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ここがいわゆる正念場 ◆BEQBTq4Ltk


図書館の机の上にはコーヒーカップが四つ置かれている。
雪ノ下はコーヒーを口へ運び一息つくとカップを戻し、疲れているのか目を擦る。
思い返せば殺し合いに巻き込まれてから随分と濃い時間を過ごしたものである。
無かった事にしたいぐらい濃い、とても濃い時間を。

「軍のトップ……セリム君のお父さんは相当強い人なのね」
「はい! 血は繋がっていませんが自慢のお義父さんです!」

殺し合いの中で一番寛げる今、セリム・ブラッドレイから彼の父であるキング・ブラッドレイの事を聞いていた。
容姿の特徴は眼帯。なんとも年頃の思考を刺激するようだが、話を聞く限りでは非の打ち所が見当たらない人物である。
軍の頂点に立つ男ならばカリスマ性と強さを兼ね備えているのだろう。
流石に現役時……子供を持つ年齢となれば劣っている可能性も十分考慮出来るが、それでも雪ノ下のような一般人よりは強い。

「早く会えるといいわね」
「そうですね……会える内に会いたいものです」

「会える内…………ね」

本当に濃い時間を過ごしたものだと思う。雪ノ下は視線を下に落として考える。
寛げる時間なんて本当は無いのかもしれない。外には殺人鬼が潜んでいるかもしれない。
もうこんな時間は、悪夢は終わって欲しい。誰も死ぬ必要は無い、そう、無い。

死んでいい生命など始めから生まれないのだ。こんな運命は間違っている。

「シンイチ、菓子」
「今の無くなったよ、アカメが全部食べたからな」

雪ノ下がセリム・ブラッドレイの隣に座っているならば、アカメは彼の対面に座っている。
彼女の隣に泉新一が座っており、小さいテーブルを四人で囲っている状況だ。

アカメは給湯室から見つけてきたコーヒーや茶菓子を配っていた。
配り終えるとコーヒーに手を付けず、茶菓子ばっかりを食べており皆が食べる分量も消費していた。
泉新一が幾らか探して持って来ていたが、それも尽きてしまったらしい。

茶菓子が無くなったことに対して頬を膨らませ何か文句を言いたげなアカメ。
その視線の先には泉新一が居るが、彼に訴えても茶菓子は出てこない。
彼は適当に笑いでその場を流し、アカメが平らげた皿を給湯室へ運ぶ。
椅子を引く際に、彼が見ていたのはセリム・ブラッドレイである。その挙動、全てが危険である。

(…………どうする)

皿を回収し、シンクに着くと蛇口を捻り今後を考える。
眠る間際にイギーが告げたセリム・ブラッドレイは人間では無い事実がシンイチを苦しめる。

なんとかこの場を抜け出したいところだが、生憎女性陣はセリム・ブラッドレイを見捨てるつもりはない。

傍から見れば可愛らしい子供である。殺し合いに巻き込まれた哀れな参加者の一人。
力の無い子供を見捨てる方がどうかと思う……抜け出す提案をしようにもセリム・ブラッドレイだけを放置する案など思い付く筈も無く……。

(このままじゃキング・ブラッドレイも来る……どうすれば)

音ノ木坂学院で仕入れた情報の中にキング・ブラッドレイは危険人物である。一つの懸念事項がある。
しかも彼は図書館へ向かっているらしく、このままだと襲撃に会う可能性が高い。
表向きは善良な参加者を振舞っているようだが――この状況でブラッドレイ親子が揃うのは非常に危険である。

親であるキング・ブラッドレイが素性を隠しているように、子であるセリム・ブラッドレイも素性を隠しているかもしれない。
それを裏付けるようなセリム・ブラッドレイは人間じゃない、と言うミギーの発言も相まって、ブラッドレイ親子は非常に危険な親子と言える。


さて、危険な事が解っているならばとっとと逃げろ。と言う話になってくる。
問題を理解しているのに放置するのは犯罪に近い。その場の罪から逃げ出せば後に何倍にも膨れあがる。

しかし雪ノ下雪乃とアカメはセリム・ブラッドレイに対し普通の子供として接している。
つまり危険意識が薄い。無いと言っても過言ではない。
そんな彼女らにセリム・ブラッドレイの危険性を説くをしても、不審がられるだけである。

(本田やタスク……先に戻ってくれば……いや…………)

「どうすれってんだよ……っ!」

蛇口を捻って水を止めると、苛立ち混じりに皿を食器棚へ置く。
結果としてセリム・ブラッドレイを刺激しないようにここから離れるしか無い。
そして、それは至難の業であり、外部要素――現状を打開する新しい出来事が必要である。
誰かが図書館に来れば……なんとかなるかもしれない。しかし。

(キング・ブラッドレイやセリュー・ユビキタス……先に来ないでくれよ)

助け舟が来るか嵐が先に来るか。
泉新一は一人、誰も預かり知らぬところで神に願う。






「シンイチ、もう食べる物は」
「ない」
「……………………そうか」
「アカメさんはよく食べる方なんですね!」


給湯室から戻り椅子に腰掛ける泉新一を迎える一同。
アカメは彼よりも茶菓子を所望していようだが、無いと返答を受けてまた膨れた態度を取る。
雪ノ下は我関せずといったようにコーヒーを口につけ、セリム・ブラッドレイは子供のような態度。

(これだけ見てると子供にしか見えない。けど――)

キング・ブラッドレイも表向きは真当な人間であった。本田未央やタスクとの交流を聞く限りでは。
同じようにセリム・ブラッドレイもまた――(さっきから同じことばっかりだな)牙を潜めているかもしれない。

「……顔色が悪いようですけど大丈夫ですか?」

「え? あ、あぁ……大丈夫だよセリム君」

「具合が悪いなら少し横になっていた方がいいぞシンイチ。私が見張りをする」

「此処に来てから泉君も過酷な時間を過ごしのよね……無理は良くないわね」

「いや俺は大丈夫だよ、ごめんな心配かけて」

皆の気遣いに対し泉新一は大丈夫と告げコーヒーカップを手に取る。
最初に反応してきたのがセリム・ブラッドレイなのは少々驚いた。
これが上手く人間社会に適応するための業なのかもしれない……そんなことを考えながら口にコーヒーを。

苦い。

コーヒーが苦く感じるのは味なのか、それともこの状況に対する泉新一の焦りを示しているのか。


そして図書館に新しい風が吹き荒れる――扉が開いて誰かが来るようだ。




図書館に向かう男女四名。
先頭に本田未央と小泉花陽。その後ろにウェイブ狡噛慎也が続いている。


「だから私はさ、私の笑顔でみんなが笑顔になればそれはとっても嬉しいな……ってHAPPYじゃない?」

「うん……! そうだよ未央ちゃん!」

「えへへ、ありがとね、かよちん!」


とても殺し合いとは思えない年頃な少女達の輝かしい会話である。
流れは不明だがアイドルを目指したきっかけの話となり、本田未央が喋った。その通りである。
話を通じていく際に小泉花陽はμ’sのメンバーから「かよちん」と呼ばれていることを知り、かよっちからかよちんに修正したようだ。

小泉花陽がゆっくりとした時間を取れるのは最初に肉丼を食した時以来か、或いは346プロダクションで白井黒子ロイ・マスタングと一緒に休憩した時だろう。
思えばあの時食した肉丼は嘔吐により全て流れてしまった感覚がある。我ながらよく食べれたものだ。
白井黒子。高坂穂乃果と一緒に行動している彼女。
キング・ブラッドレイの話では生きているようで……その情報は心の底から喜べる朗報であった。

ロイ・マスタング。
狡噛慎也の話だと今はキング・ブラッドレイのバッグに囚われているらしい。
魔法使いのように焔を操る彼は強い人間であった。彼が居なければ小泉花陽はも死んでたかもしれない。
エンヴィーの執念に囚われていた彼は外から見るととても可哀想な人間であった。
天城雪子の件もあり、彼がもし強い人間でなければ支える人間が側に必要である。

(でもあの人は自分で前に歩ける人だから……)

「どうしたのかよちん?」

「えっ……なんでもない、よ」

本田未央の声に我を取り戻す。
白井黒子やロイ・マスタングの事を考えても自分に出来ることは何もない。
彼らは生きている、そして強い人間だ。信じるしか無いだろう。


「ウェイブ、一ついいか」

「どうした狡噛? そんな畏まらなくでもいいだろ」

明るいと思われる会話をしている少女達の後方では大人の男達が一つ打ち合わせをしようとしていた。
狡噛慎也は本田未央達がこちらに気づいていないことを確認して息を吐くように提案する。

「図書館での情報交換だが俺に任せてもらってもいいか?」

「いいぜ、寧ろ頼む。さっきの会話でブラッドレイに触れなかったのも話を無駄に広げないためだろ?」

「……気付いているならそれでいい。セリム・ブラッドレイを無駄に刺激するのは避けたいんでな」

ウェイブがこちらの提案を予測していたようで狡噛慎也は若干驚くも、特に言及はせずに会話を終わらせる。
帝都とその他世界の価値観に現実を感じていたウェイブだが、腐ってはいないようだ。
本田未央も幸い、島村卯月の件でキング・ブラッドレイに悪い印象は持っていないようである。

――傍から見れば犯罪者であるセリュー・ユビキタスを殺そうとした男だ、話だけ聞けば何も悪い印象は抱かない。

図書館に居るメンバー……聞いた限りだとブラッドレイに警戒はしていないようだ。
上手くその場を収めて解散し、危険人物を隔離出来ればいいのだが。

小泉花陽が図書館へ向かうと言った以上、乗りかかった船だ。自分も付いて行く必要がある。
生命を賭ける程の話でも無いが、高坂穂乃果の願いを無下にすることは流石に良心が痛む。そして。

――槙島聖護……来るとすれば図書館か。あいつは書籍から引用して語る癖があったからな。
  図書館に来ないとすれば奴は北に向かうだろう……確証も無い勘だがな。

狡噛慎也とて図書館に行く理由はある。
問題があるとすればキング・ブラッドレイと槙島聖護の襲来が重なることぐらいか。

「なぁ狡噛……俺が余計なこと言ったら問答無用で遮断していいからな」
「それぐらい口が回れば問題無い、って訳にもいかないか。まあ自覚があるなら頼むぞそっちこそ、な」

ことを忘れて適当なことを言ってしまっては交渉も情報交換もクソもない。
ウェイブが少しは冷静で良かった、と思う狡噛慎也。
ただ「少し」で、ある。これで全て解決出来るとは到底思えないのが図書館の魔境さを表している。

懸念事項が一つ解消されただけではあるが、それは味方内での解決であり本題は違う。
素性を隠しているセリム・ブラッドレイからの逃亡、図書館へ向かっているキング・ブラッドレイからの退避。

ブラッドレイ親子が揃いに揃って殺し合いを左右する要素になっているのは何かの因果なのか。
こうなれば図書館をいっそ燃やしてしまえばいいのでは無いだろうか……などと考えたくもなる。

こうして狡噛慎也の長い一時が始まろうとしている。


先に歩いている本田未央と小泉花陽にも断りを入れる必要があるため、男性二人は女性陣に近づく。
特に小泉花陽はキング・ブラッドレイと実際に対面しており、セリム・ブラッドレイがホムンクルスであることを知っている。

狡噛慎也がブラッドレイ親子に関する情報を伏せたとして、引っかかるのは彼女だろう。
先に忠告をしなくては下手に会話をこじらせ、ブラッドレイを刺激する可能性がある。
嘘は駄目。なんて妄言は大人の世界――少なくても殺し合いにおいて適用されるはずもない。

「なぁちょっといいか?」
「ふぇ!?」
「……そんな驚かれるとなんか怖いぞ」
「す、すいません!……はぁ」
「いや、まぁ……和んだから良いよ、こっちもごめんな」

話し掛けようとウェイブが小泉花陽に接触するも想像以上に驚かれてしまい、固まってしまう。
勢い良く謝る彼女に対しても固まるが、逆に緊張が解れたようだ。
図書館にはアカメが居る。セリム・ブラッドレイの件を抜きにしてもウェイブにとっては大きな局面となる。
何せ今まで自分が信じて来た価値観と向き合うのだ、不安が無いと言ったら嘘になってしまう。当然だ。
結果として小泉花陽のリアクションに救われた形となった。一息つく訳でもないが連戦が続いていたため、大した休息を取れていなかった。

どんな形であれ心労を減らしてくれたことには感謝だろう。
互いが笑顔となり、一瞬ではあるが殺し合いの会場に笑みが溢れる。

「なるほどなるほど」
「どうかしたのか、顔がニヤついているぞ」
「いやなんでもないですよ狡噛さん……そうかそうかぁ」

それを後ろから眺める狡噛慎也と本田未央だが、彼女もまた笑顔になっている。方向性は違うようだが。

「ほほぉ~これはこれでアリ?」

単にゴシップネタが好きなだけである。


「取り込み中悪いがこれから図書館では話すことも沢山あるだろう。
 その中で主導権は俺に握らせてほしいんだが……任せてもらえないか?」
「私は大丈夫ですけど……どうしたんです?」
「私も解りました。ね、未央ちゃん? 狡噛さんに任せようよ」
「助かる……何が起きるか解らないからな。あまり余計なことは喋らないように頼む」

などと会話をしている内に彼ら四人は図書館へ辿り着く。
これから始まる会話は一部で腹の探り合い――ホムンクルスとの心理戦になる。
と言っても危険人物が図書館に入る前にセリム・ブラッドレイからの逃亡が目標だ。

交渉役は主に狡噛慎也。鍵と敵はセリム・ブラッドレイ。

「扉は私が開けますね」
「じゃあ開けてくれ本田」
「はーい……ってウェイブさんは何で剣を構えて……ん」

扉に手を掛けた本田未央はウェイブが臨戦体制に移っていることに疑問を抱く。
しかし何か気にしている様子、迂闊に触れない方がいいと判断し黙って扉を開いた。

すると。

「ただいま――っ」


扉が開いた瞬間にウェイブとアカメが飛び出す形となって両者対面となる。

互いに剣を構えている。目の前には元の世界から対立している宿敵のようなもの。
ウェイブは己の信じる正義のために。アカメは皆を守るために。


(なんだよ……)

暗殺者は他三人を守るように自身を前線に投げており、仲間には指一本触れさせないと謂わんばかりに睨みつけてる。
女性の一人は子供を守るように身体で視覚を遮り、もう一人の男も皆を守ろうと前へ出てくる。

(これじゃあ……)

本田未央は一触即発な空気に戸惑いながらも後続の狡噛慎也と小泉花陽を図書館の部屋の中へ誘導した。
狡噛慎也はウェイブの横を通る際、彼の肩に手を置いた。

(まるで……)

本田未央が「この人達は敵ではない」と説明すると、アカメ以外の三人は彼らを受け入れた。
泉新一は警戒を完全に解いた訳では無いが、本田未央が受け入れていることもあって余計な口出しはしていない。

「此処で戦うつもりなら――葬る」

刀を構える音が一室に響く。
透き通った鋭利な金属音が部屋に居る全員の神経を集中させていた。
ナイトレイドとイェーガーズ、共に世界のために争ってきた組織。
出会う場所が殺し合いの場であろうとその因縁、矜持に変化はあり得ない。

(アカメは仲間を守るために刀を握っている)

ウェイブが部屋に入った時、彼は剣を握り締めていた。
武器を構えた男が突然乱入してくれば誰だって身構える。アカメは皆を守るために前へ出た。
他の仲間も子供を守るため、戦うために行動している。

一つの先入観として、ナイトレイドと徒党を組んでいるならばその仲間も悪の認識があった。
だが、目の前の人間はそう見えない。
仲間を守るために奮闘する――弱き者を守るために活動する存在にしか見えない。

(まるで――正義の味方じゃねえか)

仲間のために刀を握り、己の正義のために剣を握る。
前者と後者、どちらも聞こえはいいがこの場の意味合いでは大きく異なる。

ウェイブの中で何かが崩れ去ると同時に、彼は剣を手放した。





『俺はナイトレイドを狩るよりも殺し合いから皆を守って広川を殺す』
『私もだ。此処で争うぐらいなら先にお前から葬る』
『だから今だけは――』
『――今だけは手を結ぶ』

