RedPain
赤。
赤、赤。
真っ赤。
赤が私―鳳仙エリス―の世界を侵食していた。
見たくもないだいっ嫌いな赤が。
赤を作り出すのは血。
血。
血、血。
嫌な臭いがする血。
それは全て、あの時の事を思い出してしまうから。
忘れたい事。
すべてを失った時の事。
すべてを失った時の事。
哀しい。
哀しい事。
もう、思い出したくも無い記憶。
だから赤いものも血も見たくなかった。
なのに。
それなのに。
それなのに。
何かが弾けた音。
7つの音が。
パンと響き渡って。
赤。
赤。
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
赤!
血。
血。
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
血!
あぁ。
いやぁ。
世界が。
ぐにゃぐにゃ
歪んで。
捻って。
曲がって。
螺旋って。
拉げて。
折れて。
崩れて。
いやぁ
いやぁ
「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
響く私の絶叫。
思い出されるあの時の、記憶。
そして
私の世界は隔絶され
壊れた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「うわああぁ……ここ……は?」
次に私が目を醒ました所は何処か知らない場所。
暗くて。
狭くて。
狭くて。
冷たい場所。
そんな場所で寝ていた。
頬に当たる冷たさがぐるぐる回っている私の頭の中を次第に覚醒させていく。
私は痛む頭を押さえながら起き上がり周囲を見渡す。
私は痛む頭を押さえながら起き上がり周囲を見渡す。
どこかの部屋みたい……
机とベットとテレビと棚と他色々いう何処にでもありそうな普通の狭い部屋。
壁にかかっている鏡を見る。
そこには金髪碧眼の私がいた。
寝ていたせいか蒼いリボンで結んだ髪が乱れている。
顔も生気がないや。
壁にかかっている鏡を見る。
そこには金髪碧眼の私がいた。
寝ていたせいか蒼いリボンで結んだ髪が乱れている。
顔も生気がないや。
それにしてもここは何処……?
見覚えが無いけど……
あれ……
何で……私こんな所に?
う、う……ん。
な、何が……あったのかな?
え……っと。
……あ。
ボンという音。
はじける頭。
そして広がる赤と血。
それが脳内に鮮烈にフラッシュバックして
「あぁああ!?……はぅ……うくぅ……うぇえええええぇぇ!!」
強烈な拒否感。
そして全身を襲う吐き気。
私は堪らず吐いてしまった。
嘔吐物で綺麗に掃除されていたフローリングの部屋を汚していく。
それでも収まる事無い吐き気。
「うぇぇうう……あぅ……えええええ……こふ……」
胃の中に有るもの全部吐き出しても未だに収まる事がない。
胃液が逆流して出てきている気がする。
気持ち……悪い。
うぇ
「はぁ……はぁ……ふぇ……ふぇええ」
吐き気を我慢しようとしても止まらない。
頭がガンガンする。
視界が定まらない。
体の震えが止まらない。
全身の力が抜けて動くことが出来ない。
そしてずっと頭の中にある赤のイメージ。
それが私を苦しめている。
いやぁ
いやぁ……
赤は……
血は……
いやぁ。
なのに
なんであんな一杯見ないといけないの……
「ふえええぇぇぇ……助けて……助けてお兄ちゃん……」
あまりの嫌悪感に大好きな人を呼ぶ。
ずっとずっと大好きなお兄ちゃん。
愛しているお兄ちゃん。
上倉浩樹の名を。
グータラでどうしようも無いけど。
優しいお兄ちゃん。
本当のお兄ちゃんではないけど……大切なお兄ちゃん。
ねぇお兄ちゃん。
何処にいるの?
私を……
私を助けて。
「ふぇ……う……また吐き気が……あぅ!?……うぇ……」
そしてまた襲い掛かる吐き気。
口を手で押さえ前を見るとそれは有った。
赤い。
赤いひざ掛けが。
あぁ
「いやぁ……やめてよぉ」
私はまた頭が痛み出すのを感じて頭を抑える。
また
赤だった。
見たくないのに……
みたくないのにぃ……
私が目をそらすと
「ふぇ……いやぁ!」
また、赤いものが。
いや
いや
いや
「うえええええん……いやああああああ……お兄ちゃん……たすけてよぉ……」
涙が止まらない。
体の震えも。
もう見たくない!
助けてお兄ちゃん……
「嫌だよ……もういや……」
私はそのまま嫌悪感におされ真っ白の布団がしいてあるベッドに向かっていった。
そしてそのまま何も見えないように布団を被る。
何も見たくなかったから。
強くぎゅっと目を閉じて。
訪れる暗闇。
怖かった……
嫌だった……
赤。
血。
それが私は致命的に駄目。
それはあの事を思い出しちゃうから。
あの時以来、私は赤と血
を生理的に嫌で駄目になった。
を生理的に嫌で駄目になった。
赤色なら何でも。
信号機の赤でも。
ポストの赤でも。
絵の具の赤でも。
ポストの赤でも。
絵の具の赤でも。
赤なら何でも駄目。
見るだけで気持ち悪くなってしまう。
血だってそう。
自分の生理の血を見るだけでもう駄目。
見てると調子が悪くなり動けなくなってしまう。
だから極力見たくない。
なのに。
赤のシャワー。
思い出すだけで寒気がしてくる。
最悪……
本当最悪だ。
頭が痛い。
熱も出てきたかな……?
熱も出てきたかな……?
苦しい……
苦しいよ……
おにい……ちゃん。
白い掛け布団の中で私は子供のように丸くなる。
涙を流しながら。
何も考えてられない。
今はこの苦しみを。
この頭の痛みを。
この吐き気を。
この心の痛みを。
この吐き気を。
この心の痛みを。
赤を見せられた苦しみから。
お願い……
お兄ちゃん。
助けて。
「お……兄……ちゃん」
でもその声は届くことが無く。
私は
再び。
赤の苦しみに。
世界が。
侵食された。
【E-6 別荘地/1日目 深夜】
【鳳仙エリス@Canvas2~虹色のスケッチ~】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(0~3)】
【状態:吐き気、高熱、肉体疲労(極大)精神疲労(極大)】
【思考・行動】
基本方針:未定
0:助けて……お兄ちゃん
1:体調の復帰を。
【装備:なし】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(0~3)】
【状態:吐き気、高熱、肉体疲労(極大)精神疲労(極大)】
【思考・行動】
基本方針:未定
0:助けて……お兄ちゃん
1:体調の復帰を。