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――――ありがとう

最終更新:2023年07月24日 17:32

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――――ありがとう ◆/eRp96XsK.




『――久しいな、諸君』


消防車のタイマーが午前六時を指すと同時に、放送が始まった。
ジャンパーの男、相羽シンヤを追い道路を南下していた一同は、道路のど真ん中で停車した消防車の中で、その放送を聞く。
本当は走行しながら放送を聞く予定だったのだが、ガラスが全て砕け散っている消防車の座席は、
走行中常に車体に叩き付けらている風と、その音をモロに受ける形になる。
こんな状態では放送を聞き逃してしまう可能性がある、という事でやむなく一時車を止め放送を聞く事となった。
ちなみに、この行動に対し思いっきり渋面を見せ反対するかと思われたラッドは、意外にも快く同意した。
ちなみに彼が同意した理由というのは、

『放送聞きそびれて禁止エリアで首輪ズガン! なんてーのは俺も勘弁してほしいしな。
 それにさ、一体どんぐらい殺されてんのか知りてーのよ、俺。だって死んだ連中の分だけそいつらブッ殺した奴がいるって事だろ?
 つまり今回の放送で俺が嬉しく楽しくブッ殺せる奴らが最低何人いるのか分かるわけだ。楽しみじゃねーか! なぁ!』

というものである。
ラッドの同意した理由はともあれ、消防車に乗った一同はこうして放送を迎えている。


■


『――木スザク、 シモン 、シュバルツ・ブ――」


(…………え?)

先ほどの放送で呼ばれた名前の中に、確かにシモンの名があった。
それがどういう事を指すのか。どのような意味を持つのか。驚きで止まりかけた頭がそれを理解した瞬間、ヨーコの意識はその殆どが闇で覆われた。

(…………シモンが、死ん……だ?)

死んだ? シモンが? 何故、何故シモンが? いや、それよりも……シモンがこのゲームに参加させられていた?
その事実に思い当たったとき、ヨーコは呆然とした。放送を聞いたラッドが何やら浮かれて騒いでいるようだがそれも遠くに聞こえる。

(私……気付かなかった……シモンが、いた事に……)

誰かが死ぬのは、もう見たくない。もう、誰にも死んでほしくない。ヨーコは、確かにそう思った。強く、強くそう思った。
だけれど、そう思ったその時、シモンの事は、大グレン団の皆の事は、少しも考えられていなかった。
獣人達の開いたこの悪趣味なパーティに招待されたのが自分だけの筈は無いというのは、少し考えれば分かりそうな事なのに……
何故、どうしてすぐに仲間の事を考えなかった? 大グレン団の仲間たちは、その多くがカミナの掲げる旗印の下へと集った者達だ。
いわば、カミナという男に惹かれ集った者達なのだ。皆カミナの死にショックを受けているのは間違いない。
その中でも、今放送で名前を呼ばれたシモンは特に酷いショックを受けていたはずだ。
シモンはカミナと同じ村で育ち、ずっと彼の背を見続けてきた。誰よりも――多分、ヨーコよりも――カミナを信頼していた。
カミナがグレンごと獣人のガンメンに串刺しにされたときには、暴走して敵の超大型ガンメンを乗っ取り、
彼を止めようとする大グレン団のメンバーの言葉に耳も貸さず、周囲を破壊し尽くしながら火山の火口へ飛び込もうとさえしていた。
カミナを信仰していた、とさえ言える彼だ。カミナの死を知った彼の絶望はヨーコのそれと比べてもずっと深いものだろう。
そんなシモンがこの殺し合いの場に呼ばれればどうなるのか。そんな事は考えるまでも無い事だった。


「――にしてもよ、殺られた連中はブッ殺された時に一体どんな面してたんだろうなぁ?」


突如、ハイになっているラッドの放った言葉が鮮明に耳に届いた。その言葉に、ヨーコはびくりと肩を震わせる。
その事を知ってか知らずか、ラッドはハイテンションなまま言葉を次いでいく。

「やっぱギャーギャー泣き喚いてたのか? それともキレて喚き散らしたか? いやいやテメェが引き当てたモンに浮かれてるところをズガン!
 てのもいいねぇ……あ、ひょっとしたら自殺しちまった奴もいんのかな? ……いるんだろうなぁ、やっぱよ。
 あぁー、でもよぉ今頃そいつら殺した連中、どっかで面白おかしく殺ってんだぜ? いいよなーずりーよなー羨ましいなぁーあぁ゛ー!」

聞きたくもないのに、ラッドの言葉が次々にヨーコの中に飛び込んでくる。

――シモンは、どうだったんだろう?

