073
ダイヤモンドプリンセスの憂鬱 ◆BLovELiVE.
私とμ'sの出会いのきっかけ。
それは音楽室で一人で引く私のピアノを穂乃果が聞いたことからが始まりだった。
あの時はアイドルなんて、と軽蔑していたし、それに初対面にも関わらずズカズカと話しかける姿に引いていた。
それに、人と付き合う時間を増やすくらいなら一人でピアノの練習をしている方が楽しいと思っていた。
だけど、穂乃果は何度も私の元にやってきては作曲をしてほしいと頼み込んできて。
正直うんざりもしていた。
けど、でもあの時神田明神の前の階段を必死で駆け上がり続けていたあの時の姿から感じた熱意は本物だった。
だから曲を作ってみるくらいならいいんじゃないかと、そう思って渡された歌詞を開いて曲をつけたのだ。
正直、それのお披露目がガラガラの観客だったのには不満だったけど。
でもあの時の三人はとても輝いていた。
自分が作曲し、海未が作詞した歌で歌う三人の姿は。
そう、自分にとってのμ'sの始まりが穂乃果との出会いだとしたら。
μ'sの一員としての始まりは、海未のあの作った歌詞があってのものだったのだと思う。
海未の考えた歌詞に、私が曲をつけて、それを元にして衣装や振り付けを決めていく。
そうやって、私達はμ'sとして進めてこれたのだ。
μ'sの私の曲に歌詞をつけてくれる存在は、海未しかいないのだ。
◇
ジョセフと初春がさやかと別れ、北上していた時だった。
その視線の先の空に、謎の閃光が雷のような轟音を立てて響いたのは。
「む?!何じゃ一体!」
「雷…、まさか、御坂さん…?」
驚くジョセフに対し、初春は自身の持つ知識の中からあれを発しうる可能性が最も高い人物の名を呟く。
空を2つに割るかのような雷撃。あんなものを発することができる人間など、学園都市でもそういるものではないはずだ。
それこそ、レベル5の超能力者でもない限りは。
「待て、もしかするとスタンド使いのしわざという可能性もある」
「だけど、あれだけの攻撃、きっと誰かが戦ってるんです。もしかしたら白井さん達も、あの先にいるのかも―――」
「まあ、どちらにしても放ってはおけんな。スタンド使いならば
DIOと繋がりのある誰かの可能性もある」
地図を開いて場所を確かめる。
この先にあるのは音ノ木坂学院という施設。名前からして学校だろう。
決して警戒を怠ることもなく、ジョセフと初春は真っ直ぐにその雷の落ちたであろう場所、音ノ木坂学院へと向かって行った。
◇
「海未、起きなさいよ」
真姫は、目の前に倒れた一人の少女の躯に駆け寄り揺さぶりながら声をかけ続ける。
「起きなさいよ……」
だが、倒れた少女は、海未はピクリと動くこともない。
その眼から、口から、耳から血を流し、肌の見える範囲だけでも避けた皮膚から血がにじみ出ていてその身を包む学生服も真っ赤に染まっている。
正常な人間の体の様子でないことはひと目で分かる。
そして近寄った真姫はすぐに、その体に脈がないことも把握していた。
「起きなさいって言ってるでしょ!!」
それでも、真姫は海未を呼びかけ続ける。
もしかしたら、何か奇跡が起きて海未の心臓が動き始めるのではないかということを、有り得ないと理解していながらも期待して。
だって、そうでもしないと。
「何でよ……」
目の前の死を受け入れなければならなくなってしまうから。
「何でなのよ……海未……」
しかしそんな誤魔化しで己の気持ちを騙せるものではなかった。
受け止めるしかなかった。
だけど、受け入れることはできなかった。
苦しさと悲しさが真姫の中で溢れ出し、その瞳からは涙がこぼれ出す。
そんな真姫に、
田村玲子も
泉新一も声をかけられずにいた。
と、そこで海未の亡骸の傍で小さく動く物体が一つ。
ムクリと起き上がるようにその身を起こした物体は、やがてフワリとその体を浮かせて真姫の傍に立ち寄り。
『………申し訳、ありません』
一言、そう謝罪の言葉を口にした。
その声の主へと目をやる真姫。
そこには羽のついた六芒星の形の物体が、まるで弱っているかのような様子で佇んでいた。
「…何で、海未は………」
『………私を使用した代償です。園田様は、皆様をさっきの攻撃から守るために全身の神経を焼き切って命を落とされました』
「……っ!!」
そう謎の物体、サファイアが海未が命を落とした原因を語った時、真姫は思わずその手でサファイアを掴みあげていた。
「何で……、何で止めなかったのよ!!あんた、それ分かってたんじゃないの?!何でそんな無茶させたのよ!!」
『…園田様の選択です。もしあそこでそうしなければ、ここの全員が犠牲になっていました』
「だからって…、何でそれを海未が背負わないといけなかったのよ!何で……」
確かにサファイアの言う通り、あそこで海未が変身しなければ命を落としたのは
巴マミと
園田海未の二人のみならず、ここにいる他の皆も消滅していたことだろう。
