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  • 病ん坊麻婆転機予報(前編)

病ん坊麻婆転機予報(前編)

最終更新:2023年04月24日 21:54

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病ん坊麻婆転機予報(前編)  ◆wYjszMXgAo



「アルベルト。映画館に向かうのはいいんだけど、それまでの時間はどうするつもり?
 戦うのはともかくとしても、実際遭遇するまでの方針は聞いてないんだけど」
「だいぶ余裕が出てきたようだな、不死身の。
 まあ、とりあえずは映画館の付近で情報収集といったところか。
 その周りの施設を巡ってみるのもよかろう」
「……ということは、学校とか卸売り市場、病院とか辺り、か……
 病院なんかは確かに人が集まりそうだけど」

衝撃のアルベルトと晴れて“不死身の柊かがみ”を襲名したかがみは、C-4南東の道を歩いていた。
途中博物館やモノレール駅などがあったりしたが、とりあえずは映画館に向かうことにしてこれまでスルーしてきたのだ。
しかし、この分だとだいぶ時間が余りそうである。
だとするならば、ここらでひとつかがみには提案したいことがあった。

「……ねえ、どうせなら卸売り市場に行ってみない?
 そろそろ何か美味しいものでも食べて英気を養っときたいとこだし」

にやりと笑うかがみに、アルベルトは多少驚きながらも感嘆していた。
わずか一日でここまで成長するとは、将来が非常に楽しみだ。
これは本当に十傑衆に値する器かもしれない、と。
ちょうど腹が減ってきていた所だし、悪い気はしない。

「ほう、不死者でも腹は減るのか。なんとまあ、都合いい体をしているものだ」

かかかと笑ってみると、かがみはジト目でこちらを見て呟く。

「……一応、その辺りは結構融通効くみたいよ。生理現象も起こるみたいだし」

少し顔を赤くしているかがみに、アルベルトは口元を歪ませて会話を楽しむ。

「ふむ、まあ、何にせよ僥倖ではないか。食事の楽しみというのは人生において割と大きなものよ。
 特にお前の場合はこれから先は永いであろうからな」

さりげなく不死身である――――もう、死ぬ事はできはしないということを言葉の端に含めても、

「まあね。逆に言えば、これから先永遠に美味しいもの食べ続けられるって事でしょ?」

と軽く受け流し、貫禄をつけるように腕を組んでみせている。
見上げたものだ、とアルベルトは思う。
内心は不安なのかもしれないが、強がれるという事はそれだけの精神力があるということだ。
サニーとも会わせてやれば、良い友人となれるかもしれない。
何にせよ、この場を切り抜けてからの話になるのだが。

「……アルベルト、あれ」

かがみの声が耳に届くなり、口端を吊り上げるアルベルト。

「気付いたか。さて、どう動く? 不死身の」
「……まずは何にしても情報ね。武器に振り回されてる時点で戦力としては論外。
 ま、私が出向いて“死んで”みせればすぐ大人しくなるでしょ。
 あなたが出るまでもない……で、どうかしら? 衝撃の」

アルベルトならどう考えるか、どう動くか。
なぞりながら彼の真似をして笑うかがみ。
……アルベルトは、ただ笑みを深くするだけだった。


深呼吸をし、心を落ち着けてからかがみは次第に接近するその影を見極め、思考する。
“柊かがみ”ではなく、“不死身の柊かがみ”ならばどう動くべきか。
誰一人救えない弱い人間ではなく、大敵に立ち向かう超常の存在を思い浮かべるのだ。
漫画や小説、アニメに登場するヒーローの考えをなぞるように。
あまりにも命知らずで現実味などない行動だが、しかし、今の自分にはその力があるのだから。
最早死も痛みも傷つくことも怖くない。

目標の座標は目視で数百メートル。得物は槍。
相対速度は現時点ではおよそ車並み、といった所か。
通常の人間ならば見逃すことしかできずともおかしくない運動エネルギーを持っているだろうが、
今のかがみにその程度は障害となりえない。
体を張って止めてやればそれで済む。