短い会話だった。
ウェイブとアカメが休戦を結ぶのに掛かった会話は明らかに短い。
彼らは敵対していた。己が掲げる正義を信じて世界のために戦っていた。
根っ子は両者同じであり、イェーガーズが帝都の内部を正す組織ならばナイトレイドは外から正す組織であった。

図書館の会話自体は狡噛慎也主導で進んでいる。

イェーガーズ自体に内部を正そうとする者は多くなかった。しかしナイトレイドは全員信念を持っていた。
殺し合いに置いてウェイブとアカメが手を結ぶ大きな壁は彼が彼女を受け入れること。

殺し屋を見逃し、手を結ぶことを了承するか蹴っ飛ばすかの二択。
実際にはアカメが他の参加者を守る姿を見て、ナイトレイドの先入観は大きく崩れることとなった。

民を守る一人の女性にしか見えない。手配書が出回る帝都に蔓延る悪逆非道の集団に所属している殺し屋には見えなかった。
殺し合いに巻き込まれてから――まるでイェーガーズの方が悪ではないだろうか、と疑い始めてしまう。
主にセリュー・ユビキタスの行動になるのだが、やはり倫理観が大きく常人とは離れている。

彼女とてイェーガーズの一員であり、信じる正義は本物であった。
行き過ぎただけである。無論彼女の正義は悪逆非道をも兼ね備えており、悪い行動が目立っていた。
道理も説明出来ない正義はただの暴力であり、その執行者はキチガ――道を踏み外している。

晒し首の件も同じだ。
自分達の常識を世界の理と勝手に捉えているから、民に不快を与えていることに気付かない。

クロメのことなんだけどよ」

コーヒーを口に含ませたあと、歯切れ悪く彼女を思い出す。
「……イェーガーズでのクロメはどうだった?」
もう逢えなくなってしまった妹。遠くに行ってしまった妹の日常を姉は尋ねる。
「菓子ばっかり食っててさ。奪うつもりも無いのにあげない! とか言ってきてな」
姉妹は似る者なのか、と聞いていた泉新一が内心に思っている。
アカメは少しだけ微笑むとウェイブの言葉を待つため彼の方へ向いた。

「仲間思いの奴だったよ。俺の大切な仲間だった」

「――それはよかった」

少しだけ。
ほんの少しだけテーブルに涙が一滴、静かに落ちていた。



「そのキンブリーという奴を知っているのかセリム?」

狡噛慎也主導で進む情報交換は基本的に円滑に進んでいた。

提示されて来たサリアの件や血を使う男の話など収穫はあった。

プロデューサーが見つからず、タスクが別行動を取って探しにいったこと。
ウェイブ達が遭遇したホムンクルスエンヴィーと錬金術師であるキンブリーのこと。
その交戦で天城雪子が生命を落としたこと。セリュー・ユビキタスとの戦闘があったこと。
本田未央の友達である島村卯月が生命を落とし、セリューも狡噛慎也の手で死んだこと。

どれもキング・ブラッドレイ関連を伏せて狡噛慎也は説明していた。
セリュー・ユビキタス戦に駆け付けた正義の味方として話している。
此処で大総統が殺し合いに乗っている――などと話せばセリム・ブラッドレイがどう動くか全く予測が出来ない。
時折ホムンクルスという単語をチラつかせ尻尾を掴もうとするが、相変わらずセリムは幼い子供のそれと同じ。
狡噛慎也はカマをかけるため、キンブリーの名前を使う。

「どうして僕にそんなことを聞くんですか?」
「キンブリーの名前が出た時、少し反応してたからな。知り合いか?」
「いえ……話には聞いたことがあります。上官殺しで捕まった錬金術師が居ると」

ゾルフ・J・キンブリー……クロメを殺した男」

結局セリム・ブラッドレイの皮を剥がすことは出来ない。
キンブリーの名前を刻んだアカメは妹の敵である彼をこの手で葬ると決意する。
この世界に――裏の世界に踏み込んだ時から常に死と隣り合わせで生きてきた。
死んでも仕方がない。だから、せめて。この手で仇を取ろうと一人、新たな決意を固めていた。

「もしかしたらキング・ブラッドレイさんはそのエンヴィーって奴らと遭遇しているかもしれない」
「そうだな。位置的には遭遇していても可怪しくはないな。
 大総統と呼ばれていただけのことはある――あの男が簡単に死ぬとは思えないがな」

泉新一が地図を広げながら位置情報を確認する。
それに対し狡噛慎也は返答するも、そもそもブラッドレイ関連は嘘を含んでいるため適当だ。

「セリム君の前でそんなことを言うのは関心しないわね」
雪ノ下雪乃は子供の前で親の生死を話す彼らに苦言を呈する。
「それは私も思いました。そう言えば由比ヶ浜――かよちん?」
本田未央も雪ノ下雪乃と同意見を呟き、狡噛慎也の話に補足を入れようとする。
死んだと聞いていた由比ヶ浜結衣の話は説明しなくていいのか――と、言おうとしたところ、小泉花陽が本田未央の袖を引っ張った。
無言で首を横に振り「今は静かにしてよう」とサインを送る。受け取った本田未央は解ったと小声で呟いた。

「キンブリー……あいつだけは」

ウェイブはキンブリーと遭遇している。人形と化したクロメとも遭遇している。
許せない。あの男だけは許せない。
大切な仲間を殺し、その死後さえ縛るあの男を許す道理など彼の中で存在する訳がない。
忘れたくても忘れられない復讐心を燃やしながら彼は一言呟いて立ち上がる。

「ちょっと外の空気吸ってくるわ」

これでは復讐心に囚われ焔を燃やすマスタングと変わらない。
頭を冷やす意味も込めてウェイブは外へ出て行った。














「他に外に行きたい奴はいるか?」

狡噛慎也の発言に誰も手を挙げることはない。
それを確認すると狡噛慎也自身も外へ出ると発言し、部屋を後にした。

「なら俺も席を外そう」

――泉新一から聞いたが槙島聖護……あいつは何処に居る。

高坂穂乃果の証言と同じようにあの男は音ノ木坂学院付近にいるようだ。

――地図で考えれば音ノ木坂学院から西か北、或いは南か。

もし図書館に現れなければ北か南に行ったことになるだろう。
この場を後にし高坂穂乃果と合流するよりも自分は別行動を取った方が槙島聖護と早く遭遇出来るかもしれない。
幸いウェイブとアカメの戦力もある。最悪自分が離れても戦える力が残っている。

タバコを取り出し火を点けると、狡噛慎也は外に続け扉に手を掛けた。


「…………海未ちゃん」

泉新一から改めて音ノ木坂学院の話を聞いた小泉花陽の顔が雲掛かる。
大切な友達の死を聞くのは何度繰り返しても慣れることは不可能である。
何でこんなことになったのか……それは誰にも解らないだろう。
本来の人生において、殺し合いに巻き込まれる予定などあり得ない、運命は残酷である。

けれど小泉花陽は死んだ仲間と違って生きている。前を向ける。未来に向かって生きていける。

立ち止まっていては死んだ仲間に合わせる顔が無い。
だから――星空凛が守ったセリム・ブラッドレイと出会いたかった。

目の前の少年はロイ・マスタングからホムンクルスと聞いていた。
そのホムンクルスはあのエンヴィーやキング・ブラッドレイと同じである。
見ているだけではただの少年にしか見えない。本当にホムンクルスなのだろうか。
きっとそうだ。ロイ・マスタングが嘘を憑いていることは無い。

「ねぇセリム君」
「小泉花陽さん……その、星空凛さんは」
「――っ」

どうにか聞き出そうとした核心を相手側から示されてしまった。
言葉が詰まってしまう。何を聞けばいいのか。
最期を聞くのか――そんなの知りたくない、心の何処かで生きていることを願っているから。
ホムンクルス――何のために狡噛慎也とウェイブが伏せて話していのか解らなくなってしまう。