カミナを失った喪失感から、自らの命を絶ったのか。
獣人の長である螺旋王への復讐心に燃えながらも、殺人者に無残に殺されてしまったのか。
それとも、ただ惨めに震えながら死を迎えたのか。

――私が気付いていれば、こんな事にはならなかった。
――私が気付いていれば、シモンは、私の仲間は死なずに済んだ。
――私が、気付かなかったから……


「あぁもう、早く出てこねえかなァジャンパー野郎! そんでもって楽しく愉快に――てオゥッ!?」
「あ、ゴメン」


そんな時、ラッドの止まらないお喋りとヨーコの何処までも後ろ向きな意識は、運転席の少年のかけた急ブレーキで強制的に遮られた。


■


放送の終了した【C-7】エリアの道路を、相羽シンヤは静かに一人歩いていた。
歩きながら彼が考える事、それは先ほどの放送の内容。螺旋王はこの6時間の死んでいった9人の人間の名を読み上げた。
その中に愛しく憎き敵、実の兄である相羽タカヤ――Dボゥイの名が無かった事にひとまず安堵する。
だが、油断は出来ない。この場には、人間態とはいえ、ラダムのテッカマンと互角に渡り合う程の強者が複数人存在している。
いかにテッカマンといえどテックセットを封じられ、更に人間態での身体能力も制限されている現状では、シンヤもタカヤも何時殺されても不思議はない。
だからこそ、この会場内に存在している筈の二つのクリスタルを入手し、その上で自身に課せられている制限を解き放たねばならない。
タカヤ……否、テッカマンブレードと互いに全力でぶつかり合い、そして打ち倒すために。
その為にも、まずは首輪のサンプルが必要になる……のだが、消防車の二人組を見送り南へと下ったものの、未だ他の参加者は見付けられずにいた。

(【E-7】エリアまで道路沿いに進んで、それで誰とも遭遇しなければ中央へと足を運ぶか……禁止エリアが邪魔になるが、
 そこへ行くまでにデパートや病院という人の集まりそうな施設がある。それで誰も発見出来なければ、一旦学校へ引き上げるとしよう)

シンヤがそう今後の方針をまとめた時だった。その音が、ほんの僅かなブレーキ音が、背後から響いたのは。

「…………!」

離れた位置からのものだったためか、その音は非常に小さかった。静まり返ったこの場でなければ気付くのはほぼ不可能だっただろう。
だが、確かにその音は響いた。急ブレーキをかけたような、ゴムタイヤの擦れる音が。
あの消防車の二人組が追ってきたのか? とシンヤは考える。だが、あの二人がわざわざそんな事をする適当な理由が思い浮かばない。
まぁ、そんな事はどうでもいい。いずれにせよ、南を向くシンヤの背後には車両が存在し、そしてその車両にはこのゲームの参加者が乗っているのだ。
ならば、わざわざこれ以上道路を進む必要はない。

「フフ、思わぬところで手間が省けたというわけか……」

シンヤはそう呟きながら右の手に剣を構え、北へと駆け出した。


■


「なぁ、オイ、ジン。 また一体どういうつもりよ? 俺ァとっととジャンパー野郎をブッ殺してぇって言ってんのに、なんでまた車止めるわけ?
 しかもいきなり急ブレーキ踏んでよぉ、外にふっ飛んでったらどうするつもりだったよ? ん?
 何? やっぱオメー俺の事ナメてる? ナメられてんの、俺? ……なぁ、オイィ!!」
「ま、待てよラッド! ジンにも何か理由があるんだ、多分!」
「そうそう、オレはただ忘れ物取ろうと思っただけだよ!」

シンヤがブレーキ音を察知し、道路を北上し始めた頃。
消防車内では急ブレーキで思いっきり前につんのめり、危うく消防車から放り出されそうになったラッドが、怒りの形相でジンに詰め寄っていた。
こめかみをぷるぷると震わせながらジンに詰め寄るラッドを清麿が慌てて何とか抑えようとし、ジンが大急ぎでそれに続く。

「忘れ物だぁ? まさか今からあの店まで戻ろうって言うんじゃ……」
「いやいやいや、俺の忘れ物があるのはこっちなんだ」
「あ゛? 上?」
「そう! ジャンパーの男を追っ払った時に武器をここの標識に刺したまま置き去りにしてね。
 で、それ思い出して折角だから回収しようと思いまして。
 というワケで上行って取ってくるからちょ~~っとお待ちください。
 あ、おねーさんは一緒に来て手伝って」
「え? ……あ、ちょっと――!?」

ジンは車内を小器用にしゃかしゃかと動き回りながらラッドに対し弁明をし、そのままぼうっとしていたヨーコの腕を取り、車上へと上がる。
下から「なんだよなんだよ男の子ならブン殴ってブッ殺すぐらいのつもりでいこうぜー……まぁいいか。とっとと済ませろよー」
というラッドの声が届く。どうやら納得はしたらしい。少なくとも、これで彼にブン殴られてブッ殺される可能性は格段に低くなっただろう。
もっとも、あまり待たせるとどうなるのか分かったものではないが。

という事でジンは「うし!」と気合を入れて標識に突き刺さったブーメランを引き抜きにかかる。
そしてそんなジンの姿を、ヨーコは車上に座りただ眺めていた。
標識とジンはしばらくブーメランを巡って格闘を続けたが、やがて軍配はジンの側に上がり、ブーメランは引っこ抜かれる。
が、その際に後ろにひっくり返り、ジンはヨーコのすぐ目の前で車の屋根に思いっきり後頭部を打ち付けた。
ジンは後頭部を押さえて呻いていたが、ヨーコは車上に座りただ標識を眺めていた。
そうして暫く呻いた後、ジンはそのままのポーズで呟く様な小さな声で切り出した。

