アニメキャラ・バトルロワイアル 2nd @ wiki内検索 / 「痛くても辛くても戻らないから」で検索した結果
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痛くても辛くても戻らないから
痛くても辛くても戻らないから ◆oRFbZD5WiQ いきなりだった。 汝を殺害するという思考が言葉を介さず炎となったかのように、草を松明の如く燃え上がらせる。 いや、違う。エリオは両手で握る偽・螺旋剣の柄に汗を滲ませながら思う。 ――もし避けていなかったら、松明になっていたのは、僕らだ。 ぞくり、とする。もし、なのはさんの教導を受けていなかったら、体が動かず、自分は炎に包まれていただろう。 そう、そこらで燃え盛る草のように。 炎の先を見やる。白みかかっているとはいえ、未だ闇色の世界。それを引き裂く赤い光の中、それとは対照的な男が佇んでいた。 蒼い軍服。短い黒髪に、右手に拳銃、左手にランタンを握っていた。 炎……シグナム副隊長と似た能力かな。 ならば、あの銃はデバイスか、それに値する何か……と思考を巡らせるエリオの前を、ランサー... -
覚悟はいいか?
...マスタング 081 痛くても辛くても戻らないから 045 魔法少年ラディカルエリオHeaven s feel エリオ・モンディアル 081 痛くても辛くても戻らないから 045 魔法少年ラディカルエリオHeaven s feel ランサー 081 痛くても辛くても戻らないから -
◆oRFbZD5WiQ
...オ、シータ 081 痛くても辛くても戻らないから ロイ・マスタング、エリオ・モンディアル、ランサー 097 第一回放送 ロージェノム、シトマンドラ、グアーム、アディーネ、チミルフ 117 貴方の描いた明日へ向かいます ニア、ドーラ 132 たった一つの強がり抱いて(前編)たった一つの強がり抱いて(後編) カミナ、シャマル、ヴィラル 197 Deus ex machina Dボゥイ、鴇羽舞衣、東方不敗 登場させたキャラ 2回 シャマル、Dボゥイ 1回 エリオ・モンディアル、八神はやて、ランサー、ジェレミア・ゴットバルト、マオ、ロイ・マスタング、カミナ、ニア、ヴィラル、 小早川ゆたか、東方不敗、パズー、シータ、ドーラ、鴇羽舞衣、ロージェノム、シトマンドラ、グアーム、アディーネ、チミルフ 作品に寄せられた感想 オレンジの無自覚な非常さと残虐さが素敵でした。 ... -
エドワード・エルリック
...たロイ・マスタングは痛くても辛くても戻らないからにて彼の幻を見ている。 踏破地域 【D-6】病院 1 2 3 4 5 6 7 8A■■■■■■■■B■■■■■■■■C■■■■■■■■D■■■■■□■■E■■■■■■■■F■■■■■■■■G■■■■■■■■H■■■■■■■■ -
【鋼の錬金術師】
...DTwjY 081 痛くても辛くても戻らないから ◆oRFbZD5WiQ 110 Ashes to ashes ◆P2vcbk2T1w 136 禁忌の身体 ◆AZWNjKqIBQ 145 悪魔(デビル)が哭く夜! 復活のデビルマスタング ◆Yf4GQL3Gk6 164 好奇心は猫をも殺す ◆jbLV1y5LEw 165 召喚 ◆10fcvoEbko 189 炎の日焔のさだめ ◆DNdG5hiFT6 194 DEVIL MAY CRY ◆Wf0eUCE.vg 【リザ・ホークアイ】9 019 線路の影をなぞる者(レイルトレーサー) ◆hsja2sb1KY 050 マタタビからの挑戦状 ◆hNG3vL8qjA 069 この呼び方では迷惑ですか? ◆lbhhgwAtQE 096 蒼い狗 ◆AZWNjKqIBQ 106 悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱 ◆tu4bghlMIw 150 崩落 ... -
【051~100】・SSタイトル元ネタリスト
...んの羊)」 081 痛くても辛くても戻らないから 魔法少女リリカルなのはStrikerS 主題歌「SECRET AMBITION」の一節 082 極大射程 映画「ザ・シューター/極大射程」 083 新しい朝が来た 「ラジオ体操の歌」の最初の一節? 085 希望の船、絶望の城 福本伸行の漫画「賭博黙示録カイジ」の第1章「希望の船」、第2章「絶望の城」 086 世界の中心で、叫ぶ 片山恭一の小説「世界の中心で、愛をさけぶ 」? 088 阿修羅姫(前編)阿修羅姫(後編) PS2用ゲーム 舞-HiME運命の系統樹 主題歌「阿修羅姫」 089 再会と血と薔薇 MALICE MIZERシングル 「再会の血と薔薇」 090 あの馬鹿は荒野を目指す 藤子F不二雄の短編作品 「あの馬鹿は荒野を目指す」 091 ひとつ屋根の下 テレビドラマ 「ひとつ屋根の下」 092 流血へのシナリオ 新機動戦... -
【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
...DTwjY 081 痛くても辛くても戻らないから ◆oRFbZD5WiQ 096 蒼い狗 ◆AZWNjKqIBQ 104 不屈の心は、この胸に ◆10fcvoEbko 【キャロ・ル・ルシエ】1 016 鮮血の結末 ◆t2vl.cEw/o 【八神はやて】12 013 熱血ハートのサイボーグ ◆10fcvoEbko 052 銀鉱少年と魔法少女(?) ◆oRFbZD5WiQ 072 一日目・森林/オルター・エゴ ◆Haf2Sq.37. 087 肉はない。が、監視はある ◆5VEHREaaO2 095 倉田屋で会いましょう ◆hsja2sb1KY 112 悪意の花 ◆DNdG5hiFT6 122 賽は投げられた ◆tu4bghlMIw 131 せーのでコケてごあいきょう ◆LXe12sNRSs 135 Rubbish!黒の騎士団 ◆P2vcbk2T1w 168 それでもボクは分か... -
蒼い狗
... 081 痛くても辛くても戻らないから ランサー 104 不屈の心は、この胸に 081 痛くても辛くても戻らないから エリオ・モンディアル 104 不屈の心は、この胸に 069 この呼び方では迷惑ですか? リザ・ホークアイ 106 悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱 069 この呼び方では迷惑ですか? パズー 106 悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱 -
【051~100】
...太保・戴宗 081 痛くても辛くても戻らないから ◆oRFbZD5WiQ ロイ・マスタング、エリオ・モンディアル、ランサー 082 極大射程 ◆ZJTBOvEGT. カミナ、ビクトリーム、シャマル 083 新しい朝が来た ◆AZWNjKqIBQ アイザック・ディアン、柊かがみ、風浦可符香 084 セカンドチャンス ◆RwRVJyFBpg 衝撃のアルベルト、シュバルツ・ブルーダー 085 希望の船、絶望の城 ◆tu4bghlMIw ジャグジー・スプロット、藤乃静留、高遠遙一アレンビー・ビアズリー、キール、ガッシュ・ベル 086 世界の中心で、叫ぶ ◆10fcvoEbko クレア・スタンフィールド、ミー 087 肉はない。が、監視はある ◆5VEHREaaO2 スパイク・スピーゲル、読子・リードマン、八神はやて 088 阿修羅姫(前編)阿修羅姫(後編) ◆LXe12sNRSs 鴇羽舞衣、... -
【Fate/stay night】
...DTwjY 081 痛くても辛くても戻らないから ◆oRFbZD5WiQ 096 蒼い狗 ◆AZWNjKqIBQ 104 不屈の心は、この胸に ◆10fcvoEbko 118 勝利の栄光 ◆/D6q5JErMM 148 捻 -twists and turns- ◆AZWNjKqIBQ 150 崩落 の ステージ(後編) ◆LXe12sNRSs 186 蒼き槍兵と青い軍服の狙撃士 ◆o4xOfDTwjY 189 炎の日焔のさだめ ◆DNdG5hiFT6 202 Clann As Dog ◆ZJTBOvEGT. 【間桐慎二】4 023 friend ◆4XfkJ/Yphc 051 王の視察 ◆0BwdWOApVI 092 流血へのシナリオ ◆2kGkudiwr6 112 悪意の花 ◆DNdG5hiFT6 【ギルガメッシュ】28 006 それが我の名だ ◆tu4bghlMIw ... -
【深夜~早朝】
...太保・戴宗 081 痛くても辛くても戻らないから ◆oRFbZD5WiQ ロイ・マスタング、エリオ・モンディアル、ランサー 082 極大射程 ◆ZJTBOvEGT. カミナ、ビクトリーム、シャマル 084 セカンドチャンス ◆RwRVJyFBpg 衝撃のアルベルト、シュバルツ・ブルーダー 085 希望の船、絶望の城 ◆tu4bghlMIw ジャグジー・スプロット、藤乃静留、高遠遙一アレンビー・ビアズリー、キール、ガッシュ・ベル 086 世界の中心で、叫ぶ ◆10fcvoEbko クレア・スタンフィールド、ミー 087 肉はない。が、監視はある ◆5VEHREaaO2 スパイク・スピーゲル、読子・リードマン、八神はやて 088 阿修羅姫(前編)阿修羅姫(後編) ◆LXe12sNRSs 鴇羽舞衣、シモン、ニコラス・D・ウルフウッドチェスワフ・メイエル、ジェット・ブラック、ティアナ・ランス... -
極大射程
...で読む Back 痛くても辛くても戻らないから Next セカンドチャンス 投下順で読む Back 痛くても辛くても戻らないから Next 新しい朝が来た 004 人の名前を変えんじゃねえ!!(後編) カミナ 120 テメェに何が分かるんだ 004 人の名前を変えんじゃねえ!!(後編) ビクトリーム 120 テメェに何が分かるんだ 014 「私にしか出来ないから」 シャマル 120 テメェに何が分かるんだ -
紙視点――そして紙は舞い落ちた
...怖くね? Next 痛くても辛くても戻らないから 投下順で読む Back 派閥争いって怖くね? Next 痛くても辛くても戻らないから 039 嗚呼。それにしても酒が欲しい…… 神行太保・戴宗 104 不屈の心は、この胸に -
【051~100】の煽り文
...0話 【081:痛くても辛くても戻らないから (◆oRFbZD5WiQ)】 意思を持った炎が地を舐め二人の槍兵を追い立てる。 互いの死の覚悟を決めた者同士の対決。その死闘の果てに残った無残な結果とは――……。 【082:極大射程 (◆ZJTBOvEGT.)】 ボインボイン♪を垂れ流し、メロンを撒き散らし、空を舞う黄金のVの字の上に立つ刺青の男。 あまりにも不条理なソレを迎え撃つのは、至ってシリアスな『刺し穿つ死棘の槍』の一撃。――だが? 【083:新しい朝が来た (◆AZWNjKqIBQ)】 新しい朝が来た~♪ 希望の朝~♪ 喜びに胸を開け~♪ 大空を仰げ~♪ ポロロッカの声に健やかな胸を~♪ 新しい朝の元~♪ 輝く緑~♪ さわやかに手足をのばせ~♪ 土踏みしめよ~♪ ポロロッカと共に~♪ ――……♪ 【084:セカンドチャン... -
Ashes to ashes
...ロディーズ 081 痛くても辛くても戻らないから ロイ・マスタング 136 禁忌の身体 -
「私にしか出来ないから」
「私にしか出来ないから」 ◆oRFbZD5WiQ ジェレミア・ゴットバルトには向かい風が吹き続けていた。 そう、あの日から。なんらかの手段によってゼロに惑わされ、オレンジと揶揄される日々。それは、今までとのギャップも相まって、非常に苦痛な日々であった。 だが――だが! それでも、取り返しのつくものである。そのような汚名は、ゼロを討ち取る事によって晴らせばいいのだから。 けれども、これはなんだ!? ロージェノムと名乗る初老の男性。そして、殺し合いをしろ、という一方的な宣言。 馬鹿らしい。馬鹿らしいのだけれども、この首輪がそれを強制する。 然り。汝はコロセウムの剣奴であると。我に逆らう事など出来ぬと。 (ふざけるな!) あの一件によって爵位を落とされたとはいえ、自分は誇り高きブリタニアの軍人なのだ! それを、イレブン... -
光るものの全てが黄金とは限らない
光るものの全てが黄金とは限らない ◆jbLV1y5LEw 「ああ、クソ……! どうにも噛み合ってねえな……」 D-8に位置する山小屋の傍で、スパイクは一人でスコップを手に穴を掘っていた。 ジンはちょっと確認したいことがある、といって山小屋を離れ、 カレンはスコップの他に何か山小屋の中で役に立つ物がないか探している。 必然的に余ったスパイクが一人でマタタビを埋葬するための穴を掘っているのだ。 「噛み合ってねえな……」 スパイクはまた呟く。 今日一日の経緯を思い出した彼の感想はこれに尽きた。 最初は読子とのんびり物見遊山をして帰るつもりだった。 が、そもそもここから既に状況と噛み合っていない。 (まあ、聞いていなかった自分たちが悪かったのだが) その後も協力する予定だったはやては合流直後、何故かこちらを残して出立。 放送が... -
root(後編)
root(後編) ◆Wf0eUCE.vg ■ ―――深い宿命を背負って相羽タカヤはテッカマンブレードになった。 相羽タカヤは宇宙研究の第一人者を父に持ち、彼自身もタイタン調査船アルゴス号の乗組員の一人だった。 彼だけではない、アルゴス号には幼いころに火事で死んだ母以外の全ての肉親が乗組員として乗り込んでいた。 その調査の途中、土星の衛星軌道上に彼等はそれを見つけた。見つけてしまった。 人類初の宇宙人との遭遇となるはずだったそれが、悲劇の幕開けだった。 見つけたそれは、侵略者ラダムの母艦だった。 あっというまにアルゴス号の乗組員は彼を含め全員ラダムに囚われ素体とされることになる。 彼はそこで全てを失った。 家族も、 未来も、 自分自身も、 全て失ってしまった。 全てを失った人間は生きていけない。 なにもなければ、例え肉体が生きてい... -
失ったもの/失いたくないもの
失ったもの/失いたくないもの ◆WcYky2B84U 「それで、これからどうする気なのよ?」 つい先ほど、シモンと舞衣が出会った路地から数分歩いた位置にある喫茶店。 その店内に存在する椅子の一つに座りながら、舞衣がシモンに尋ねる。 「決まってる!!仲間を集めて、螺旋王をぶっ倒す!!」 テーブルを挟んで向かい合うようにしながら、答えるシモンの『言葉』は勇ましい。 だが、それは言葉だけだ。 喋っている彼の様子を見れば、大部分の人間はその言葉が信用に足るものではないと感じるだろう。 血走った目。青ざめた顔。絶えず音を鳴らし続ける白い歯。 そのどれもが、彼を『正常』ではないと証明している。 『おれ、こわいんだよ。 戦わなきゃ、戦いを止めなきゃ、仲間を作らなきゃ… あんたを信じなきゃいけないのに、おれ、こわいんだ』 つい先ほど、彼自身... -
それでもボクは分からない
それでもボクは分からない ◆mCVwtAkLB6 放送が間近に迫る時刻。 H-7のトンネル付近を人間の男女二人と猫二匹の集団がエリア中心部を目指し、禁止エリアを大きく迂回するように進んでいた。 この舞台の中央部に行くのならば北上するのが最善であり、最低でも北東に進めば禁止エリアを避けられるはずというのに この集団が真東に進んだのは何故か? その答えは簡単だ。地図上では禁止エリアのラインは明確であるが現実の舞台に線引きがされているわけではなく、 森という目印のない場所ではコンパスを見ながら斜め45度を刻んで進むわけにはいかず、禁止エリア付近に近づいて万が一の事態に 陥るのを避けるために、多少遠回りでもトンネル付近まで移動した後に北上するという提案をはやてがしたためだ。 故にその提案に承諾した一行はトンネルの手前まで進んでいた。 「ねえみんな、本当に出てちゃっていい... -
知らないということの幸せ
知らないということの幸せ ◆LIjimDT9jI 【知らないということの幸せ】 (マオさん、どこへ行くつもりなんだろう?) シータは先を進むマオの後を追いかけながら、そんなことを考えていた。 「どこに行くのかって?」 また! マオが自分の考えていることを口にする瞬間は、いつも反射的に肩を震わせてしまう。 まるで心を読まれている様な感覚は、あまり気分のいいものではなかった。 「この道を東に行けば、図書館があるらしいよ。 図書館なら、ゲームに乗った人が好みそうな場所じゃあないからね。 ボク達みたいに、ゲームにのっていない誰かと合流できるかも知れない。」 優しく明るく、しかし機械のように変化のないマオの言葉。 時々、不安になる。わたしはこの人を信じていいのだろうか。 親切そうに見える彼の裏側は、想像以上に恐ろし... -
この手に堕ちた腐りかけの肉塊
この手に堕ちた腐りかけの肉塊 ◆oRFbZD5WiQ なにがおもしろいのか、はたまた、見るもの全てが愉快でたまらないのか。 シータの隣を歩く、マオと名乗った長身の青年は、己の喜悦を動作で表すように両の手を叩いていた。 (なんで、こんな状態でそんなに楽しそうにしていられるんだろう。それに――) つい先程――いや、既に随分と時間は経っているが、彼女の主観では先程――、自分とパズーしか知らないような事を、 否。パズーですら完全には知らぬ事を正鵠に言い当てた、彼は一体何者なのか。 あのムスカという軍人の関係者か、それとも、 (ラピュタの王族、かも) そう、あのムスカのように。 ◆ ◆ ◆ 滑稽滑稽、まさに滑稽だ! とマオは嘲う。 自分の思考が読まれている事など理解の埒外の彼女... -
夜に起きてれば偉いのか?
夜に起きてれば偉いのか? ◆XzvibY6nJE ――私はお前の体を『人間に近い状態』に改造しようと思う。 いったいなぜですか!? ――『人間に近い状態』に改造…… 獣人であるこの私が、なぜ劣った存在である人間の身体などに! 「……っ!? ガボッ!」 辛い! ……海? そうか、海に落ちたのだったな。 いつの間にか気を失ったようだが、溺れる前に気づいてよかった。 こんなところで溺れ死んでは戦士の恥だ。 どのくらい前かは分からないが……俺は自分で起こした爆発に巻き込まれて海に落ちた。 無様なことだ。大きな事を言っておいて、たった二人の人間を始末できないとはな。 これでは螺旋王に合わせる顔がない。 『クルクル』と『ケンモチ』とか言ったか……必ず決着をつけてやる。 「……それにしてもまずいな、体力の消耗が激しい。早く陸に上がらなくては」 ... -
再会と血と薔薇
再会と血と薔薇 ◆LIjimDT9jI ■ 【再会と血と薔薇】 もう、大丈夫だろうか。 足を止め、周りを見渡してみるが、周りには誰も存在しなかった。 どうやらあの不死者の男から、上手く逃げ切れたらしい。 (……良かった。あれ以上は追いかけて来なかったみたい) 少しのため息と共に、胸を撫で下ろす。 あのまま遭遇していたならば、きっと喰われていたに違いない。 彼の右手が自分の頭に置かれる、そんな状況を想像するだけでも寒気がした。 私……怖いんだ。 何事にも恐れてはいけない筈なのに。 これからあの出来事の、何倍もの恐怖に立ち向かう必要があるのに。 殺さなくてはいけない。この身体を元にしてもらうために。 そして何よりも、自身の妹である、柊つかさの蘇生のためにも。 ……つかさ!! そうだ、つ... -
願望
願望 ◆LXe12sNRSs 私にとって、日常は退屈なものであり、忙しいものでもあり、そして当たり前のものだった。 小鳥の囀り出す時刻に目覚め、身支度をし、朝食を取り、家を出て、妹や友達と学校に向かう。 陵桜学園高等部三年生の私にとって、このローテーションは毎日のことだった。 「あ、おはようお姉ちゃん」 ――ん。おはようつかさ。 この日も何も変わらない。双子の妹のつかさと家を出て、途中つかさと同じクラスのこなたと合流して、登校する。 こんな当たり前の一日が、毎日続くんだろうなぁ……などとは思わなかった。登校なんて、学生をやめるまでの限定的な日課だ。 でも少なくとも、進学か就職が決まり、卒業式で社会へと送り出されるその日までは……こんな呑気な日々が続くんだろうと、確信していた。 今日だって、何事もなく登校を終えた後は、至って普通の学園生... -
勇気の意味を知りたくて
勇気の意味を知りたくて ◆o4xOfDTwjY ここはF-3エリアの路上。敷き詰められたアスファルトのベッドに一人の少女。 その少女が目を覚ますと、その視界には先ほどの部屋とはうって変わり、一面の星空が広がっていた。 少女は自分が仰向けになってることに気づくと、ゆっくりと上半身を起こす。 茶色を基調とした機動六課の制服を身に纏うその少女の名はスバル・ナカジマ。機動六課スターズ分隊のフォワードを務める魔導師である。 スバルは自分の隣にデイバックが置かれていることに気づく。それを見て、先ほど起こった出来事を思い出す。 突如現れた螺旋王ロージェノムと名乗る初老の男。彼は優秀な人間を選ぶために、あの部屋にいた人間に殺し合いをしてもらうと言った。 それに反抗して無残に散っていったモロトフと呼ばれた男。 見覚えのない魔法だったが、強力に見えたランスの攻撃をあっけ... -
GOOD BYE MIRROR DAYS
GOOD BYE MIRROR DAYS ◆3XMYeTbSoM 夢を見ていた。 それはとても、幸せな夢で。 柊かがみが、友と明るく笑い合う夢。 ラッド・ルッソが、弟分と殺人と解体にいそしむ夢。 柊かがみが、家族と幸せな日々を過ごす夢。 ラッド・ルッソが、婚約者と未来を語る夢。 混ざり合うことのない二つの幸せが、混ざり合う。 どちらが現実で、どちらが『鏡』の中の世界なのか、分からない。 『かがみん、それは、愛だよ』 『楽しい、楽しい話をしよう!』 『お姉ちゃん!』 『ラッド!』 『かがみ先輩』 『ラッド、ルッソ……!』 ―――あれ、私は、いったい『どっち』だったっけ? ぐるぐると。くるくると。ぐるぐるぐるぐるくるくると。 思考が回転し、そこで、少女の姿をした『化け物』は――― * 「……どういうことだ」 総合... -
メビウスの輪から抜け出せなくて
メビウスの輪から抜け出せなくて ◆EA1tgeYbP. ――サイコロを振った時、出る目は常に一から六。 仮に何らかの偶然、イレギュラーで賽が斜めに止まろうと、賽の目を一つの面から読み取る以上、その原則は崩れない。 そう、例え何百、何千、何万どれほど賽を振ろうとも零や七の目が出ることなどはありえない。 だから――そう、彼はもっと『待つ』ということを知るべきだった。 ――シモン。 ――ニア。 ――ヨーコ。 ――カミナ。 ――××××。 ――そしてロージェノム。 いずれのピースが欠けようとも、多元宇宙において一度でも「アンチ=スパイラルが敗れた」ということは、 ありとあらゆる多元宇宙においてもまた、螺旋の民が滅び去るまで同様の出来事、アンチ=スパイラルの敗北は起こりうるということ。 零や七の目... -
この血塗られた指先で救えるのなら
この血塗られた指先で救えるのなら ◆oRFbZD5WiQ 自然公園に植えられた林の中、姿を隠すように彼女はそこにいた。 いや、実際に隠れているのだ。 彼女が最初に居たのは川のすぐそば。向かい側にはデパートが見えていた。 だが、橋を渡って向かい側に行く事はできなかった。橋の上には障害物がなく、そこを行く事がたまらなく恐かったからである。 そして逃げるように、けれども遠くまで逃げる気力もなかったため、障害物の多いここに身を隠したのだ。 「おねえちゃん、おねえちゃん、おねえちゃん……!」 体の震えが止まらない。唇は、助けを求めるように同じ言葉を紡ぎ続けている。 小早川ゆたかは、幹に背を預けながら、大粒の涙をこぼしていた。 ……最初、夢かと思った。 おねえちゃんたちの他に、漫画やアニメのキャラクターみたいな服装をした人たちが... -
【王ドロボウJING】からの出典
* 赤絵の具 血を使って作り上げられた赤い絵の具。 シュバルツ・ブルーダーに支給 登場はアニメ7SHOT「色彩都市の少女」から。コミックスは7巻。 原料はありとあらゆる生物の死骸を集めた池からとれる極上の血。 血のように赤い……ではなく本当に血で出来ているのだ。 巨大ハサミ 分解して二つの刃物にもなるハサミ 本来の使用者はアイス三兄弟次兄仕立屋のクラッシュ・ド・アイス ヴィラルに支給 登場はアニメ12SHOT「ザザの仮面舞踏会・中編」 爆弾生物ポルヴォーラ 可愛い外見だが、驚かせると爆発する危険な生物 爆発の威力は凄まじく、近くにいたら即死は免れないかも……アニロワでは制限されているのか? 実はチョコレートが大好きで、食べると落ち着かせることが可能。 といっても、チョコレートを食べさせる=爆破ストップにはならない。 ガッシュ・ベルに支給 登場はア... -
例え絶望に打ちのめされても
例え絶望に打ちのめされても ◆AZWNjKqIBQ 図書館。図書室。読書室。 ……本を読む場所はできるだけ静かであるべきだろう。なにせそこは本を読むところなのだから。 許されるのはそう、頁を捲る時に紙同士が擦れる音。せいぜいがそんな程度である。 なので、今この超螺旋図書城内の静謐を破る彼女の声は、決して許されるものではないだろう。 別段大きな声を出しているという訳ではない。だが、非常に耳に引っかかる声だ。それは泣き声だったから。 もしここに平時の通りに人がいて、そしてそれぞれが本を取っていれば、きっと彼女の声に顔を顰めたはずである。 だが幸いなことにか、彼女に顰蹙の視線を浴びせかける読書家達は今のここにはいない。 代わりにいるのは黒衣を纏う一人の男だけ。 だが少女を見つめる彼の視線も、読書家達程ではないにしろ決して優しいものではなかっ... -
三つの心が一つにならない
三つの心が一つにならない ◆DNdG5hiFT6 『――エドワード・エルリック、キャロ・ル・ルシエ、――枢木スザク』 その名前が呼ばれた瞬間、名簿片手に放送を聴いていたルルーシュは自分の耳を疑った。 (スザクが……死んだ……?) 脳裏に浮かぶのは、はにかむ様に笑う親友の笑顔。 「何故だ……どうしてお前が死ななければならない……!」 最高の親友。 多少甘いところもあるがいずれは最も大切な妹すら任せようと思っていた男。 幼少の頃の出会い、互いに世界を変えようと誓い合ったこと、そして時を経ての再会。 それらがフラッシュバックし、 そのたびにその身を削られるような悔恨の念が自分を責め立てる。 まるで半身を失ったかのような感覚――ああ、これが“絶望”でなくて何というのだろう。 「そこにいるのは誰だっ!」 ... -
case4:メリル・ストライプス
あの人が帰ってこない……。 人間台風として人々に恐れられているけど、その実優しくて面白い、とても不思議な雰囲気な人……。 彼は決意して出ていった。昔の因縁に決着をつけるため、一人で。 あの人が負ける訳がない。 あのゴキブリ並みの生命力を持ったあの人が負けるなんて……死ぬなんて有り得ない。 今にも帰ってきてあの太陽のように明るい笑顔を見せてくれる筈だ。 ーーねぇ、ヴァッシュさん。メリルが地下水を掘り出したんですの。 もう人類はプラントに頼らなくても生きていける。 もう人類は滅びなくても済むんですのよ。 ーーだから早く帰って来て。その笑顔をまた私に見せて。お願いですわ、ヴァッシュさん……! -
Raw! Raw! It's a partner!
Raw! Raw! It's a partner! ◆ZJTBOvEGT. 『…ミナ、起きてください…カミナ!』 「む、ぐ…んんぅ」 カミナの意識を呼び覚ましたのは、電子音声による必死の呼びかけ。 なんともいえない嫌な気分と疼痛とに表情を歪まされながら起きあがり、思い出す。 どうして自分が気絶していたのか。誰にそうさせられたのか。 「ちっ、くそぉ…てめぇ、ドモン!」 『目が覚めましたか。ではお静かに願います』 「やいクロミラ、ドモンのヤロォどこに行きやがった」 『私はお静かに願うと言ったのです、カミナ』 立つなり殺気立ち、ぶっ飛ばすべきアンチクショウの姿を求めるカミナは クロスミラージュをきりきりとつかみ上げるが、返ってきたのは負けじの剣幕。 声を荒げているわけではないが、問答無用の命令形を頭から浴びせてきたことは、 人ならぬイ... -
チェスワフ・メイエル
【名前】チェスワフ・メイエル(チェス) 【出展】バッカーノ 【種族】人間 【性別】男 【声優】神田朱未 【年齢】220歳位、外見年齢は十歳 【外見】ごく普通の男の子。愛らしい見た目 【性格】 自分の身を守るために他人を利用することに、何の躊躇いも抱かない冷徹で狡猾な青年。 自身の外見が他人に与える影響をよく知っており、それを最大限利用できるよう、子供らしく振舞う。 基本的に誰も信用しておらず、自分以外の人間はどうでもいいと思っている。但し、心の奥底ではこの限りにあらず。 【口調(猫かぶり時)】一人称:僕 二人称:○○さん、○○お兄ちゃん、○○お姉ちゃん 三人称:左に同じ 【口調(本性現し時)】一人称:私 二人称:お前、貴方 三人称:名前呼び捨て 【特異能力】 不老不死者。基本的に何やっても死なない。(ロワ内では制限があるだろうが) 但し、苦痛... -
車掌と大工
車掌と大工 ◆RwRVJyFBpg 「――それでは――存分に、殺し合え」 木材にほぞ穴を穿ちながら、拙者はその放送を聞き終えた。 とりあえず、この温泉が禁止エリア指定されなかったことにほっとする。 せっかく直し始めたのに、完成前に追い出されるなんていうのは気持ちが悪いからな。 「でもま、まだ油断するのは早いか」 この温泉が修理し終わるまであとおよそ18時間。 放送は6時間ごとだから、完成するまでにあと2回放送が入る計算になる。 ということは、つまり、温泉完成までにあと6箇所禁止エリアが増えるってことだ。 あのロージェノムとかいうオッサンがどうやって禁止エリアを決めてるのか知らねえが 拙者がここを建て直すまでは、どうにか見逃して欲しいものだな。 しかし、そう考えると、あの女を逃がしちまったのは痛かった。 おそらく大工仕事に関しては素人だったろ... -
心を操る魔物
心を操る魔物 ◆RwRVJyFBpg 「No.50 高嶺清麿。 日本出身の学生。 弱冠15歳の若さにして工学博士の論文を楽々読みこなすIQ180の天才。 その飛びぬけた知力を周囲から疎まれ、かつては学校にも行かず無為に過ごしていたが 魔物であるガッシュ・ベル(No.16)と出会ったことをきっかけとして立ち直る。 それ以降はガッシュ・ベルのパートナーとして魔物の王を決める戦い(ガッシュ・ベルのページ参照) に身を投じていくことになる。 彼自身に飛びぬけた身体能力や超常的な能力はないが 卓越した頭脳から生み出される戦術を主な武器とし、これまで数多くの魔物を撃破してきた。 特にリーダーとしての指揮能力は仲間の魔物やパートナー達からも信頼が厚く…… ……なるほど。これは便利なものだな。 この殺し合いに参加している人... -
【ZOC】 絶望の器 (前)
【ZOC】 絶望の器 (前) ◆AZWNjKqIBQ ◆ ◆ ◆ 一つの密室。 その中を一種類の、しかし無量大数で、音色は変わらずとも一つ一つに別の意味の篭った音が満ちていた。 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ ただひたすらの打鍵の音が、あまり広くない部屋の中に充満している。 奏者の名前は菫川ねねね。 勿論、彼女は音楽家などではなく――作家だ。 そして、作家がこの音を紡ぐという事には一種類の意味しかない。そう……『本』を執筆しているのである。 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ 壁際に並んだ事務机の一つに陣取り、その上に乗ったPCに向かって一心不乱に、物語を打ち込んでいる。 脳内とキーボードを繋ぐ両腕以外は一... -
宴の始末
宴の始末 ◆Wf0eUCE.vg また会ったな。 それとも、お前とは初めましてだったか? まあいい。 なに? またお前かだと? その中には俺であって俺でないのも含まれているんだがな。まあいい。 今回俺がお前らに話しかけた理由は、ちょっとした後始末のためだ。 語られることのなかった世界の顛末が気になるのだろう? それを一部だけだが見せてやる。 ………もっとも、同じ世界のやつらでも別の多次元宇宙より連れてこられたやつもいて、その辺は少々複雑なのだがな、まあいい。 なに? 少し便利に使われ過ぎだと? 放っておけ。 だが最初に言っておくが、あくまで覗き見るだけだ。 干渉しに行くわけでも救いに行くわけでもないということを肝に銘じておけ。 はっきり言って干渉すること... -
くずれゆく……
くずれゆく…… ◆10fcvoEbko 「……言ったろう、スザクくん。その矛盾が、いつか君を殺すってね」 放送で枢木スザクの名を告げられたとき、ロイド・アスプルンドはそう呟いた。 真剣な面持ちである。今まで取り続けてきたような躁病的な軽い雰囲気は消え去っている。 ロイドはスザクが何故死んだかは知らない。 だが正義感が人の二倍も三倍も強い彼のこと、ここに来ても変わらず誰かのため に行動し、死んだのだろう。 人の死を嫌いながら死に近い場所にいようとする矛盾を抱えながら。 (結構強そうに見えたアニタくんもそうそうに脱落。 ジェレミア卿だって失脚してからは散々だけど、無能って訳じゃあない。 こりゃあ、ぼくなんかはうかうかしてらんないかなぁ?) たとえ相手がかよわい女の子だったとしても、殺意を持って襲い掛かられればおめおめと殺される自信がある。 銃... -
W.O.D ~Write Or Die~
W.O.D ~Write Or Die~ ◆RwRVJyFBpg ◆ 胸が。 胸が痛みます。 ちくちく、ちくちくした針みたいなものがおっぱいの裏にあって、それがグルグル回って 私の胸をちくちく、ちくちく刺してくるんです。 どうしてこんなに痛いんだろう? 私は考えます。 高嶺君が菫川先生の見つけた秘密の地下を調べに行ったのに、私は何にもできないから?――そうだと思います。 明智さんがガジェットドローンって機械を使って仲間を集めようとしてるのに、私は何にもできないから?――そうだと思います。 それとも、菫川先生に嘘をついたから?――そうだと思います。 エレベーターであのボタンを見つけたのは偶然。 私はそう菫川先生に話したけど、それは嘘です。 本当は分かってたんです。 あそこには何かあるって。 私は首にかけた紐を手繰り寄せて、あの不思議... -
愛のままにわがままに僕は君達を傷付けたい(後編)
愛のままにわがままに僕は君達を傷付けたい(後編) ◆2PGjCBHFlk ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 人形のように吹き飛び、壁に激突して四肢を投げ出すDボゥイを見下ろし、狂人は嗤っている。 「ヒャハハハハ! いやいやいやいや狙いはよかったんだぜ、タカヤ君よぉ。 もしも俺の体がめちゃくちゃ治るのが早い体質じゃなかったら、今ので完全にチェックだったぜ?」 関節が嵌め直った肩を回して調子を確かめつつ、俯く青年を賞賛する。 まさに、狙いは素晴らしかった。 打撃や斬撃が通用しないという部分を見抜いていたわけではないだろうが、 この肉体でも通用する関節技に持ち込まれた時には柄にもなく焦ったのは事実。 柔術の経験値はラッド・ルッソにも柊かがみにもないものだ。 対処法はどこにもなく、もしもDボゥイが選んだ... -
Death Lori
Death Lori ◆wYjszMXgAo 彼女は慟哭していた。 何で、命がこんなに軽いんだろうと。 何で、殺し合わねばいけないのだろうかと。 何で、分かり合えないのだろうかと。 何で、自分は無力なんだろうと。 何で、自分は生きているんだろうと。 ◇ ◇ ◇ 「あ、あ……エ、ド? そん、な、わた、し……」 守ると誓った。 誰も死なせないはずだった。 なのに、その結果が目の前にある。 こっぱみじんにふっとんだ。 のうみそぐちゃぐちゃ、ちでまっか。 おでこのまんなか、とんねるひとつ。 ぐらぐらぐらり、おおきなじしん。 とんねるのなかはたいへんなことに! ぶちゅりぼとぼとぶちゅりぼと。 なかみいっぱいぶちまけて。 こどもがひとり、ばたんきゅう。 「……ふん、ショックか何かで動けんのかいな。ま、都合ええわ」 ... -
Rubbish!
Rubbish! ◆P2vcbk2T1w この世界は、不安定で、ばらばらだ。 それでいて、意地悪なぐらいに、恣意的で。 あるときは、お日様のように優しくて暖かくて、 でも、次の瞬間には、嵐の様に残酷で激しくなっている。 まるでコインの表と裏。この世界は目まぐるしく移り変わっていく。 ゆっくりと考えている余裕なんてない。 そう、まるで今の私のよう。 色々なことが、急にたくさん押し寄せてきた。 突然巻き込まれた、異常な事件。私の、仕事のこと。 事故とは言え、犯してしまった凶事。私の、罪のこと。 突然、前触れも無くやってきた感情。私の、気持ちのこと。 そして、そのほかのいろいろな物が一緒くたになって、ぐるぐると私の頭の中を駆け回る。 分からない。 どうして良いのか、分からない。 一つの問を解こうとすると、他の問が気になってくる。 別の問を解こ... -
俺にはさっぱりわからねえ!(前編)
俺にはさっぱりわからねえ!(前編) ◆j3Nf.sG1lk 「ブルゥゥゥゥウウウァァアアアアアアアアア!!!」 雄たけびと共に海面から謎の物体が飛び出した。 それを一言で言えば“V” 見るからに“V” 明らかに“V” 美しいまでに“V” 海水を飛沫に変えて全身から飛ばす“V” 月明かりに照らされてるよ“V” 意味もなく飛んじゃってるよ“V” 何でポーズ決めてんだよ“V” そりゃVだからだろ“V” ま、Vじゃしょうがねぇな“V” “V”だしな。 うん、“V”だから。 てな感じで、まさに全身で“V”の字を表現している謎の生命体である。 「ビクトリーーーーーーム!!!!」 人の認識する常識を一足飛びで飛び越えた想像外の容姿を持つそれは、一旦中空で華麗にポーズを決める。 そして、恍惚とした表情を浮かべた... -
異世界からの挑戦状
異世界からの挑戦状 ◆j3Nf.sG1lk 『神出鬼没の怪盗紳士、今度は警察署から!?』 新聞の一面に踊った一文を読みながら、少女は一人深い溜息を漏らす。 瞼を落とし、瞳を硬く閉じ、放たれた少女の息は、重く、周囲の空気が一気に澱む様な気配さえある。 少女は落ち込んでいた。それはもう、最高にダウナーな気分だった。 「勘弁してよ……もう……」 少女は顔を上げ、今一度新聞へと目を向ける。 勿論、そこに書かれている内容に変化は無い。 似ても似つかない、と言うより性別すら違う想像図が少女をあざ笑うだけだった……。 さて、ではそろそろ少女が肩を落としてこの上なく落ち込んでいる理由を語ろう。 それは、その新聞に載った記事の内容に少女が深く関わっているからに他ならない。 では、どう深く関わっているというのだろう。 まずはそ... -
銀鉱少年と魔法少女(?)
銀鉱少年と魔法少女(?) ◆oRFbZD5WiQ クロと別れた八神はやては、ふむ、と言うように顎に手をやると地図を注視した。 自分が座っているベンチのすぐ傍には、ヘビのように道路が伸びている。 本来なら、そこを通るべきなのだろうが―― (ちょーっと、危ないかな) なにしろ丸見え、遮るモノは皆無なのだ。民家はあるにはあるが、咄嗟に隠れる事ができるわけではない。 このような状態で狙撃、長距離砲撃などを受けたら一たまりもない。 かと言って、森の中を突っ切るのもいただけない。木々の合間に誰かが潜んでいれば、自分は軽く殺されてしまう。 無論、特別に死を恐れているわけではない。もしそうであれば、先程出会ったクロに、あのようなブラフを仕掛ける事はしなかった。 だが勇気と無謀は違う、とはやては思っている。ここぞという時に運を天に任せるのは、... -
HAPPY END(12)
HAPPY END(12)◆ANI2to4ndE ◇ 「……っ…………ヴィ………………」 何を残し、何を為し、何のために生きるのだろう。 何を想い、何を護り、何を愛せばいいのだろう。 「ヴィ……ラ…………」 何と出会い、何と語らい、何を目指せばいいのだろう。 何と過ごし、何と触れ合い、何を感じればいいのだろう。 「ヴィ……ラ…………っ……」 私がここにいる理由。 私がここに在る意味。 私がここに呼ばれた運命。 何もかもを受諾するのに、私は少しだけ"初心"だったのかもしれない。 全ての始まりは些細な一言だった。 そう、引き金は言葉。でもソレは小さく背中を押す見えざる手でしかない。 鉄と血の臭いに溢れた世界を私に押し付けるのはいつだって私自身の意志だ。 「ヴィ…………ラ……... -
王の視察
王の視察 ◆0BwdWOApVI 「おい、蜘蛛女」 「なによ金ぴか」 唐突に声をかけられ振り返れば、目に入るのは痛いほど金ぴかな、自称王様ギルガメッシュの姿だった。 金ぴかに輝くその様は夜道でも灯りがいらず、結構なことだ。 「あれは何だ?」 言われて、金ぴかが指差す方向を見つめるが、夜の暗さに加え誰かさんのせいで片目が塞がっててよく見えないっての。 仕方ないので、眼帯を僅かにずらして両目を凝らす。 「なにって…………ただの学校じゃない。 なに、あんたひょっとして学校も知らないの?」 「識ってはいる。だがあくまで知識としてに過ぎん、内部を直接この目で見たことはない。 蜘蛛女、その口ぶりだと貴様は学校を知っているようだな?」 「当たり前じゃない。このかっこ見りゃわかんでしょ?」 そう言って、セーラー服の... -
『真偽』と『真意』~危うい■■(後編)
『真偽』と『真意』~危うい■■(後編) ◆WcYky2B84U ヴィラルは困惑していた。 あれほど自分を苦しめていた腹部の傷からは、ほとんど痛みが消え去っている。 血も止まり、ただ僅かな傷跡が残っているだけ。流石に完治しているとは言いがたいが、それでも異常な回復速度だ。 これが自分の体質によるもの、つまり螺旋王の改造による物なのかとも一瞬思ったが、予想は外れているようだ。 目の前のシャマルがいつの間にか手につけていた奇妙なグローブ。 そこから発せられた光が自分の傷を包み、痛みを少しずつ和らげていくのをこの目で見た。 ならば、シャマルの持つこのグローブが癒しの力を持っている、という事か? もしそうなのならば僥倖だ。回復の力を持つ支給品があるのならばそれは非常にアドバンテージになる。 しかし……その他にももう一つの可能性がある。 それは、この回復の能... - @wiki全体から「痛くても辛くても戻らないから」で調べる