「幻想のアヴァタール(前編)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
幻想のアヴァタール(前編) - (2008/03/25 (火) 22:08:53) の1つ前との変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
**幻想のアヴァタール(前編) ◆wYjszMXgAo
どれだけ空中にいたのだろうか。
眼下を通り過ぎた景色は、海。そして、陸。
今居るのはまたしても海の上だ。
気付きながらも、やり取りは同じことを繰り返すだけだったが。
「は、離して下さい! 離しなさい! 離して!」
「嫌で……、あら?」
――――空中で揉み合っていたシータとニア。
彼女達の内、その事実に先に気付いたのはニアだった。
ピ、ピ、ピ。
そんな音が耳に届く。
その音の発信源は――――、首輪だった。
妙な音が首輪から鳴り響いている。それも、両方のから。
「は、はやく離してって言ってるんです……!」
「待ってください! 少しだけ、静かに……!!」
ニアは勢い良くシータに顔を寄せる。
それに呑まれたのか、一瞬だけシータも口を閉じ、頷く。
――――同時、耳をすませば。
首輪からは音声が放たれていた。
この混乱した状況に更なる困惑を招く言葉の群が。
『禁止エリアへの侵入を確認しました。
警告を無視して一分後までに退避しない場合、首輪の爆破機能が起動します』
「「――――!!」」
そう、ここはD-2南西部。
すぐ近くには灯台が見える。
滅茶苦茶な軌道でストラーダ任せに進んでいた為、禁止エリアに指定された区画に彼女達は突っ込んでしまったのだ。
「し、シータさん!! 早く、早く方向転換を!!」
途端にパニックになるニア。
挙動が一気に落ち着かなくなる。
――――それが好機だった。
殺人をする覚悟を決めたシータ。
彼女はこれまでに様々な事態に直面し、結果、その選択をした。
良くも悪くも、つまり彼女は場慣れしていた。してしまったのだ。
だからこそ、その分冷静に対応できた。
ぐるん。
自身はストラーダを強く握り、その場で勢いよく一回転する。
「……くす、さよならです、ニアさん」
「……え?」
結果。
安定感を失っていたニアは、手を滑らせて一気に墜落する。
禁止エリアの海の中に。
暗い闇の中に次第に小さくなっていくニアの色。
呆然とするその顔を見下ろしながら、シータはにこりと笑いかけた。
ぽちゃん。
そんな音がして、ニアの姿は見えなくなった。
ようやく身軽になったことに、シータは声をあげて笑う。
「くす。くすくすくすくす。くすくすくすくすくすくすくすくす……!」
禁止エリアの真っ只中。
そこに突き落とされた上に移動手段はない。
まず、首輪が爆発する事だろう。
この付近は港湾内でも狭い場所である為、潮流の速さはそれほどでもないのだ。
助かる手段はない。
これでひとり。……いや、ふたり。
容易いものだ、とシータは思う。
だが、その感慨に浸っている時間はない。
「……くす、頼みましたよストラーダ。
突っ切ります……!」
進行方向は東南東。
もうエリアの半ばまで来てしまった為、いちいち方向転換するよりも加速に任せて直進した方がこのエリアを離脱するのに手っ取り早い。
令呪の力を槍に流し込み、リュシータ・トエル・ウル・ラピュタは夜闇の上を流星の様に進み行く。
◇ ◇ ◇
なんでだろう、とボクは思う。
気がついたらそこにいた。
しかも何故か、呼吸が出来ない。
どんどん、どんどん命の灯が消えていくのが理解できた。
ボクが何故こんな理不尽な目にあうのか。
理解できず、怒りを感じた時もある。
――――だけど、それもとうに消えた。
そんな事がどうでもよくなるくらい、いろんなことがあったのだ。
けど、そろそろ限界。
そう思ってた。
――――そんな時だった。
とうとう、故郷に帰れるときがきたのは。
冷たい空間の中にボクは身を躍らせる。
――――ああ、気持ちいい。
息もたっぷりできる。
それに何より――――、凄い気持ちいい夢を見たと思う。
それがどんなものだったかは、思い出せないけど。
けど、やっぱり夢は夢だった。
息がまともに出来ず、弱りきったボクの体であんな動きをすれば無理がくるのは当然だったんだ。
ボクの体に、何かやけに重いものが2つもくっついて、引きずられている。
少しの間ならともかく、あんなものをずっと引きずってなんか動けない。
――――ボクは、とうとう死にかけていた。
暗い夜の中。
ワケの分からないまま、ワケの分からない状況でボクは死ぬ。
このままでいいんだろうか。
いいワケない。
それは確かだ。
だけど――――、
だけど、何も出来はしない。
ボクには文字通り手も足も出ない。
ボクの体にぶら下がる錘に引きずられて、死んでしまうだけだ。
――――ほんとうに?