頭では分かっていても、それでも納得することまでは真姫にはできなかった。
◆
「お~い、誰かおるか」
そして、そんな空間に響き渡る声が一つ。
「ジョセフさん、いくら何でも無警戒すぎます…!」
「もしさっきの雷みたいなやつで耳までやられておったら少しは声を出さないと聞こえんじゃろ―――っと」
と、やってきた老人と少女の二人組。
しかしその視線の先で見えた光景。
蹲った人間が数人に地面に倒れ伏した人影が幾つか、そしてその傍で佇む少女という様子を見て、その現状を把握。
「……少し遅かった、というところか……」
頭をかきながら、どうこの空気の中に入っていくかを思考した。
◇
泉新一、田村玲子、そして
アンジュの体から動くことが可能になる程度には痺れが抜けたのはそれから数分ほど経った頃の話。
その後は、まずはそこで何があったのかということについて落ち着いて話すために一旦校舎内へと入ることとなった。
園田海未、そしてほぼ炭化した巴マミの体も放置していくのは忍びないと、その体は一人の少女の遺体が安置されている空き教室へと連れて行かれた。
そして生徒会室にてそれぞれ席についているのは
ジョセフ・ジョースター、
初春飾利、泉新一、田村玲子、アンジュの5人、そして机の上におかれたサファイア。
真姫だけはこの場にいなかった。
今は一人になりたい、と言って別の部屋へと移っている。
危険だと思わないわけではないが無理もないことだ、と新一、そして事情を聞いたジョセフと初春はその事実を黙認することにした。
ちなみにアンジュは今の服装は全裸に赤いコートという状態からこの校舎内で見つけた学生服に変わっている。
下着などは見つけられなかったため色々と危ない格好ではあるが、少なくとも全裸にコートよりはマシ、といった形にはなっている。
「さて、それじゃあ少し話させてもらってもいいかな?」
「その前に、一つ聞かせておじさん。二人は南から来た、って言ってたけど、その道中に
エンブリヲって男はいた?」
仕切ろうとするジョセフの言葉を遮り問いかけたのはアンジュ。
元々ここにくる前もエンブリヲという男に連れ去られた
渋谷凛という少女を助け出すために駆け回っていたという。
「いや、わしらが来たのは南の闘技場という施設からじゃが、そんな男には特に出会っておらんぞ」
「そう、なら私は先に行かせてもらうわ。きっと
サリアもエンブリヲのところに向かってる可能性はあるし」
と、逸る気持ちはそのままに出ていこうとするアンジュ。
そんな彼女に、田村玲子が言葉を投げかける。
「待て、アンジュ。お前も情報交換くらいは付き合っていけ」
「そんな暇はないわ。サリアのことだってあるし、早くしないと凛も危ないじゃない」
「そもそも事の発端はさっきお前があの女と言い争いを始めたことがきっかけだ。さっきの言い争いの件も事態をまとめる情報を公開する必要性と義務くらいはあるんじゃないのか?」
「……、分かったわよ」
しぶしぶ席につくアンジュ。
まずはそのアンジュの話から進めていかねばならない。
『今一度確認させて欲しいのだが、サリアはエンブリヲのことを信頼できる人だ、と言っていた。
しかし君の認識だと、サリアはエンブリヲからは手を切ったはずだった、そうだな?』
そうアンジュに問いかけるのはミギー。
短い間とはいえサリアと共にいた間に散々聞かされてきたことと彼女を仲間というアンジュの言うことが食い違っていた。
その事実が妙に引っかかっていた。
「ええ、そうよ。ジルが命を張ってサリアを説得して、それでちゃんとこっちに戻ってきたはずだった。エンブリヲをぶっ殺す時も一緒に戦ったわ。
それが、いつの間にまた元の鞘に戻ってるのよ、あのバカは」
「そんな話、俺は一言も聞いていないんだけど……」
新一が聞いていたのは、エンブリヲという男に心酔しているかのように語り続けることのみ。
どれほど優しくて素晴らしい人かということを嫌というほど語る姿。
そこからはエンブリヲから離反したなどというような要素は一片も感じ取ることはできなかった。
「可能性として考えられるのは、その娘がそういう風に記憶を弄られたかもしれないということか」
『あるいは、そもそも知り合い同士でも異なる時間から連れて来られた者がいる、という可能性も』
「時間が違う?どういうことだ」
その可能性を提示したのはサファイア。
元よりこの場に連れて来られた人間には別の世界、いわゆる平行世界の人間がいることをサファイアは既に確認している。
もしそれが自分たちの知り合いにも及んでいたのだとしたら。
例えばアンジュの例で言うと、アンジュが連れて来られたのはエンブリヲを倒し全てを終わらせた後。
サリアが連れて来られたのは、彼女がまだエンブリヲの部下であった頃から。
「…なるほど、じゃああいつの中じゃまだエンブリヲは自分を助けてくれた王子様、だって認識ってこと」
「どうするつもりだ?説得するつもりか?」
