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  • ジャミング・ウィズ・エドワード

ジャミング・ウィズ・エドワード

最終更新:2022年09月18日 10:46

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だれでも歓迎! 編集

ジャミング・ウィズ・エドワード ◆j3Nf.sG1lk



 走る、走る、エドは一人、朝日に向かって走り続ける。
 カウガールらしく狙うべき獲物をきちんと見定め、その目標に向かってひた走る。
 頭上で高鳴ってる螺旋王の言葉など当たり前のように聞き流して。

 エドは何時も通りのエドそのままだった。
 ビバップ号の中で犬のアインと一緒に遊んでいる時と全く同じ感覚で、この異常とも言える世界を一人走っている。意気揚々と。

 自分がどういう状況の中に放り込まれたのかをドモンから聞いても、危機感として何かが植え付けられたという事も無い為、
 頭の上から聞こえてくる放送を自分とは全く関係の無い事として聞き流した。
 それがどれほど危険で愚かな行為かなどエドは知る由もなく、
 ただ“アンチシズマ菅を見つけ、シズマドライブの暴走を食い止める”という使命感に突き動かされているだけなのである。
 言うなれば、この先に何があるのかも知らずエドは走り続けているのだ。勢いに任せるままに。

 すると、タイミングを見計らったように、エドの視界に二つの人影が映る。

「はっけん、はっけ~ん」

 誰かに接触する事で生じる危険性など一ミリたりとも考えず、エドはを奇声を発して速度を上げた。
 目に付いた人にシズマドライブの事を話し、エドの探し物を知っているかどうか聞いていくという至極子供らしい行動方針の命ずるままに、
 迷いもなく、目に映った二人の男女に突進していく。
 それこそ体当たりしかねない勢いで。



 ◆ ◆ ◆



 シータとマオは、図書館を目前とした歩道の真ん中で立ち尽くし、視線を空へと向けていた。
 突如響いた放送に驚き、足を止め、つい無意味に音の聞こえてきた方向へと視線を泳がせてしまったのだ。

 放送の伝える情報を耳にし、二人が二人とも小刻みに震える。
 9人もの死者が出たことを告げている放送だ。気の弱い者なら実際に殺人が行われている映像を想像してしまい、言葉もなく震え上がるのも無理は無い。

 特に、放送前に少女の無残な遺体を目の当たりにしているシータにとっては、この放送は酷く現実を実感させるものだったと言ってもいい。
 少女以外にも死人が出ている事を突きつけられ、自分がどういう世界に放り込まれたかを再確認させられてしまい、身震いしているのだ。

(そんな……もうこんなに……)

 シータは瞳を潤ませ、涙を零した。
 自分の知らないところで世界は確実に動いている。
 それは、いたいけな少女の遺体を目の当たりにして気づかされた事だったが、たった6時間の間に更に8人もの人間の命が奪われている事など想像できたはずもなく、
 シータはその優しい心が示すままに、顔も知らない者の為に涙を流していた。
 更に言えば、見知った名前が無かった事が、幸福でありながらも残酷でもあった。
 シータは、パズーやドーラの名が呼ばれなかった事を一旦は素直に喜んだ。だが、直ぐにそれは間違いだと思い直す。

 ――今こうやって放送を聞いているこの瞬間も、二人は危険に晒されているかもしれない。
 ――いや、そもそも、自分と関わった事が二人にとっての最大の不幸だ。
 ――ラピュタの王族なんかに関わったばっかりに、こんな場所に連れて来られてしまったんだ。

 マオの言葉で考えさせられた問題と今一度向き合い、頭の中に深い後悔の念が浮かび、激しい苦悩に苛まれる。

(私のせい……私のせいなんだ……)

 辿り着いてしまった答えと同時に両手で顔を覆い、シータは膝を付いて震えるように涙する。
 涙と共に零れ落ちたその想いは、やがて深い沼地となってシータを引きずり込んでいった。



