
でも美味しい。
「月が……綺麗」
もう一度空を見上げる。
丸い月が耀いてる。
家の屋根から見上げるソラは永遠のような広がりさえ感じられて。
私を包み込んでいく。
もう。
何年。
いや、何百年、このソラを見上げていたのだろう。
生まれてから幾千のも間。
このソラを見上げていたのだろう。
私はこの黒いソラしか見れなかった。
見る事しかできなかった。
だって
「私……人間じゃないもの」
そう、私は夜禍。
夜に生きるもの。
ヒトの哀しみ、憎しみから生まれた忌むべき存在。
永遠をいきるもの。
死に絶える事もなく。
老いる事もなく。
老いる事もなく。
ただ、永遠の時を唯独りでいきつづけるもの。
傷を負ってもすぐに治り
ヒト以上の身体能力を持ち
ヒトならざる力も使える。
ヒト以上の身体能力を持ち
ヒトならざる力も使える。
正真正銘化け物だった。
そんな化け物にも弱いものがある。
日の光。
それを浴びちゃうと身体を保つ事ができない。
生きる事ができないのだ。
だから、夜しか生きれない。
夜だけの。
黒いソラしか見れないんだ。
蒼い。
蒼いソラは。
蒼いソラは。
永遠に届かない。
でも。
それを見せようとしたヒトがいた。
依人。
不思議なヒト。
彼は私に蒼いソラを見せようと。
あの時も。
――――そして、今も見せようとしている。
彼は変らない。
どんな時でも。
何故。
何故
彼は。
今も見せようとしているのだろう?
でも。
私は見る事は出来ない。
依人のその行為を。
彼の姉である蒼乃が赦すわけがない。
蒼乃。
あの時。
私は犯してはならない罪を犯した。
そして彼女を苦しめた。
もう二度と巡りあわないと想ったというのに。
また、運命に導かれるように出会ってしまった。
ねえ……蒼乃?
貴方は今、ソラを見上げている?
それとも依人に囚われ続けている?
貴方はここでも。
あの時から立ち止まったままの?
……私も。
私も立ち止まったままなのかな?
あの秘められた想い出に囚われ続けて。
ずっと立ち止まったままなのかな。
わからないや。
ソラが見える。
黒いけど。
暗いけど。
でもきっと。
その先には蒼い。
蒼いソラがあると思う。
ねえ?
依人。
私は。
私は。
もし蒼乃が依人の為に殺しをするというのなら。
私は蒼乃を止めるよ。
依人は望まないでしょう?
あの時から立ち止まったままの蒼乃をもう一度歩かす為に。
それが。
それが私がすべき事。
あの時。
あの時。
私が犯してしまった罪。
それを償う為に。
だってそういうから。
依人と蒼乃がくれた感情が。
そういうから。
だから私は蒼乃を止める。
きっと。
きっと立ち止まったままだから。
ねえ?
依人。
ソラって変らないね。
何時でも。
何処でも。
何処でも。
広がっている。
ソラが。
ソラが私を抱くよう。
見えている?
「依人……ソラが……ソラが見えるよ」
永遠に。
永久に。
永久に。
広がっている。
ソラが。
ソラが広がってるよ。
私達の見上げる先に。
【B-8西部、住宅街/1日目 深夜】
【四方茉莉@sola】
【装備:ホットナタデココ@Memories Offシリーズ】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(1~3)、大量の飲み物】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:殺し合いに乗らない、蒼乃を止める。
1:蒼乃を止める。
【装備:ホットナタデココ@Memories Offシリーズ】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(1~3)、大量の飲み物】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:殺し合いに乗らない、蒼乃を止める。
1:蒼乃を止める。