「ここにはあいつを説得したジルはいない。正直私がぶん殴ったからって目を覚まさせられるようなやつじゃないってことは分かってる。
だけど死人を出したことにもけじめはつけさせないといけない。あの様子ならきっとまだまだたくさんの人を死なせるでしょうしね。
もしどうしようもないようだったら、私があいつを殺すわ」
迷いが吹っ切れたわけではない。
だが、もしあのままのあいつがここで暴れた場合モモカや
ヒルダ達にも危険が及ぶ。
『新一』
「なんだよミギー」
『心拍音から今の君が何を考えているのかは想像がつく。だがもしもの時はサリアのことは諦めろ』
「分かってる。だけど……」
確かに彼女に良い印象を持っていたわけではない。
しかしあの血を飛ばす男との襲撃では共に戦って。
八幡が命を落とした時は共に弔い。
その間に見せたあのサリアの顔と、さっきのあの殺意に溢れた彼女の様子はどうしても同じ人間とは思えなかった。
アンジュのみならず自分たちすらも巻き込んで攻撃をしようとしたあの時の叫び声が。
『それだけ彼女自身が抱えていたものが大きかった、ということだろうよ』
「………」
ミギーの言葉に目を目を細めるアンジュ。
『最も、それだけが原因、というわけではあるまい。そこを突いて彼女の心の闇、とでもいうものを煽った者がいるはずだ。
それにさっきの武器、あれは先ほどまでのサリアが持っていた武器ではなかった。持っていたならあの血を飛ばす男の時に使っていたはずだ。じゃあアレを渡したのは誰だ?』
「
槙島聖護、か」
『ああ、あの男は危険だ。おそらくサリアがああなることを予見した上で、あの武器を渡したのだろうな。
危険度でいうならば普通に殺し合いに乗っている人間よりもタチが悪い』
「あの電気を使う女の子も、もしかしたらあいつのせいで?」
「え、電気を使う女の子、ですか……?」
と、その新一の言葉に反応を示したのは初春。
「もしかして御坂さん……
御坂美琴って名前の人ですか?!」
「えっと、名前は聞きそびれたけど、髪の短い中学生くらいの女の子だったような」
『私達はその女に襲撃を受けた。別の仲間が受け持ってくれたが。
確かに言えるのは、その女は確実に殺し合いに乗っていた、ということだ』
「そんな……嘘ですよね…?御坂さんに限って、そんな……」
予想だにしていなかった事実。
友人であり憧れの対象でもあり、合流できれば最も心強いと思っていた者が既に人を殺す側に回っていたという事実に言葉を失う。
「…一つ聞きたいんじゃが、あの最初の時に首輪を爆破された少年、確か上条当麻と言ったか。そいつも学園都市とやらの人間じゃったよな?」
「ああ、確かに広川はそう言ったと記憶している」
「その御坂という嬢ちゃんとあの時の少年に何かしらの関わりがあった、としたらどうじゃ?」
ジョセフが思ったのは同じ学園都市という共通点から見出した一つの可能性。
あの時に死んだ上条当麻が御坂美琴の知人―――友人、あるいはそれ以上の仲である者であったのではないかという推測。
しかし初春は御坂のプライベートの付き合いをそこまで深く把握しているわけではない。
その質問に答えることはできなかった。
「フム、なるほどな。その嬢ちゃんのことはは警戒しておかねばならない、ということか」
それでも、信頼できると思っていた自分の知り合いが殺し合いに乗っていた、という事実には初春はショックを隠しきれてはいなかった。
◆
その後は、新一のそれまでの出来事についての一通りの情報開示があった。
血を飛ばして付着した対象を削る謎の力を持ったエルフ耳の男、そして図書館で合流を考えている
アカメ、
雪ノ下雪乃という二人の人間。
特にアカメという人物は先にジョセフと初春が遭遇した
タツミの知り合いであったことから、その居場所を知ることができたのは収穫だった。
「では、次は私の番、だな」
と、泉新一の情報公開が一段落したところで田村玲子が口を開いた。
◇
音楽室。
いつもここでピアノを一人で引いているのが好きだった。
μ'sに入って以降も作曲の時はここでピアノを奏でてどのような曲にしていくのかを考えていた。
そのたびに浮かんだ曲でオープンキャンパスを、文化祭を、ラブライブ予選を、秋葉原ライブを、そしてラブライブでの決勝も盛り上げてきたのだ。
もう一曲だけ、自分の中でやり残した曲もある。
知らぬ場所に置かれた音ノ木坂学院、しかしここにあるピアノはあの音ノ木坂学院のそれと全く変わりない。
もしここでこれを引くことができれば、少しは今のこの言いようのない感情をどうにかできるのではないかと思って。
ピアノの前に座って鍵盤蓋を開け、鍵盤に指を置く。
試しに幾つかのキーを叩いてみる。特に音程におかしなところはない。
指を前にかざして、最後に自分の中で思い描いていた”あの曲”を奏でようとして。
――――――曲を作ってどうするの?もうその曲に歌詞をつけてくれる人はいないのよ?