「僕を庇うように、それで、その……ごめんなさい」

「セリム君が謝ることじゃな、いと思うから……それに凛ちゃんだって」

後悔は無いと思う。その言葉が出て来ない。
死んだことに対して後悔を抱いていないのか、そんなの本人にしか解らない。
その行動自体に後悔何て絶対に抱いていない――少年を守れたのだから。

「すいません、僕も少し席を……」

「いいよセリム君。それじゃ泉君が外まで案内――って泉君は?」

「彼なら外に出て行ったわ。セリム君、一人で大丈夫かしら?」

「大丈夫ですよ本田さん、雪ノ下さん」

彼も星空凛の死に対して何か思うことがあったのか、外に出ると提案した。
それに反応する本田未央と雪ノ下雪乃。泉新一も外に出ているようである。

一人で大丈夫と言い放たセリムは扉から出て行く。部屋に残されたのは女性四名。

顔を伏せている小泉花陽の頭をそっと撫でる本田未央。
彼女も渋谷凛と島村卯月――大切な仲間を失っている。だから小泉花陽の気持ちも理解出来る――かもしれない。
自分だってまだ気持ちの整理がついていない。しかし本人が解決するしかない。だから。

「今は泣いていいんだよ……かよちんは今、泣いていい」

気持ちの嫌な部分を涙と共に流せばいい。
自分の胸を貸した本田未央は優しく耳元で呟いた。



そしてまた、図書館の扉が開き、新たな参加者がやって来る。





「何一人で黄昏れてる」

「狡噛か……いや、案外アカメとすんなり終わってよ。なんか安心しちまった」

図書館の前で座っているウェイブの隣に立った狡噛慎也が声を掛ける。
煙草の煙と共に言葉を吐き出し、一人何か考えているウェイブを気遣う。
勿論狡噛慎也は煙草が吸いたいこともあって外に出ているのだが。

「お前らの領域に口を出すことはしないが、こんな状況じゃ正義も悪もあったもんじゃない」
「同感だ。自分の信じる正義って奴と他人の信じる正義って奴は場面が違えば本当にくだらない」

数多の世界が重なりあったこの空間に常識など通用する筈がない。
寄生生物、帝具、錬金術、ホムンクルス……どれもファンタジーで現実味に欠ける。
それにスタンドやペルソナ、下手をすれば彼らに機動兵器が襲い掛かって来る可能性もある。
不可能はあり得ない。そう思わなければやっていけない。

「すいません、一つ聞きたいことがあります」

「お前は……泉新一か」

新たにやって来た泉新一の顔色はお世辞にも良いとは言えない。
何か言いたげそうな表情をしており、彼らは黙って言葉を待つ。

「セリム・ブラッドレイとキング・ブラッドレイについて――」

「奴らはホムンクルスだ――とかか?」

「知ってて……!? 奴らってことはキング・ブラッドレイも」

「ラース、と言われいたホムンクルスだ」

「じゃあさっきの情報交換はセリム・ブラッドレイを刺激しないためにわざと……なら、こっから早く!」

「そうだな……そろそろ潮時だろう。
 此処でセリム・ブラッドレイだけを置いていくのは不可能だ。
 適当に敵襲が合ったと嘘を吐いて図書館から離れるしか無いな」

泉新一は驚く。ブラッドレイ親子の素性を知っているのは自分だけだと思っていた。
先ほどの情報交換ではホムンクルスについて触れられていたのはエンヴィーだけ。
ならば狡噛慎也は全て計算して話していた――セリム・ブラッドレイを刺激しないために。

泉新一にとってこの転機は有り難い。手詰まりだった状況から脱出出来るのだ。
ミギーが眠っている間、絶望に近い状況だったがまだ希望は残されている。


「誰がホムンクルス何ですか――狡噛慎也さん?」


しかし絶望はまだ残っている。
尋常じゃない殺気を放ちながらセリム・ブラッドレイは男性陣三名に問を投げる。

汗が止まらない。
泉新一は振り返らない。向いてしまえば其処にはホムンクルスが笑っている。

「自分から言ってくるとは狙いは何だプライド」

「そうですね……あまり面倒なことにはしたくありませんが貴方達は私の正体を知っている」

「じゃあ此処で殺すって話になるんじゃないだろうな」

「話が早くで助かりますよウェイブ」


散開。


プライドの言葉と同時に三名は大きくその場を離れた。
図書館を戦闘に巻き込まないために少ない時間で大きな距離を離すために。
彼らが居た場所は無数の影によって大きく陥没していた。

「これがマスタングの言っていた影を使う能力か」

「やはりマスタング大佐から聞いていたんですね。
 さっきの話では一切私やラースの正体に触れていない。逆に怪しいと思いまし――っ」

声を遮るように狡噛のリボルバーが放たれるも影で防がれてしまう。
新たに襲い掛かってくる影を右へ大きくスッテプし避ける。

「本当に怪物なんだなお前は。
 その癖に人間を気取って紛れ込んでいるとは質が悪いな人造」

更にリボルバーから銃弾を何発か放つも全てが影に遮られ無駄弾となる。
その隙を付いてウェイブが背後に接近し斬り掛かろうとするも影に進路を塞がられる。

見の危険を感じ、大きく後退しながら影の猛攻を剣で受け流す。
一つ一つの衝撃が予想よりも大きく、セリム・ブラッドレイもキング・ブラッドレイと同じホムンクルスであるといことを実感する。





「遊んでいる暇は――逃しませんよ」

戦闘の隙を狙って泉新一は図書館へ走っていた。
中に残っている仲間に危険を知らせこの場から離脱することが目的だがプライドは逃さない。

鋭利な影が串刺しにせんと襲い掛かるもウェイブが割って入り、これを防ぐ。
狡噛がプライドの右目をリボルバーで吹き飛ばす――つもりがこれも影に防がれる。

決定打を与えられていないが、泉新一を図書館へ行かせることには成功した。

「邪魔をしないでもらいたいですね、人間」

「こっちの台詞だホムンクルス。お前と言いキング・ブラッドレイと言い……ったく。
 同じ世界のマスタングに同情したくなっちまう」

「マスタング大佐は別行動と聞きましたが今は何処に」

「お前が知る必要は無い。あの世に持っていく土産なぞ不要だろうッ」

背後に回りこんだ狡噛の銃弾が今度こそプライドを捉えた。
後頭部に着弾した傷は――赤い閃光と共に修復されていく。

「俺は二日酔いでも何でもないぞ。ホログラムでもあるまい――怪物め」

目の前に居る存在は人間ではない。
犯罪者はどれも理解出来ない行動を取るが、彼は人間であった。
しかし目の前のプライドは正真正銘の怪物だ。

さて、どうする。

狡噛慎也とウェイブは何を目標にこの場を遣り過せばいいのか。



階段を一気に駆け上がる。
息が切れようが足を休ませることはしない。
一時の誘惑に負けてしまい、未来を溝に捨てる行為など痴がましい。
泉新一は図書館から皆を率いて脱出させなくてはならない。
そのために狡噛慎也とウェイブがプライドの相手を引き受けている。自分の役目を果たせ。


「外でセリム・ブラッドレイが――……?」


勢い良く扉を開けた泉新一は声を詰まらせる。
小泉花陽だけが何やら怯えるように震えており、それ以外は平然としていた。

「セリム君がどうかしたの? 泉君?」

給湯室からコーヒーを運んで来た本田未央が外から帰ってきた泉新一へ。

「いやだから……そのコーヒー、誰のだ?」

お盆の上に置かれているコーヒーカップに違和感を覚える。
テーブルの上にはアカメ、雪ノ下雪乃、本田未央、セリム・ブラッドレイの四つが並んでいる。
次の一つは誰の物になるのか。まさか自分ではあるまい。

「そう言えば泉君、セリム君はまだ外かしら」

「そうだねー折角……って泉君、どうしたの?」

泉新一の耳に女性の声は届かない。
何で小泉花陽が怯えているのか。どうして新しいコーヒーカップが運ばれて来たのか。
その答えは彼の視線の先に居る男が物語っている。直感で解ってしまった。

「私の息子がどうかしたのかね――泉新一君?」

その声を聞いたことは無い。
その姿を見たことは一度も無い。
その男と繋がり何てあってたまるものか。
だけど、知っている。いや、解ってしまったのだ。この男を。


「キング・ブラッドレイ……ホムンクルスのラース……ッ!!」

何のために狡噛慎也が情報を伏せていたのか。自分でも馬鹿らしくなる。
現状をそのまま言葉に出してしまった。
ホムンクルスの情報は事前に狡噛慎也から聞いている。エンヴィーだけだが。
しかし、それだけで警戒する対象になる。唯一の戦力であるアカメは既に抜刀していた。

「ホムンクルスってさっき狡噛さんが言っていた……?
 嘘ですよね、ブラッドレイさん……ブラッドレイさんがホムンクルスだなんて」

本田未央の口から溢れる本音。
ホムンクルスとは怪物だ。傷が再生したり他人に変身出来たりするらしい。
とにかく人間じゃない――キング・ブラッドレイが人間ではないことを信じられない。

「それはどう思うかね、小泉花陽君」

ブラッドレイは自分の口から語らず小泉花陽に話題を移した。
彼女は彼が到着してからずっと震えていた。
その光景を皆は「恐怖の対象はブラッドレイ」など認識してない。それは誤りだった。

「貴方もセリム君も……やっぱり、ホムンクルスなんですね……っ」

小泉花陽の言葉を引き金に三者が動き出す。
キング・ブラッドレイは両手に剣を握り、自分の正体を知る人間を殺すために。
アカメは仲間を守るためにその間に強引に割り込んだ。
泉新一は戦う力の無い少女達を守るために走る――戦えないのが情けない。

金属音が響く。
剣同士が鬩ぎ合い、両者互いに引くことを知らないらしい。

「セリム・ブラッドレイはお前の息子ではないのか!?」

「聞いていたろうに。奴と私はホムンクルスで私は奴の弟だ。
 手荒な真似はしたくないがタスクも居ない以上長居するつもりはない。掃除をして帰らせてもらう」

「は――ッ!?」

「嘘だ」

二本の剣でアカメの刀をかち上げると、無防備になった彼女の胴体にブラッドレイは蹴りを叩き込む。
ピンボールのように軽く飛ばされた彼女は本棚を巻き込んで大きく吹き飛ばされた。

「アカメ! っくそ!」

女性三人を安全な場所に避難させようとしていた泉新一が声を荒げる。
ブラッドレイは此方に向かいその足を走らせている――対処しなければならない。


適当に本棚から本を抜き取りブラッドレイに投擲を開始。
その腕力は常人離れしているが、簡単に引き裂かれてしまう。
距離はもう近い。電気スタンドを手に取り即席の武器として立ち向かう。

「戦う意志は見上げたものだが――舐められているな」

ブラッドレイの攻撃を防いだつもりであった泉新一の胸に横一文字の傷が浮かび上がる。
電気スタンドごと斬り裂かれた彼は呼吸が止まってしまい、僅かな瞬間ではあるが硬直してしまう。

「そのまま落ちて死にたまえ。私の正体を知らなければ少しは長生き出来たかもしれんがな」

アカメ同様蹴り飛ばされた泉新一は窓ガラスを突き破って外へ放り出されてしまう。
腕を伸ばしても届かない。ミギーが起きていればこんなことには――腕は掴まれた。

「諦めないで!」
「もう私の前で誰も死んでほしくないのよ……!」

雪ノ下雪乃と本田未央が泉新一の腕を必死に掴んでおり、彼の落下を阻止していた。
引き上げようと頑張ってはいるが、ブラッドレイは待ってくれない。
彼女らごと斬り裂こうとするも、彼の目の前に本棚が滑り込んで来た。

バックステップでこれを回避。直撃していれば人間の骨は折れている。
崩れた本棚の影から接近してくるアカメの攻撃を左腕の剣で防ぐ。
空いた右腕の剣で身体を斬り裂こうとするも空を斬る。アカメは既に背後へ移動していた。

「面白い!」

ブラッドレイは生きている本棚を掴み、それを引き倒す。
床に大量の書物が散らばりアカメの足を止める雑音となった。
足を取られたアカメの隙を狙い突きを放つ。

彼女は刀身上を滑らせるようにその突きを受け流すと、勢いを殺さずブラッドレイに肉薄。
肘打ちを叩き込むに成功すると、足を蹴り上げ足元にある書物をブラッドレイの顔面に直撃させた。

どれも有効な一撃になっているとは思えないが一撃は一撃である。
距離を取りブラッドレイの動きと泉新一達の動きを視界に捉える。
彼は引き上げられており、時間稼ぎの必要はもう少しで終わる。最も時間稼ぎで終わらなければいいのだが。

書物によって眼帯を外されたブラッドレイはそれを拾い、ポケットに仕舞い込んだ。

「視えているのか」

「この眼は良く視えるぞ――貴様の太刀筋もな」

風のように一瞬で距離を詰めたブラッドレイは剣を横に払う。
アカメは上半身を仰け反らせて回避、続く攻撃も刀で防ぎ、弾き飛ばす。
一歩踏み込みブラッドレイの肩を狙うも、刀の柄を片方の剣で抑えられ失敗。

もう片方の剣で顔を刺されようとなるも、強引にブラッドレイの腕を掴み切っ先を逸らす。
剣先は頬を掠め取り血が流れるも戦闘に支障はない。身を低くし接近する。しかし。

「視えていると言ったばかりではないか」

気付けば目の前にはブラッドレイの右膝がカウンターのように置かれていた。
避ける術も守る業もない。つまりアカメは直撃を顔面に貰う形となった。


身体を折り曲げたところに追い打ちで顎を蹴り飛ばされ大きく天井を見上げる。
意識が一瞬飛んだようだ。急いで刀を防御行為に移行するため引き寄せるも遅い。

「しまっ――ッ!」

既にブラッドレイの剣はアカメの首を跳ね飛ばさんと迫っている。
刀の位置はまだ胴体部分、回避行動に移行するにも気付くのが遅過ぎる。
クロメの仇であるキンブリーにも会えないまま此処で死ぬ。

否、断じて否。

「しっかりしろアカメ!!」

力任せに泉新一がアカメの身体を引っ張り強引にブラッドレイの一撃上から首を逸らす。
本田未央達に引き上げられた彼は止血をする暇も割いてアカメ救出に走っていた。
しかしミギー亡き今、彼にブラッドレイと正面から戦う力は無い。

「勇気ある行動は時に無謀で愚かな行動となるが……自らを捨て仲間を助ける覚悟は見上げたものだな」

よって迫る剣を防ぐ方法など最初から存在しないのだ。戦闘に割り込んだ時点で彼の死は決まっていた。

「お前もしっかりしろシンイチ!!」

ならば戦う力を持った者が皆の分まで戦えばいい。
泉新一に助けられたアカメは彼と同じように身体を引き寄せブラッドレイの攻撃を回避。

続けて刀を振るうも空を斬る。更に一撃。防がれる。一歩踏み込んで強めの一撃。これも防がれる。
何度も何度も刀を振るうがブラッドレイに直接刀を触れさせることは出来なかった。

「はぁ……はぁ……」

息が上がってくる。
顔面に貰った一撃が効いており、身体が思うように動かない。
泉新一も胸から出続ける出血に苦しまされ、今は本田未央達に止血をしてもらっている。

対するブラッドレイは途中肉弾攻撃を貰ったのみ。大きなダメージは零である。
剣を振り、血液を飛ばすとアカメの方へゆっくりと歩き始める。

「首輪を外す段取りを確認しようとしたがタスクが居なくては意味が無い。
 それに私の正体を知っている君達を生かしといては何かと不都合なんでね……セリムも知っているならば尚更だ」

「全員殺して願いを叶える……馬鹿げているな」

「抜かせ小娘が。最初から願いなどあてにしておらんよ。
 無駄に殺す必要も無いが帰る術が無いならば広川から直接聞く必要がある。そのためには」

「全員殺して最期の時……その力をどうして脱出に役立てない」

「言いたいことはそれだけか。生憎もう直面倒な連中が来るかもしれんからな」

そしてブラッドレイを剣を振り上げる。
外でプライドが戦っていれば戦闘音を聞いて誰かがやって来るだろう。
それに生きていると思われる島村卯月も来る……彼女は別段、警戒対象でもないが。


