再会と血と薔薇 - (2008/05/01 (木) 02:26:34) の1つ前との変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
**再会と血と薔薇 ◆LIjimDT9jI
■
【再会と血と薔薇】
もう、大丈夫だろうか。
足を止め、周りを見渡してみるが、周りには誰も存在しなかった。
どうやらあの不死者の男から、上手く逃げ切れたらしい。
(……良かった。あれ以上は追いかけて来なかったみたい)
少しのため息と共に、胸を撫で下ろす。
あのまま遭遇していたならば、きっと喰われていたに違いない。
彼の右手が自分の頭に置かれる、そんな状況を想像するだけでも寒気がした。
私……怖いんだ。
何事にも恐れてはいけない筈なのに。
これからあの出来事の、何倍もの恐怖に立ち向かう必要があるのに。
殺さなくてはいけない。この身体を元にしてもらうために。
そして何よりも、自身の妹である、柊つかさの蘇生のためにも。
……つかさ!!
そうだ、つかさを放って置いたままだったんだ!
顔面が蒼白していく。
私ってば、こんな大切なことを忘れていた!!
つかさを発見した時からもう数時間も経過している。
「あの時」は、ほのかに温かかった身体も、もう冷えてしまっているだろう。
いずれは埋めてやろうと思っていたのに、こんなにも長い時間放置してしまったなんて。
戻らないと。
つかさを埋めてあげなくちゃ。
このまま野ざらしにしておくのは可哀想だ。
早く戻らないと。
このまま腐敗していくつかさの姿なんて見たくない。
そう思うと同時に、先程辿った道を逆に戻り始める。
つかさを殺した犯人や、不死者の男に遭遇するかもしれないという考えは殆ど、観覧車の下で眠るつかさの姿で隠されてしまった。
不死者から逃げた足でかがみは走る。今度はつかさの元へ帰るために。
T字路にさしかかった所でレーダーを確認する。周辺に人らしき点は見つからない。
今、かがみがいる場所はB-3エリア。数時間前にも通った場所だ。
つかさがいたのはB-2エリア。ならば左側の道路を選べば間違いない。
あの道を行けば、つかさがいる。
あの道を行けば、つかさが待っている。
でも、もうつかさは動かない。
つかさは喋らない。
つかさは笑ってくれない。
眠ったままのつかさ。
…ねえ、全部終わったら起きてくれるの?
喋ってくれる?
笑ってくれる?
こんな私に向かって。
顔が歪んでいく。
自然と涙が溢れる。
どうしようもない悲しみが襲う。
……もうこれ以上つかさは殺されることはない、それだけが救いだった。
■
呆然と立ち尽くすかがみの目の前には、柊つかさと思われる肉塊が転がっていた。
まるで再会を祝うための薔薇の花束のごとく、赤く、赤く染まり尽くした肉塊が。
「…………嘘。」
再会の言葉としては、あまりにも間の抜けた一言だった。
それもその筈、かがみは目の前の事態を、上手く飲み込めていなかったのだから。
え、何で。
こんなことはないよ。
こんなことってないよね。
「あの時」は綺麗だったのに。
あの傷以外は、綺麗だったのに。
嘘。
…………嘘!!!!!!
その頬に手を伸ばし、顔をこちらの方に向けようとする。
――頭の中からゼリー状の物体がこぼれ落ち、ブラウスが少しだけ汚れた。
【B-2/観覧車前 一日目・早朝】
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:激しい動揺、疲労、不死者
[装備]:軍用ナイフ、防弾チョッキ、UZI(9mm.パラベラム弾:0/50)、ローラーブーツ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:デイバッグ、支給品一式(水入りペットボトル×1消費)、レーダー、かがみの靴
[思考]
基本:優勝してつかさを生き返らせる
1.! !? ? ! !
