ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2192 いっかのすえ
最終更新:
ankoss
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『いっかのすえ』 ○○あき 作
餡庫から忘れられる前に投稿せねば!
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昼を過ぎた頃から風が強くなってきた、空を見ればどんよりと厚い雲に覆われている。
テレビの天気予報で、大型の台風が接近していると言っていた。
雨が降り出す前に夕食の買い物をする為に、近所の商店街に行くと入り口が閉鎖されている。
実際には閉鎖と言っても、腰ぐらいの門が土嚢と共に取り付けされているだけ。
不思議そうに見ている僕に、自治会長さんが教えてくれた。
「これは台風の浸水防止と、ゆっくりの進入防止のためさ。」
「ゆっくり?」
ゆっくりは水に弱い生物、通常なら防水対策された住処や物陰で雨をやり過ごす。
しかし台風ともなると、流石にそれだけでは凌ぐ事は出来ない。
ダンボールで出来た住処は吹き飛び、物陰にまで雨は振り込んでくる。
そうなるとゆっくりが逃げ込んで来るのが、しっかりした屋根のある商店街の中と言う事らしい。
台風の中を出歩く物好きな人もいないので、格好の逃げ場所であろう。
だが商店街の店主からしてみれば迷惑な話である。
アーケードの中を糞尿まみれにされ、屍骸などのゴミが大量に出る。
生きても死んでも迷惑、それ故前もって対策がとられているのだ。
「なるほど・・・・ゆっくりってどうなっても迷惑な生物なんですね。」
「まぁそうだね、同じ害獣でも鼠やカラスよりたちが悪いよ・・・・」
「ははは・・・頑張って下さい。」
「おぅ、君も雨が降らないうちに買い物して早く帰りなさい。」
「はい、ありがとうございます。」
自治会長に商店街の中へ入れてもらい。
夕食の買い物と万が一の非常食として、お菓子やら保存食やらを買い込んで帰宅を急ぐ。
帰りには公園も封鎖されているのが見えた。
野良の大半は公園か河川敷に住んでいるので、ここから逃げ出して迷惑にならないようにしているのであろう。
天候の変化を知ってか知らずか、野良ゆっくりはまだ狩に勤しんでいる。
『どぼじでかべさんがあるんだぜぇ?いじわるしないでいれてほしいんだぜぇ!』
公園への入り口は封鎖されてしまっているので、外に狩に出ていたゆっくりは中へ入る事ができずにいる。
まりさは諦める訳にもいかないらしく、壁に向かって喚いたり体当たりしていた。
「おいまりさ」
『ゆゅ?なにかようなんだぜぇ?』
「お前には番と子供はいるか?」
『ゆゅ?いるんだぜぇ!と~てもゆっくりしたありすとかわいぃおちびちゃんがいるんだぜぇ!』
放置しても良かったのだが、思いつきでまりさに声をかけた。
まりさは僕が中に入れてくれるとでも思ったのであろう、期待した瞳で素直に答える。
「会いたいのなら、俺が公園の中から連れてきてやるがどうする?」
だが僕から出た提案は、期待したのとは逆の行動。
当然、まりさは不満をもらす。
『なにいってるんだぜぇ?まりさはおうちにかえりたいんだぜぇ!ばかなの?しぬの?』
「嫌なら僕は帰るだけさ」
足早に立ち去ろうとする僕を、まりさは慌てて追いかけてくる。
ここで見捨てられたら家族に会えない。
『ごべんなざいぃぃぃおねがいじまずがら、まりざのかぞくをつれてぎでぐださいぃぃぃ』
必死に足に纏わりついて懇願する。
「人の親切は素直に受ける物だよ・・・でお前の家族は何処にいるんだ?」
まりさから住処のある場所を聞き出すと、僕は公園の中へと入った。
ゆっくりには高い壁であっても、人にとっては跨いで入る事の出来る高さ。
公園の中は遊具と、花壇や植木等の植物が設置されている。
銀杏の木の下の茂み、傍に見えるダンボールの箱。
これがまりさの住処らしい、覗くと母ありすと子ゆが5匹いる。
「おおいたいた、こいつらがそうだな。よいしょっと・・・・・」
『ゆゅ?いったいなんなのぉぉぉ?』
『ゆぴぃぃぃきょわいよぉぉぉぉぉ!』×5
僕は声もかけずにダンボールごと抱えて、そのまま持ち上げる。
公園の入り口まで運んでくると、外で待っているまりさの前に置いてやった。
『ありすぅぅぅぅぅあいたかったんだぜぇぇぇぇぇ!』
『ゆゅ?まりさぁぁどうなってるのぉぉぉぉぉ?』
『おちょうしゃん?』×5
感動の親子再開である。
事態を理解出来ていないありすと、子供達は混乱していた。
しかしまりさは、家族再開に喜んでいる。
『おにいさんありがとうなんだぜぇ』
「おう、良かったな」
まりさは感謝しているが、これで台風が来ても住処には帰れない。
涙流しながら喜んで、風雨の中をさ迷う事となるだろう。
良い事をすると気持ちが良い。
『じじぃ!れいむもおそとへだせぇぇぇぇぇぇ!』
『だしてほしいんだよぉ~』
『いやぁぁぁぁぱちゅはでたくないぃぃぃぃぃ』
ついでに外に出たがっていたゆっくりも何匹か、問答無用で放り出す。
あまり出しても近所迷惑なので、この位で止めておこう。
まりさ一家の末路が気にはなるが、結果を見ていて台風なんかで死んだら元も子もない。
悪ふざけはここまでにして、大人しく帰宅する。
「お?降ってきたな・・・・・」
自宅に入ると同時に雨が降り始めた、これから深夜にかけて強まっていくだろう。
念の為に雨戸も閉めておく、用心しておくのに越した事はない。
これで暴風の音も弱まった、ゆっくり眠れそうである。
その頃まりさ達は、自動販売機の物陰で途方にくれていた。
僕と別れてから住処に帰れない状況に、雨が降ってきて初めて気がついたらしい。
『どおじてごんなことになったんだぜぇ・・・・』
『いなかものなあめだわ・・・・・・』
風が強い事が逆に幸いし、今のところ雨は降り込んでこない。
しかしこのままでは、一家全滅も時間の問題であろう。
他に放り出された連中は、雨の中必死に公園内へと戻ろうと入り口で足掻き喚いていた。
『れいむをはやくいれろぉぉぉぉぉぉじじぃはどこにいったぁぁぁぁぁぁぁ』
『うごけないよぉぉぉぉわからないよぉぉぉーあめさんいじわるしないでやんでほしいんだよぉぉぉ』
『むきゅぅぅぅぅ・・・だからでたくないっていったのに・・・ぼっどゆっぐ・・ぢ・・じだがっだ・・・・・』
まずは避難すべきであろうに、これが饅頭の限界なのかもしれない。
物陰で雨をさけていたまりさ達に変化が現れだす。
『おちょうしゃんのおぼうちのにゃかはあっちゃかいねぇ~』
『ありちゅもゆっくちできりゅよ』
『おちょうしゃんしゅ~りしゅ~り・・ちあわちぇぇ~』
子供達5匹は全て、まりさの帽子の中や縁の下に隠れている。
流石に雨に濡れ風に吹かれ続けると、夏場とは言え冷えるのだがこれだけ集まると暖かい。
『ばりざぁぁぁぁ・・・ありずはざぶいぃわぁぁぁぁ・・・・ず~りず~りじだいぃぃぃぃ・・・』
『おちびちゃんがいるからちかよれないんだぜぇ・・・がまんしてほしいんだぜぇ・・・』
『ぜぶいぃぃぃぃぃぃぃぃ!』
だがありすはそうはいかない。
まりさとす~りす~りするには、子供達がまりさの回りいるために近寄れず。
結果、1匹単独で寒さに震える。
これが最悪の結果を生む。
『がたがた・・・ざぶぃぃぃぃ・・・・ほぉ・・・うほ・・』
『ありす?』
『んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』
『れいぱーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
『いちゃいぃぃぃ・・ゆ?おちょうしゃん!まりちゃをおいちぇかにゃいでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』
震え続けた為にありすはれいぱーと化してしまう。
これに驚いたまりさは、引っ付いている子供3匹を弾き飛ばして雨の中を逃げ出す。
れいぱーと化したありすは、残った子まりさを襲う。
こうなっては母も子も無かった。
『むほおおおおおおぉ~いいわぁ~しまるわぁぁぁ~きつきつでとってもとかいはよぉ~』
『おきゃあしゃんやめちぇぇぇぇぇまりちゃちゅっきりちたくにゃいぃぃぃぃぃぃ』
『やめてぇぇぇぇぇそんにゃのいにゃかもにょのすりゅことよ!』
『まりしゃはまだちにたくにゃいんだじぇ!ゆっくりしにゃいでにげりゅんだじぇ・・・・ってどぼじであめさんがふってるのぉぉぉぉぉぉ?』
狭い物陰で逃げ場所の無い3匹は、そのまま母に犯されて3個の黒い塊と化す。
その後狂ったままのありすも、雨の中に身を投げ出し動けなくなり死んでしまった。
逃げ出したまりさは、必死に雨を凌げれる場所を求めて駆ける
『ゆひぃぃぃぃいそがないとゆっくりできないんだぜぇ!のこったおちびちゃんだけでも、まりさはぜったいにゆっくりさせるんだぜぇ!』
『おちょうしゃんかっちょいぃ~』
『ちょかいはだわぁ~』
このままではあんよが雨にふやけて、動けなくなってしまうのも時間の問題だった。
次の角を曲がれば商店街のアーケード、既に水を含み膨れ始めた身体で必死に急ぐ。
『ここをまがれば・・・・・・ってどうしてかべさんがあるのぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
そこにあったのは、土嚢でしっかりと固定された鉄柵の門。
水流にも負けぬ様に、これでもかと言わんばかりに強固に押さえられている。
『いれでぐだざいぃぃぃ!かべさんいじわるしないでのくんだぜぇぇぇぇ!このままじゃまりさはとけてしまうんだぜぇぇぇ!・・・ゆゅ?・・・どおしてあんよさんうごかないんだぜぇ?・・いじわるしないではやくうごくんだぜぇ?』
門に体当たりした時の着地で、まりさのあんよは弾けてしまう。
ここまで持ち堪えた事が奇跡のような物、そんな身体で大きく跳ねてしまったのだから当然の結果と言える。
『ゆゅ?おちょうしゃんちゅいちゃの?』
まりさはお帽子の中からの声を聞き、事態を悟り顔面蒼白となる。
このままでは大切な子供の命も危ない。
しかしまりさに越えられない壁を、まだ幼い子供達だけ越えられるはずもなかった。
『でもおちびちゃんだけは、まりさがぜったいにまもるよ(キリッ・・・ゆわわわわわわわ!まりさのでらっくすなおぼうしさんがぁぁぁぁぁ!』
何の根拠も無く子供を守りぬく事を誓うまりさ、その言葉を待っていたかの様に突風が吹く。
風はまりさのお帽子を浚い、頭上にいる子供達を風雨の前へと曝け出す。
『ちゅちゅ・・ちゅめちゃいぃぃぃ!ゆっくちできにゃいぃぃぃぃぃぃ』
しかし頭上にいたのは子まりさ1匹だけ。
末っ子で1番小さくて軽い、子ありすは飛ばされたお帽子の中。
助けに行きたくてもまりさのあんよは、既に溶けていて動けない。
『ばりざのおぼうじがぁぁぁぁぁぁぁ!ゆっぐぢできないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!かぜさんかえすんだぜぇぇぇぇぇ!』
まりさは子供の心配よりも、お帽子を失った喪失感でパニックに陥る。
動けない身体で足掻いているまりさの上で、確実に溶けていく子まりさ。