そして、その通りにした。
脇目も振らずに突進する少女の前におどりだし、敢えてその身に刃を受ける。
痛みがかがみの体に走る。しかし問題はない。
接触の瞬間に体を僅かに沈め、目標の体が円運動を描くように下部から力を込め、転倒させる。
全てが自分の想像通りだ。
多少傷は深いが、すぐに回復する。
意識が飛び、ホワイトアウトしつつある頭でかがみは考える。
思考の復帰までは瞬間と言っても間違いではない。
血が戻り、動けるようになるまでですら十秒もかからないだろう。

「……え、」

投げ出され、呆然とする少女の顔が見える。
そこで刹那全てが途切れ、しかし即座に意識は戻り――――

「いや……いやぁぁぁあぁぁあぁぁあっぁあああああああぁああぁぁぁああああっぁあぁぁあああああ!!」

少女の慟哭が耳に届く。
……随分と温いのがいたものだ、とかがみは思う。
もっとも、一日前は自分もそんな中の一人だったのだろうが。
軽口を叩こうにも、まだ再生は終わっていない。
それまではアルベルトに任せるしかないのだ。

だが。

「……む!?」

アルベルトの驚愕。その理由は簡単だ。
目の前の少女が掻き消えるようにいなくなったのだ。
しかし気配は消えていない。
アルベルトとかがみは、同時に可能性に思い当たる。
短距離間の高速または瞬間移動。
無我夢中で少女の発動させたそれは、ソニックムーブという魔法だった。
しかし彼らにはそれを知る術はない。
あたりに目配せをし、即座に発見するが、しかし。

「……逃がしたか」

意識したときには既に、遠のく後姿しか見えなかった。
それも当然だ。
彼女の手にする武器はストラーダ。突撃及び一撃離脱に特化するアームドデバイスである。
いくら十傑衆とはいえ、力を制限された状態では仕方がない。
追いつけないわけではないが、こんなことに力を使うのはあまりに勿体無いと言うものだ。
それに、再生を終えていないかがみを放っておくという選択肢は今の彼には取り得ない。

「……いたたたた。あちゃ、ミスするなんて珍しいわね」
「面目ない、不死身の……異常はないか?」

再生を終えたかがみは立ち上がり、少女の消えた方角を見る。
どうやら彼女は真東に突っ込んでいったようだ。
次いでアルベルトに視線を移せば、貴重なことにわずかにアルベルトは面目なさそうな表情をしている。
それを見れただけでもよしとするか、などとかがみは思い、フォローする。

「いいっていいって。私に気を使ってくれたんでしょ?
 それに、あれは武器が優秀すぎたみたいね。持ち主がヘボでも気を抜く訳にはいかないのが分かっただけでも収穫よ」
「……その通りだな。あの慢心王も、本人はともかくその武装は恐るべきものであった。
 我々には使えんのが惜しい所ではあるがな、あの剣は魔力とやらの持ち主とはいい交渉材料になるだろう」

アルベルトの言うのは黄金の王の持っていた王の財宝とかいう名前の支給品だ。
自分達には扱えなくとも、何らかの有力なアイテムと交換できる可能性などはあるだろう。

「……ま、いいわ。一働きしたら余計お腹空いたし。
 早いところ市場に行きましょ」
「む……異論はない」
「あ、それと」

思い出したようにかがみは付け加える。
「着替えるから先行ってて。すぐ追うからさ」



そうして着替えを即座に終え、卸売り市場に向かって歩き始めてしばらくした時。
進行方向から影が一つ、ゆらりと暗がりから染み出るように歩み出てかがみとアルベルトの前に立ち塞がる。

……一軒先程度の距離だと言うのに、目の前の男はここに至るまでに全く気配を感じさせなかった。
かがみは直感で理解する。この男は相当の実力者であると。
警戒態勢を取る二人だが、しかし人影は丸腰であることを示すように悠然と両手を広げて言う。

「……これは失礼。しかし、争うつもりはないのだよ。
 私は言峰綺礼。見ての通りしがない聖職者をしている者だ。
 尋ね人がいるのでね、用件はその人間を見なかったかということだけだ」