※つかさを殺したのは武器を必要としないくらいの強者だと思っています。
※かがみの不死はBACCANOのアイザック、ミリア等と同じものです。
※かがみに支給されたレーダーは同エリア内のキャラ名と位置が表示されます。
*時系列順で読む
Back:[[知らないということの幸せ]] Next:[[あの馬鹿は荒野を目指す]]
*投下順で読む
Back:[[知らないということの幸せ]]Next:[[あの馬鹿は荒野を目指す]]
|089:[[知らないということの幸せ]]|マオ|115:[[ジャミング・ウィズ・エドワード]]|
|089:[[知らないということの幸せ]]|シータ|115:[[ジャミング・ウィズ・エドワード]]|
|089:[[知らないということの幸せ]]|柊かがみ|098:[[願望]]|
**再会と血と薔薇 ◆LIjimDT9jI
■
【再会と血と薔薇】
もう、大丈夫だろうか。
足を止め、周りを見渡してみるが、周りには誰も存在しなかった。
どうやらあの不死者の男から、上手く逃げ切れたらしい。
(……良かった。あれ以上は追いかけて来なかったみたい)
少しのため息と共に、胸を撫で下ろす。
あのまま遭遇していたならば、きっと喰われていたに違いない。
彼の右手が自分の頭に置かれる、そんな状況を想像するだけでも寒気がした。
私……怖いんだ。
何事にも恐れてはいけない筈なのに。
これからあの出来事の、何倍もの恐怖に立ち向かう必要があるのに。
殺さなくてはいけない。この身体を元にしてもらうために。
そして何よりも、自身の妹である、柊つかさの蘇生のためにも。
……つかさ!!
そうだ、つかさを放って置いたままだったんだ!
顔面が蒼白していく。
私ってば、こんな大切なことを忘れていた!!
つかさを発見した時からもう数時間も経過している。
「あの時」は、ほのかに温かかった身体も、もう冷えてしまっているだろう。
いずれは埋めてやろうと思っていたのに、こんなにも長い時間放置してしまったなんて。
戻らないと。
つかさを埋めてあげなくちゃ。
このまま野ざらしにしておくのは可哀想だ。
早く戻らないと。
このまま腐敗していくつかさの姿なんて見たくない。
そう思うと同時に、先程辿った道を逆に戻り始める。
つかさを殺した犯人や、不死者の男に遭遇するかもしれないという考えは殆ど、観覧車の下で眠るつかさの姿で隠されてしまった。
不死者から逃げた足でかがみは走る。今度はつかさの元へ帰るために。
T字路にさしかかった所でレーダーを確認する。周辺に人らしき点は見つからない。
今、かがみがいる場所はB-3エリア。数時間前にも通った場所だ。
つかさがいたのはB-2エリア。ならば左側の道路を選べば間違いない。
あの道を行けば、つかさがいる。
あの道を行けば、つかさが待っている。
でも、もうつかさは動かない。
つかさは喋らない。
つかさは笑ってくれない。
眠ったままのつかさ。
…ねえ、全部終わったら起きてくれるの?
喋ってくれる?
笑ってくれる?
こんな私に向かって。
顔が歪んでいく。
自然と涙が溢れる。
どうしようもない悲しみが襲う。
……もうこれ以上つかさは殺されることはない、それだけが救いだった。
■
呆然と立ち尽くすかがみの目の前には、柊つかさと思われる肉塊が転がっていた。
まるで再会を祝うための薔薇の花束のごとく、赤く、赤く染まり尽くした肉塊が。
「…………嘘。」
再会の言葉としては、あまりにも間の抜けた一言だった。
それもその筈、かがみは目の前の事態を、上手く飲み込めていなかったのだから。
え、何で。
こんなことはないよ。
こんなことってないよね。
「あの時」は綺麗だったのに。
あの傷以外は、綺麗だったのに。
嘘。
…………嘘!!!!!!
その頬に手を伸ばし、顔をこちらの方に向けようとする。
――頭の中からゼリー状の物体がこぼれ落ち、ブラウスが少しだけ汚れた。
【B-2/観覧車前 一日目・早朝】
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:激しい動揺、疲労、不死者
[装備]:軍用ナイフ、防弾チョッキ、UZI(9mm.パラベラム弾:0/50)、ローラーブーツ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:デイバッグ、支給品一式(水入りペットボトル×1消費)、レーダー、かがみの靴
[思考]
基本:優勝してつかさを生き返らせる
1.! !? ? ! !
※つかさを殺したのは武器を必要としないくらいの強者だと思っています。
※かがみの不死はBACCANOのアイザック、ミリア等と同じものです。
※かがみに支給されたレーダーは同エリア内のキャラ名と位置が表示されます。
*時系列順で読む
Back:[[知らないということの幸せ]] Next:[[あの馬鹿は荒野を目指す]]
*投下順で読む
Back:[[知らないということの幸せ]]Next:[[あの馬鹿は荒野を目指す]]
|083:[[新しい朝が来た]]|柊かがみ|098:[[願望]]|
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: