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師弟として時間軸がブレている - (2023/05/15 (月) 01:14:50) のソース
**師弟として時間軸がブレている ◆Yf4GQL3Gk6 「……師匠。お会いしとうございました……」 東方の空に日は没しかけ、世の全てが朱に染まる時。自らの最愛の弟子にして最強の敵、 ドモン・カッシュと出会った東方不敗は、ドモンの言葉に違和感を覚えていた。 (「お会いしとうございました……」!?妙だな、てっきり「んんッ?東方不敗ッ!やはりあんたかッ!!」 などと言って即座に飛びかかって来ると思っていたが……) そんな疑念を抱きながらも、悠然と構える東方不敗。しかし、殺気の方は少しも消えてはいない。 いや、むしろドモンの登場によって、一気にその鋭さを増した、と言ってもいいだろう。 常人ならばその殺気に当てられただけでも気が狂って死んでしまいそうなほど、濃密な気が東方不敗の全身を包み込んでいた。 (凄まじい殺気だ……流石師匠、と言うところか……) しかし、東方不敗の正面に立つドモンは、その針のような殺気をいくら浴びせられようとも一向に怯まない。 目の奥に熱い炎を燃やしながら、東方不敗をキッを見つめていた。 (だが、師匠はつい先ほど、その殺気をなんの力も持たなそうな弱いカップルに向けた挙句、 その命までも奪わんとした……何故だ?何故師匠がそんな事を……) そんな疑問を抱きながら、ゆっくりと東方不敗に歩み寄っていくドモン。 やがて、二人の距離が10m程に縮まったところで、ドモン・カッシュが重い口を開く。 「師匠……一つお聞きしたいことがあります……何故、あのような弱き者を襲っておられたのですか! 返答次第では、例え師匠と言えども……ッ!」 東方不敗の目を睨み付けて問うドモン。対する東方不敗は、涼しい顔で答える。 「何故?決まっておろう……このゲームで優勝するためじゃ!このゲームを生き残って現世へと帰り…… 念願たる地球人類抹殺ッ!を完遂する為になぁーッ!ハーッハッハッハ!」 そう言い切り、大声をあげて笑い始める東方不敗。 何をいまさらそんな事を聞く、とでも言いたげな表情である。 ……だが、東方不敗の言葉を聴いたドモンは、強いショックを受けていた。 (バ、バカな!師匠は俺との最後の決戦で俺の心を受け入れてくれた筈だ……! それが、それがまた人類魔抹殺ッ!などという大罪に手を染めようとするとは、何故ッ! ……第一、あの時師匠は確かに死んだはずだ……俺が末期を看取った筈だッ!) あまりの衝撃に、思わずよろめきかけるドモン。 なんとか気を保ち、東方不敗の方向を睨みつけるドモンの目に入ったものは、 一瞬のうちに距離を詰めた東方不敗が襲い掛かってくる姿だった。 「戦いの最中に気を逸らすとは……未熟ッ!つぇーィッ!」 「ち、ぐううッ!」 驚くドモンに容赦なく迫る東方不敗の回し蹴り。 刹那の一瞬でそれを察知し、ドモンは咄嗟に両腕でなんとか防御する。 「チッ!師匠……いや、東方不敗マスター・アジアァーッ!!このような残虐なゲームに乗り、 今再び悪夢のような惨事を為そうとするとは……血迷ったかッ!」 吹き飛ばされつつも受身を取り、直ぐに起き上がり戦闘態勢をとるドモン。 既に眼前に迫っているであろう東方不敗に怒りの大声で吠え掛かるが、眼前にその姿は無く…… 「だぁかぁらお前はアホなのだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー―――――――――――ッ!!」 ドモンの背後から声がするのと同時に、背中に強い衝撃を感じてドモンは吹き飛び、 崩れ落ちたコンクリートの残骸に凄まじい勢いで叩きつけられ、その中に埋まってしまった。 (つ、強い……ランタオ島で戦った師匠よりも……遥かに強く感じるッ! ウルベやウォンなどと言った小物など言うに及ばず……あのデビルガンダムのコアよりも、強いかもしれないッ!) コンクリートの残骸を掻き分けて地上へと再び出るドモン。