 ◆ ◆ ◆



 マオは隣で聞こえてくるシータの心の声を聞きながら、別の事を考え、震えていた。

(枢木スザク……?へぇ、死んだんだ。ルルーシュを助けて僕の邪魔をした報いだね)

 枢木スザクという名前を聞き、マオは屈辱の記憶を呼び起こす。
 ルルーシュに復讐する為、その妹、ナナリーを誘拐し、ルルーシュを絶望の淵に追い詰めようとしたが、後一歩の所で、ルルーシュの策で動いたスザクの行動力にやられてしまった。

(アイツが居なければ、ルルーシュが僕に勝つ可能性なんて皆無だったんだ。アイツの、あのふざけた身体能力が無ければ、ルルーシュなんかに!)

 苦汁を飲まされ、ルルーシュに敗北する遠因だったその男を思い起こし、マオは怒りに震える。

 しかし、すぐさまその男が死んだという報告を思い返すと、今度は逆に、その宿敵の手駒が一人居なくなった事実を単純に喜んだ。

(あの死にたがりの事だから、誰かを守るためとか勝手に思って無茶でもしたのかな。全く馬鹿だねぇ)

 僅かに怒りを覚えさせる男のイメージを瞬時に頭の中に作り出し、そのイメージが無残な死体となったところで、マオは心の中で笑った。
 隣でシータが悲しみと恐怖に震えていないのなら、手を叩いて盛大に笑い声を上げていただろうが、流石にそれは我慢する。

(ハハハ、どうするんだい、ルルーシュ、もう君の信頼すべき人間は居ないよ。後に残ってるのは、滑稽な王子様の君だけだ。これは笑いが堪えられないね)

 笑う、笑う。マオは何所でこの放送を聞いてるとも知れない宿敵の姿を思い浮かべ、心の中で盛大に笑い声を上げる。
 傍から見たら、残酷な放送を聞いた事で、怒りと悲しみの混じった複雑な心持ちに落とされた為、全身を震わせていると錯覚される事だろう。
 しかし、その心の中は暗黒以上のどす黒い復讐心で埋め尽くされており、一人の人間の死を純粋に喜んでいる狂気に歪んだ男の姿そのものでしかなかった。

(今の君の顔が見れないのは残念だけど、すぐにもっと深い絶望を味わわせてあげるよ。僕はその表情を手土産にC.C.を迎えに行くんだから)

 ほんの一瞬だけマオの表情に狂気と共に笑みが浮かぶ。

 ゆえに、マオは気づかなかった。
 ギアスのオン、オフが出来ない為、近づいてくる者が居れば強制的に分かるはずなのに、
 マオの歪んだ狂気は、そんな当然の警戒すらも忘れさせ、一人の子供が近づいてきている事に気づけなかったのだ。



「こんにちわぁ~」

 突然声を掛けられ、シータとマオはハッとして視界を広げる。
 見れば、そこにはカウボーイがよく被っている白いテンガロンハットを頭に乗せ、真っ赤なスカーフを首に巻いた笑顔の子供が立っていた。

 二人は突然の出来事に言葉を失い、その子供を唖然とした表情のまま見つめる。
 そんな二人の表情を気にも留めず、その子供、エドは、地面に膝を付いて涙を流すシータを見つけた。

「あり~?なんで泣いてるの?お腹でも痛いの?」

 エドが心配そうな顔で声を掛ける。
 純粋で無邪気な笑顔が帽子の下から現れ、涙で潤んだシータの瞳を興味深げに覗きこんでいる。


 その声と顔に驚き、シータは唖然とした表情を解いてエドの顔を正面から見つめる事になった。

「何で、って……」

 好奇心に任せたままだと判別できる程、透明度の高い純真無垢と言える瞳で見つめられ、シータは自然と続くべき言葉を失った。
 目の前の子は、本気でシータの事を心配して声を掛けている。
 それが分かり、再びシータの心の中に重い空気が圧し掛かった。

 シータの頭の中にパズーの笑顔が浮かび、暖かい眼差しがシータに向けられる。
 おそらく、今この場にパズーが居たとしたら、目の前の子供のように、何も考えずにシータの事を心配してくれる事だろう。
 しかし、その優しい少年を危険な目に遭わせているのは紛れもなく自分のせいであり、
 それを考えれば考えるほど、シータは自分で自分の心を苦しめ、謝罪のように涙を流し続けるしかなかった。

 突然現れた見ず知らずの子供に純粋に心配されるという行為自体、今のシータには残酷なものでしかなかったのだ。



「あり?」

 再び泣き崩れたシータを見下ろし、エドは疑問符を浮かべる。

 (また泣いちゃった?これってエドのせい?)

 声を掛けたエドにとって見れば、突然泣き出される原因がさっぱり分らない。
 仕方ないので、隣に立っている男、マオに視線を向ける。 

「ねぇ、何でこの子は泣いてるの?」

 話を聞く対象をマオへと切り替えたエドは、何も考えずに疑問に思った事をそのまま口にする。
 そのたった一言が、一体どういう引き金になるのかも知らずに。




 そのエドの言葉につられ、ようやくマオは状況把握を開始する事が出来た。

(何で、子供が近づいてきている事に気づけなかった?)

 一番最初の問いであり、一番重要な疑問点。
 マオは自分の力を最大限に利用する為、近づいてくる者を警戒、また有利な立場に立つ為に、ギアスの効果範囲を絞らず、
 精神に負荷が掛からないギリギリの範囲までギアスを広げて行動していた。
 人の思考を読み取るというマオのギアス。
 その能力がある限り、効果範囲の外からの攻撃でない限り、不意を突かれる事は無いと思っていたマオは、突然現れた子供の存在に対して驚きを隠しきれないのだ。

(一気に僕のギアスを飛び越えた?そんな馬鹿な――)

 いくら放送の事で考え事をしていたからといって、勝手に流れ込んでくるはずの声に気づかないはずは無い。
 では、何故、エドは平然とマオの前に立っているのか?
 その問いに答えを出すとしたら、つまり、エドは一切何も考えず、マオたちの前に辿り着いたという事を表している。
 だがマオは、その考えを即座に否定した。

(無い、無い、無い、無い!ありえない!殺し合いに怯える事もなく、思考もろくにせずに誰かと接触する奴なんているものか!
 それが、どれほど危険な行為かを考えない奴はいないはずだ!)

 マオは考える。
 状況から推察される人間の思考形態を。
 常識外の空間に放り込まれれば、自然と人は状況を理解する為に普段以上の思考を巡らす。
 それが殺し合いの場だったら尚更だ。
 思考をせずに行動に結びつくわけが無い。
 冷静に状況を分析し、理知的な行動をする人間だろうと、状況の変化に押しつぶされ、心を壊してしまった者だろうと、人は等しく行動する為に思考する生き物である。
 理知的に行動するなら思考は必然であり、壊れてしまったのなら、短絡的な思考がだだ漏れる。
 つまり、人が思考して行動する生き物である限り、マオは自らの力に絶対の信頼を寄せられるのである。

「ねぇ~」

(たぶん、ただの僕のミスだ。
 放送を聞いて一瞬だけC.C.の事を考えちゃったせいだよ。
 いつもと同じく、C.C.の事を考えている時だけはギアスの力から解放される。たったそれだけの事さ。
 現に今は、ちゃんと心の声が聞こえるじゃないか。
 女の子を心配する声ばかりで、僕の知りたい情報は全く無いけど、それは、これから搾り出させればいい。
 そうさ、僕が不安になる事なんて何一つ――)

「ねぇ~ってば」

 頭の中で最低限自分の納得できる範囲で疑問の答えを組み上げようとしたまさにその時、エドの不満気な表情が目に飛び込んできた。

「何で、この子泣いてるの?教えてよ~」

 その声にハッとなり、自分を見上げるその顔をまじまじと見つめ返す。
 マオの瞳に映ったのは、知性の欠片も見えない、明らかに能天気そうなガキの顔だった。

(ハ、ハハハ、何を難しい事を考えているんだ、僕は。
 こんなの、ただの子供じゃないか。怯える理由なんて無いだろう。
 どうやらあまり深く考えないで行動するタイプのようだけど、それならいつも通り聞けばいいのさ。効果範囲をコイツ一人に絞ってね)

 心の中で無理矢理にでも笑みを零し、マオの心の中に平静さを取り戻そうとする。
 突然現れた事には驚いたが、冷静に考えれば、現状がそれほど危険な状況ではないと気づくのは容易かった。
 なぜなら、こうやって襲い掛かってくるわけでもなく接触してきている時点で、よっぽど身体能力に差が無い限り、突然襲い掛かられても対処は十分に間に合うだろうし、
 例え、効果範囲の外から別の襲撃者が来たとしても、今度こそ流れてくる思考を聞き逃さなければいいだけなのだ。
 ゆえに、この状況はマオにとって、さしたる問題ではないと、即座に切り替える事が出来た。

「ん、ああ、ホントだねぇ、泣いてるねぇ、どうしたんだろうねぇ」

 とりあえず、マオは話を合わす事から始めた。
 膝を付いて泣き崩れている同行者を見下ろし、哀れみを乗せて呟く。
 そして、気づかれないように、標的を目の前の子供へと移していった。

「たぶん、少し具合が悪いんだと思うよ。
 あ、そうだ、少しこの子の介抱を手伝ってくれるかい?僕一人じゃ大変だしね」

 こうして、マオによるエドの心の解剖が始まった。



「うん、いーよー。エド介抱する」

 全く他意の無いと思える表情で、かいほ~♪ほうた~い♪救急車しゅつど~♪ などと、勝手な歌を歌いながらシータに駆け寄り、背中を撫でたり、肩を叩いたりしているエド。

 それを見ながら、マオはゆっくりと自分を落ち着かせ、ギアスの効果範囲をエド一人に絞り込んでいく。

(さっきは油断して声を聞き逃しちゃったけど、今度はそうはいかないよ。これから君の全てを覗き見るさ)

 別の誰かが狙っていようが、今この瞬間にエドの思考を読み取れば問題無い。
 そう割り切り、マオはギアスの効果範囲をエドに絞り込んだ。
 自分の犯したミスに気づかぬまま――

(――ッ!?)

 エドの頭の中から流れ込んでくるを声を聞き、咄嗟に頭を押さえ、心の中で声にならない悲鳴をあげた。

(……ナンダ……コレハ……)

 それは、完全に理解不能とも言うべき、言葉の羅列。
 中身の無い、感情をストレートに表したような絶叫にも近い感情表現。
 そして、時折垣間見える、マオが住む世界より遥かに文明が進んでいる地球、いや、宇宙規模に利用されていると思える超技術の数々の片鱗。
 意味不明すぎてマオには到底理解できない、ありとあらゆる情報の波だった。



 マオが犯したミス、それは、自分のギアスに制限かかけられている事を、突然の出来事の連続で、つい忘却してしまった事だった。



 本来、効果範囲を絞って相手の心を読もうとすれば、相手の深層心理から精神的外傷(トラウマ)すら読み取る事が可能になるマオのギアス。
 物事をあまり考えない能天気な子供だろうと何だろうと、心の何処かに触れて欲しくない部分が一つや二つきっとある。
 それを探れば、自分にとって有利な情報と共に、必ずエドを心理的に操れる、そう確信していたマオは、ついいつも通りの感覚でギアスを行使してしまったのだ。
 ギアスに制限がかけられている事など忘れて。
 そして、その結果は――



(……う、るさい……うるさい!あ、頭が――)



 エドの中の、さらに深い深層心理に渦巻いていた圧倒的な情報量、それをノイズ交じりに覗き見たがゆえに、マオは衝撃と共に激しい頭痛に襲われる。

 それは、先程シータから受けたノイズに近いようでもあり、考えようには全く違った感覚だった。
 具体的なことを言えば、エドのそれは、マオのギアスの唯一の欠点、オフに出来ないという欠点から生じる、日常の問題と酷似していたのである。