頭の中で何かがそう囁いた。
鍵盤にかざした指が止まる。
それでも歯を食いしばって無理やりにでも指を動かそうと再度構え直し。
「――――――――――っ!」
~~~~~~
その指を一気に鍵盤に叩き付けた。
複数のキーを一度に叩かれてピアノから鳴り響く不協和音。
「何で…、何で引けないのよ……!」
これまで楽しかったピアノの演奏。
自分の中で大部分を占めていた大切なもの。
なのに、この指は全く動いてはくれなかった。
もう二度と9人揃うことがない、消えてしまった未来像を思い描いていた真姫の指は。
◇
「DIOと会った、じゃと…!」
『イリヤ様と会われた?!本当ですか!?』
「ああ、
食蜂操祈という女子生徒と共に北の方に向かって行った。
確かお前によく似た変な物体もそのイリヤという娘と共にいたぞ」
『…なるほど、だから西木野様は私を見ても驚くことがなかったのですね』
「あんた達、DIOに何かされたりはしなかったか?」
「いや、少し話をしただけだ」
「スタンド……何か不思議な力を使ったりなどということはしていなかったか?」
「車を持ち上げたりはしていたな。それ以上に魔法のような力を見せようとはしていたが、別に見る必要がなかったのでな」
「……そうか」
もしそこで彼女がDIOのスタンド能力の一端でも垣間見ていたならばもしやつと対峙した際何か有利となるのではないかと思ったがそう簡単にはいかないようだった。
車を持ち上げる、といってもそれはおそらく吸血鬼としての怪力。スタンドの力ではないだろう。
まあ流石に他人に対し自分のスタンドの能力を軽々しく見せるほど軽率ではない、ということだ。
『イリヤ様は無事なのですか!?』
「私の見た感じだと特におかしなところは見受けられはしなかったな。
思惑がどうなのかは知らんが、少なくとも他者全てを殺していこうなどと考えている風ではなかったぞ」
「そうじゃろうな、もしやつがそう考えておったのならば、おそらくはあんたはここにはおらんかったじゃろう」
「まあおそらくはあの時その場に私がおらず
西木野真姫だけがいたならばまずお前の懸念通りになっていただろうな」
玲子にとってはあの男は強い種ではない。
だが、生き物単体の強さとして見た時は総合的にならば後藤に匹敵か、あるいはそれ以上のものを持っているようにも見えた。
「だが、食蜂操祈という娘は少し警戒した方がいいかもしれないな。あの男と組んでいるのか、あるいは操られているのかそれともあれで素なのかははっきりしていないが」
「食蜂操祈…、確か学園都市のレベル5の一人で……心理掌握(メンタルアウト)の称号を持っている人です。能力は、詳しいところまでは分かりませんが――」
「心を操る、それがあの少女の能力のように見えたな。リモコンのような道具を使って相手の精神を操る、とでも言ったところか。
幸い私のような寄生生物には効果のないものであったが」
「ふむ、心を操る、か……」
顎に手をやって考えるジョセフ。
少なくともDIOがその娘に操られているという可能性は限りなく低いだろう。逆にその娘がDIOに操られている、あるいは手を組んで部下になっているという可能性ならば高い。
だとすれば、その二人と共にいるというイリヤは。
「そのイリヤ、という娘に関しても警戒はしておいた方がよさそうじゃな。何かしらの手段に利用されていることは大いに考えられる」
『…!』
「まあ落ち着け。やつが手元においておるということは少なくとも今すぐ命を奪われることはないじゃろう。じゃが、何かしらの精神操作や洗脳を受けている可能性はある。
それで、DIOのやつは他に何か言っておったか?」
逸る気持ちのサファイアをなだめ、ジョセフは他に何か有用な情報がないかを玲子に問う。
スタンドの秘密こそ分からなかったが、やつの挙動や情報から何かそこに繋げられるものがないか、ということが気になっていた。
だが、そこで得られた答えは別の意味で想定外のものだった。
「確か、やつの仲間についてを聞いたな。
花京院典明とペットショップ、その2つの名が仲間、だと」
「なんじゃと?!」
椅子から立ち上がってそう声を荒げたジョセフ。
花京院典明。
それは自分たちが共にDIO打倒のために旅をしている仲間の名だ。
確かに初めて会った時はDIOに肉の芽を植えられて操り人形となっていたが、それも過去の話。
DIOの仲間であるということなど、決して―――――
「…いや、まさか……」
「どうかしたのか?」