成体に比べて子ゆは、あまりにも耐性が無かった。
『まりしゃのあんよしゃんいじわりゅしにゃいでうごいちぇぇぇぇぇ!とけちゃうぅぅぅぅ!』
少しは雨を防げるはずのお帽子も、子供サイズでは何の役にも立たない。
子まりさがもがけばもがく程、足元のまりさの髪に擦れて崩れていく。
『ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”・・・・』
すぐに虫の息となり動かなくなってしまった。
まりさもお帽子が無くなった事により、溶ける速度を加速させていく。
『いやだぁぁぁぁぁばりざはまだじにだくないぃぃぃぃぃぃ・・・がぼごぼごぼごぼごぼげえぇ・・・』
ついに全体が浸る程に溶けてしまう、平たいスライムの様になりながらまりさは思った。
何故こんな事になってしまったのだろうと・・・・
あの時自分だけで避難していれば、家族はおうちでゆっくり出来たのかも知れない。
家族を公園から放り出した男性を恨みながら、まりさの意識はそこで途絶える。
後には黒い水溜りが残っていた。
『おしょらをちょんでりゅみたいぃ~~~~~~・・・ゆゅ?きょきょどきょ?
おとうしゃんありしゅはきょきょだよぉ~まりしゃ~どきょにゃのぉ~』
まりさのお帽子ごと飛ばされた、子ありすが行き着いた場所は商店街の中だった。
これは運が良かったとしか言い様がない。
吹き上げられた風が、吸い込まれる様にアーケードを吹き抜けていく。
子ありすごと持ち上げる程の強風も、アーケードの中ではその勢いを失いお帽子を落下させる。
こうして子ありすは台風が過ぎ去るまでの間を、安全な場所で過ごす事が出来た。
その晩、台風は街中を荒らしまわり通り過ぎる。
台風一過とはよく言うが・・・・
その言葉通り翌日は目眩を起こす程、気持ち良いくらいの晴天。
街中に散らかるゴミで溢れていた。
「うわぁ・・・こりゃ凄いな・・・・掃除大変だ・・・って何これ?」
僕が雨戸を開けると壁には、沢山の黒や黄色い染み。
どうやら台風に吹き飛ばされて、うちの壁に叩きつけられたゆっくりの様である。
封鎖された公園内にいた野良ゆっくりは全て、大自然の力の前に打ちのめされ全滅したようだ。
ゆっくりの「おうち」の材料は、極上の物でダンボールとブルーシート。
この程度の物であの台風をやり過ごせるはずもなく、全て吹き飛ばされた。
結局のところあのまりさは、公園内に留まれても死ぬ運命だったのである。
ちなみに生き残った子ありすは、自治会長に飼われる事になった。
運の良いゆっくりとして珍重されている。
商店街の名物として「運の良いゆっくりのうんうん」が、この不景気をも吹き飛ばして欲しいと大人気となった。
世の中何が当たるか本当にわからない物である。
おわり
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けっこう久々の投稿となりました。
色々あったんで大変でしたが、時間だけはいっぱいあったのでSSのネタばかり考えていましたw
またぼちぼちやっていきますので、よろしくお願いします。
ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/13854/
○○あきのSS感想はこちらへ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1275503703/
誤字・脱字等あれば勘弁して下さい
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anko1969 ゆクライド
anko2032 夏だ!プールだ!まりさと遊ぼう!
コノヘンカナ? (/・・)/ ⌒ ↓
餡庫から忘れられる前に投稿せねば!
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昼を過ぎた頃から風が強くなってきた、空を見ればどんよりと厚い雲に覆われている。
テレビの天気予報で、大型の台風が接近していると言っていた。
雨が降り出す前に夕食の買い物をする為に、近所の商店街に行くと入り口が閉鎖されている。
実際には閉鎖と言っても、腰ぐらいの門が土嚢と共に取り付けされているだけ。
不思議そうに見ている僕に、自治会長さんが教えてくれた。
「これは台風の浸水防止と、ゆっくりの進入防止のためさ。」
「ゆっくり?」
ゆっくりは水に弱い生物、通常なら防水対策された住処や物陰で雨をやり過ごす。
しかし台風ともなると、流石にそれだけでは凌ぐ事は出来ない。
ダンボールで出来た住処は吹き飛び、物陰にまで雨は振り込んでくる。
そうなるとゆっくりが逃げ込んで来るのが、しっかりした屋根のある商店街の中と言う事らしい。
台風の中を出歩く物好きな人もいないので、格好の逃げ場所であろう。
だが商店街の店主からしてみれば迷惑な話である。
アーケードの中を糞尿まみれにされ、屍骸などのゴミが大量に出る。
生きても死んでも迷惑、それ故前もって対策がとられているのだ。
「なるほど・・・・ゆっくりってどうなっても迷惑な生物なんですね。」
「まぁそうだね、同じ害獣でも鼠やカラスよりたちが悪いよ・・・・」
「ははは・・・頑張って下さい。」
「おぅ、君も雨が降らないうちに買い物して早く帰りなさい。」
「はい、ありがとうございます。」
自治会長に商店街の中へ入れてもらい。
夕食の買い物と万が一の非常食として、お菓子やら保存食やらを買い込んで帰宅を急ぐ。
帰りには公園も封鎖されているのが見えた。
野良の大半は公園か河川敷に住んでいるので、ここから逃げ出して迷惑にならないようにしているのであろう。
天候の変化を知ってか知らずか、野良ゆっくりはまだ狩に勤しんでいる。
『どぼじでかべさんがあるんだぜぇ?いじわるしないでいれてほしいんだぜぇ!』
公園への入り口は封鎖されてしまっているので、外に狩に出ていたゆっくりは中へ入る事ができずにいる。
まりさは諦める訳にもいかないらしく、壁に向かって喚いたり体当たりしていた。
「おいまりさ」
『ゆゅ?なにかようなんだぜぇ?』
「お前には番と子供はいるか?」
『ゆゅ?いるんだぜぇ!と~てもゆっくりしたありすとかわいぃおちびちゃんがいるんだぜぇ!』
放置しても良かったのだが、思いつきでまりさに声をかけた。
まりさは僕が中に入れてくれるとでも思ったのであろう、期待した瞳で素直に答える。
「会いたいのなら、俺が公園の中から連れてきてやるがどうする?」
だが僕から出た提案は、期待したのとは逆の行動。
当然、まりさは不満をもらす。
『なにいってるんだぜぇ?まりさはおうちにかえりたいんだぜぇ!ばかなの?しぬの?』
「嫌なら僕は帰るだけさ」
足早に立ち去ろうとする僕を、まりさは慌てて追いかけてくる。
ここで見捨てられたら家族に会えない。
『ごべんなざいぃぃぃおねがいじまずがら、まりざのかぞくをつれてぎでぐださいぃぃぃ』
必死に足に纏わりついて懇願する。
「人の親切は素直に受ける物だよ・・・でお前の家族は何処にいるんだ?」
まりさから住処のある場所を聞き出すと、僕は公園の中へと入った。
ゆっくりには高い壁であっても、人にとっては跨いで入る事の出来る高さ。
公園の中は遊具と、花壇や植木等の植物が設置されている。
銀杏の木の下の茂み、傍に見えるダンボールの箱。