ほんとうに、何も出来ないの?
……分からない。
分からないよ。
――――じゃあ、だからと言って諦めてしまってもいいの?
最後まで何もしないままで?
嫌だ。
嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
死にたくない!
死んで、たまるか!!
絶対に――――生き延びてやる!
何も出来ないかもしれないけど、最後まで足掻いてやる!
それがボクの生き様だ!
そう思った瞬間。
不意に、ボクの体に力が戻ってきた。
何故かは分からない。
でも。
――――でも、ボクは動けた。
見れば、ボクの体に緑色の光が輝いている。
いける、と思った。
この満ち溢れる力なら、どこまでもいけそうな気だってしてくる。
ボクの泳ぎは天を突き破る泳ぎだ。
だから一気に加速した。
体が軽い。
今までにないくらい、早く泳げた。
と、不意に、何かが目の前に現れた。
何かフシギな色の塊だったけど、気にせず下を潜り抜ける。
だけど、後ろの荷物があるのを忘れてた。
どうやらロープに引っかかってしまったみたいだ。
でも、今のボクには大した重さじゃない。
軽い軽い、どこまでだって行ってみせる!
そういえば、後ろの方で何かピッピッと鳴ってるけど気にしない。
キンシエリアって何だろう。
まあいいや。
このまま突き進んで、どこまでボクが速く動けるか試してみるのもいいかもしれないなあ。
【ブリ@金色のガッシュベル!! 螺旋力覚醒】
◇ ◇ ◇
「……ふう、ようやく一息つけました」
人気のない海辺のゴミ処分場。
ストラーダで直進していた彼女は、どうにかこうにか地面に足をつけることが出来てほっとしていた。
とりあえず地図で現在位置を確認した所、おそらくE-4にいるらしい。
いきなり海の上にいたことから推測するに、どうやら会場を一周してきてしまったようだ。
ループしている事実を奇妙に思うも、今更そんな事は驚きに値しない。
そうなのかと思うだけだ。
だからこそ、と言えばいいのか。
シータの脳裏に一つのアイデアが閃きつつあった。
「……ここから市場までは遠い訳ではないですね」
ならば。
だとするならば。
「くすくす、言峰神父がまだ近くにいらっしゃる可能性は高いですね」
――――実に都合がいい。
彼ならば、信頼できる。自分を守ってもくれるだろう。
ついでに言うならば、手にある令呪の感覚もそろそろ心もとなくなってきた所だ。
追加の令呪を譲り受けたいところである。
ストラーダをもう少しの間、長く使えるようにするために。
市場の方角は北北東。
ストラーダの加速を利用するなら、かなり早く会える可能性もある。
とりあえずそちらを目指すに越したことはない。
探すまでもなく途中で会えるかもしれないのだから。
「……もしかしたら、あの牧師さまとも会えるかもしれませんね、くすくす」
今度会ったら、エドと同じ目にあわせてあげる事にしましょう。
それと、自分の殺した女の子もこちらの方向で倒れているはず。
一緒にいた男の人を殺してあげられなかったから、まだお近くにいるなら同じ場所につれてってあげますね。
そう思いながら、シータはゆっくりと立ち上がる。
とりあえず、この辺りも一応調べてみよう。
誰かが隠れているかもしれないし、何かがあるかもしれない。
それが利用できるならよし。
利用できなくても、人がいるなら殺しておけば後々楽だろう。
既に手にかけたのは二人。
案外、自分には人殺しの才能があるのかもしれない。
そうだとするならあの二人には感謝すべきだ。
自分の自信の源になってくれるのだから。
「くすくす、あの子も、ニアさんも。
待っていてくださいね、すぐに私と同じ価値観で生き返らせてあげますから。
そして言峰神父。
今、そちらに行きます。
どうか見てくださいね、あなたの言葉を受け入れて立派に成長した、このリュシータを」
【E-4/ゴミ処分場/1日目/夜中~真夜中】
351 :幻想のアヴァタール(前編) ◆wYjszMXgAo :2008/03/24(月) 18:37:49 ID:WMDegKj9
【シータ@天空の城ラピュタ】
[状態]:疲労(大)、倫理観及び道徳観念の崩壊、右肩に痺れる様な痛み(動かす分には問題無し)、令呪(使用中・残り持続時間約1~2時間) 、
おさげ喪失、右頬にモミジ
[装備]:ストラーダ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:支給品一式 (食糧:食パン六枚切り三斤、ミネラルウォーター500ml 2本)、びしょ濡れのかがみの制服
ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃(残弾0/6)@トライガン、暗視スコープ、音楽CD(自殺交響曲「楽園」@R.O.Dシリーズ)
士郎となつきと千里の支給品一式
[思考]
基本:自分の外見を利用して、邪魔者は手段を念入りに選んだ上で始末する。優勝して自分の大切な人たちを、自分の価値観に合わせて生き返らせる。
0:ゴミ処分場を探索。誰かがいれば利用、もしくは皆殺し。
1:北に向かい、卸売り市場付近で言峰を捜索。保護してもらうと同時に新たに令呪を貰う。
2:自分の手でアシがつかずに殺せる人間は殺す。
3:自分の手に負えないものは他人に殺させる。
4:気に入った人間はとりあえず生かす。ゲームの最後に殺した上で、生き返らせる。
5:恩人の言峰は一番最後に殺してあげる。
6:使えそうな人間は抱きこむ。その際には口でも体でも何でも用いて篭絡する。
[備考]
※マオがつかさを埋葬したものだと、多少疑いつつも信じています。
※マオをラピュタの王族かもしれないと思っています。
※令呪は、膨大な魔力の塊です。単体で行使できる術はパスを繋いだサーヴァントに対する命令のみですが、
本人が術を編むか礼装を用いることで、魔術を扱うにおいて強力な補助となります。 ただし使えるのは一度限り。
扱い切れなければ反動でダメージを負う可能性があります。人体移植された魔力量が桁違いのカートリッジと認識してください。
効果の高さは命令実行に要する時間に反比例します。
※令呪への命令は『ストラーダを運用するための魔力を供給せよ』です。
ストラーダ以外の魔力を要求するアイテムには魔力は供給されません。
持続時間は今後の魔法の使用頻度次第で減少する可能性があります。
※バリアジャケットのモデルはカリオスト○の城のク○リスの白いドレスです。
夜間迷彩モードを作成しました。モデルは魔○の宅○便のキ○の服です。
※言峰から言伝でストラーダの性能の説明を受けています。ストラーダ使用による体への負担は少しはあるようですが、今のところは大丈夫のようです。
※エドがパソコンで何をやっていたのかは正確には把握してません。
※第三回放送を聞き逃しました。
※価値観が崩壊しましたが、判断力は失っていません。
※かがみを殺したと思っていますが、当人の顔は確認していません。
※言峰との麻婆豆腐の約束はすっかり忘れ去っています。
※会場のループを認識しました。
※ニアは死亡したと思っています。
*時系列順で読む
Back:[[ファイアスターター]] Next:[[幻想のアヴァタール(後編)]]
*投下順で読む
Back:[[ファイアスターター]] Next:[[幻想のアヴァタール(後編)]]
|229:[[王女の宅急便(後編)]]|シータ| |
|229:[[王女の宅急便(後編)]]|ニア|235:[[幻想のアヴァタール(後編)]]|
**幻想のアヴァタール(前編) ◆wYjszMXgAo
どれだけ空中にいたのだろうか。
眼下を通り過ぎた景色は、海。そして、陸。
今居るのはまたしても海の上だ。
気付きながらも、やり取りは同じことを繰り返すだけだったが。
「は、離して下さい! 離しなさい! 離して!」
「嫌で……、あら?」
――――空中で揉み合っていたシータとニア。
彼女達の内、その事実に先に気付いたのはニアだった。