「…………おねーさん、誰が死んだんだ?」
「――――――ッ!!」

それまでジンの行動にまともな反応を示さなかったヨーコだったが、その言葉を聞いた瞬間に、肩をびくりと震わせた。
それを確認するとジンはその場へ座り、ブーメランに絡み付く金属糸を解きながら言葉を次いでいく。

「出来れば聞かせてくれないかな? もちろん、無理にとは言わな……」
「………………シモン」
「シモン?」
「そう……シモンが、死んじゃったのよ……」

震えが止まらない自らの肩を抱き、それでも震えが止まらず、ヨーコは自然と体を前に倒す。
目の前が消防車の赤一色に占領された状態で、そのまま口を動かし続ける。

「シモンは、大グレン団の仲間で、あいつの、カミナの事……アニキって呼んでて、すごく慕ってた。
 グレンラガンに乗って、カミナと一緒に戦ってたけど、でも、ちっちゃくて、弱くて…………
 こんなところに連れて来られたら、どうなるかなんて分かってたのに……!
 グレン団の皆がここに連れてこられてないわけなんか無いって、そんなことも分からないで、私、私のせいで……!
 私がもっと早く気づいていれば、シモンは、シモンは…………!」

一度口を動かし言葉に出すと、後はただ感情を口から垂れ流した。
ヨーコは掠れた、小さな声でただシモンの死に対する驚きと恐怖、悲しみと、自らを責める言葉を垂れ流した。
その様子を無言で見つめていたジンは、金属糸を解き終わったブーメランを横に置き、ヨーコの肩に手を置いた。
そしてゆっくりとヨーコの体を起こし、彼女の瞳を見ながら静かに言葉を紡ぐ。

「…………おねーさん、オレはそのシモンって奴がどんな奴で、おねーさんにとってどんな存在だったのか知らない。
 だから、ちょっと無神経な事言ってるみたいに聞こえるかもしんねーけど…………
 そいつの、シモンの死がショックだったんなら、ここでこうしていちゃいけないぜ。
 おねーさんの仲間はシモンって奴だけじゃないんだろ? そして、おねーさん達はあの螺旋王っておっさんと戦っているんだろう?
 ならここで止まっちゃ駄目だ。こうやって足を止めている間に、
 ここに連れて来られたおねーさんの別の仲間が命を奪われてしまうかもしれない」

そのジンの言葉によって、ヨーコの瞳にこれまでとは若干毛色の違った、しかしより大きな恐怖が浮かぶ。
――大グレン団の皆が、命を奪われるかもしれない?
――ここで、こうしている間に?

「だからさ、こんなところに座ってないで、立って……立って、前を見て、歩くんだ。
 そして仲間を見つけ出して、今度こそ守ってやるんだ。二度とそんな思いをしない為に。
 ……もちろんオレも手を貸すから、さ」

そんなヨーコにジンは微笑みかけ、立ち上がる。そしてヨーコに右手を差し出しそう結んだ。
ヨーコは差し出された手をじっと眺め、僅かにためらいながらも、おずおずとその手を握った。

「おぉーい、まだ終わんねぇのかー! おぉーいもしもーし聞いてんのかァー!!」
「うぉっ、ヤベ!
 ……まぁ、とにかく今はひたすら進もう。そうすりゃ、きっと何とかなるさ」

その時、いい加減に待ちきれなくなったのかクラクションの音と共にラッドの声が響いてきた。
それを聞いたジンは最後にそれだけ言い残すとブーメランと金属糸とをまた自分のデイパックに詰め、そそくさと運転席へ戻っていく。
自らも歩きながら、ジンの後姿を見つめ、ヨーコは静かに決意する。

(……そうよ、このままここで悲しんでるだけじゃ、きっと皆殺される……悲しんでいちゃ、いけない…
 だから、大グレン団の皆も、ジンも、私が守らなきゃいけないんだ。もう何度もこんな目にあわない為に…
 誰も殺させない……たとえ私がどうなろうと、絶対に皆を守らなきゃいけないんだ……!)

その決意が、果たしてどのような結果を呼び起こすのか。
それが知れるのは、もうまもなく…………


■


「……フン」

二人の姿が消え、誰もいなくなった車上に一人の男が姿を現した。
走行する消防車の上で一本に結ったお下げを風に揺らす拳法服の老人――東方不敗・マスターアジア。
彼は消防車に追いついたそれ以降はこうやって密かに車上に居座り、車内での会話に聞き耳を立てていたのだ。

「あのジンとかいう小僧……ラッドが殺気と狂気を撒き散らすあの車内において、女の異変を察知し外へと連れ出し、
 完全に、とまではいかなくとも精神的に立ち直らせおったか……
 更に、ラッドという男の扱い方をほんの僅かにではあるが、理解してきているようでもある」

中々に厄介な奴よ、と東方不敗は呟く。
東方不敗はあの消防車の面々を利用して、各地で争いの火種に火をつけていくつもりでいた。
だが、あの少年はその種に火がつく前に何とか摘み取ろうとしているかのように動いている。
今後もあの調子で動き回られるのは、東方不敗にとって望ましくない。
ならば……

「この機に……始末するのみよ!」

そう高らかに言い放つ東方不敗の視線の先には、ゲームに乗った殺人者、相羽シンヤの姿があった。


■


「む……?」

自分が数時間前に襲撃した消防車と再び対峙したシンヤは、奇妙な違和感を感じた。
一瞬、その消防車の車上に人影があったかのように見えたのだ。しかし、瞬きの間にその人影は影も形も無くなっていた。
僅かに引っかかるものを覚えながらも、シンヤは今は意識を消防車の4人組へと向けることにした。

「フフフ、暫くぶりじゃないか……まさかそちらから出向いてくれるとはな。
 一応聞いておこうか……何の用だ? まさか、ただ数に頼って俺に逆襲を仕掛けにきたという事はないだろう?」
「いやいや、オレたちはただの付添い人兼見学者さ、先生。
 今日はあんたにど~~しても会いたいって人がいてね、そいつを連れてきただけよ」
「ほう? それでは…………会わせてもらおうかっ!!」

そう叫ぶと同時に、シンヤは剣を構えて消防車へ向かい猛進する。
一気に消防車へと肉薄し、そして、眼前に巨大な銃口を突き付けられた。

「ッ!?」

咄嗟に銃口に対し、垂直に剣を構える。
そしてその次の瞬間、消防車から飛び出したラッドがデイパックから抜き放った超電導ライフルが火を噴いた。
その凄まじい衝撃にシンヤは10メートル以上ぶっ飛ばされながらも、なんとか弾丸を弾き飛ばし、道路へと着地した。
だがあのライフルの威力は一体なんだ、とシンヤは心中で舌打ちをし、僅かに痺れる手で剣を握りなおした。

「ク……クヒヒヒ、アーッハッハッハッハッハ!
 顔面スレスレでぶっ放してやったのに弾きやがったよ! マジかよ、おいおいおいおいマジかよ!? ありえねぇって!!
 そんなんありかぁ!? ええ、おい!!」

しかしそんなシンヤの行動もラッドのテンションという炎にミサイルをくべる行為にしかならない。
ラッドは嬉々とした表情でライフルを構え、シンヤへと狙いを定め次々に撃つ。
シンヤはそれらを弾き飛ばす……が、このまま見通しの良いこの道路で戦っては、強力なライフルを持つラッドに分があり過ぎる。
それに、まだその背後には先ほど自分を出し抜いた少年もいるのだ。このままここで戦うのは得策ではない。
シンヤはそう判断すると、素早く跳躍し、脇の路地へと転がり込んだ。

「あ、おいおいおい一体どこへ行こうってんだよ? 逃げんのか? 鬼ごっこか? 追いかけろってかぁ?
 ハハハハハハハハ!! いいねいいねぇ楽しいねぇ! 待ってろよぉ~、すぐに追い付いて! 捕まえて! 足撃ち抜いて逃げられなくして!
 肩砕いて剣持てなくして! それからじっくりたっぷり遊んでやるよおおおぉぉぉぉ!!」
「おい、ちょっと待てラッド! 俺も行……」
「じゃ、ラッド! オレ達は朝メシでも作って待っとくよ」
「なっ……ジン!?」
「おう、楽しみにしてるぜ! んじゃ、ちょっくらブチ殺してくるわ~」

ラッドはライフルを担ぐと、そのまま一見すれば浮かれているかのような様子でシンヤの逃走した路地へと突っ走っていった。
その姿を見送ったジンは、「さて、それじゃ早速メシの準備に……」と車内に残る清麿とヨーコに声を掛ける。

「待てよジン! 何でラッドを放っておくような真似をしたんだ!?
 あの狭い路地じゃあいつの馬鹿でかいライフルは不利だ!
 それにあいつの性格だと、もし向かった先に偶然殺し合いに乗っていない人間がいても、平気で巻き込みかねないだろう!!」
「確かに、ジン、今のはちょっと……」

しかしそんなジンの態度に清麿は激しく、ヨーコはやや困惑しながら反発する。
まぁ当然の反応だろう。今のジンの行動は、凶暴な人食い鰐を檻の外へ解き放つ事よりもはるかに危険なものだ。
たとえラッドが勝利したとしても、このまま清麿達とはぐれ、
別行動をとり始めた場合……衝動と感情と欲望に任せ、他の参加者を殺して回る確率は非常に高いものだと思えた。
だからこそ、清麿は彼から離れる訳にはいかないのだ。だというのに。

「とにかく、俺は今からでもあいつを……」
「落ち着けよ、清麿。お前が言ったとおり、あの路地は狭い。奥の方はもっとかもね。
 そんな場所でうっかりあの二人の戦いに巻き込まれたら一巻の終わりだ」
「だからって、あいつを放っておいていい理由にはならないだろう!!」
「その通りさ。オレもそれだけじゃ、あいつを放っておかない」
「何?」
「どうももう一人いるみたいなんだ、この車には……!」
「!? それは――」

清麿がジンの言葉の真意を問おうとした瞬間、ジンは清麿とヨーコの二人を引っ掴み、車外へと飛び出した。
そのまま「悪い!」とだけ言い放ち掴んでいた二人を思いっきりブン投げる。突然の展開に二人はついていけず、硬い道路へ体をモロに叩きつけられる。
だが、清麿もガッシュと共に数多の戦いを潜り抜けてきた戦士だ。直感的に何か恐ろしい危機が迫っていることを悟り、
呻きながらも素早くデイパックから銃を抜き出し、消防車へと視線を向ける。そして、ブーメランを構えたジンを見下ろす老人の姿を見た。
遠目にもはっきりと分かる長身に、彫りの深い顔立ち。やや白くなりつつある頭髪を後ろのほうで一本のお下げに結った、拳法服姿の老人。
その老人が消防車の上から、先程までジンの座っていた運転席へ白い何かを突き刺していた。
老人が腕を振るうと、その白い何かはまるで布か何かのようにひらひらと舞い……いや、あれは本当に布なのかもしれない。
ともかく、その白い布を自らの腰へと巻きつけ、老人は口を開いた。

「クククク、よもやワシの存在に気付き、更に一撃を回避してみせるとはな……
 もっとも、足手まといのせいで完璧に避け切ることは叶わなかったようだが」
「…………さっきあの男が車の上見て妙な顔してたから、ひょっとしたらと思ってね。
 まぁ、半分くらいはカンだよ。ところで、一体どこのどちらサマ?」

その老人の言葉で、清麿は始めてジンの左脚を中心に小さな赤い水溜りが出来つつあるあることに気付いた。
消防車から飛び出す際に自分やヨーコを一緒に逃がした為に、あの老人の攻撃を左脚に受けてしまったのだろう。
清麿は思わず歯噛みする。あの老人の言う通り、現時点では自分は足手まとい以外の何者でもない。
だが、足手まといなりにも何か出来ることはあるはず――そう考え、老人と相対するジンの後方で清麿は油断なく身構えた。

「フン、無駄な問を。策を考えるための時間稼ぎのつもりか? だがな小僧、
 この東方不敗・マスターアジア! 貴様の考えた小手先の策で出し抜ける程度と…………思うなあああぁぁぁっ!!」
「なっ!?」

清麿は……いや、おそらくジンも、東方不敗が何をしたのか一瞬理解出来なかった。
東方不敗は、殆ど一瞬でジンの真横にまで移動しそのままの勢いで彼を蹴り飛ばしたのだ。
とっさにブーメランを構えたようだったが、その程度では東方不敗の一撃を防げはしない。
そのままジンは道路脇の民家へと、まるで大砲でも直撃したかのような轟音と共に突っ込んだ。
いや、実際に大砲ほどの威力があったのだろう。ジンが突っ込んだ民家は、ただそれだけで半壊している。
その事実に、清麿は青ざめる。大砲を叩き込まれた民家は半ば崩壊した。では、民家に突っ込んだ砲弾は一体どうなってしまうのか……?
しかし、東方不敗は非情にも腰布へと手を伸ばし、民家の中のジンへと更なる追撃を仕掛けようとしている。

(くそっ、どうする……! 考えろ、考えろ考えろ!
 どうすればあの爺さんを出し抜いてジンを助けられるんだ……!!)

清麿は必死にこの場を切り抜ける打開策を模索する。だが、あまりにも東方不敗との実力差が大きすぎる。
東方不敗自身が言っていたように、半端な策を弄したところで打ち破られてしまうのがオチだ。
しかもその半端な策を弄す事すら、現在の清麿の手札では厳しかった。
だが、このまま仲間が殺されるのを黙って見ているわけにはいかない。一体、どうすれば……そう思ったときだった。

「ジンッ!!」

ヨーコが清麿の手から銃を毟り取り、東方不敗の前へと躍り出たのは。

「そこをどけ、小娘。貴様には用はない」
「退く訳がないでしょ!! 私は、私はもう二度と悲しい思いはしたくない!
 だからあんたに……あんたなんかに! 私の仲間は! ジンは殺させないっ!!」

ヨーコの叫びを聞いた東方不敗はしばし黙した後、静かに一歩を踏み出した。
瞬間、ヨーコは東方不敗へ向かい手に持つ銃を連射した。無数の銃弾が東方不敗へ向かい殺到する……が。
それらは全て、東方不敗の広げる布に巻き取られてしまう。

「な……嘘っ!?」
「何も分かってはおらぬようだな。あの小僧のように、ただ黙って見ていれば生き延びれたものを。
 …………この東方不敗に楯突いた事、あの世で後悔するがいい!!」

次の瞬間、東方不敗の放った布が、槍のように鋭く伸び――――ヨーコの腹を刺し貫いた。

「ヨーコッ!!」
「……その身をなげうってまで仲間を守ろうとするその心は褒めてやろう。
 だぁが! 彼我の実力差も考えず、ただ闇雲に突っ込んでくるだけの蛮勇は……愚か以外の何者でもないわぁっ!!」