 言うなれば、それは『雑踏』。

 ギアスをオフに出来ない以上、無駄な声を頭に入れない為、マオは日常から人込みの中を歩くのを極端に避けている。
 ギアスの効果範囲に入った者の心の声を強制的に聞くということは、もし、人通りの多い街中にマオが入ってしまった場合、その空間にいる人間全ての心の声を同時に頭に流されてしまうのである。
 それこそ、数十人から、多ければ数百人規模の大合唱で。
 特定の人間の心を覗き見たい場合は便利な能力ではあるが、聞きたくもない、無駄ともいえる雑音を音程も何も無い大合唱で聴かされるのは拷問以外の何物でもないだろう。
 それを知っているからこそ、常に注意を払い、警戒し、対策を立て、自分を保ってきたつもりだった。
 人込みを避け、出来るだけ無駄な声を聞かないようにする。
 どうしても聞かなければならない状況になったら、愛しい人の声で頭の中をいっぱいにし、周囲の雑音を意識しないようにする。
 それが、この世界に来る前までの、普段のマオの日常だった。

(クッソ……コイツ……!)

 エドの声は、人込みの中と酷似していた。
 具体的に言えば、エドの思考に感情の変動は一切ない為、常にポジティブに、常に楽しむ為だけの声が延々と流れてくるのである。
 明るい笑い声のような短絡的な言葉が、断片的に、しかもノイズ混じりにマオの頭を叩き続けている。
 それは、一種の呪いの様なものだったのかもしれない。
 膨大な情報と合わさって、重なり合うようにマオの頭に響き渡るそれは、
 平坦で支離滅裂な言葉の合唱となって、大小さまざまに枝分かれして、まるで全周囲から心の声が襲ってくるように変化していったのだ。



「うにゅ?」

 マオが突然頭を抱えて苦しみだした事に疑問を抱き、エドが不思議そう顔で見つめてくる。
 しかし、それに答えている余裕はマオにはなく、逆に、その何も考えてないような顔が腹立たしさを覚える。

 そう思ったときには、既にマオは動いていた。
 この雑音を止める為、平静な自分を取り戻す為、マオは唸り声のような悲鳴と共に右手を振り上げた。



 ◆ ◆ ◆



 マオの悲鳴に驚き、そこで、ようやくシータは顔を上げた。
 そして、その視界に映った光景を見て、思考が真っ白になる。

(――え、何で、マオさんが……)

 シータが見たのは、エドの頭めがけて右手に持った鉄扇を振り下ろそうとするマオの姿だった。

(そんな……その子は何も――)

 突然の光景に、瞬間的にパニックに陥る。
 自分を慰めようと、優しい声を掛けているエドの姿が記憶の片隅に映り、パズーの姿と重なった。
 姿形は似ても似つかないが、その優しさは間違いなく他意の無いものであり、
 その純粋な心にシータは少しだけ癒された事を思い出したのである。

「ダメェ!!!」

 気が付いたら飛び出していた。
 エドとマオの間に飛び出し、エドを庇う様にその体をシータの体で包み込む。
 その直後、シータの背中に雷に打たれたかのような衝撃が奔った。

(―――ッ!)

 マオから渡された鎧を着ていたこともあり、全身に痺れる様な痛みは走ったが、何とか悲鳴を上げるのは我慢できた。
 シータは、「何故、こんな事を」という視線をぶつける為に、マオの方へ振り返る。
 しかし、実際に言葉が発せられる事はなかった。
 シータの目に映ったマオの姿は、明らかに常軌を逸した気配を纏っていたからである。

「……マオ、さん?」

 シータの声が震える。
 バイザーのせいで、その瞳に映っている感情は見抜けないが、口元を見る限り、今この瞬間だけは、マオに話が通じない事がよく分った。
 歯軋りが聞こえるほど上下の歯を噛み締め、唇が凶行に順ずるが如く小刻みに震えている。

「マオ、さん?」

 もう一度だけ問いかける。
 しかし、返ってきた答えは、再び振り下ろされた鉄扇の一撃だった。

 もう、何が何だか分からなかった。
 ギリギリの所で振り下ろされた鉄扇を回避し、シータはエドの手を持って走り出す。
 考える余裕など無い。
 恐怖のあまり、シータは振り返る事も忘れて走り続けた。

 エドの手だけを強く、強く握り締めながら。



 ◆ ◆ ◆



――起きたのか、マオ。

――わかってるよ、マオ。

――安心しろ、マオ、私は死にはしないさ。


(―――C.C.!?)


 無意識の内に愛しい人の声を思い出し、マオは正気に帰る。
 そして、目の前の惨状を目の当たりにし、愕然となった。

 そこにはマオ以外誰もいなかった。
 残されたのは、マオ自身と、無造作に放り出されたように落ちているディバックが三つだけ。
 ギアスを広げてみたが何の声も聞こえない。
 非情にも、その空間はマオだけのものになっていたのである。


 マオの意識が正常なレベルまで戻ったのは、シータ達が居なくなってからすぐの事だった。
 しかし、エドから受けた膨大な情報の波は、そう簡単に受け流せるものでもなく、未だマオは頭を押さえて頭痛と戦っている。

(クソ、何をやっているんだ、僕は。あんな事をすれば逃げ出すのは当然じゃないか)

 かろうじて保っている思考を巡らし、自分の犯した愚行を後悔する。
 そして、早く追いかけなければ、という結論に行きつき、漠然と体を前に進めようとした。

 しかし、その行動は自然と止められた。

(追いかけて、追いかけてどうするって言うんだ?)

 シータの精神状態を考えれば、もう一度行けば、適当に誤魔化す限り何とかなるかもしれない。
 更に警戒心は強められるだろうが、手駒と割り切ってしまえば、それほど問題にはならないだろう。
 だが、問題は、もう一人の方だった。
 シータに接触するという事は、もう一度エドに接触しなければならないということである。
 それを考えた瞬間、先程の苦しみを思い出し、マオの体が震えた。

(ダメだ!もう二度と、あんな思いはしたくない……)

 効果範囲をエドに絞らなければ、二度と同じ目に遭う事は無いかもしれない。
 しかし、現状、そんな短絡的な事を言ってる余裕は全くなかった。
 再び思い出されるエドが齎したノイズ混じりの雑音。
 既に、それは記憶の隅々にこびりついてしまっているからだ。

(ああ、C.C.――やっぱり、僕は君がいないとダメだ。君の声が、君の優しさが、僕の中にないと……)

 普段から身に着けている体の一部とも言うべき、C.C.の声が録音されたヘッドホンが、今現在マオの手元に無い。
 それがマオの足を完全に引っ張っていた。
 普段なら、例え大量の雑音に心が浸食されようと、すぐさま耳に当てたC.C.の声が録音されたヘッドホンのボリュームを最大にし、
 周囲の雑音をかき消し、意識しないようにする事で自分を保つのだが、それが出来ないという事が、より一層マオの心を苦しめるのだ。

(見つけなきゃ……C.C.を、君を見つけなきゃ……)

 漠然と何かに向かって歩き出そうとしたその時、不意にマオの視界が何かを捉える。

 それは、エドが逃げる時に残していった支給されたディバックだった。

(C.C.!?)