幸いにして大した怪我は無いが、 死んだはずの師匠との再会と、事態の急展開はドモンの心に大小の細波を起こしてかき乱し、 その集中力を削ぎ落としていく。 (フン……再会したときはあの時よりも出来るようになった、と思ったものだがな…… 未だに明鏡止水の境地とは程遠いようだの。ギアナのあの輝きは……まぐれだったか) 対して、それを見つめる東方不敗の心の中には少なからぬ失望があった。 この舞台へと降り立ち、ドモンと相対した時に感じた覇気と闘志は、 ギアナ高地で最後に戦ったその時よりも、ずっと強いものだと感じていたからである。 それだけに、今のドモンの無様な姿を見て、期待を裏切られたような気になるのも仕方ないと言えば仕方ないだろう。 やがて、ドモンが再びファイティングポーズを取る。それを合図に東方不敗も腰帯を手にし、 ……空に大きな音が響き渡ったのを合図に、激しい打ち合いが再開された。 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!肘打ち、裏拳、正拳、どぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「りゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!ふんぬッ、てッ!とぉりゃやああああ!」 エリアを、激しい乱打の音が駆け抜ける。 もし、この音を聞いた人間が居たとしたら、その音を何だと考えるだろうか? ……少なくとも、生身の人間の殴り合いの音だとは、夢にも思うまい。 「ぐ、ぬぉぉッ!?」 そんな乱戦の中。ドモンの怒りの鉄拳を受け止めた東方不敗が足元を軽く滑らせてしまい、 手刀を作ったまま螺旋を描くように膝を地面に突く。 「今だ!東方不敗マスターアジアァ!覚悟ぉぉ!!シャイニングフィンガァァァァァァー―ッ!」 その隙を見逃さず、ドモンは東方不敗に攻撃を仕掛ける。 出来うる限りの最速行動で拳を開き、いつもの長い前口上もいれずに即座に攻撃に移るドモン。 その、うっすらと……いや、紛れも無く黄緑色の光を放つその拳が、壮絶なるドモンの怒りと共に、ついに東方不敗を捉える…… 「まだまだ貴様は未熟ッ!秘技!十二王方牌大車併ッ!」 と、思われたその瞬間に12体のチビマスターに掴み掛かられ、 ドモンはあちこちにチビマスターを取り付かせたまま行動の自由を失ってしまった。 「う、うわぁぁぁぁッ!」 「観念しろドモン!」 そう叫んだ東方不敗は、ドモンへ向かって拳を開く。 即座にその拳に殺気が漲り始め、やがて強い暗紫色のオーラを形成していった。 (所詮、ここまでの男か……見損なった!見損なったぞドモン!) 自らの策を何度も打ち破り、自らの計画に何度も横槍を入れた宿敵のどてっ腹に、 その必殺の一撃を入れる瞬間、東方不敗の心を駆け巡ったのは失望と絶望と怒り。 (絶望したッ!情けない貴様に絶望したぞドモンッ!戦いの最中に心を乱し、隙を作る! 見え見えの挑発に乗り、いとも簡単に敵の術中に落ちる!恥を知れッ!貴様、それでもキング・オブ・ハートかッ! それでも…… それでもわしの弟子かァァァァァァァァァァァァァァァァァァァー―――――ッ!!!!!!!!) 「死ねッッ!ダァァァァァッァクネェス・フィンガァァァァァァァァァー―――――――――――ッ!!!」 そのトドメの一撃には、いままでの戦いの中で最も強い殺意、最も強い怒り、そして…… 最も強い、悲しみが込められていた。 (殺られる!死ぬ!……俺が死ぬ……な、なんだこの感覚は……) 自らの腹部をめがけ、その必殺の黒き刃が迫ろうとしている瞬間、ドモンは不思議な感覚に襲われていた。 全ての時間がゆっくりと流れ、今まで歩んできた自らの歴史の全てが眼前に姿を現し、そしてその一切が過ぎ去っていく…… (走馬灯……これは、走馬灯なのか……俺は、俺は……) その光景を、多少の高揚感と懐かしさに包まれながら見るドモン。 