「なぁサファイア。さっきお前さんはワシらの時間が違うのではないか、ということを言っておったよな?」
『はい』
「…花京院、か。なるほどな。考えたくない可能性ではあるが、一応言っておかねばなるまい」
ジョセフは、花京院典明についてのことを話した。
かつてDIOの手下として操られていたことがあったこと、しかし今は自分たちの信頼できる仲間であるはずだ、ということ。
しかしDIOがもしまだ花京院が敗北したことを知らない、あるいはまだ敗北していない頃から連れてこられたのだとしたら。
花京院がまだ肉の芽を植え付けられている頃の彼だという可能性も十分に有り得る。
故に警戒する必要はある、ということ。
「なるほど、つまり私とサリアの時みたいに変に噛み合わないことからいざこざになることが考えられるってことね」
「そういうことじゃ。もしかしたら君たちの仲間もそうなっておる可能性はある。念の為に聞いておきたいが、そんな不安のある者は皆の知り合いにはおるか?」
そう問いかけると、新一、田村玲子は首を振る。
二人の知り合いと言える者は後藤、浦上のみ。例えいつからきたのだとしても彼らの危険度は変わらない。
アンジュの方は、エンブリヲ、サリア以外で考えた場合、少なくとも積極的に殺し合いに乗る者は一人もいないはず、と言った。
タスク、モモカの二人が乗ることは考えにくく、またヒルダも一時期荒れていた頃があったとはいえそれで人を殺すことまではしないはず。
サファイアの知る者も同じ。
クロエ・フォン・アインツベルンが少し複雑な時期があったとはいえ、それだけで無関係な相手に対して殺しをする者ではないはず、と。
初春の知り合いにもそのような者はいない。既に殺し合いに乗ってしまったという美琴を除いて、ということになるが。
話を戻し、念の為にそのペットショップという存在がどういう者なのかということについても聞いておいた。
スタンド能力こそ聞くことはできなかったが、DIO曰くペットの鳥であるということだ。
DIOの配下に鳥がいる、ということ、そしてそれがこの殺し合いに連れて来られているということも驚きではあったが、よくよく考えれば
イギーもこの場にいる。
動物のスタンド使いが他にいてもおかしくはないのだろう。
こうして一通りの情報交換が終わり、今後の動きについての話となった。
「ワシは北に向かい、DIOのことを追おうと思う」
「北っていうと、御坂さんもいた場所ですよね?それなら私も―――」
「ダメじゃ。これから向かう先にいるDIOは危険なやつだ。君はワシとは別行動を取って欲しい」
「でも……!」
「御坂美琴という娘のことが心配なら、ワシに任せなさい。可能な限り善処はする。
君はタツミ、
美樹さやかの二人と合流する時のことを頼みたい。相手が相手じゃ。約束の時間までに戻れるとは限らんからな」
ジョセフはDIOを追い、初春とは別行動を取るということになった。
「シンイチ、お前はどうする?」
「……俺は………」
新一は迷っていた。
サリアを探してこの周囲を回るか、それとも一旦これまでのことをアカメ達に報告するために図書館へ向かうか。
「私は行かせてもらうわ。色々有用な情報はあったとはいっても少し時間をかけすぎたみたいだし」
「そうか。なら止めはせんよ」
「あ、そうそう。北に向かうっていうなら確か
エドワード・エルリックっていうやつがいたわ。そいつなら話をつければ協力してくれるんじゃないかしら」
「なるほど、そいつの特徴は?」
「金髪のチビよ。もし会ったならこのコート返しておいて」
アンジュはそれだけを告げて丸めた赤いコートをジョセフへと投げ渡し、足早に一人立ち去っていった。
「私は、西木野さんにしばらく付いていくわ。おそらく彼女が立ち直るにはしばらく時間がかかりそうだということもある」
田村玲子は真姫に付き添うという。
だからしばらくは行動方針は彼女次第、ということになるだろう。
元々彼女は友達が集まると踏んでここを目指していたこともある。だがこうなってしまった以上、真姫もまた何かしらの別の行動を起こすことも考えられる。
あるいはしばらく立ち止まる時間が必要か。
「…………」
「どうした泉新一、そんな珍しいものを見るような目をして。…そうだな、お前だって覚えはあることだろう?大切なものを失うことは」
「いや、確かにそうだけど……」
『変わったな、田村玲子』
「なら、ワシから一ついいか?もう少しで始まる放送が終わり次第ワシは出ようと思うが、それ以降の初春のことを任せられるか?」