ピ、ピ、ピ。
そんな音が耳に届く。
その音の発信源は――――、首輪だった。
妙な音が首輪から鳴り響いている。それも、両方のから。
「は、はやく離してって言ってるんです……!」
「待ってください! 少しだけ、静かに……!!」
ニアは勢い良くシータに顔を寄せる。
それに呑まれたのか、一瞬だけシータも口を閉じ、頷く。
――――同時、耳をすませば。
首輪からは音声が放たれていた。
この混乱した状況に更なる困惑を招く言葉の群が。
『禁止エリアへの侵入を確認しました。
警告を無視して一分後までに退避しない場合、首輪の爆破機能が起動します』
「「――――!!」」
そう、ここはD-2南西部。
すぐ近くには灯台が見える。
滅茶苦茶な軌道でストラーダ任せに進んでいた為、禁止エリアに指定された区画に彼女達は突っ込んでしまったのだ。
「し、シータさん!! 早く、早く方向転換を!!」
途端にパニックになるニア。
挙動が一気に落ち着かなくなる。
――――それが好機だった。
殺人をする覚悟を決めたシータ。
彼女はこれまでに様々な事態に直面し、結果、その選択をした。
良くも悪くも、つまり彼女は場慣れしていた。してしまったのだ。
だからこそ、その分冷静に対応できた。
ぐるん。
自身はストラーダを強く握り、その場で勢いよく一回転する。
「……くす、さよならです、ニアさん」
「……え?」
結果。
安定感を失っていたニアは、手を滑らせて一気に墜落する。
禁止エリアの海の中に。
暗い闇の中に次第に小さくなっていくニアの色。
呆然とするその顔を見下ろしながら、シータはにこりと笑いかけた。
ぽちゃん。
そんな音がして、ニアの姿は見えなくなった。
ようやく身軽になったことに、シータは声をあげて笑う。
「くす。くすくすくすくす。くすくすくすくすくすくすくすくす……!」
禁止エリアの真っ只中。
そこに突き落とされた上に移動手段はない。
まず、首輪が爆発する事だろう。
この付近は港湾内でも狭い場所である為、潮流の速さはそれほどでもないのだ。
助かる手段はない。
これでひとり。……いや、ふたり。
容易いものだ、とシータは思う。
だが、その感慨に浸っている時間はない。
「……くす、頼みましたよストラーダ。
突っ切ります……!」
進行方向は東南東。
もうエリアの半ばまで来てしまった為、いちいち方向転換するよりも加速に任せて直進した方がこのエリアを離脱するのに手っ取り早い。
令呪の力を槍に流し込み、リュシータ・トエル・ウル・ラピュタは夜闇の上を流星の様に進み行く。
◇ ◇ ◇
なんでだろう、とボクは思う。
気がついたらそこにいた。
しかも何故か、呼吸が出来ない。
どんどん、どんどん命の灯が消えていくのが理解できた。
ボクが何故こんな理不尽な目にあうのか。
理解できず、怒りを感じた時もある。
――――だけど、それもとうに消えた。
そんな事がどうでもよくなるくらい、いろんなことがあったのだ。
けど、そろそろ限界。
そう思ってた。
――――そんな時だった。
とうとう、故郷に帰れるときがきたのは。
冷たい空間の中にボクは身を躍らせる。
――――ああ、気持ちいい。
息もたっぷりできる。
それに何より――――、凄い気持ちいい夢を見たと思う。
それがどんなものだったかは、思い出せないけど。
けど、やっぱり夢は夢だった。
息がまともに出来ず、弱りきったボクの体であんな動きをすれば無理がくるのは当然だったんだ。
ボクの体に、何かやけに重いものが2つもくっついて、引きずられている。
少しの間ならともかく、あんなものをずっと引きずってなんか動けない。
――――ボクは、とうとう死にかけていた。
暗い夜の中。
ワケの分からないまま、ワケの分からない状況でボクは死ぬ。
このままでいいんだろうか。
いいワケない。
それは確かだ。
だけど――――、
だけど、何も出来はしない。
ボクには文字通り手も足も出ない。
ボクの体にぶら下がる錘に引きずられて、死んでしまうだけだ。
――――ほんとうに?
ほんとうに、何も出来ないの?
……分からない。
分からないよ。
――――じゃあ、だからと言って諦めてしまってもいいの?
最後まで何もしないままで?
嫌だ。
嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
死にたくない!
死んで、たまるか!!
絶対に――――生き延びてやる!
何も出来ないかもしれないけど、最後まで足掻いてやる!
それがボクの生き様だ!
そう思った瞬間。
不意に、ボクの体に力が戻ってきた。
何故かは分からない。
でも。
――――でも、ボクは動けた。
見れば、ボクの体に緑色の光が輝いている。
いける、と思った。
この満ち溢れる力なら、どこまでもいけそうな気だってしてくる。
ボクの泳ぎは天を突き破る泳ぎだ。
だから一気に加速した。
体が軽い。
今までにないくらい、早く泳げた。
と、不意に、何かが目の前に現れた。
何かフシギな色の塊だったけど、気にせず下を潜り抜ける。
だけど、後ろの荷物があるのを忘れてた。
どうやらロープに引っかかってしまったみたいだ。
でも、今のボクには大した重さじゃない。
軽い軽い、どこまでだって行ってみせる!
そういえば、後ろの方で何かピッピッと鳴ってるけど気にしない。
キンシエリアって何だろう。
まあいいや。
このまま突き進んで、どこまでボクが速く動けるか試してみるのもいいかもしれないなあ。
【ブリ@金色のガッシュベル!! 螺旋力覚醒】
◇ ◇ ◇
「……ふう、ようやく一息つけました」
人気のない海辺のゴミ処分場。
ストラーダで直進していた彼女は、どうにかこうにか地面に足をつけることが出来てほっとしていた。
とりあえず地図で現在位置を確認した所、おそらくE-4にいるらしい。
いきなり海の上にいたことから推測するに、どうやら会場を一周してきてしまったようだ。
ループしている事実を奇妙に思うも、今更そんな事は驚きに値しない。
そうなのかと思うだけだ。
だからこそ、と言えばいいのか。
シータの脳裏に一つのアイデアが閃きつつあった。
「……ここから市場までは遠い訳ではないですね」
ならば。
だとするならば。
「くすくす、言峰神父がまだ近くにいらっしゃる可能性は高いですね」
――――実に都合がいい。
彼ならば、信頼できる。自分を守ってもくれるだろう。
ついでに言うならば、手にある令呪の感覚もそろそろ心もとなくなってきた所だ。
追加の令呪を譲り受けたいところである。
ストラーダをもう少しの間、長く使えるようにするために。
市場の方角は北北東。
ストラーダの加速を利用するなら、かなり早く会える可能性もある。
とりあえずそちらを目指すに越したことはない。
探すまでもなく途中で会えるかもしれないのだから。
「……もしかしたら、あの牧師さまとも会えるかもしれませんね、くすくす」
今度会ったら、エドと同じ目にあわせてあげる事にしましょう。
それと、自分の殺した女の子もこちらの方向で倒れているはず。
一緒にいた男の人を殺してあげられなかったから、まだお近くにいるなら同じ場所につれてってあげますね。
そう思いながら、シータはゆっくりと立ち上がる。
とりあえず、この辺りも一応調べてみよう。
誰かが隠れているかもしれないし、何かがあるかもしれない。
それが利用できるならよし。
利用できなくても、人がいるなら殺しておけば後々楽だろう。
既に手にかけたのは二人。
案外、自分には人殺しの才能があるのかもしれない。
そうだとするならあの二人には感謝すべきだ。
自分の自信の源になってくれるのだから。
「くすくす、あの子も、ニアさんも。
待っていてくださいね、すぐに私と同じ価値観で生き返らせてあげますから。
そして言峰神父。
今、そちらに行きます。
