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  • HAPPY END(14)

HAPPY END(14)

最終更新:2023年07月17日 13:41

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HAPPY END(14)◆ANI2to4ndE



◇

 月が出ていた。

 地上では黒い太陽が閃光と爆音を轟かせ大爆発を巻き起こしていた。
 焔を撒き散らしながら、大怪球が崩れ落ちながら炎上する。

 それを合図として、その異変は始まった。
 それは爆風に押し広げられるようにジワジワと広がっていった。
 それに触れた街の灯が次々と消えて行き、水面に広がる波紋のように暗闇が広がってゆく。
 それは満ちる波のように闇を押し広げる透明な円。
 それはアンチシズマフィールド。 
 それはバシュタール現象を巻き起こしたエネルギーフィールド。

 バシュタール現象、またの名をエネルギー中和現象とも呼ばれるその現象。
 その名の示すとおり、あらゆるエネルギーを中和し、その機能を停止させる現象である。
 それはバシュタールの惨劇と呼ばれる大災害を巻き起こしたそれである。

 バシュタールの惨劇。
 それはたった2%の不完全が巻き起こした悲劇だった。
 98%の成功に、功を焦った研究者たちが2%の未知を無視しシズマドライブの実験を強行した。
 結果システムは暴走。
 実験炉とともにバシュタール公国は消滅。
 副産物として生まれたエネルギーフィールドは世界全体を包み、地球上のあらゆるライフラインを静止させた。
 その結果、人類の三分の二を死滅へと追いやる未曾有の惨劇へと発展した。
 そして、その失敗を糧としてシズマ・ド・モンタルバンIII世博士を中心とした研究チームはシズマドライブを完成させ。
 フランケン・フォン・フォーグラー博士は十年前の歳月をかけて、シズマドライブのみを静止させる『アンチ・シズマドライブ』を完成させたのだ。

 あの惨劇を巻き起こした原因は不完全な未知。
 小早川ゆたかがシズマ・ドライブを使用しフォーグラーを起動させたおり、バシュタールの惨劇が起こらなかった原因は単純だ。
 完成品であるシズマ・ドライブは完璧すぎた。
 リサイクルの際の不具合があるが機能事態は非の打ち所のない、まさしく理想のエネルギー資源である。
 それは『アンチ・シズマドライブ』も同じこと。
 十年という歳月、稀代の天才フランケン・フォン・フォーグラー博士の執念の一作だ、完璧でないはずがない。

 ならば、今、大怪球フォーグラーを動かしエネルギーフィルドを生み出している『2/3アンチ・シズマ管』ではどうか。
 単純な量を省みればその不完全さは2%どころの騒ぎではない。
 材料自体は完璧なアンチシズマであるが、その総量を失い不完全である。
 それは完全であり完全でない、アンチ・シズマ管でありアンチ・シズマ管でない曖昧なシズマ。

 故に、あの惨劇が繰り返される。

 今度は事故ではなく故意を持って。
 悲劇ではなく希望を目指して。

 押し広がったエネルギーフィールドは天にまで至った。
 天上の星々は所詮偽りの天象儀。
 天の星々もまた、その機能を止められ光を落とし闇に融けた。
 世界を照らし続けた太陽も同じく機能を停止させ世には闇の帳が落ちる。

 そして、遂には大怪球を中心とした円はこの小さな箱庭全てを包み。
 あらゆるエネルギー現象がその活動を停止し、世界が静止する。
 それは螺旋王の用意した舞台装置とて例外ではない。
 箱庭に参加者を閉じ込めていた『転移結界』がエネルギーフィールドに触れ消失する。

 全てが消える。
 時すら止まったような静寂と、塗りつぶしたような底の見えない漆黒の闇がただ天に広がっていた。
 夜天には星の煌き一つない。
 天に残ったのは闇を穿つような真円が一つ。
 煌々と輝く青白い月だけが変わらず天に在り続けていた。

◇

「――――――よい開幕だ、王ドロボウ」

 終演の開幕を告げる声が響く。
 天を奔るウィングロードから英雄王が降り立ったのは、月を真上に構える会場の中心。
 遠目に巻き起こる爆発とその結末を見届け何を思うのか。
 これまで脱出に向け積極的に動くことをよしとしなかった英雄王が始動する。

「ひとたびの興としては悪くない舞台であった。
 せめてもの手向けだ、この我が手ずから相応しい幕を引こう」

 闇を斬るように振るわれた剣の軌跡に赤い残光が浮かんだ。
 始まりの英雄が終わりを告げるように乖離剣を振りかざす。

 英雄王はこの地において衝撃のアルベルトによる敗北を経て油断を封印し、そして今しがた王ドロボウによって慢心を盗まれた。
 油断も慢心もない、まさしく今ここに在るのは天下泰平を成し遂げ、この世全てをその手に治めた大英雄に他ならない。
 王の奢りを脱ぎ捨てたその心情を表すように金色の鎧を模したバリアジャケットが形状を変える。
 全身を包んでいた黄金の鎧は下半身を残し弾けとび、黄金率の均整を整えた完璧なる肉体が露になった。
 露になった上半身に刻まれる呪詛のような赤い文様は、全てに破滅を齎す不吉を思わせる。
 光なき世界においてなお恒星の如く眩い黄金の魂。
 天に光なき今、輝きは地に。
 世界の中心に、暗黒を根絶する黄金の殲滅者が降臨する。

「さあ、出番だエア。貴様に相応しい舞台は整った――――!」

 主の命に従い、乖離剣が軋みをあげた。
 乖離剣に嘗てないほどの膨大な魔力が注ぎ込まれる。
 ここにきて初めて見せる英雄王の全力全開。
 それに倣い、地殻変動に等しい重さとパワーを軋ませながら互い違いの方向へ三つの円柱が廻る。
 胎動を始めた乖離剣を中心に大気が乱れ集い、犇めき合う風たちが地を引き裂く雷鳴のような嘶きを響かせた。

 吹き荒れる暴風。
 その剣は風を払うのではなく、風を巻き込むことで暴風を創り出す。
 乖離剣は辺りの空間ごと大気を巻き込みながら、この地に漂う無念や絶望を、あるいは希望や祈りすらも次々と己が糧としてに飲み込んでゆく。
 石臼のような円柱の隙間から滾りあふれる赤い魔力が、巻き起こる暴風に乗って会場全体へと吹き荒れた。
 世界を支配していた闇を祓うかのように赤い魔力の渦が世界を染め上げる。

 英雄王の放つ重圧に耐え切れず、踏みしめる大地にヒビが入りその周辺が陥没した。
 次いで、そのあまりに激しすぎる魔力の流動に耐え切れないのか、箱庭全体がカタカタと震えた。
 まるでこれから巻き起こる何かに脅えるように。
 地は砕かれ、水は干上がり、風が震える。
 大気が大地が大空が、世界がそのものがその存在に畏怖し慄き震え上がる。

 螺旋王の作り上げた偽りの世界を殲滅するべく、英雄王の前に圧倒的な真実が渦となり荒れ狂う。
 その渦の中心は無風でなく紛れもない暴風。
 狂ったように吹き荒れる暴風の中にありながら、君臨する王はなおも不動。
 振りかざす乖離剣の躍動は止まる気配を見せない。
 それどころか一回転ごとにさらに早く、より速く、なお奔く狂おしいまでにその回転を加速してゆく。
 猛り狂う暴風はあらゆるものを吹き飛ばしながら会場の端々まで吹き荒れ。
 鬩ぎ合い蠢く空気の渦は、擬似的な空間断層となり世界より隔離された異界を創り上げた。
 吹き荒れる疾風は擦り切れるように摩擦を生み、大気が炎上し燃え上がる。
 業火に揺れるその世界は灼熱の地獄のよう。
 世界に満ちたマナはその剣に供物として捧げられ、大気が枯れ果て凍りつく。
 絶対零度の風が吹き荒れるその世界は極寒の地獄のよう。
 灼熱と極寒が入り混じるそれは、あらゆる生命活動を許さぬこの惑星原始の姿そのもの。
 生命の原初にして死の原点。
 地獄と謳われたこの舞台を嘲笑うように、乖離剣は本物の地獄を創り上げる――――――!

「さぁ王ドロボウよ、望みとあらば見せてやろう。
 我としても、このような気紛れは一生に一度あるかないかなのだ、出し惜しみはせぬ。
 英雄王の真の力を、特とその目に焼き付けるがよい――――!」

 地獄の中心で不敵に笑いながら英雄王は宣言する。
 その背後の空間が陽炎のように歪む。
 同時に生まれた歪みは三点。
 各々から取り出されたのは英雄王の輝きを反射する鏡の破片。
 それは、使用者の魔力を爆発的に高める魔界の禁断具、王ドロボウより譲り受けた魔鏡の欠片。
 人間界に渡るおり、三つに分かれた欠片が今、王の下一同に集い、原型を取り戻した魔鏡が怪しい光を放つ。
 魔鏡より溢れ出した膨大な魔力が、ギルガメッシュに注ぎ込まれる。
 その魔力は英雄王を触媒に直列で乖離剣へ流れ、限界と思われた乖離剣の回転が爆発的に加速する。
 魔鏡によるバックアップを受け、その威力は更に跳ね上がる。

「――――――終わりだ」

 終わりを告げる英雄王の声。
 乖離剣の躍動はもはや目視不可能な域にまで達していた。
 英雄王の執る乖離剣には世界そのものを破壊するほどのエネルギーが内包されている。
 一瞬でも油断すれば制御を失い、ともすれば自らを滅ぼしかねないだろう。
 なれど、今の英雄王に油断はない。
 慢心もなく、全力を持って乖離剣を従える。
 これ程の破壊を従えられる者など、このギルガメッシュを置いて他にない。
 慢心ではなく、絶対の自信と傲慢さを持って、ギルガメッシュは乖離剣の狙いを天空に定めた。
 狙うは遥か高みに鎮座する、あの月だ。
 あれこそがこの世界を維持する基点。
 あれを潰せばこの世界は崩壊する。

 さあ刮目せよ。

 見るがいい三千世界より集められし勇者たちよ。
 見るがいい儚くもこの地に散り行った兵たちよ。
 見るがいいこの舞台を創造せし螺旋王よ。
 見るがいいこの舞台を繰る介入者よ。
 見るがいい天上の傍観者よ。

 そして知れ。

 人類最古の英雄王、その真の力を。



「――――――天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)――――――」



◇

 宇宙の法則すら軋ませるほどの膨大な魔力の束が解き放たれた。
 空間を断絶しながら、渦を巻く彗星は昇るように空へ。
 誰もがその軌跡を追うように天を見上げ、天地開闢の瞬きを垣間見た。

 天が絶叫し、地が震撼する。
 その剣が切り裂くのは形ある地ではなく、まして形ない天でもない。
 その一撃が切り裂くのはこの世界そのものだ。
 古代メソポタミア神話において、混沌であった世界を天と地に分けた神の業。
 世界を切り裂くこの一撃こそが、英雄王を超越者たらしめる『対界宝具』の正体である。

 世界を覆う障害を裁ち落とすべく、破壊の渦は舞い上がる。
 待ち構えるはこの世界を構築する第二の結界。
 外界からの断絶、参加者の能力制限を一手に引き受け、この世界の守護する『防護結界』である。
 不可視なれど、確かにそこに存在するそれはバシュタール現象の影響下に在らず、英雄王の行く手に障害として立ち塞がっていた。

 虚空にて、進化を是とする最新の王が創りし守護と原典を是とする最古の王が創りし破壊が衝突する。
 否。それは衝突などという生易しいものではなかった。
 触れ合うたびに互いを否定しあう存在の拒絶。

 空間が歪み、虚空がひび割れ、空が墜ちる。
 世界が崩壊するその様は、まさしく神話に謳われる天地創造の再現だった。

 その一刀を揮うより前の有象無象は、何ら意味を成さぬ混沌にすぎず。
 その一刀が揮われた後に、新しい理が天と海と大地を分かつ。
 その一刀たるや、もはや命中の是非や威力の可否を語るのも馬鹿らしい。
 その一刀は形の有無すら問わず森羅万象の存在事項を否定し尽くし、触れる万物を虚無の彼方へと呑み込んでゆく。

 そのような規格外を前に、いかな常識が意味を成そうか。
 会場を覆い包む『防護結界』が守護という役目を果たすこともなく砕け散った。
 舞い散る破片は地に降り注ぐことすら許されず、例外なく虚無の果てへと吹き飛ばされ消えてゆく。

 瞬間、この世界を包む周囲の景色が一変した。

 仮初の空は掻き消え『防護結界』によって覆い隠されていた『世界の核』が露となる。
 現れたのはこの薄い黄金にも似た緋色のドリル。
 これこそが世界を構築する円錐の檻である。
 何もかも一変した世界で唯一変わらず残ったのは天の中心、ドリルの先端に鎮座する満月のみ。

 空を越えて宙へ。
 その名残すら消し去るべく、不変を許さぬ破壊と創造の渦が円錐の頂点目掛け突き進む。
 その勢いは防護結界を破ってなお衰えを知らない。
 瞬きの間にエヌマ・エリシュはこの世界の心臓部である月に達した。

 ぶつかり合う二つの究極。

 星々が爆発したかのような火花が散る。
 闇夜は一転して白夜へ。
 極光が世界を包んだ。
 光彩陸離に瞬く光はさながら世界を照らす開闢の星のよう。
 世界を焼き尽くすような閃光の中、ひび割れ墜ちる、世界崩壊の音が響く。
 暴風と極光が徐々にその色味を薄めてゆき、全てを無に帰す破滅が締めくくられる。
 全てを覆い潰す白光の中心で、金色の王と赤い剣だけがその存在を示すように燦然と光を放ってた。

◇

 その違和感に初めに気づいたのは、やはり英雄王ギルガメッシュだった。

 世界は一面の白。
 自らの掌すら確認できないほど、視界は光に潰され何も見えない。
 それはいかに英雄王とて同じこと。
 何も見えず、聞こえず。
 こんな世界の中にあっては、何が起きようとも認識することは不可能だ。

 だから、おかしい。
 何も起きないのがおかしいのだ。
 ギルガメッシュの読みでは、月を破壊すればこの世界は崩れ、中にいた者たちは『外』に放り出されるはずである。
 だというのに、踏みしめる大地は未だ健在。崩壊が始まる気配は感じられない。
 それが指し示すことはつまり、

 僅かに光晴れる空。
 英雄王がいち早く天を見上げた。
 今だ残る光の残滓に真紅の瞳を細めながらも、朝靄の様な光の晴れた空の先に英雄王は見た。

 ――――そこには月が出ていた。

 世界を包む結界の頂点からは、イカズチのような亀裂が奔っていた。
 その周囲はおよそ無事な場所など存在しないと思える程の損傷と被害が見て取れる。

 だが、未だ健在であるのは疑いようもなく。
 確固たる形状を保ち、その役割を全うしていることに間違いはない。

 会場に張り巡らされた三重の結界。
 当然ながらその役割はそれぞれ異なるものである。

『転移結界』が内部の参加者の脱出、反旗を防ぐためのものだとするならば。
『防護結界』はこの舞台の運用、保全を第一とした文字通り、この実験進行自体の防護を行うための結界である。
 それに対し『世界の核』が担った役割は、この世界の形成。のみならず外敵に備えた結界としての役割も担っていた。
 外敵とは言うまでもなくアンチ=スパイラルのことである。
 もちろんアンチ=スパイラルを完全に封じ込めることができる結界など、いかにロージェノムとて用意することは不可能だろう。
 螺旋王が外壁である『世界の核』へ求めたオーダーは、アンチ=スパイラルの攻撃に対しても実験データを引継ぎ脱出することができる一定時間を稼げる程度の強度である。
 超一流の螺旋の戦士であるロージェノムが、その螺旋力の殆どを使い創造した、螺旋王そのものといっても過言ではないこの世界。
 それを、一撃のもと、崩壊寸前まで追い込んだその破壊力は十分に驚愕に値するものだろう。

 だが、所詮そこまでだ。
『世界の核』を打ち破ることは叶わなかった。

 あるいはギルガメッシュに衝撃のアルベルト戦のダメージがなければ。
 あるいはこれまで放った天地乖離す開闢の星分の魔力が失われていなければ。
 あるいは、この結界すらも打ち抜けたかもしれない。
 それもこれも、所詮全ては可能性の話に過ぎない。

 月はなおも煌々と輝いている。
 残ったのは英雄王の全力が敗れたという結果だけだ。

 だがしかし、その周囲の損傷は誰の目にも明らか。
 いかに無事とはいえ、首の皮一枚、風前の灯ともいえる。

 ならば、もう一撃『天地乖離す開闢の星』を打ち込めば事足りる。
 そう結論付けた英雄王は、激昂した頭のままトドメを刺すべく右腕に乖離剣を、左手に魔鏡を掲げた。
 もう一度その魔力を引きずり出さんと魔境に力を込める英雄王。
 だが、いかに魔界の宝具とて、常軌を超える英雄王の酷使に耐え切れなかったのか。
 掲げた魔鏡が砕け散り、もはや修復不可能な幾千もの欠片と化した。

「ちっ」

 一つ舌を打ち、早々に魔鏡に見切りをつけ手に残った破片を振り払う。
 そして、自らの魔力を直接乖離剣に注ぎ込んだ、その瞬間、英雄王の身に纏っていた衣服が弾け飛び、裸体が衆愚の目に晒された。

「む。どうした具足」
『無理ですKing!
 バリアジャケットを構築する魔力が残っていません』

 足元からの言葉に英雄王は忌々し気に舌を打つと、エアに篭めた魔力を引き戻し黄金の鎧を再築する。
 マッハキャリバーの言う通り、ギルガメッシュは肉体的にも魔力的にも限界であった。
 いかにギルガメッシュが受肉しているとはいえ魔力はサーヴァントの生命線である。
 魔力は現界に必要不可欠な要素であり、それを完全に枯渇させてしまえば消滅するほか道はない。

 最も、そのような弱みを見せるなど英雄王としての自尊心が許さないのだろう。
 魔力を枯渇寸前まで失いながらそれを微塵も表に出さず平然としている。
 おそらくは直接魔力を頂戴しているマッハキャリバーでなければ、英雄王の限界に気づくことはできなかったであろう。
 だがその実、ギルガメッシュには門一つ開く余力すらもありはしない、精々バリアジャケットを維持するのが限界である。

 だが、それでも、あと一手が必要だった。
 ギルガメッシュの一撃によって、もはや結界は風前の灯。
 あと一手差し込めば、必ずこの会場は崩壊するだろう。
 英雄王が限界を迎えた今、それを用意する役割を果たすのは生き残った他の参加者以外に存在しない。

 だが、その一手があまりにも遠いのだ。
 風前の灯とはいえ、その灯はあまりにも強大である。
 生半可な風ではビクともしまい。

 ギルガメッシュの放った一撃は凄まじ過ぎた。
 その光景を見守っていた全てのものに、その事実はいやがうえにも理解させられた。
 だからこそ、その一撃が通じなかった絶望もそれに比例して深い。
 先の一撃と同等か以上、この火を吹き消すには、最低でも生前明智健吾がそれであると考察した最強戦力が必要となるだろう。
 だが、ボルテッカを放つ宇宙の騎士は志半ばに倒れ。
 エンジェルアームを放つヴァッシュ・ザ・スタンピードも無念のまま散った。

 そしてなにより、最大の問題として時間制限がある。
 それは螺旋王の提示した会場崩壊の時間でも、グアームの言うアンチ=スパイラル到達の時間でもない。
 最大の問題は、果たしてバシュタール現象がいつまで維持されるのかという一点である。

 バシュタール現象を引き起こせる、フォーグラーが完全に機能を停止し消滅した。
 今張られているエネルギーフィールドが消えればそれで終わり。同じ策は実行不可能である。
 転移結界が復旧してしまえば、それを突破する術はもはや存在しない。

 バシュタールの惨劇に習えば七日間という余裕があろうがこれは参考にはならない。
 そもそも、エネルギーフィールドを維持するフォーグラーが消滅している時点でいつ消えてもおかしくはないのだ。
 つまり外殻を突破するには今しかない。
 制限時間が限られている以上、ギルガメッシュの魔力回復を待つことも不可能だ。

 世界を照らしていた光が完全に消え再び世界に闇が戻る。
 万策は尽きた。
 刻一刻と時が過ぎ去る。
 今にも落ちてきそうな空。
 その中心に、重く圧し掛かる絶望を照らすように、月が出ていた。


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