「守りきれるとは限らんぞ?」
「わ、私だってある程度は自分の身くらい守れますよ!」
こうして他のメンバーの方針が決まっていく中、一人、いや一つだけそれを決めあぐねているものがあった。
『………』
「君はどうするんじゃ?そういえばDIOと一緒にいる子は君の仲間なんじゃったな。何なら一緒にくるか?」
『………イリヤ様のことは気掛かりです。……しかし………』
「?」
『美遊様、園田様、そして巴様。…私と関わった者は皆命を落としました。特に園田様の時は私が原因のようなものです。
もしかしたら、私が共にいくことでまた良からぬことを起こしてしまうのではないかと……』
「何をくだらんことを気にしておるんじゃ。自分が死神とでも思っておるのか?」
『…………』
「なら尚更ワシと一緒に来たらどうじゃ。何、こう見えても色々危ない目にあうのは慣れておる。
無論死にそうな目にあったことも何度もあったがそのたびに死神だって追っ払ってきたものじゃよ、ハハハハ」
『私に、何かできるかは分かりません。もしかしたら何もできないかもしれませんが、それでも大丈夫なのですか…?』
「別に移動する間の話し相手くらいになってくれればよい」
サファイアは少し考えるように浮遊し、顔を上げてジョセフを見て答えた。
『分かりました。よろしくお願いしますジョセフ様。ですが、その前に少しだけ時間をください』
「あの娘のことか?」
『…はい』
「まあワシとしても出るのは放送が終わってからというつもりじゃ。まだしばらく時間はある。行ってくるといい」
『ありがとうございます』
◇
それは、魔術礼装に宿された人工精霊が見た一人の少女の想い。
きっとそれが見えたのは偶然だったのだろう。
帝具・雷神憤怒アドラメレクによって放たれた奥の手による一撃。
それを防ぐための一撃を放とうとする巴マミに力を貸した園田海未。
だが、その威力は凄まじく生半可な魔力量でどうにかなる相手ではなかった。
それでも彼女はそれを行使した。
大切な友達を守るために。もう目の前で人を死なせないために。
その身の全てを、魔術回路に誤認させて巴マミの一撃を放たせるための支援をした。
神経を、血管を、骨格を、内蔵を、そして脳細胞さえも。
死ぬだろうということは分かっていた。しかしそれでも後悔はたくさんあった。
目の前にいた、同じ仲間のこと。
自分を守って死んでいった、一人の少女に対する悔恨。
そして、残していった、自分が支えてあげなければならない一人の幼馴染の少女に対する想い。
そしてサファイアは、その中で少女が伝えきることのできなかった様々な想いを、走馬灯のように流れていった、彼女の言葉を偶然にも読み取り、その身に残していた。
魔術回路として結合され、流れる魔力が彼女の脳細胞を焼き切るまでの時間、彼女が残した様々な人物に対する言葉を。
◇
結局私は海未の安置された部屋に移っていた。
少しは気を紛らわせたいと思った音楽室では逆に乱されただけだった。
何かが足りない、とざわめいた心は落ち着くことはなかった。
「…どうするのよ……、まだ、海未に歌詞をつけて欲しい曲、あったのに……」
部屋に置かれた3つの死体には全てに布が被せられている。
それぞれが全身を刃物で突き刺された少女、体のほとんどを炭化させた少女、そして全身を引き裂かれたように傷付けられた海未、と全て直視に耐えるものではない。
聞いた話では最も最初からいた少女は海未を守って死んだらしい。
そして炭化した少女、巴マミもまた海未を守ろうとして死んだ。
二人とも海未を守ろうとして死んでいったのだ。
なのに。
「何で、あんたまで死んでるのよ、バカじゃないの…」
穂乃果やことりに何て言えばいいのか。
あの二人はμ'sとしての付き合いがほとんどの自分以上に海未とは長い付き合いだ。
きっと海未が死んだと聞けば今の自分以上のショックを受けることだろう。
考えれば考えるほど思考が纏まらない。
どうしてこんなことになってしまったのか。
『西木野様』
膝を抱えて蹲っている私の元にやってきたサファイア。
だが正直今の精神状態で見たい存在ではなかった。
「…あっち行って」
『………』
そっけなく拒絶する言葉を投げる私。
だけどそれを言った後で、何やってるんだろうと自己嫌悪に陥る。
確かに海未が死んだのはこれのせいかもしれない、だけど今やっていることはただの八つ当たりではないのかと、そう思ったから。