東方不敗は腕を振るいヨーコを空高く放り投げる。空中で布は腹部から引き抜かれ、ヨーコはそのまま道路へと激突する……かと思われた。
が、叫び声とともに突っ込んできた清麿が寸前でその落ちてくる体を、自らをクッションにするかのようにして捕まえる。
落ちてきたヨーコを無理に捕まえた衝撃で体中が悲鳴を上げていたが、それでもヨーコよりはずっと軽症だ。
ヨーコは腹部に穿たれた穴からどくどくと大量の血を流している。更にごぽ、という音とともに口から血と赤い泡を吹く。
その姿に思わず青ざめながらも、自身のデイパックからガーゼと包帯を取り出す。
切り取った右耳への応急手当を行った際、ほんの僅かながらついでにと持ってきておいた物だ。
それらをありったけ使い、なんとか出血を止めようと試みる。だが、それでも血の勢いは衰えない。

(クソッ、まるで悪夢だ! ジンも、ヨーコも……あっという間にこんな風になっちまうなんて!
 それに……俺はまるで何も出来てない。ただ、二人があの爺さんにやられちまうのを指を咥えて見ていただけだ!)

突如自分達の身に降りかかった災厄に慄き、どうしようもない怒りを覚えながら清麿は必死にヨーコの血を止めようと奮闘し、彼女の名を呼ぶ。
だが、ただ失う事を恐れ、無茶だと分かりながらも仲間の命を助けようともがき、必死に抗い、
そして結局無茶は無茶でしかないという事実を冷酷に突きつけられた少女の耳には、その言葉は届かなかった。


■


自らが刺し貫いた少女と、その少女の名を呼びながら、必死に手当てを施そうとしている少年を尻目に、
東方不敗は自らがジンを叩き込んだ家屋へと進入する。
家屋の中は酷い状態だった。埃は舞い、家具は散乱し、一部の天井は崩れ落ち、柱はへし折れ、ドアは吹き飛んでいる。
また、建物全体からギシギシと不気味な音も聞こえる。もうあと暫くすれば自壊してもおかしくは無いだろう。
そんな家屋の中を東方不敗はゆっくりと歩いた。見事に穴の空けられた壁を通って居間から寝室へと移り、それを見た。
衝撃で吹き飛ばされたのか、壁に半分以上めり込んでいるベッドの上に、ちょこんと乗せられた渦巻き目の猫のクッション。
そのちょうど上の壁に、フキダシと共に書かれていた『BINGO!』という文字を。あの少年が書いたものと思われるその文字を。
そして、次の瞬間には音を聞いた。背後から聞こえる、風を切り裂くような音を。
咄嗟に東方不敗は振り返り身構える。だが背後から迫っていた音源、ブーメランは、
東方不敗とはまるで関係の無い方向へと飛んで行き、そのまま壁を突き破り何処かへと消え去った。
ブーメランが消え去った方角で何かが勢いよく切り飛ばされる音に続いて、何かが一気にへし折れ、崩れ落ちる音が響く。
しかし、それらは最早東方不敗の眼中には無い。ただ何時の間にか立っていた目の前の少年を睨み付け、こう言い放つ。

「……死にぞこないめが。まだそれだけ動く余力があったか」
「ああ。だから、せめて死に場所は自分で探すわ」

微塵も隠されない殺気と共に言い放たれた言葉に、少年は、ジンは微笑みさえしてそう返した。
しかし、その体はボロボロだ。全身至る所に傷を作り、最初の襲撃で負傷した左足は既に真っ赤な血で染まり、
また、家屋に突っ込んだときに傷つけたのか、額から血が流れ、顔もまた半分近く赤く染まっている。
だがそんな状態でも彼はその態度を崩さず、鬼神の如き老人と対峙し、右腕をゆっくりと振り上げる。

(…………む?)

東方不敗は気付いた。ジンが右手に細長い、糸のような物を束ねて握っていることに。
そしてそれは、家屋の何処かへと伸びていって――――

「――――……ッ!!」

その瞬間、ジンの狙いが分かった。倒壊した家屋内。東方不敗とは無関係な場所を破壊したブーメラン。そして、あの糸。

「だから折角掘って貰った墓穴だけど……」
「貴様アァッ!!」
「――――埋め立てさせてもらうぜっ!!! !!!」

その言葉とともにジンは後方へと跳び去り、それと同時に思い切り右腕を振り抜いた。
それによって金属糸の結びついていた先である、崩壊寸前の家屋を辛うじていた柱が無理やり引き倒され、
先程のブーメランによる破壊で自壊までのカウントを大幅に縮めた家屋は、自重に耐え切れなくなり、あっさりと倒壊した。


「おおぉのれええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」


天井が崩れ、大量の白い埃が雪崩れ込み、それに続き次々と落下する元天井が埃と共に東方不敗の目と耳を塞ぐ。
自らの真上から落下してくる天井を逆にその拳で打ち砕き、そのまま東方不敗は倒壊する家屋の上空へと突き出る。

「ちいぃっ! 東方不敗がこのような罠にかかるなどと……!!」

既に家屋はほぼ完全に倒壊している。それによって大量の埃が、まるで濃霧のように周囲に撒き散らされている。
ならば、と東方不敗は空中で腰布、マスタークロスを扇風機のように回転させる。
それによって発生した突風が、周囲の埃をすべて吹き飛ばす。
だが埃の吹き飛んだその場には、ジンのみならず、清麿とヨーコの姿さえありはしなかった。
つまるところ――――逃げられたのだ。