プライドも表向きは一人の市民として振舞っていたようだ。
素性がバレてしまえば今後が動きが制限されてしまう恐れがある。芽は早々に摘むべきだ。

「アカメさん!!」

叫び声は届いても動力にはならない。泉新一も、本田未央も、雪ノ下雪乃も誰もが助ける力を持っていない。
黙って見ているしかない。アカメが殺される瞬間をその目で。

これ程自分が無力と感じてしまう時が嘗てあっただろうか。
弱い。弱い自分が情けない。動ける人間になりたかった。



ならば、動ける人間こそがこの場を打開する鍵になる。



「――むッ!?」


一室に走る赤い閃光。

その発信源はブラッドレイのバッグだ。
彼はこの光を知っている――錬金術の光――それも賢者の石を使用したものだ。
バッグの中に入っている存在と言えば一人しか居ない。

「邪魔をするか、ロイ・マスタング!」

バッグを外へ放り投げる。
窓を突き破ってしまえば後は落ちるだけ。脅威にならない。しかし。

「捕った!!」

何が起きているか解らないが本田未央はそのバッグをキャッチした。
舌打ちをするブラッドレイを見て何かいけないことをした気分になるが関係ない。
何故ならばバッグから一人の男性が登場したからだ。


「この状況――言い逃れは出来んぞラース」


「邪魔ばっかりしよってこの人間風情が」


炎の錬金術師ロイ・マスタング。
遅れながら図書館を舞台にするホムンクルス戦最期の参加者の登場だ。

「私を救ってくれて礼を言おう。こんな状況で無ければお茶にでも誘うんだがね」
「あっはい……」

本田未央に短い礼を述べると掌を合わぜ床に置く。
青い閃光が走ると床は盛り上がり、アカメ、泉新一、雪ノ下雪乃、本田未央を囲むように壁へと錬成された。

「言いたいことは沢山あるがまぁいい。図書館にはこれだけの書物がある。よく燃えると思わないか?」

「貴様ッ!」

「後でゆっくり話そうじゃないかラース。バッグのことも、アメストリスのことも――何もかもッ!!」


パチン。
掌を合わせ指を弾く。


焔が錬成されると同時にブラッドレイは駆け出し窓から身を投げ出す。
狭い室内の中で焔の錬金術師と戦うには部が悪すぎる。広範囲で燃やされては避ける以前の問題だ。
戦略的撤退とでも表そうか。無事着地したブラッドレイは東へと走る。

「全くまるで狙ったかのように飛び出して来たもんだ」

愚痴の一つでも零したくなるがまあいい。
奴らを残しておいても付近ではプライドが戦っているらしい。
どの道彼が処分してくれるだろう。ならばこの場は任せても問題無いだろう。

「さて――私はどうする、か」

自分の正体はどうやら思ったよりも広まっているらしい。
この付近にはタスクがいるようで、接触する価値はまだありそうだが――どうするべきか。


スプリンクラーが図書館内の鎮火に励んでいる中、泉新一達は壁から出て来た。
燃えた書物は全体の二割程度といったところだろうか。何にせよブラッドレイを退けれたのは大きな成果と言える。
あのままでは全員死んでいた。からくりは不明だがバッグから出て来たマスタングに感謝するべきだ。
しかし一向に休む暇は無い。

「私の知り合いがいないようだが……ウェイブや小泉花陽君はいないのか」

「ウェイブと狡噛慎也さんは外でセリム・ブラッドレイと戦っているよ……助けにいってくれ」








「……ん――あ、かよちんは?」












森の中をプライドは一人歩いている。
交戦していた狡噛慎也とウェイブは遮断物の多い森の中ならば戦えると判断し移動していた。

「全く無駄な努力ですね」

しかしその程度で戦力を軽減させられるプライドではない。
元に二人には傷を与えており、狡噛慎也に関しては足に傷を負わせている。
そう遠くへは移動していないようだが――補足した。

「上着が木からはみ出していますよ、狡噛さん」

ジャケットが見える。逃げたつもりだろうが爪が甘いとは人間は愚かである。
プライドは優しい神ではない。当然のように情けを掛けることもなく影は狡噛慎也を貫いた。


「やってくれますね――ッ!!」


しかし影が貫いたのは上着のみ。そもそも狡噛がわざと置いておいたダミーである。
本人は別の場所に身を潜めており、リボルバーから弾丸を放ちプライドの足止めを行う。
よく見れば出血しており、プライドが言っていたとおり右足を掠められているようだ。


狡噛が時間を稼いでいる間にウェイブは――木の上から飛び降りプライドに奇襲を掛ける。
手に持っているのは剣とバッグ。

「この中にでも入っていろホムンクルス!!」

プライドの頭に被せるようにバッグを振るうも彼は横に飛び、これを回避。
すると間髪入れずに影はウェイブを包囲、逃げ場が無くなってしまう。

「能力の無い人間にしては良く頑張ったとは思いますが……お別れです」

「チッ……この怪物め」

プライドが腕を振り上げる。
これが降ろされれば影は一斉にウェイブを殺しに掛かるだろう。
そして次は狡噛慎也が対象となる。完全な手詰まりだ。為す術もない。



「セリム君!!」



戦場に似合わない少女の声が響く。
「貴方はたしか小泉花陽さんでしたね」
「やっぱりホムンクルス……じゃあ凛ちゃんは怪物を助けるために死んだの……っ」

影を操り銃弾で貫かれても再生するその姿は人間では無い。
泉新一の報告を聞いてから走って来たものの、嫌な予感は当たるものだ。

信じたくなかった現実が目の前に反り立つ壁となって障害となる。

「星空凛……彼女は僕を庇って死にました」

プライドは思い出す。ホムンクルスとは異なる怪物に襲われた時を。
その時に庇ってくれた一人の少女のことを。

「彼女には感謝しています……おかげで私も少しは素性を隠すことが出来ました。
 それも此処に居るウェイブや狡噛慎也のせいで結局は無駄死となりましたがね」

「無駄じゃない!!」

「言い切れますか?」


プライドの言葉に反射で叫ぶ小泉花陽。
無駄死? 誰が? 星空凛が? 冗談じゃない。
彼女は守るために死んだ。誰を、プライ――いや、セリム・ブラッドレイを。

「凛ちゃんが守ったのはホムンクルスプライドじゃなくてセリム・ブラッドレイ……貴方を守ったの」

「何を言って……なるほど。私の正体と大総統の息子としての姿、両方を知っているんですんね。残念ながらこっちの姿が本物ですよ」

「貴方は何も思わないの……何も思わないの!?」

「―――――――――――――」

少女の叫びにプライドは眉をひそめる。
星空凛に庇われてから思考にノイズが走るのは事実である。
ブラッドレイ夫人と重なったソレは自分を守ってくれる対象であった。

以前ラースに人間に染まり過ぎたと忠告したこともあった。しかしそれは自分も同じらしい。
長い間セリム・ブラッドレイを演じている中で、情けないが人間に染まっていた。
ブラッドレイとしての生命も悪く無い――そう思っていたかもしれない。

自分を守ってくれる人間。その点で言えば星空凛も同じだ。
こんな自分を守ってくれた少女だ。何も思わない何て嘘になる。
人間らしい感情を得た――自分でも信じられないとプライドは思う。

それだけは伝えなければ――人間としての、セリム・ブラッドレイとしての声を。













「何も思いませんね。
 たかが会って数時間の人間に抱く情などありません」



ブラッドレイ夫人と同格……そんなことはあり得ない。
一つ認めよう。人間に対して情が生まれたのは事実である。
長い間演じたセリム・ブラッドレイの仮面は思ったよりも心地よかった。それだけだ。