言峰と名乗った神父は、その佇まいからして隙がない。
……自分では相手にならないとかがみは判断する。
尋ね人とやらに心当たりはある。先刻自分に突っ込んできた……というより突っ込ませた少女だろう。
だが、実力差からしてどうするかはアルベルトに一任すべきだ。
そもそも彼は強者と戦いたがっていたはず。これは絶好の機会ではないだろうか。
口を噤み、アルベルトと神父のやりとりを見守ることにする。

「ほう……尋ね人か。
 だが、神父よ。我々が彼女を知っているにせよ知らないにせよ、教えないという可能性は考えないのか?
 ……いや、あえて言おう。ワシは後々邪魔になりそうな輩は早々に叩き潰す方針を取っている」

やはり戦闘か。
アルベルトの補助をすべきだろうか、と考えるも、しかし足手纏いになる可能性のほうが高い。
自分のスタンスを決めかねているかがみの心中とは裏腹に、神父の返答はそれを否定するものだった。

「ご冗談を……彼我の実力差を見極められないほど、私は若くはないつもりだ。
 私と戦っても貴殿の昂る戦意を満たせないであろう事は、そちらの方がよく分かっているのではないかね?」
「……ほう」
「そして、そもそも貴殿は彼女という代名詞を意図的に用いている。
 ……最初から戦うつもりなどないのだろう? 私が使えそうであれば使い、そうでないなら殺す。
 貴殿の判断はそれだけのはずだ」
「く、くくくく、ハァッハハハハハハハハハハハ!! ワッハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

突然高笑いをしだすアルベルト。
今の会話のどこにそんな要素があったのか、物騒な単語が入っていた気がするのだが。
混乱するも、かがみは口を挟むつもりはない。
そのほうがスムーズに事が進むだろう事は考えるまでもないからだ。

「くっくっく、気に入ったぞ神父。よい、あの小娘のことを教えてやろう。
 つい先刻槍に捕まってこちらに向かってきたのを捕らえたのだがな、少々手癖が悪かったようで僅かな間に逃げ出しおった。
 その後はあらぬ方向へ姿を消し、どこへ行ったのかはワシらにも知れん」
「……ふむ。成程、私の居る場所にも戻ってこないという事は、その意思ももう失くしたと見るべきか。
 ……惜しいことをしたものだ」

なにやらブツブツ神父が呟く段階に至って、ようやくかがみは状況を把握する。
目の前の神父はどうやらアルベルトよりは実力が劣り、結果が目に見えているが故に双方共に争う気はないらしい。
そして、神父はアルベルトに使えると見込まれたようだ。
ならばこれからすべきは情報交換だろう。
とりあえず名前も教えていなかった為、かがみは歩み出て神父に名乗り出る。
相変わらずくすぐったいような気分になるが、それにも慣れた。
ハッタリであろうが、箔というのが有効なのは結城奈緒が証明済みだ。

「……自己紹介が遅れたわね。私は不死身の柊かがみ、そしてこちらは衝撃のアルベルト。
 ……言峰神父、一つ聞かせてもらえるかしら?」
「……何かね?」
「この殺し合いについて貴方はどう考えているのかしら?
 それについて情報を開示してもらいたいの。できるだけ、詳しくね」 

ふむ、と呟き言峰は何某かを考え込む。
アルベルトも興味深げに見つめる中で、言峰はにやりと笑いを浮かべる。

(……何? 少しばかり邪悪な感じもするけど……いや、いくらなんでも聖職者さんにそれはねえ)

思うが、しかし即座に数時間前のことを思い出す。
同じ聖職者が、自分ともう一人の少女を殺したことを。
脳裏に浮かぶあの時の恐怖を、しかしかがみは唾と一緒に嚥下し、消化する。
……聖職者が皆あんなことをしているとは思いたくないが、油断は厳禁だ。先入観ほど怖いものはない。
しかし、この神父は言動を聞く限りおそらく信頼はできるはずだ。
アルベルトの考えも同様だろう。彼が使えると判断したのなら、それに従うほうが後々役立つ可能性は高い。