 迷いもなくそれに飛びつき、中をひっくり返す。
 だが、マオの期待した物は、そこには入っていなかった。
 出てきたのは、支給品一式に、西部劇などで目にするカウボーイが着ているような衣装、そして黒光りする杖が一本、それだけだった。
 その事に愕然としながら、マオは何かに掴まりたい一心で徐にその内の一つに手を伸ばした。

 その瞬間、僅かながら残っていた冷静な思考が警鐘を発した。

(――何だい?この重さは)

 虚ろな眼で、マオはそれを手に取り、じっくりと検分する。
 それは、黒光りする、何の変哲も無い杖だった。そのはずだった。
 持った瞬間から明らかな違和感を感じるほど、見た目以上の重量を感じられ、マオは、それがただの杖じゃないと直ぐに気づく。
 杖というのは、足腰の弱い人間の歩行をサポートする為の道具であり、丈夫で軽くするのが当然の代物だ。
 木製、アルミ、スチール、どれを選んでも利用者の扱いやすいものであるはずなのに、
 マオの持ち上げたものは、明らかに鉄製であり、重く、前に出す事さえ力を必要とする物だった。
 これでは逆に歩行を困難にする事だろう。

(何故、こんなものが――)

 しばらく検分した後、マオはそれが何なのかを理解する。
 その瞬間、マオの唇は狂気に歪んだ。

「ハハ、アハハハハ、アッハッハッハハハハハ」

 右手に持った杖を天へと突き上げ、マオは当たり構わず盛大に笑い声を上げる。
 そして、遂に明確な目的を心に掲げた。


「待ってて、C.C.、今すぐ君を迎えに行くよ」


 マオは決意した。
 それまで考えていた全ての目的を捨て去り、一つの標的に向かってただ進む事を。

 愛しの人の声が入ったヘッドホンを今一度自分の手に取り戻す為、迷いなく、狂気と凶器を握り締めて歩き始める事を――



【B-4/西端、道路上 一日目・朝】

【エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世@カウボーイビバップ】
[状態]:健康、強い使命感
[装備]:アンディの帽子とスカーフ@カウボーイビバップ
[道具]:
[思考]
1:アンチシズマ管を探す。



【シータ@天空の城ラピュタ】
[状態]:迷い、若干自暴自棄、右肩に痺れる様な痛み(動かす分には問題無し)
[装備]:日出処の戦士の鎧@王ドロボウJING
[道具]:
[思考]
1:とりあえずマオから離れ、エドを守る
2:マオに激しい疑心

[備考]
マオの指摘によって、パズーやドーラと再会するのを躊躇しています。
ただし、洗脳されてるわけではありません。強い説得があれば考え直すと思われます。
※マオがつかさを埋葬したものだと、多少疑いつつも信じています。
※マオをラピュタの王族かもしれないと思っています。

二人の支給品は装備しているもの以外、全てマオの手に渡りました。



【マオ@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:精神的疲労(大)
[装備]:東風のステッキ(残弾率100%)@カウボーイビバップ、マオのバイザー@コードギアス 反逆のルルーシュ
[道具]:支給品一式×3 オドラデクエンジン@王ドロボウJING、アンディの衣装@カウボーイビバップ
    鉄扇子@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-
    日出処の戦士の剣@王ドロボウJING
    支給アイテム0~1個(マオのヘッドホン、武器以外)
[思考]
1:ヘッドホン(C.C.の声が聞ける自分のもの)を何が何でも手に入れる
2:ヘッドホン以外のことは一時的に忘却

[備考]
マオのギアス…周囲の人間の思考を読み取る能力。常に発動していてオフにはできない。
意識を集中すると能力範囲が広がるが、制限により最大で100メートルまでとなっている。
さらに、意識を集中すると頭痛と疲労が起きるため、広範囲での思考読み取りを長時間続けるのは無理。
深層意識の読み取りにも同様の制限がある他、ノイズが混じるために完全には読み取れない。
※また、錯乱などといった思考の暴走には対処しきれない事に気づきました。
※異世界の概念はあまり信じていない様子。
※シータの知りうるラピュタ関連の情報、パズーやドーラの出会いをほぼ完全に知りました。


時系列順で読む

Back:――――ありがとう Next:まだ静かな朝

投下順で読む

Back:――――ありがとう Next:まだ静かな朝

093:Cats on sizuma drive エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世 144:とあるラピュタの同性交流
089:再会と血と薔薇 マオ 158:金田一少年の天敵
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