「ぐううぅぅ……まんまと逃げられたというのか、このワシが!!
 ………………いや、だがあやつのダメージはかなりのもの。もしこの場から逃げ遂せたとて、当分はまともに動けぬ筈」

つまりは、ジンが争いの種を芽のうちに摘む事はまず無くなったという事だ。
ならば最早ジンに用は無い。東方不敗自らが手を下さずとも、いずれゲームに乗った他の参加者が始末をつけてくれるだろう。
そう結論を出し、次に今後の方針を考える……が、これは考えるまでも無い事だ。
あの白服の男、ラッド・ルッソ。そして、あの剣を持ったジャンパーの東洋人。あの二人の戦いの場へと赴くのだ。
そして両者の戦闘に介入し、可能ならば――双方を生存させ、そのまま分断する。
ジャンパーの東洋人は、ドモンや東方不敗のようなガンダムファイター程では無いものの、高い戦闘能力を有している。
ゲームを円滑に進めることを考えるならば、あのような人間をこの序盤で失うのはあまりに惜しい。
そしてラッド・ルッソ。一応は対主催者側に属していながら、その実このゲームの参加者の中でも間違いなく指折りの殺人狂。
清麿やジンといった枷が辛うじて食い付き、それを抑えようとしていたがその二人はラッドからほぼ完全に分断されている。
ならば、今後この男は今後どうするのか……それを考えれば、この男もまた、ここで失うのは非常に惜しい存在なのだ。
故に、東方不敗は両者の戦いに介入する。東方不敗が二人の戦いの場へと辿り着いた時、どちらかが果てていれば……その時には、
生き残ったもう一人を使い、このバトルロワイアルに戦いの火を振り撒けばいい。

「ならば……行くとするかっ!!」

そしてラダムと殺人狂とが互いの命を削りあっているであろう路地へと向け、東方不敗は跳躍する。
新たなる戦いの渦を生み出すために。


■


ヨーコの意識は、絶望と共に闇の中にあった。
結局、自分は何一つ守れなかった――すぐそこにまで迫る死への恐怖よりも、その事実への悲しみのほうがずっと大きかった。
自分の体をはって、命をはってでも、守り抜くつもだりだった。だが現実はどうだろう。
命をはったところで、まるでゴミ屑か何かのように軽々しく吹き飛ばされ、結局ジンを守ることなど出来なかった。
結局、無力な自分が全てをなげうった所で、何も守れはしないのだ。だから死んでしまった。
カミナも、シモンも、そして、ジンも。

(……悲しんで、悲しんで、それでもう悲しみたくないからって頑張って……でも結局悲しんで、
 それで、自分までこんなになって…………バカみたい、私)

もういい。もう疲れた。本当に疲れた。このまま、とっととあの世に連れて行ってくれればいい。
そうすれば、死んでしまった皆にもまた会える……
だんだん物を考えるもの面倒になってきた。このまま楽になろう。そう思い、暗闇の意識の中で瞼を閉じようとした時――

「――――ありがとう」

その声が聞こえた。

(……え?)

「おねーさんが命懸けで助けてくれたおかげで、オレ達はなんとか助かった。
 だからさ…………今はゆっくり休んでくれよ。大丈夫。寝坊しそうになったら、オレが叩き起こしてやるから、さ」

(…………)

その声が、一体誰のものなのか、本当に自分が聞いたものなのか、それを判断するだけの事は、最早ヨーコには不可能だった。
だが……その言葉を聞き、このバトルロワイヤルの会場でただずっと悲しみ続けていた少女は、
初めて、自らの心の奥底から湧き出る暖かい感情に触れることが出来たような気がした。

(――――ありがとう)

そして、ヨーコは自分がようやく掴む事の出来た暖かく、優しい感情の中で……その意識の全てを、手放した。


■


ジンが倒壊させた民家からさほど離れていない場所にあるまた別の民家、その中で清麿はヨーコへ静かに黙祷を捧げていた。
もうもうと立ち込める埃に紛れ、この民家へ彼女と清麿を密かに担ぎこんだジンは、すぐにその場でぶっ倒れた。
彼が体に受けているダメージ、そして出血量は共に凄まじいものだった。この場まで保たせたのは、彼の精神力の成せる業だろう。
清麿はすぐさま家の中を片っ端からあさり、治療器具を見つけ出し、ジンへと応急処置を施したが、
気絶した彼の意識が何時覚醒するかは皆目見当もつかない。
ジャンパーの男を追っていったラッドの事も気掛かりだったが、重症のジンをこのまま置いていくわけにもいかない。
清麿は深くため息を吐くと、その場に座り込んだ。

(結局……俺は何も出来なかった)

ジンはここまでボロボロになりながらも、清麿とヨーコを助けるべく必死に戦い、走った。
ヨーコもまた、ジンを助けるべく、その命を懸けた。彼女がいなければ、今自分たちはどうなっていたことか。
それに対し清麿は、何も出来なかった。本当に、何も出来なかったのだ。その事が、たまらなく悔しい。

(あのモロトフとかいう男、そしてさっきの東方不敗……この場所にはあんな化け物みたいな連中が、
 まだきっとうようよしているに違いない…………だけど!)

清麿には、あのような化け物たちと渡り合うだけの戦闘能力は無い。あるものは決して挫ける事の無い、強い心の力、それのみだ。
それだけでは、あの化け物たちの前にまるで虫のように殺されるだろう。だが例えそうであったとしても、決して清麿は絶望しない。
弱い自分にでも、きっと出来ることはある。だから、その役目を必ず果たす。このバトルロワイアルで、
もう二度と仲間を死なせない為に。もう二度と、ヨーコのような死者を出さない為にも……

(俺は仲間と一緒に戦う……最後まで、諦めずに!)

少年はより強く、決意する。


【C-7/北西部/路地/一日目/朝】
【相羽シンヤ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:健康
[装備]:カリバーン@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、ファウードの回復液(残り700ml)@金色のガッシュベル!!
[思考]
1:路地の奥へと白服達を誘い出し、殺す。
2:適当な参加者を殺し、首輪を手に入れる。
3:制限の解除。入手した首輪をロイドに解析させ、とりあえず首輪を外してみる。
4:テッククリスタルの入手。
5:Dボゥイの捜索、及び殺害。


【ラッド・ルッソ@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康、ハイテンション
[装備]:超電導ライフル@天元突破グレンラガン(超電導ライフル専用弾21/25)
[道具]:支給品一式(ランダム支給品0~1を含む)、ファイティングナイフ
[思考]
  基本方針:自分は死なないと思っている人間を殺して殺して殺しまくる(螺旋王含む)
  1:ジャンパーの男を追いかけ、ブッ殺す。
  2:気分良くブッ殺したら、清麿達の所へ戻って朝食をとる。
  2:清麿の邪魔者=ゲームに乗った参加者を重点的に殺す。
  3:基本方針に当てはまらない人間も状況によって殺す。



【C-7/北部/道路上/1日目/朝】
【東方不敗@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:疲労中、全身、特に腹にダメージ、螺旋力増大?
[装備]:マスタークロス@機動武闘伝Gガンダム ※元から持っています
[道具]:支給品一式、フラップター@天空の城ラピュタ、ソルテッカマン一号機@宇宙の騎士テッカマンブレード
[思考]:
基本方針:ゲームに乗り、優勝する
1:ラッドとジャンパーの東洋人の戦う場へ赴き、可能ならば両者を分断し、殺し合いを円滑に進めさせる。
2:ラッドと東洋人、既にどちらかが死亡していた場合残る一方を利用し、殺し合いを円滑に進めさせる。
3:情報と考察を聞き出したうえで殺す。
4:ロージェノムと接触し、その力を見極める。
5:いずれ衝撃のアルベルトと決着をつける。
6:できればドモンを殺したくない。


【C-7/北東部/民家/1日目/朝】
【ジン@王ドロボウJING】
 [状態]:疲労大、全身にダメージ、左足と額を負傷(応急処置済み)、貧血、気絶中
 [装備]:なし
 [道具]:支給品一式、予告状のメモ、夜刀神@王ドロボウJING×2
     鈴木めぐみの消防車の運転マニュアル@サイボーグクロちゃん
 [思考]
  基本:螺旋王の居場所を消防車に乗って捜索し、バトル・ロワイアル自体を止めさせ、楽しいパーティに差し替える。
  1:気絶中


【高嶺清麿@金色のガッシュ!!】
[状態]:螺旋王に対する激怒、右耳欠損(応急処置済み)、軽い貧血
[装備]:イングラムM10(9mmパラベラム弾22/32)
[道具]:支給品一式、イングラムの予備マガジン(9mmパラベラム弾32/32)×5、魔鏡の欠片@金色のガッシュベル!!、無限エネルギー装置@サイボーグクロちゃん、清麿の右耳
[思考]
  基本方針:螺旋王を打倒して、ゲームから脱出する
  1:ひとまずジンが目覚めるまで待つ。
  2:ジンが目覚めた後、一緒にラッドの元へ向かう。
  3:ガッシュ、フォレゴレとの合流。
  4:螺旋王に挑むための仲間を集める。その過程で出る犠牲者は極力減らしたい。
  ※清麿の持っていたガーゼや包帯は、全てヨーコに使用されました。 


【ヨーコ@天元突破グレンラガン 死亡】



※すてるすブーメラン@サイボーグクロちゃん と、レガートの金属糸@トライガン が【B-7】北部の倒壊した民家の下敷きになっています。
※鈴木めぐみの消防車@サイボーグクロちゃん は、【B-7】北部の道路上に鍵の刺さったまま放置されています。


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071:誰かが死ぬのが怖いのか? ジン 134:高嶺清麿の考察、王ドロボウの消失
071:誰かが死ぬのが怖いのか? ヨーコ
071:誰かが死ぬのが怖いのか? ラッド・ルッソ 129:そして最後に立っていたのは唯一人
071:誰かが死ぬのが怖いのか? 高嶺清麿 134:高嶺清麿の考察、王ドロボウの消失
071:誰かが死ぬのが怖いのか? 東方不敗 129:そして最後に立っていたのは唯一人

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