「ふむ、では、食卓を囲みながら情報を交換するのはどうかね?
 長い話になるであろうし、時間も頃合だ。少し腰を落ち着けられる方がいいだろう」

「……はい?」

何を言い出すのかと思えば、食事とは。
あまりに突拍子もなさ過ぎるように思えるが、考えてみればその為に市場へ向かっていたのだ。
向こうから言い出すという事は何か良いものでもあるのだろうか。
興味はそそられるが、しかし毒物でも入っていないとは限らない。
尤も自分には効かないだろうが、敵意を持っている証拠にはなるだろう。
判断がつかないが故に、ここはアルベルトの意思を尊重すべきかと思い背後を向く。
が、見れば、アルベルトは自分のほうを向いて頷くのみだ。
……自分で決めろということか。
アルベルトは自分の成長に期待しているのだ。応えない訳にはいくまい。

虎穴に入らずんば虎児を得ず。
……そんな故事が頭に浮かぶ。ならば答えは単純だ。

「……ええ、それで構わないわ」

その答えに、言峰は嬉しそうな顔を浮かべた。
何を意味しているかは分からないが、殺意や敵意といった印象はないので放っておく事にする。

「承知した……ああ、食材が無駄にならずに安心したのだよ。
 先ほどの少女ともう一人に振舞うつもりだったのだが、そのどちらとも……はぐれてしまったのでね。
 四川風の麻婆豆腐だ。楽しみにしていたまえ」

麻婆豆腐……その単語を聞くなり腹が疼くのがかがみには感じられた。
そういえば、ろくなものを丸一日食べていないのだ。
思い浮かべただけで、無性にそれが食べたくなるのは避けようもない。
だが、分かっていても気恥ずかしくなるものだ。
アルベルトはどう思っているのだろうかと誤魔化すように見てみると、

「ほう……悪くない選択肢だな。
 よかろう、貴様が他人に振舞えるほど自信がある逸品だというのなら、ワシも食するにやぶさかでない」

まんざらではなさそうに頷いていた。


……だが。
食事の前に、一つやっておかねばならないことがある。
さっさとそれを片付けねば、落ち着いて味わうことも出来ないだろう。

「……アルベルト、ちょっと用事があるから先に行っててくれる?」

目と目を合わせ、じっと見つめて彼に伝わるのを期待する。
一瞬頷いたように見えたが、アルベルトはしかし理由を聞き返す。

「む……? どうした、不死身の」

それを言わせるとは意地が悪い、とかがみは思う。
どう取り繕っても気恥ずかしいからだ。

「……察してちょうだいよ、もう」

足下を見て呟くと、アルベルトはそうかと頷くだけだった。
そのやりとりを見て、言峰はかがみに伝えるべきことを伝えておく事にする。

「……ご婦人には色々気苦労が多いものだな。
 私達はこの先の角にある中華料理店で君を待つ。
 料理が冷めないうちに用を済ませたまえ」

言うだけ言うと、言峰は身を翻して電灯に照らされる道を黙々と歩いていく。
アルベルトも後に続き、

「では、ワシはあの神父から情報を得ておく。
 あまり遅くなるでないぞ」

と、それだけ述べて歩いていった。
かがみは、さっさと事を済ませようと赤面しながら脇道に入る。


◇ ◇ ◇


……料理の秘訣は何か? と問われて何を思い浮かべるか。
それは人によって異なるだろう。

あるものは愛と答えるかもしれない。
正解だ。美味い料理とは、もてなしの心があるからこそ作ろうとするものなのだから。

あるものは食材と答えるかもしれない。
正解だ。良い食材とは、手間暇かけて育まれるものなのだから。

あるものは腕と答えるかもしれない。
正解だ。洗練された手腕とは、何よりも食材の味を引き出すものなのだから。

だが、こと中華料理においては絶対に欠かせないものが一つある。
それは何か。
……単純だ。

――――火である。

中華料理の歴史は、焔を制する歴史だったと言っても過言ではない。
急速に加熱された食材は、水分を飛ばすことでその味の成分を逃すことなく内部に凝縮させることになる。
また、油をくぐり、直に火を浴びることでますます香ばしくなり、タンパク質が分解されて旨みを増加させるのである。
日本語ならば“炒める”の一言で表現される技法は、中華料理においては実に複数種、場合によっては十数種にも分類されるのだ。

それだけ火を重視する料理を美味く作るには、一般家庭に備え付けられている程度のコンロでは到底火力が及ばない。
本当に美味しい中華料理を家庭で作ることが出来ないのは、ひとえに最大火力の小ささに由来しているのである。

それだけの火力を持って、肉を直火に炙らせる。
鍋の中だけで収まるような小さな動きではない。文字通り食材が宙を飛ぶほどに、大きな動きを要求するのだ。
粗挽きのその肉は、牛と豚の合挽きを。
牛肉だけでは獣臭すぎる。豚肉だけでは味がくどすぎる。
牛と豚の黄金比率。味のベースの決め手はそこにある。
その間に混じるのは葉ニンニクだ。
ネギよりも刺激は強くはないが、食欲を増進させる薫りは勝るとも劣らない。
肉だけでは単調な味になりかねない所を、野菜の旨みとほんの少しの苦味を加えることで飽きさせないように。

こうして得られた基本の味。
これだけでも十分すぎるほどに美味いものに、さらに多種多様な調味料を加えることで人の味覚を極限まで活用して味わわせるのだ。
まず挙がるのは豆板醤と花椒。
前者に関しては言うまでもない。食べ飽きないコクと舌を刺激する辛味、僅かな甘み。
食材を混ぜて炒めるだけでおかずになるそれを、贅沢に使う。
そして後者。
こちらに関しては日本ではあまり使われることはない。
文字通り山椒の仲間であり、こちらは鼻を刺激する辛味を食材に与えるのである。
“醤”と“椒”。
舌と鼻を同時に満足させることで、相乗効果によってその味の広がりは数倍にも増す。
この二種類の辛味が揃って、初めて四川の麻婆豆腐と言えるのだ。
逆に言えば、この二つは基本の味でしかない。
肉を炒める際の、玉締め製法によって雑味を混ぜ込ませることなく香ばしさを突き詰めた胡麻油。
香り付けと味の引き締めを行うカメ出し紹興酒。
豆豉という黒大豆を発酵させた多種のアミノ酸を含む調味料など、工夫の余地は無限大にある。

それら全てを一つの鍋の中で煮詰め、豆腐を入れる。
あらかじめ水を抜いておいた為に無駄に味を薄めることもない。
わずかに黄がかかったその色は、大豆の色が残るほどに味が濃い証拠。
後味はあっさりとしていながら、肉の味や調味料の香りに負けることのない旨さはむしろ、それらの味を引き立てることさえしているのだ。


麻婆豆腐。
中華料理の一つの完成系。

それは、レンゲにすくって、口に含む前から我々を楽しませてくれる。
鼻に近づけるだけで漂う数十種数百種もの香りの成分。
感覚中枢を刺激し、空腹信号を送らせる香り。
体をリラックスさせる香り。
発汗作用をもたらし、食欲を増進させる香り。
味蕾を鋭敏化させ、味の要素一つ一つを余計に増幅させる香り。
加えて、ぐつぐつと煮立ち、熱さを伝えるその音。
そして、赤く煮詰まったスープと肉のさなかに豆腐を鎮座させつつ湯気で部屋を満たすその外観も、食欲を増進させるのに十分といえる。

それらに浸されながら、あつあつ、ほふほふと口に含むとどうだろう!
まず口の中に広がるのは肉汁と豆板醤のウマ辛いコンビネーションだ。
次第にそれらは舌の上の一部分から全体に広がり、脂の甘みを伝えながらも辛味がマンネリ化を許さない。
そこで息を吐くと、口腔内鼻腔内全てに香りが充満する。
鼻で嗅ぐだけでは分からないような微細な香りが、数え切れないほどの至福の刺激として耐えることなく脳への電気信号に変換されるのである。
それを堪能した後、一気に豆腐を噛み締める!
豆の甘み、肉の旨み、調味料の香り。
そして、ふるふると舌の上で震える適度な硬さの豆腐の感触。
それに歯が食い込み、力を込め続ける事である時一気にくしゃりと潰れるその感覚の気持ちよさ!
それらが渾然となり、味覚、嗅覚、触覚と、口内に存在する全ての感覚が恍惚を覚えるのだ。




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