「これで満足ですか……では死んでください、貴方も」

絶望によって全ての希望を砕かれた小泉花陽は無言だった。
その瞳はただプライドを見つめており、身体を動かす気配は感じられない。

ウェイブは影の包囲網の隙間から抜け出すと、彼女の盾になるように目の前へ。
狡噛慎也は銃弾を補充し、この場を打開するべく脳内の思考を回転させている。

「凛ちゃんは」

「?」

「凛ちゃんはそんな人のために死んでなんかいない!!」



「人間では無くてホムンクルスですが……さようなら」

彼女の声が虚しく響くと影が襲い掛かる。
ウェイブが剣を握り構えてはいるが、全てを防ぐことは無理である。


四方から遅い掛かる影から逃げる方法は上だけ。しかし飛ぶ方法など存在しない。
グランシャリオでもあれば展開は大きく違っただろう。少なくとも狡噛慎也共にこんな傷を負う必要は無かった。

だが助かる方法もある。
逃げれないかと見上げた上空からアカメが降って来た。
もう一度、アカメが降って来た。

「お前何で」

「舌を噛むぞ」

ウェイブと小泉花陽を抱えるとその場から大きく跳躍し近くの木に着地する。
新たな乱入者に驚くプライドではあるが、殺す対象が増えただけである。

「来てしまいましたかアカメさん」

「それがお前の本当の姿かセリム・ブラッドレイ」

「ええ、ホムンクルスのプライド。そう呼んで貰って構いませんよ。呼べる機会があるなら」

アカメが着地した木に向かって影が襲い掛かる。
彼女は二人を抱えたまま木々を飛び移りながら移動しこれを回避。
大地に着地した所を影が狙うも、大地の隆起によって出来た壁に防がれる。

「貴方は――ロイ・マスタング!」

「これはこれはお久しぶりですねセリム・ブラッドレイ……いや、ホムンクルスのプライド」

「お前ブラッドレイはどうした」

「なに、図書館で一戦交えて来たよ。逃げられはしたが」

「な……皆は無事か?」

「少なくても君よりは無事だぞ、ウェイブ」

図書館から駆け付けたアカメとロイ・マスタングによりプライド戦は転機を迎える。

「無駄弾を消費した甲斐があったな」

狡噛慎也が放った銃声とプライドの影による森林破壊は周囲に轟音を響かせていた。
危険人物が近づいて来る可能性もあったが助けを呼ぶにはこれしか無かった。
泉新一には皆を逃がすことを頼んでいた。元より図書館に戦える人間は少ない。

しかし結果として駆け付けてくれたのは図書館に居た人間ではあるが。


「皆は下がっていてくれ!」


掌を合わせたマスタングはプライドを包むように大地をドーム状に錬成する。
「手合せ……まさか真理に!?」
「ついでにお父さまとやらも倒したがな」
「貴方は何を――チィ!」
プライドを包み込んだ大地に向かって焔を飛ばすロイ・マスタング。
密閉された空間に対して放たれる焔は蒸し焼きのように対象を焼き尽くす。

「生きていたら話を聞こうではないかホムンクルス!!」


焔が吹き荒れる。
離れている狡噛慎也達にまでその熱さが届いてくる。
あの即製釜の中に入っているプライドもただじゃ済まないだろう。

そこまで見届けて狡噛慎也は出血の影響もあり意識を失ってしまった。



狡噛慎也が目を覚ましたのは森の中では無く、図書館に備わっている宿直室のベッド。
知らない天井だ、などと思いながら身体を起こすとどうやら上半身が裸になっている。

「あ、お早うございます狡噛さん! ……服、来てくださいね?」

横を見れば本田未央がタオルを絞っている。身体を拭いてくれていたようだ。
年頃の女の子らしく半裸体に恥じらいを感じているらしい。脱いでいる意味も無いので狡噛は上を着る。

「プライドはどうした?」

「プライド……?」

「セリム・ブラッドレイのことだ」

「あ……セリム君は逃げたらしいです……って聞きました」

「そうか。知っているとは思うがあいつはホムンクルスだからな」

「……はい。でも人間と何一つ変わらないんですね」

本田未央は未だに信じられていない。セリム・ブラッドレイが怪物である事実を。
キング・ブラッドレイの戦闘はこの眼で見た。人間離れしているのは素人でも解る。
きっと同じ親子であるセリム・ブラッドレイも怪物――思いたくはないが、きっとそうなのだろう。

狡噛慎也は若干重くなった空気を変えるために話題を変える。

「他の奴らはどうした」
「皆は音ノ木坂学院へ向かいましたよ。それで私は狡噛さんの看病で残っちゃいました」
「残ったと言っても襲われたらどうするだ?」
「襲う……えぇ!? 狡噛さん、いや、えぇ!?」
「…………………他の参加者に襲われたらどうするつもりだったんだ」

「その時は私が戦うさ。勿論前者の場合でも戦うがね」

扉の奥から現れたマスタングが冗談交じりに会話に混ざる。
本田未央は自分の勘違いを認識し、恥ずかしくなったのか絞ったタオルで顔を拭いている。

「プライドは」
「燃やす直前に釜を破って逃げられてしまった」
「キング・ブラッドレイは」
「あの男にも逃げられた」
「他の連中はどうした」
「音ノ木坂学院に向かっている。高坂君もいることだしな。
 一緒に行動しても良かったが君が気を失っていたからな。留まっていても危険が生まれるだけだから先に向かわせたよ」

「――死人は」

「誰も出ていない。よくプライド相手に持ち堪えてくれた。礼を言う」

頭を下げるロイ・マスタングと興味が無いのか煙草を探す狡噛慎也。
聞きたいことは聞けたし現状も確認出来た。
マスタング含め図書館周囲では中々に目立つ戦闘を行ってしまったため、他の参加者の目に付いた可能性が高い。
長居は無用である。狡噛は本来通り――槙島聖護を考える。

図書館に来なかったことを考えると奴は音ノ木坂学院から北或いは南に移動している可能性が高い。
この時点で確立は二分の一である。

そして安直な考えではあるが北には潜在犯隔離施設がある。
狡噛慎也と槙島聖護が知る唯一の施設が存在している北に槙島聖護は居るかもしれない。
知っている施設があるから、という本当に安直な考えではあるが確率は元より二分の一である。

「なぁ――俺は東経由で北に行こうと思う」

さて、二人はどう反応するか、だな。
それよりも誰か俺の煙草を持っていないのか。


【D-5/東/一日目/昼】


【ウェイブ@アカメが斬る!】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)、左肩に裂傷、左腕に裂傷、全身に切り傷
[装備]:エリュシデータ@ソードアート・オンライン
[道具]:ディバック、基本支給品×2、不明支給品0~4(セリューが確認済み)、首輪×2、タツミの写真詰め合わせ@アカメが斬る!
[思考・状況]
基本行動方針:ヒロカワの思惑通りには動かない。
0:キンブリーは必ず殺す。
1:音ノ木坂学院に向かうが……
2:地図に書かれた施設を回って情報収集。脱出の手がかりになるものもチェックしておきたい。
3:工具、グランシャリオは移動の過程で手に入れておく。
4:盗聴には注意。大事なことは筆談で情報を共有。
5:セリュー…
[備考]
※参戦時期はセリュー死亡前のどこかです。
※クロメの状態に気付きました。
※ホムンクルスの存在を知りました。
※自分の甘さを受け入れつつあります。


【小泉花陽@ラブライブ!】
[状態]:疲労(中)、精神的疲労(中)、右腕に凍傷(処置済み、後遺症はありません)
[装備]:音ノ木坂学院の制服
[道具]:デイパック×2(一つは、ことりのもの)、基本支給品×2、スタミナドリンク×5@アイドルマスター シンデレラガールズ、スペシャル肉丼の丼@PERSONA4 the Animation 、寝具(六人分)@現地調達、サイマティックスキャン妨害ヘメット@PSYCHO PASS‐サイコパス‐
[思考・行動]
基本方針:μ'sのメンバーを探す
0:何でこんなことになったんだろう……。
1:音ノ木坂学院へ向かう。
2:穂乃果と会いたい。
3;μ'sの仲間や天城雪子、島村卯月、由比ヶ浜結衣の死へ対する悲しみと恐怖。
[備考]
※参戦時期はアニメ第一期終了後。