だから、逆にそれでどこかに行くこともなくこちらの傍に佇んでいた時は安心している私がいた。
『園田様にあのような戦う力を与えてしまったのは私の落ち度です』
このような場所に連れて来られて不安がっていた海未の気持ちを少しでも紛らわそうと、思慮の足りぬままに契約をしてしまい。
それがこうして海未に必要以上の責任感を背負わせてしまっていたのだということに気付かなかったのだ、と。
『園田様は、この場に来てすぐに命を狙われ、そして美遊様の命と引き換えに助けられました。
そのことをあそこまで気に病まれていたことに気付けなかった』
「………もういいわよ。その代わり少し一人にさせて」
と、膝に再度顔を埋める真姫。
責める気持ちにはなれなかったが、誰かと話したい気分でもなかった。
『西木野様、……実は園田様が魔力行使をした際、脳細胞を魔力回路へと代用したことで園田様の最後に思った思考の一部が私の中に流れこんできました。
言葉だけでは伝えきれなかった園田様の想いが』
「……!」
膝に顔を埋めていた真姫が、顔を起こしてサファイアを見る。
『お聞きに、なられますか?』
◇
μ'sのみんな、そして真姫。ごめんなさい。
どうやら私はここまでのようですね。
μ'sは一人欠けてもμ'sではないと言われていたのに私は生き残ることはできませんでした。
後悔がないかと言われれば、きっと後悔しかないでしょう。
特に残される穂乃果のことを考えると、心配で胸が締め付けられる想いです。
だけど、こうすることでしか真姫やみんなを守る術が見つけられませんでした。
また美遊ちゃんの時のように、目の前で死んでいく人がいることに、私自身が耐えられなかったから。
みんな。こんな不器用な私を、どうか許してください。
穂乃果、あなたは必ず生きてください。例え私達がいなくなったらきっと悲しむのは分かっています。
もしかしたら受け入れられないことかもしれない。もしかしたら、この先もっと辛いことがあなたの身に振りかかるかもしれない。
それでも、決して自分を見失うことだけはしないでください。
そして真姫、凛や花陽、そして穂乃果と共に、あなたも絶対に生き延びてください。
生きて、私達のμ'sを――――――――バチッ
◇
「………何それ、意味分かんない…」
『………』
サファイアのその記録にあった音声、その言葉が海未の最後の言葉と被ったところでまるで何かが焼き切れたかのように小さなノイズ音を立てて終了した。
「何が私達のμ'sを頼む、よ…、何が穂乃果には生きて、よ。
ならあんたも生きなさいよ!あんたに守ってなんて、私一言も言ってないわよ!あんたがいなくなって、誰がμ'sの曲を作詞するってのよ!!」
地面に握り締めた手を打ち付けながら声を上げる真姫。
言葉を発したと同時に、悔しさや悲しさと同時にやりきれない情けなさが心を締め付ける。
自分が田村玲子に守られてぬくぬくと生きている間、海未はずっと死を間近で見せられ苦しんでいたのだ。
こんな言葉を投げかける自分の境遇を省みた時、どうしてもやるせなさを感じずにはいられなかった。
◆
「―――――…待ちなさいよ海未。”私達”がいなくなってもって、そう言った?」
しかし、そんな最中真姫は先のメッセージの中で引っかかりを感じた部分を思い出す。
引っかかりは一瞬だったが、しかし意識し始めるとどうしようもないほどに気になり始めた部分。
(…そういえば、さっきの言葉の中には、ことりの名前が全然出てなかった?どうして?)
海未にとっては穂乃果と並ぶほどに仲がよく、決して忘れる者ではないはずの存在。
何故彼女に対する言葉が全くなかったというのか。あの時は確かにことりのことを頼む、とそう言っていたはずだ。
しかし死の間際、彼女の本心に近い言葉を見た時にはその名前は影も形もなかった。
どういうこと?
しかし真姫がその真意に気付くまでにそう時間はかからないだろう。
彼女がそう思考している間にも、刻一刻と時計の針は定時放送が始まる6時を示そうと動いていたのだから。
園田海未と、そしてもう数人の自分の仲間の名が呼ばれるその放送が始まる時間を。
【G-6/音ノ木坂学院内/早朝(放送直前)】
【西木野真姫@ラブライブ!】
[状態]:健康、深い悲しみ
[装備]:金属バット@とある科学の超電磁砲
[道具]:デイパック、基本支給品、マカロン@アイドルマスター シンデレラガールズ、ジッポライター@現実
[思考]
基本:誰も殺したくない。ゲームからの脱出。
0:…………。
1:海未……、バカ……!