師匠との出会い、母との別れ。復讐に身を焦がした時代に、あの……覆面の男との出会い…… (愚か者が……あれほど忠告したのに、なぜスーパーモードを発動させた!) 懐かしい……ドモンはなんとなくそう思った。とても懐かしい、そんな……心に染み入る声が聞こえた気がしたからだ。 (ああ、この声は先に逝ったシュバルツの……俺の、もう1人の兄さんの声じゃないか……) (しっかりしろ!ドモン、しっかりしろ!気を確かに持て!心を乱すなッ!冷静になるんだ!) 自分を叱咤激励してくれたあの声に迎えられて、死ぬのも悪くない……ドモンは、死の瞬間、 ……確かにそう感じた。 &color(red){【ドモン・カッシュ@機動武闘伝Gガンダム 死…】} バッチィィィンッ!そんな、そんな音と共に、顔に激しい痛みを感じて目を開くドモン。 見れば、シュバルツが涙を流しながらこちらを睨んでいる。 (な、何をするんだ兄さん!僕をいきなり殴るだなんて……) 思わず、そんな情けない声をあげてしまうドモン。すかさず、第二打がドモンの頬を襲う。 (情けない奴だ、貴様やはりあの頃から変わっちゃいない……貴様が死んだらどうするッ!? 貴様を待つ人は……貴様を愛する人はッ!貴様が愛するレインはどうなるッ?) (……あー――ッ!!) その瞬間、一度は生を諦め、消えかけたドモンの闘志が再び燃え上がり始める。 (そうだ、俺は……俺は死なんッ!死ねんッ!!) 崩れ掛けていた膝が持ち直す。右手に光が集まり、シャッフルの紋章に強い光が宿る。 目には烈火の炎が、緑色の輝きが燃え盛り、されど、その心からは怒りも憎しみも、諦めも絶望も、その一切の感情が溶けていく。 (もう惑わされない……ありがとう、シュバルツ!……レイン!) 強い闘志をこめて拳を握り締める。と、同時に……自分をずっと教え導いてくれた覆面忍者が光の中に溶け失せて逝くのが見えた。 (頼むドモン……私のかわりに、螺旋王に正義の一撃を……) (分かった……分かったよ、兄さん……) ひ と し ず く 「 見 え た ッ ! 水 の 一 滴 ッ ッ ! ! 」 金色の、光が見えた……その一瞬、東方不敗が感じたのは、それだけだった。 必殺必中、絶対に避わせぬ筈の一撃は空を切り、ドモンからは眩い光があふれ出し…… 周囲の瓦礫がそのオーラだけで軽々と空に舞いあがり、同時に赤い、巨大な手が東方不敗にすら反応できぬ凄まじい勢いで迫り…… そして…… &color(green){【ドモン・カッシュ@機動武闘伝Gガンダム 螺旋力覚醒】 } 【E-6/デパート跡/1日目/夜】 【ドモン・カッシュ@機動武闘伝Gガンダム】 [状態]:全身に打撲、背中に中ダメージ、すり傷無数、疲労(大)、明鏡止水の境地、螺旋力覚醒 [装備]:なし [道具]:なし [思考] 基本:己を鍛え上げつつ他の参加者と共にバトルロワイアルを阻止し、師匠を説得した後螺旋王をヒートエンド 0:もう惑わされずに東方不敗の目を覚まさせる。少し頭冷やしてください師匠…… 1:光の柱の正体を探る。18:30にはF-5駅でカミナたちと合流。 2:積極的に、他の参加者にファイトを申し込む(目的を忘れない程度に戦う) 3:ゲームに乗っている人間は(基本的に拳で)説き伏せ、弱者は保護し、場合によっては稽古をつける 4:傷の男(スカー)を止める。 5:一通り会場を回って双剣の男(士郎)と銃使いの女(なつき)と合流する。 6:言峰に武道家として親近感。しかし、人間としては警戒。 [備考]: ※本編終了後からの参戦。 ※参加者名簿と地図に目を通しました。 ※正々堂々と戦闘することは悪いことだとは考えていません 。 ※なつきはかなりの腕前だと思い込んでいます。 ※ゲイボルクの効果にまるで気づいていません。 ※ループについて認識しました。 ※カミナ、クロスミラージュのこれまでの経緯を把握しました。 ※螺旋力に覚醒したことを知りません。 ※第三放送があった事に気が付いていません。 気が付いた時には、東方不敗は空を飛んでいた。 「ぐふふぅッ!目が、メガあぁぁぁああぁぁぁ……」 強い光を直視した東方不敗はその五感の一つを奪われ、錐揉み状に落ちていく。 しかし、そこは流石に東方不敗。残りの四感を駆使して、何とか地上に無事降り立った。 「うぐぐぐぐ、この東方不敗が不覚を取った、だと……?」 腹を押さえ、両膝を折り、大地にうずくまる東方不敗。 だが、その闘志は消えるわけでもなく、むしろ、大きく膨らみ始めていた。 「見たぞ……見たぞ!あの黄金の輝きを!あの赤きキング・オブ・ハートが拳をッ! ふふ、ふふふ、ふぁーっはははは!やった、やりおったあの馬鹿弟子め…… あの死地にあって、独力で持って流派東方不敗が最終奥義・石破天驚拳を身に着けおったわ……ハーッハハ!」 通常、宿敵に、弟子に、大いなる計画最大の邪魔者相手に不覚を取ったなら、 その心を支配するのは怒りや憎しみのはずであるが、この東方不敗の場合はそうではなかった。 勿論、東方不敗に悔しい心が無いと言えば嘘になるだろうが…… それよりも、結局最後まで自分が弟子に伝授できなかった最終最後の奥義を、 弟子が自らの力で放って見せたその喜びの心が、勝ったのである。 ……無論、東方不敗はドモンが自分よりも暫く後の時間より連れてこられたのを知らない。 「ドモンめ、ようやるわ……わしも、負けてはおれんのぅ!」 腹部を押さえながらゆっくりと、しかし、しっかりした足取りで立ち上がる東方不敗。 この瞬間、彼は自らの愛弟子・ドモンを自らの命を懸けるに値する、真の好敵手と認めたのであった…… やがて、ぼやけていた東方不敗の瞳に螺旋の光が宿り、それと同時に霞んでいた周囲の景色が東方不敗の視覚野へと流れ込んできた。 東方不敗の、見た光景とは一体……ッ!? 【E-6から2エリア以内の禁止エリアになっていない陸地のどこか/1日目/夜】 【東方不敗@機動武闘伝Gガンダム】 [状態]:全身にダメージ、特に腹部に無視できぬ大ダメージ、疲労(大)、螺旋力覚醒 [装備]:マスタークロス@機動武闘伝Gガンダム [道具]:なし [思考]: 基本方針:ゲームに乗り、優勝して現世へ帰り地球人類抹殺を果たす。 1:ドモンが予想以上に強いのでわしなんだかワクワクしてきたぞ! 2:光の柱は……まぁいい。結局なんだったんじゃろう?ついでにここはどこだ? 4:情報と考察を聞き出したうえで殺す。 5:ロージェノムと接触し、その力を見極める。 6:いずれ衝撃のアルベルトと決着をつける。 7:そしてドモンと正真正銘の真剣勝負がしたい。 ※137話「くずれゆく……」中のキャラの行動と会話をどこまで把握しているかは不明です ※173話「REASON(前・後編)」の会話は把握しています。 ※螺旋王は宇宙人で、このフィールドに集められているのは異なる星々の人間という仮説を立てました。 本人も半信半疑です。 ※Dボゥイのパワーアップを螺旋遺伝子によるものだと結論付けました。 ※螺旋遺伝子とは、『なんらかの要因』で覚醒する力だと思っています。 ですが、『なんらかの要因』については未だ知りません。 ついでに、自分自身が覚醒していることも知りません。 ※支給品一式、乖離剣エア、カリバーン、ゲイボルク、短剣×1がE-6デパート跡の瓦礫の下に埋まっています。 *時系列順で読む Back:[[夢‐‐。涙……]] Next:[[Raw! Raw! It's a partner!]] *投下順で読む Back:[[Omegaの視界 未解封のハコニハ]] Next:[[Death Lori]] |205:[[爆心地のすぐ傍で]]|ドモン・カッシュ|230:[[Rising Moon the Samurai & the Gunman(前編)]]| |205:[[爆心地のすぐ傍で]]|東方不敗|225:[[エミヤ]]|