【アカメ@アカメが斬る!】
[状態]:疲労(大)、頬に掠り傷、顔面に打撲痕(もう少しで治ります)
[装備]:サラ子の刀@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞
[道具]:なし
[思考]
基本:悪を斬る。
1:音ノ木坂学院へ向かう。
2:キンブリーは必ず葬る。
3:タツミとの合流を目指す。
4:悪を斬り弱者を助け仲間を集める。
5:村雨を取り戻したい。
6:血を飛ばす男(魏志軍)と御坂は次こそ必ず葬る。
[備考]
※参戦時期は不明。
御坂美琴が学園都市に属する能力者と知りました。
※ディバックが燃失しました
※イリヤと参加者の情報を交換しました。
※新一、タスク、プロデューサー達と情報交換しました。


【雪ノ下雪乃@やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。】
[状態]:健康、八幡が死んだショック(若干落ち着いている)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、MAXコーヒー@やはり俺の青春ラブコメはまちがっている、ランダム品0~1
[思考]
基本方針:殺し合いからの脱出。
1:音ノ木坂学院へ向かう。
2:知り合いと合流
3:比企谷君……
4:イリヤが心配
[備考]
※イリヤと参加者の情報を交換しました。
※新一、タスク、プロデューサー達と情報交換しました。


【泉新一@寄生獣 セイの格率】
[状態]:疲労(中)、横腹負傷(治療済み)ミギーにダメージ(小) ミギー爆睡、胸に裂傷(止血済み)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式×2、ランダム品0~2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない。
1:音ノ木坂学院へ向かう。
2:後藤、血を飛ばす男(魏志軍)、槙島、電撃を操る少女(御坂美琴らしい?)を警戒。
3:ホムンクルスを警戒。
[備考]
※参戦時期はアニメ第21話の直後。
※新一、タスク、プロデューサー達と情報交換しました。



【D-5/図書館/一日目/昼】


【本田未央@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品0~2、金属バット@魔法少女まどか☆マギカ
[思考・行動]
基本方針:殺し合いなんてしたくない。帰りたい。
0:狡噛さんの話を聞く。
1:しまむー…
[備考]
※タスク、ブラッドレイと情報を交換しました。
※ただしブラッドレイからの情報は意図的に伏せられたことが数多くあります。
※狡噛と情報交換しました。
※プロデューサーは生きているかもしれないと考えています。
しかし情報交換や卯月のことを聞いて凛のことはもしかしたらということも考慮しています。
死そのものを受け入れられているかは不明です。
※アカメ、新一、プロデューサー、ウェイブ達と情報交換しました。


【狡噛慎也@PSYCHO PASS‐サイコパス‐】
[状態]:健康、左腕に痺れ、槙島への殺意、右足に裂傷(止血済み)、全身に切り傷
[装備]:リボルバー式拳銃(0/5 予備弾30)@PSYCHO PASS‐サイコパス‐
[道具]:基本支給品、ノーベンバー11のタバコ@DARKER THAN BLACK 黒の契約者、ライター@現実
[思考]
基本:槙島を殺す。そして殺し合いも止める。
1:東経由で潜在犯隔離施設へ向かう。
2:槙島の悪評を流し追い詰める。
3:首輪解析の為の道具とサンプルを探す。
4:危険人物は可能な限り排除しておきたい。
5:キング・ブラッドレイに警戒。 ただし下手に刺激することは避ける。
[備考]
※『超電磁砲』『鋼の錬金術師』『DTB黒の契約者』『クロスアンジュ』『アカメが斬る!』の各世界の一般常識レベルの知識を得ました。
※黒、戸塚、黒子、穂乃果の知り合い、ロワ内で遭遇した人物の名前と容姿を聞きました。


【ロイ・マスタング@鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST】
[状態]:疲労(中)、迷わない決意、過去の自分に対する反省
[装備]:魚の燻製@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース
[道具]:ディパック、基本支給品、錬成した剣
[思考]
基本:この下らんゲームを破壊し、生還する。
0:殺し合いを破壊するために仲間を集う。もう復讐心で戦わない。
1:狡噛の話を聞いてみる。
2:ホムンクルスを警戒。ブラッドレイとは一度話をする。
3:エンヴィーと遭遇したら全ての決着をつけるために殺す。
4:鋼のを含む仲間の捜索。
5:死者の上に立っているならばその死者のためにも生きる。
[備考]
※参戦時期はアニメ終了後。
※学園都市や超能力についての知識を得ました。
※佐天のいた世界が自分のいた世界と別ではないかと疑っています。
※並行世界の可能性を知りました。
※バッグの中が擬似・真理の扉に繋がっていることを知りました。


マスタングの焔が迫る直前に釜を破壊しプライドは逃げることに成功した。
バックドラフト現象気味となり少々吹き飛ばされたが傷は負っていない。
今回の戦闘を通して特段致命傷も受けていないため、痛手があったとすれば素性が判明したことだろう。

この先、自分の正体は広まる一方を務めることになる。
しかし自分の方針は変わらず、今まで通り無垢な子供を演じるつもりでいる。
もう一度他の参加者に紛れ込み、あわよくば同士討ちしてくれれば有り難いものだ。
どうしても夜は動きが取り辛くなってしまう。

「先程は少々遊び過ぎましたが……次に会った時は確実に殺しましょう」

戦闘を楽しんでいた節がある。
最初から全力で攻撃をしていれば狡噛慎也とウェイブは簡単に死んでいただろう。
ロイ・マスタングの加勢も無かったことに出来た。

(ロイ・マスタング……彼が人体錬成を行っていたとは)

計画に必要な人柱。
その資格を持っていたのがロイ・マスタングであったがどうやら扉を開いたらしい。
ならば彼の確保も優先する事項になるだろう。


【C-5/一日目/昼】

【セリム・ブラッドレイ@鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0~2
[思考]
基本:今は乗らない。
1:無力なふりをする。
2:使えそうな人間は利用。
3:ラース(ブラッドレイ)と合流し今後の検討。
4:正体を知っている人間の排除。
[備考]
※参戦時期はキンブリーを取り込む以前。
※会場がセントラルにあるのではないかと考えています。
※賢者の石の残量に関わらず、首輪の爆発によって死亡します。
※DARKER THAN BLACK、ラブライブ!、アイドルマスターシンデレラガールズ、とある科学の超電磁砲の世界観を知りました
※殺し合いにお父様が関係していないと考えています
※新一、タスク、アカメ達と情報交換しました。
※マスタングが人体錬成を行っていることを知りました。

【E-5/一日目/昼】

【キング・ブラッドレイ@鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST】
[状態]:疲労(大)、腕に刺傷(処置済)、両腕に火傷
[装備]:
[道具]:デスガンの刺剣(先端数センチ欠損)、カゲミツG4@ソードアート・オンライン
[思考]
基本:生き残り司令部へと帰還する。そのための手段は問わない。
1:特に決まっていない。
2:稀有な能力を持つ者は生かし、そうでなければ斬り捨てる。ただし悪評が無闇に立つことは避ける。
3:プライド、エンヴィーとの合流。特にプライドは急いで探す。
4:エドワード・エルリック、ロイ・マスタング、有益な情報、技術、帰還手段の心得を持つ者は確保。現状の候補者はタスク、アンジュ、余裕があれば白井黒子も。
5:エンブリヲは殺さず、プライドに食わせて能力を簒奪する。
6:御坂は泳がしておく。島村卯月は放置。
7:自分が不利だと判断した場合は殺し合いの優勝を狙うが……
8:糸や狗(帝具)は余裕があれば回収したい。
[備考]
※未央、タスク、黒子、狡噛、穂乃果と情報を交換しました。
※御坂と休戦を結びました。
※超能力に興味をいだきました。
※マスタングが人体錬成を行っていることを知りました。




101:間違われた男 アカメ 140:愛しい世界、戻れない日々
雪ノ下雪乃
泉新一
セリム・ブラッドレイ 126:名前のない怪物
108:No brand people ウェイブ 140:愛しい世界、戻れない日々
小泉花陽
本田未央 128:Inevitabilis
狡噛慎也
118:扉の向こうへ ロイ・マスタング
キング・ブラッドレイ 140:愛しい世界、戻れない日々
最終更新:2015年12月05日 22:23