どうか見てくださいね、あなたの言葉を受け入れて立派に成長した、このリュシータを」
【E-4/ゴミ処分場/1日目/夜中~真夜中】
【シータ@天空の城ラピュタ】
[状態]:疲労(大)、倫理観及び道徳観念の崩壊、右肩に痺れる様な痛み(動かす分には問題無し)、令呪(使用中・残り持続時間約1~2時間) 、
おさげ喪失、右頬にモミジ
[装備]:ストラーダ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:支給品一式 (食糧:食パン六枚切り三斤、ミネラルウォーター500ml 2本)、びしょ濡れのかがみの制服
ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃(残弾0/6)@トライガン、暗視スコープ、音楽CD(自殺交響曲「楽園」@R.O.Dシリーズ)
士郎となつきと千里の支給品一式
[思考]
基本:自分の外見を利用して、邪魔者は手段を念入りに選んだ上で始末する。優勝して自分の大切な人たちを、自分の価値観に合わせて生き返らせる。
0:ゴミ処分場を探索。誰かがいれば利用、もしくは皆殺し。
1:北に向かい、卸売り市場付近で言峰を捜索。保護してもらうと同時に新たに令呪を貰う。
2:自分の手でアシがつかずに殺せる人間は殺す。
3:自分の手に負えないものは他人に殺させる。
4:気に入った人間はとりあえず生かす。ゲームの最後に殺した上で、生き返らせる。
5:恩人の言峰は一番最後に殺してあげる。
6:使えそうな人間は抱きこむ。その際には口でも体でも何でも用いて篭絡する。
[備考]
※マオがつかさを埋葬したものだと、多少疑いつつも信じています。
※マオをラピュタの王族かもしれないと思っています。
※令呪は、膨大な魔力の塊です。単体で行使できる術はパスを繋いだサーヴァントに対する命令のみですが、
本人が術を編むか礼装を用いることで、魔術を扱うにおいて強力な補助となります。 ただし使えるのは一度限り。
扱い切れなければ反動でダメージを負う可能性があります。人体移植された魔力量が桁違いのカートリッジと認識してください。
効果の高さは命令実行に要する時間に反比例します。
※令呪への命令は『ストラーダを運用するための魔力を供給せよ』です。
ストラーダ以外の魔力を要求するアイテムには魔力は供給されません。
持続時間は今後の魔法の使用頻度次第で減少する可能性があります。
※バリアジャケットのモデルはカリオスト○の城のク○リスの白いドレスです。
夜間迷彩モードを作成しました。モデルは魔○の宅○便のキ○の服です。
※言峰から言伝でストラーダの性能の説明を受けています。ストラーダ使用による体への負担は少しはあるようですが、今のところは大丈夫のようです。
※エドがパソコンで何をやっていたのかは正確には把握してません。
※第三回放送を聞き逃しました。
※価値観が崩壊しましたが、判断力は失っていません。
※かがみを殺したと思っていますが、当人の顔は確認していません。
※言峰との麻婆豆腐の約束はすっかり忘れ去っています。
※会場のループを認識しました。
※ニアは死亡したと思っています。
*時系列順で読む
Back:[[ファイアスターター]] Next:[[幻想のアヴァタール(後編)]]
*投下順で読む
Back:[[ファイアスターター]] Next:[[幻想のアヴァタール(後編)]]
|229:[[王女の宅急便(後編)]]|シータ| |
|229:[[王女の宅急便(後編)]]|ニア|235:[[幻想のアヴァタール(後編)]]|
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: