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  • Death Lori

Death Lori

最終更新:2023年04月15日 10:59

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だれでも歓迎! 編集

Death Lori  ◆wYjszMXgAo



彼女は慟哭していた。
何で、命がこんなに軽いんだろうと。
何で、殺し合わねばいけないのだろうかと。
何で、分かり合えないのだろうかと。
何で、自分は無力なんだろうと。
何で、自分は生きているんだろうと。

◇ ◇ ◇

「あ、あ……エ、ド? そん、な、わた、し……」

守ると誓った。
誰も死なせないはずだった。
なのに、その結果が目の前にある。


こっぱみじんにふっとんだ。
のうみそぐちゃぐちゃ、ちでまっか。
おでこのまんなか、とんねるひとつ。
ぐらぐらぐらり、おおきなじしん。
とんねるのなかはたいへんなことに!
ぶちゅりぼとぼとぶちゅりぼと。
なかみいっぱいぶちまけて。
こどもがひとり、ばたんきゅう。


「……ふん、ショックか何かで動けんのかいな。ま、都合ええわ」

ウルフウッドは呆然と立ち尽くす、赤く染まった少女に狙いを定める。
温い温いと思っていたが、たかが死体一つ程度であそこまで怯えていることがとても腹立たしい。
自分のよく知る男ならば、それでもなおそれを否定するのだろう。
それはそれでとてつもない苛立ちをもたらすに違いない。
だが、少女は完全に意気消沈しており、抗う兆しすら見せていない。
ふざけるな、とウルフウッドは思う。
誰も死なせないというその考えを、お前はその程度で投げ出すのかと。
死にたくないならそれこそ死に対して何の覚悟もないのかと、その在り様がいちいち癇に障る。
脳の血管がはち切れそうだ。
しかしそれもすぐに見えなくなるだろう。

「あばよ、嬢ちゃん。こいつで仕舞いや」

どうせ目の前の事で手一杯でこちらに注意なんて向けていないだろうが、念を入れて身を隠し、腕を突き出す。
デリンジャーの引き金に指をかけ、弾丸を解き放つ。
狙いは実に淀みなく。
それがあるべき姿だと言うような気持ちいいほどの正確さで、死の伝令者は少女を貫こうとする。

だが。

「何ィッ!?」

突然少女の周りに光の幕のようなものが浮かび上がったかと思えば、それきり何の変化もない。
びくりと彼女が身を震わせただけだ。
ウルフウッドには知る由はなかったが、シータの持つストラーダが自動で防御魔法を展開させたのだ。
パニッシャークラスの一撃ならともかく、たかがデリンジャー程度でそれを貫けるはずもない。
ウルフウッドの知識にない事態ではあったが、そもそもこんな訳の分からない環境であれば何が起こってもおかしくはないのだ。
感情の昂りとは別に、冷静に事態を考察する。

「……チ、遠距離攻撃を弾く障壁ってーあたりかいな?
 しゃーない、だっちゅうんならな……」

狙撃は無効化される。真っ向から向かっても遠中距離戦での撃ち合いは一方的に撃破されるだけだ。
見た所あの障壁は、少女からはある程度離れた所に展開されていた。
故に狙うはただ一つ。

「……ポイントブランクショット、か。めんどいが、しゃあないな」

ついでに、念には念を入れておくとしよう。
再生なんてされたら目も当てられないのだから。

◇ ◇ ◇

「あ、あ……」

こわいひとがきます。かんたんにい■ちをうばえるひとが。
こわい。こわいこわいこわいこわい。
こしにさげたけんがこわいです。でも、もっとこわいのはてにあるじゅうです。
ばん、ばんってうつと■にます。ひとがどんどん■にます。
わたしのからだはまっかっか。
あのひとが、ばきゅーんってうったから、■■は■んじゃいました。
こ■すのってなんてかんたんなんだろう。
い■■ってとってもなくなりやすいんですね。

なんで、わたしはいきているんだろう。
■ぬひつようがないのなら。
いきるひつようなんて、あるのかなあ。
なんとなく、そんなことをおもってしまいました。


「……あ、」

気がついた時には、シータからほんの数歩はなれただけのところに男が立っていた。
危険性は良く分かっている。
自分達が荷物だけ狙ったという事で交戦の意思はないことを示したはずなのに、エドを殺したのだから。
しかし体は動かない。音も何も聞こえず、全てがスローモーションのように映って彼女を縛る。
恐怖に震えているからなのか、自暴自棄になっているからなのか。
……あるいはその両方か。
はじめて目の前での人死にに触れたことで、シータの儚くも高潔な決意は木端微塵に砕け散った。
決意という壁は失われ、剥き出しになるのは彼女の精神そのもの。
その、彼女の本質に、

「い、やああぁぁぁぁぁぁあぁああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああッ!!」

目の前の惨劇は容赦なく傷を彫り込んでいく。
彼女の眼前で繰り広げられた光景、それは。

「……フン。さすがにこんくらいミンチにしときゃもう動かんか。ったく、面倒臭くてやっとれへんな」

男が手にした刀が赤く染まっていくというだけの話だ。
痙攣し続けるエドに、男が何回も何回も刃を振り下ろしていく。
彼女には分からない。何故、男がそんな惨いことをしたのか。
不死者をウルフウッドが警戒していたなどということは彼女には知りえない。
分かるのは現在進行形で起こっていることだけ。
目の前でエドの頭蓋が叩き割られ、ぶよぶよとした脳漿が自分のドレスにかかったこと。
丁寧に丁寧に四肢が切断され、その付け根からは真っ赤なお肉と骨が覗いていた事。
ぶちゅりという音と共に胴体が刻まれ、ぱっくりと開いた腹の中から黄色い脂肪と紫色の内臓の一部がどろどろこぼれ出したこと。
ころころとした柔らかそうな頬まで口が裂け、彼女をあざ笑うかのような表情に整形されるまで赤黒い内部の空洞が拡張されたこと。
つぶらな彼女の目玉が転がりだし、踏み潰されて透明な液体を滲ませたこと。
額から上を失ったエドの、空っぽの眼窩が自分を見つめていたこと。

まあ、その程度のことでしかない。

「さあて、と」

一仕事終えた男は、それが何でもないことであるかのように血で切れ味を失った刀を鞘に納め、銃を手にする。
懐から取り出した弾丸を込め、自分に向けているというその映像には、まるで現実感がない。
ああ、今度は私を殺そうとしているんですね。
虚ろな思考が脳を満たす。それもいいかもしれない。
そうなった方がどれだけ楽なことか。
ゆっくりと、顔のそばに冷たい鉄の輝きが近づいてくる。
もう殺されることに怯える必要もなく、殺すことを拒む苦しさともお別れできるのだから。
それに、もし死後の世界があるのならば、パズーとまた会うことすら出来るかもしれない。

しかしそれは叶わない。

「……次は耳や」
「……え?」

パン、パンという音と共に、不意に全ての感覚が現実に戻ってくる。
首のすぐ近くを何かが通ったのだ。
何か? 考えるまでもない。
やけに頭が軽い気がする。余計なものがなくなったからか。

「楽になれるとでも思っとったんか? つくづく甘いやっちゃなあ!
 あれだけワイの事を嘗めくさっといて簡単に逝けるだなんて、その考えにヘドが出るわッ!!」

つい今しがたまでおさげのくっついていた髪を掴まれ、ぐきりと首を曲げられる。
彼女の力でパニッシャーを軽々と扱う男の腕力に敵う筈もなく、いとも簡単に組み伏せられる。

「嬢ちゃん、死ぬだけならそんなに苦しくはないんやで。怖くはあってもな。
 ……世の中にはな、死より苦しいことなんざ仰山ある。それを教えてやるわ」
「ご……ごめんな、さ……」

抵抗する気も起きなかった。ただただ怖かった。
誰も殺さず、殺させない。その信念という柱を崩され、あまつさえ目の前の惨劇で心を抉られたシータ。
どうしようもない絶望、それだけが彼女に出来た空洞を満たしていた。

「……簡単に死ねるなんて思わんことや。この刀でゆっくりゆっくり全身を削いで、時間をかけて殺したる」

シータは喩え様もない悪寒とそれ以上の恐怖に見舞われる。
これから自分にどれほどの苦痛が降り注ぐのかも想像できず、絶望の色は更に煮詰まっていく。
これほどまでに死が近づいていながらも、死にたくても死なせてもらえないその過程。
そんな凄惨さなど、彼女の人生の中では一度も想像したことなどなかったのだ。
その怯えが、僅かに抵抗の意思をシータに取り戻させる。

「い、やあ……ご、ごめんなさ、ごめんなさい……! ごめんなさい……っ!
 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさ、」
「じゃかあしいわあッ!!」

ウルフウッドが吼える。名前の通り、狼のように。
赤頭巾はただ食われることしか出来ない。猟師はこの場にいないのだ。
そもそも体勢からしてシータがこれ以上できることなど何もない。
びくりと震えたその隙に、腕を鷲掴みにされる。
もう外面も何も関係ない。シータは子供よりもなお幼く、ただ泣き喚くことしか出来なかった。

「いや、いや、いやあ……パズー……いやぁ、助けて……」
「少しは殺し殺される覚悟ってモンが理解できたか? 自分の甘さは身に染みたか?
 まあどっちでも構わへんで。最後には殺すしな」

そうしてウルフウッドはシータの足に銃口を押し付ける。
不得手な刀を振り回すその前に、逃げられないように足に一撃を加えようと撃鉄を引いた、その時。

「いやぁぁぁああああぁぁああああああッ!!」

「な…………ッ!!」

突然、シータの衣服が爆発した。
――――リアクティブパージ。
バリアジャケットの最終手段が発動したのである。
持ち主の身を守る為、ジャケットそのものを吹き飛ばすことで衝撃を軽減する。
……ウルフウッドにも、シータにも知る由はなかったが。

結果として、ウルフウッドは弾き飛ばされる。
その、僅かな隙に、シータは立ち上がり、ストラーダを抱えて逃げ出していた。
もはやどうなってもいいと、一時は思っていたはずなのに。
――――ただ、死を避けようとする本能に従って、彼女は走る。
信念も矜持も砕いたまま。

「逃がすかぁッ!!」

獲物を逃がす道理はない。
ウルフウッドは、前を行くシータに追いすがる。
相手は子供、身体能力はウルフウッドのほうが遥かに上。
だが、中々追いつけない。
先刻見た高速移動の術を、あと数歩という所でシータが使ったのだ。
再度追いかけるも、近づくたびにその繰り返し。
どちらの体力が先に尽きるか。
……追いかけっこの結末は、それが決め手になると思われた。
だが。


◇ ◇ ◇


言峰綺礼は、卸売り市場を上機嫌で歩いていた。
もっとも、普段の彼との違いは彼をよく知るものしか分かりえないだろうが。

理由は二つある。
まず一つは、市場に入ってすぐに質のいい豆腐屋を見つけられたこと。
螺旋屋豆腐などというセンスのカケラもない店名だったが、コク、舌触り、硬さ、香りなど、全てにおいて高品質。
使用しているのはもちろん有機栽培の国産丸大豆。
凝固剤にはグルコノデルタラクトンなどといった大量生産可能な薬品ではなく、昔ながらのにがりを。
もちろん日本近海の汚れた海水から生成されたものではない。
そのまま食べても自然な甘さとクリームのような味の濃さが舌の上で広がるが、やはり相応しいのは麻婆豆腐だ。
水を抜く処理をした上で、ありがたく拝借したという訳である。

そしてもう一つは放送の内容だ。
シータの知り合いであるドーラという女性。その名前が先刻告げられたのだ。
エドも既に殺された。おそらく、シータの目の前で。
エドを失った上にそれを耳にしたシータがどんな有様になっているか。
想像するだけで、言峰は格別の愉悦を感じるのである。
仮に彼女が戦闘にかまけて放送を聞いていなかった場合、それを自分の口で教えることができたなら。
……そんな事を思い、言峰は自分の性癖に苦笑する。

もちろん、彼は聖職者である。
近しい人や、その知人の死に思うところがない訳ではなく、素直に冥福を祈る気持ちはある。
だが、それと同時に悦楽を見出すその在り様。
そんな歪さを十年前に既に受け入れた彼は、最早迷うことはないだろう。
故に、彼は迷う存在に期待を寄せる。
行動を先刻まで共にしていた、一人の少女を思い浮かべたまさにその時だった。


「あ……あ、言、峰神父……」

泣きじゃくる幼子よりも顔を歪めたシータが、言峰の所まで走り寄って来る。
その表情を見ただけで、言峰には大体の状況が理解できた。
伊達に人間の苦悩を歓びの糧としてきたわけではない、恐怖の類を見分ける眼力を彼はその身に宿している。
この表情は、自己の喪失を脅かされる時にするものだ。
人間が、今まさに崩れ落ちているその様。
まさしくシータは、言峰にとっての極上の美酒に熟成したのである。
彼女の背後を見れば、予想通りそこには。

「ち……もう追いついてきおったんかい。洒落にならんな、なあご同業?」

デリンジャーを構え、こちらを警戒する牧師の姿があった。
言峰はやはり表情と、状況から彼の状態を判断する。
牧師の顔に浮かぶのは紛れもない苛立ち。
それも、鬱屈した感情を、どこに向けるべきか分からない時のもの。
そして、自分達を不意打ちしてきたという事実。
これらから分かるのは――――彼は、何でもいいから破壊を求めているというやけっぱちな思考をしているということだ。
言峰は思う。
……心地よいな、と。
なんと切開のしがいのある男なのだろう。

攻撃的な思考とは即ち、自身の弱さを認めたくないからするものだ。
不意打ちとは即ち、自身を危険に曝したくないという保身から来るものだ。
鬱屈した感情とは即ち、自身ではどうにもならない壁があるから存在するものだ。
何と素晴らしい場所なのだろうか。
先ほどの傷の男といい、シータといい、八神はやてといい、間桐慎二といい――――
バトルロワイアルという極限の状況下では、人間の本性はいとも簡単に外面という皮を剥かれ、曝される。
言峰綺礼は、究極の娯楽とは人間そのものと考える。
その彼にとって、この戦場の空気はそれこそ新緑の季節よりなお心温まる場所なのだ。

「――――ふむ、君がエドを殺した下手人かね?」

「こ、言峰神父!? な、何故あなたがそれを……」

シータは驚きで一瞬生気を取り戻す。何故その事を知っているのかと。
言峰は内心ほくそ笑む。
……ああ、彼女は何という都合の良い存在なのだろうか、と。

「シータ、君はどうやら大分頭が回っていないようだ。
 すでに三回目の放送は行われている」
「あ……」
「……そして、だ。君にとっては辛い内容だが、つまらぬ偽善は君を冒涜することになるだろう。
 故に告げさせてもらう。
 君は、もう二度とドーラ女史と会話を交わすことはない」

僅かにシータの全ての動きが停止し……そして、糸の切れた操り人形のようにくずおれる。
ぼろぼろと、大粒の涙を流しながらもその顔には一切の感情は浮かんでいない。
もはや彼女の精神は限界であり、全身どころか顔筋の制御をする余裕すら失ったのだ。
その姿が、ますます言峰を楽しませることに気付いているものは彼本人を除き誰もいない。

「ち……聞き逃しおったわ。ああ、ええ加減にせえよあんたら!!」

怒鳴り散らしながらも、ウルフウッドはどこか冷静に考える。
目の前の神父に対抗するにはデリンジャーは力不足だ。
幸い自分とは異なり、殺し合いに乗ってはいないようなのでここは口八丁でどうにかすべきだろう。
後々、武器を補給してから殺してやれば済むのだから。

「ご同業、兄さんはワイをどないするつもりや? あのクソガキの敵討ちとでも?」
「生憎ながら、そのつもりはない。
 話し合いで済むならそれに越したことはなかろう。
 まだ先は長い、不要な争いで体力を消耗するのは愚かしいと思わないかね?」
「ち……」

戦意がないなら牽制する必要はない。
デリンジャーを収め、ウルフウッドは立ち去ろうと背を向ける。
……だが、それを見逃す言峰ではない。
せっかく切開のしがいのある相手なのだ。リリースする道理はない。
相手の傷へのメスとなる一言を捻り出そうとして、しかし。
言峰は思わぬ方向からの声にその言葉を遮られた。

「……どうして」
「あん?」

ウルフウッドは振り向き、声の主を確認する。
それは、自分が痛めつけようとした少女だった。
顔を見るだけでイライラする。
どこかのトンガリ髪のような事をほざいておきながら、さっさと屈したその姿に何故か腸が煮えくり返る。
まるでその男の劣化品を見ているようだ。
神父さえいなければ、今すぐにでも嬲り殺してやりたいとすら思う。
そんな殺意の対象が、一体何を言わんとしているのか。
言峰も興味深げにそれを見守っている。

「どうして……エドを、エドの、し……死体、を、あんな風に扱ったんですか?
 酷い……酷すぎます……」

その、全てが癇に障る。
めそめそめそめそと、自分を嘗めきったその態度。生死そのものを冒涜するその甘さ。
どこかの誰かに重なるも、しかし貶めているようで……ウルフウッドはブチ切れる。

「ああん!? 念には念を入れただけじゃいこのボケ!
 知っとんのか? この会場には斬ったり撃ったりしたくらいじゃすぐ生き返るバケモンだっておるんやぞ?
 少しばかり念入れて殺しただけで何言っとる!
 その甘さがあのガキ殺したって事に気付いとらんのか?」

びくりと肩を震わせ、シータはそれ以上答えなくなる。
手にかけたのはウルフウッドでも、もしあの場面でシータが別の選択をしていたら。
……それは、シータを苛んで止まないのだ。

そして、代わって前に進み出てくるのが神父だった。
肉弾戦の達人。今の自分では不利な相手。
あの傷の男を相手取って、全く消耗していないその様子からは敵に回すなと直感が告げている。
そんな男が何の用なのか。
一度はしまったデリンジャーをいつでも取れる体勢をとりながら、ウルフウッドは言峰の言葉を待ち受ける。
傷を抉り切り開く、その福音を。


「なんや、ご同業……やるっちゅんなら容赦はせんで」

牽制の一言だ。それくらいは相手にも分かるだろう。
その期待に洩れず、神父は悠然と首を振る。

「いや、先ほども言った通りそのつもりはない。
 ……ただ、君が殺す理由を知りたくてな」
「ワイに説教でもするつもりか?
 ご同業、そりゃ悪い冗談やな。その手の言葉なんか腐るほどよう知っとる」

牧師が神父に説教される。それはどこの宗教戦争かと突っ込みたくなる状況だ。
だが、やはり神父は首を振る。

「そうではない。一時とはいえ、あの子と我々は共に過ごしていたのだ。
 せめて殺された理由くらいは聞いておかねば、感情を納得させられないだろう?」
「ああくそ、面倒なやっちゃなああんたらは!」

歯噛みするも、しかし、ここは素直に応じておいた方がいいだろう。
デリンジャーだけでは心もとない。
さっさとここを立ち去った方が賢明なのは明らかなのだ。

「ワイはここに来る前死んだはずでな、しっかし死んだと思ったらこんなとこで生かされとった。
 したらすぐに殺しあえ、と来やがった!
 ざけんなボケ、死んだり生き返したり、ワイをなんだと思っとるんやと。
 この場所も、ワイが生きとることも、させられとることも、何もかもが気に入らん!
 これでええか!? ワイはもう行くで」

言うだけ言って、今度こそ身を翻す。
だから、ウルフウッドは気付かない。
神父が――――言峰綺礼が、どんな表情をしていたのかを。
自分が、決してこの男に言ってはならないことを言ってしまったのだと。

「……成程、君がそう思うのも仕方ないようだ。
 ――――君は、自身の行動で自分が“彼”ではない事を証明し続けているのだから」

ぴたり、とウルフウッドの足が止まる。
だが、彼は決して振り向かない。いや、振り向けないのだろうか。
僅かな震えすらなく、完全にウルフウッドは固まっていた。時間が停止したように。

「君は二度目の生を下らないと考えているようで、その実死にたくないと思っている。
 その歪さは、間違いなく劣等感から来るものだ。
 自身が憧れた在り方がありながら、しかし君はその人物と同じ事を為すことが叶わない。
 それを認めたくないからこそ、自身の命の価値を――――」

そこまで言い、しかし言峰はようやく気付く。
いつのまにかシータがいなくなっていたのだ。
溜息を吐き、言峰はそれ以上の切開を中断させる。
彼は聖職者なのだ、か弱き迷える羊を放っておくことなどできはしない。

「……ふむ、失礼した。悪い癖が出たようだ。
 それではまた会おう、同業者。
 いずれまた、君は私を殺しにくるだろう?」

その時までに蒔いた種を育んでいてもらいたいものだがな、との言葉を飲み込んで、言峰綺礼も背を向ける。

銃撃するのにちょうど良く、背中をこちらに向けているにもかかわらず。
説教をしないという言動に反して説教を受けたという、ある種挑発とも取れる行動をされたにもかかわらず。
言峰綺礼の姿が見えなくなっても、振り返ることすらなく。
ウルフウッドはその場に立ち尽くしたままだった。


◇ ◇ ◇


駆ける。駆ける。駆ける。駆ける。駆ける。
もう何もかも見たくなかった。
もう何もかも聞きたくなかった。
あの場所には居たくなかった。

気に入らないから苦しめて殺す。
蘇るのが怖いから死体を壊す。
何でそんな事をする必要があるのだろうか。

死んだり、生きたり。
あの人は言った。生き返ったのが気に入らないと。
あの人は言った。生き返って欲しくないから念入りに殺したと。
まだ生きたがっている人もいるのに。
生きていてもしょうがない、自分のような人間もいるのに。
生きているって何だろう。
死んでいるって何だろう。
殺すことって何だろう。
蘇ることって何だろう。
分からない。分からない。
全ての価値観が反転する。

“彼”は言った。
価値観を決めるのは自分自身だと。
命は大切だと、そう思っていた。
なのに。
あまりにもそれは軽すぎて、ほんとうにどうでもいい理由でどうこうできるものだった。
純朴な少年も、老獪な女傑も死んだ。
あまりにもあっけなく。
悲しむ暇もないまま、ただただ状況に流され続ける自分。
威勢のいい事を言っておきながら、誰一人守ることなどできず、翻弄される。
自分の命が大切だとは思えない。
他の人の命も、どうでもいい理由で失われる程度のものだ。
じゃあ、命の大切さって、どの程度のものなんだろうか。
あんな風に命を軽く扱える人が生き返った。
なら、パズーやドーラが生き返らないのは何故なのか。
死なない体を与えられなかったのは何故なのか。

分からない。分からない。
とにかく、死の軽い場所から離れたくて、手にした槍の力を借りた。
前も見ず、とにかく魔法の槍の速さを以って。
右手に宿る力。
『この槍を操る力を与えて欲しい』
と願い、それは確かに己の力となった。
殺さず、殺させない為の力でなく、己の信念に従って、戦いを止める為の力として。
だが、何故そんな事を願ったのか、それすらも忘れて彼女は力に縋る。
逃げる為に力を槍に流し込み、ひたすらひたすら加速する。

だから、気付かなかった。
自分の内側ばかり見て、外の事まで思い浮かべる余裕がなかったから。

とすり、と嫌な感触がする。
何かが沈み込むような手ごたえ。
ずぶずぶずぶり。ずぶずぶり。

進行方向に向けていた槍の切っ先が、

「……え、」

柔らかいナニカに食い込んでいた。

声にした瞬間、何かにぶつかりそのまま倒れこむ。
どうにか槍を放さないように強く握り、そのまま慣性に任せるまま放り飛ばされ、壁にぶつかる。
全身を強かに打ちつけた。息が詰まり、吐き気を催す。
朦朧とする頭でどうにか立ち上がり、ぶつかった何某かの方へ眼を向けると、そこには。

「……こんなの、夢、ですよね、パズー……?」

既にもうどこにもいない少年に語りかける。
目の前の光景が信じられないからだ。
眼前に展開する光景は実に実に分かりやすい。

「いや……いやぁぁぁあぁぁあぁぁあっぁあああああああぁああぁぁぁああああっぁあぁぁあああああ!!」

真っ赤な血溜りの中に、女性が倒れているというだけの構図だからだ。
シータの手の中にある、槍の刺突痕をその体に刻んだ女性が。



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207:Mushroom Hunting Samba シータ 221:病ん坊麻婆転機予報(前編)
207:Mushroom Hunting Samba ニコラス・D・ウルフウッド 221:病ん坊麻婆転機予報(前編)

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