2:田村玲子と協力する。
3:μ'sのメンバーを探す。
4:ゲームに乗っていない人を探す。
[備考]
※アニメ第二期終了後から参戦。
※泉新一と後藤が田村玲子の知り合いであり、後藤が危険であると認識しました。
【田村玲子@寄生獣 セイの格率】
[状態]:疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:デイパック、基本支給品
[思考]
基本:基本的に人は殺さない。ただし攻撃を受けたときはこの限りではない。
1:脱出の道を探る。
2:西木野真姫を観察する。
3:人間とパラサイトとの関係をより深く探る。
4:ゲームに乗っていない人間を探す。
5:スタンド使いや超能力者という存在に興味。(ただしDIOは除く)
[備考]
※アニメ第18話終了以降から参戦。
※μ'sについての知識を得ました。
※首輪と接触している部分は肉体を変形させることが出来ません。
※広川に協力者がいると考えています。広川または協力者は死者を生き返らせる力を持っているのではないかと疑っています。
【泉新一@寄生獣 セイの格率】
[状態]:疲労(中)、ミギーにダメージ(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品0~2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない。
1:図書館に向かうか、それともサリアを探すか……?
2:後藤、浦上、血を飛ばす男(
魏志軍)、槙島、電撃を操る少女(御坂美琴らしい?)を警戒。
[備考]
※参戦時期はアニメ第21話の直後。
【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:疲労(中~大)
[装備]:いつもの旅服。
[道具]:支給品一式、三万円はするポラロイドカメラ(破壊済み)@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース、市販のシャボン玉セット(残り50%)@現実、テニスラケット×2、
カレイドステッキ・サファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード・ライダー@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、エドワード・エルリックのコート
[思考・行動]
基本方針:仲間と共にゲームからの脱出。広川に一泡吹かせる。
1:北に向かい、初春の友人の御坂美琴の説得とサファイアの仲間であるイリヤの探索、DIOの打倒に専念する。
2:仲間たちと合流する
3:DIOを倒す。
4:DIO打倒、脱出の協力者や武器が欲しい。
5:エドワード・エルリックという人物とは協力できるらしい。
[備考]
※参戦時期は、カイロでDIOの館を探しているときです。
※『隠者の紫』には制限がかかっており、カメラなどを経由しての念写は地図上の己の周囲8マス、地面の砂などを使っての念写範囲は自分がいるマスの中だけです。波紋法に制限はありません。
※一族同士の波長が繋がるのは、地図上での同じ範囲内のみです。
※殺し合いの中での言語は各々の参加者の母語で認識されると考えています。
※初春とタツミとさやかの知り合いを認識しました。
※魔法少女について大まかなことは知りました。
※時間軸のズレについてを認識、花京院が肉の芽を植え付けられている時の状態である可能性を考えています。
[サファイアの思考・行動]
1:放送後ジョセフに同行し北に向かい、イリヤとの合流を目指す。
2:魔法少女の新規契約は封印する。
【初春飾利@とある科学の超電磁砲】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1~3、テニスラケット×2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いから脱出する。
1:田村玲子としばらく共に行動する。第二回放送後に闘技場へと戻る。闘技場が禁止エリアになった場合はカジノ、それもダメなら音ノ木坂学院でタツミたちと合流する。
2:佐天や黒子と合流する。
3:御坂さんが……
[備考]
※参戦時期は不明です。
※殺し合い全体を管制するコンピューターシステムが存在すると考えています。
※魔法少女について大まかなことは知りました。
※ジョセフとタツミとさやかの知り合いを認識しました。
※DIOは危険人物だと認識しました。
※御坂美琴が殺し合いに乗っているらしいということを知りました。
【G-6/早朝(放送直前)】
【アンジュ@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞】
[状態]:疲労(大)、音ノ木坂学院の制服(下着無し)
[装備]:S&W M29(3/6)@現実
[道具]:デイパック×2、基本支給品×2、S&W M29の予備弾54@現実、不明支給品0~1
[思考]
基本:主催の広川をぶっ飛ばす
1:エンブリヲを殺す。凛を救う、ついでに。もしいる場所を推測するならジュネスや廃教会の方向?
2:モモカやタスク達を探す。
3:サリアは一応説得はするがもし無理ならば殺す。
4:エドワードは味方……?
[備考]
※登場時期は最終回エンブリヲを倒した直後辺り。
※真姫を除く一同の行った情報交換はこれまでのロワ内での出来事、そして知る限りでの要警戒人物や協力可能な人物についてです。
警戒対象:DIO、食蜂操祈、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(ただし保護対象でもある)、サリア、御坂美琴、エンブリヲ、
キング・ブラッドレイ、エルフ耳の男
また、自分たちの仲間であっても時間軸の違いによって敵対させられていることがある可能性を認識しました。
※マミ、海未の死体は音ノ木坂学院の空いた教室に運ばれました。美遊が安置されている部屋と同じ場所です。
※基本支給品×2(マミ、美遊)、巴マミの不明支給品1~3は回収済みです。誰が持っているのかは後続の人にお任せします
最終更新:2016年01月14日 02:56