これがまりさの住処らしい、覗くと母ありすと子ゆが5匹いる。
「おおいたいた、こいつらがそうだな。よいしょっと・・・・・」
『ゆゅ?いったいなんなのぉぉぉ?』
『ゆぴぃぃぃきょわいよぉぉぉぉぉ!』×5
僕は声もかけずにダンボールごと抱えて、そのまま持ち上げる。
公園の入り口まで運んでくると、外で待っているまりさの前に置いてやった。
『ありすぅぅぅぅぅあいたかったんだぜぇぇぇぇぇ!』
『ゆゅ?まりさぁぁどうなってるのぉぉぉぉぉ?』
『おちょうしゃん?』×5
感動の親子再開である。
事態を理解出来ていないありすと、子供達は混乱していた。
しかしまりさは、家族再開に喜んでいる。
『おにいさんありがとうなんだぜぇ』
「おう、良かったな」
まりさは感謝しているが、これで台風が来ても住処には帰れない。
涙流しながら喜んで、風雨の中をさ迷う事となるだろう。
良い事をすると気持ちが良い。
『じじぃ!れいむもおそとへだせぇぇぇぇぇぇ!』
『だしてほしいんだよぉ~』
『いやぁぁぁぁぱちゅはでたくないぃぃぃぃぃ』
ついでに外に出たがっていたゆっくりも何匹か、問答無用で放り出す。
あまり出しても近所迷惑なので、この位で止めておこう。
まりさ一家の末路が気にはなるが、結果を見ていて台風なんかで死んだら元も子もない。
悪ふざけはここまでにして、大人しく帰宅する。
「お?降ってきたな・・・・・」
自宅に入ると同時に雨が降り始めた、これから深夜にかけて強まっていくだろう。
念の為に雨戸も閉めておく、用心しておくのに越した事はない。
これで暴風の音も弱まった、ゆっくり眠れそうである。
その頃まりさ達は、自動販売機の物陰で途方にくれていた。
僕と別れてから住処に帰れない状況に、雨が降ってきて初めて気がついたらしい。
『どおじてごんなことになったんだぜぇ・・・・』
『いなかものなあめだわ・・・・・・』
風が強い事が逆に幸いし、今のところ雨は降り込んでこない。
しかしこのままでは、一家全滅も時間の問題であろう。
他に放り出された連中は、雨の中必死に公園内へと戻ろうと入り口で足掻き喚いていた。
『れいむをはやくいれろぉぉぉぉぉぉじじぃはどこにいったぁぁぁぁぁぁぁ』
『うごけないよぉぉぉぉわからないよぉぉぉーあめさんいじわるしないでやんでほしいんだよぉぉぉ』
『むきゅぅぅぅぅ・・・だからでたくないっていったのに・・・ぼっどゆっぐ・・ぢ・・じだがっだ・・・・・』
まずは避難すべきであろうに、これが饅頭の限界なのかもしれない。
物陰で雨をさけていたまりさ達に変化が現れだす。
『おちょうしゃんのおぼうちのにゃかはあっちゃかいねぇ~』
『ありちゅもゆっくちできりゅよ』
『おちょうしゃんしゅ~りしゅ~り・・ちあわちぇぇ~』
子供達5匹は全て、まりさの帽子の中や縁の下に隠れている。
流石に雨に濡れ風に吹かれ続けると、夏場とは言え冷えるのだがこれだけ集まると暖かい。
『ばりざぁぁぁぁ・・・ありずはざぶいぃわぁぁぁぁ・・・・ず~りず~りじだいぃぃぃぃ・・・』
『おちびちゃんがいるからちかよれないんだぜぇ・・・がまんしてほしいんだぜぇ・・・』
『ぜぶいぃぃぃぃぃぃぃぃ!』
だがありすはそうはいかない。
まりさとす~りす~りするには、子供達がまりさの回りいるために近寄れず。
結果、1匹単独で寒さに震える。
これが最悪の結果を生む。
『がたがた・・・ざぶぃぃぃぃ・・・・ほぉ・・・うほ・・』
『ありす?』
『んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』
『れいぱーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
『いちゃいぃぃぃ・・ゆ?おちょうしゃん!まりちゃをおいちぇかにゃいでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』
震え続けた為にありすはれいぱーと化してしまう。
これに驚いたまりさは、引っ付いている子供3匹を弾き飛ばして雨の中を逃げ出す。
れいぱーと化したありすは、残った子まりさを襲う。
こうなっては母も子も無かった。
『むほおおおおおおぉ~いいわぁ~しまるわぁぁぁ~きつきつでとってもとかいはよぉ~』
『おきゃあしゃんやめちぇぇぇぇぇまりちゃちゅっきりちたくにゃいぃぃぃぃぃぃ』
『やめてぇぇぇぇぇそんにゃのいにゃかもにょのすりゅことよ!』
『まりしゃはまだちにたくにゃいんだじぇ!ゆっくりしにゃいでにげりゅんだじぇ・・・・ってどぼじであめさんがふってるのぉぉぉぉぉぉ?』
狭い物陰で逃げ場所の無い3匹は、そのまま母に犯されて3個の黒い塊と化す。
その後狂ったままのありすも、雨の中に身を投げ出し動けなくなり死んでしまった。
逃げ出したまりさは、必死に雨を凌げれる場所を求めて駆ける
『ゆひぃぃぃぃいそがないとゆっくりできないんだぜぇ!のこったおちびちゃんだけでも、まりさはぜったいにゆっくりさせるんだぜぇ!』
『おちょうしゃんかっちょいぃ~』
『ちょかいはだわぁ~』
このままではあんよが雨にふやけて、動けなくなってしまうのも時間の問題だった。
次の角を曲がれば商店街のアーケード、既に水を含み膨れ始めた身体で必死に急ぐ。
『ここをまがれば・・・・・・ってどうしてかべさんがあるのぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
そこにあったのは、土嚢でしっかりと固定された鉄柵の門。
水流にも負けぬ様に、これでもかと言わんばかりに強固に押さえられている。
『いれでぐだざいぃぃぃ!かべさんいじわるしないでのくんだぜぇぇぇぇ!このままじゃまりさはとけてしまうんだぜぇぇぇ!・・・ゆゅ?・・・どおしてあんよさんうごかないんだぜぇ?・・いじわるしないではやくうごくんだぜぇ?』
門に体当たりした時の着地で、まりさのあんよは弾けてしまう。
ここまで持ち堪えた事が奇跡のような物、そんな身体で大きく跳ねてしまったのだから当然の結果と言える。
『ゆゅ?おちょうしゃんちゅいちゃの?』
まりさはお帽子の中からの声を聞き、事態を悟り顔面蒼白となる。
このままでは大切な子供の命も危ない。
しかしまりさに越えられない壁を、まだ幼い子供達だけ越えられるはずもなかった。
『でもおちびちゃんだけは、まりさがぜったいにまもるよ(キリッ・・・ゆわわわわわわわ!まりさのでらっくすなおぼうしさんがぁぁぁぁぁ!』
何の根拠も無く子供を守りぬく事を誓うまりさ、その言葉を待っていたかの様に突風が吹く。
風はまりさのお帽子を浚い、頭上にいる子供達を風雨の前へと曝け出す。
『ちゅちゅ・・ちゅめちゃいぃぃぃ!ゆっくちできにゃいぃぃぃぃぃぃ』
しかし頭上にいたのは子まりさ1匹だけ。
末っ子で1番小さくて軽い、子ありすは飛ばされたお帽子の中。
助けに行きたくてもまりさのあんよは、既に溶けていて動けない。
『ばりざのおぼうじがぁぁぁぁぁぁぁ!ゆっぐぢできないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!かぜさんかえすんだぜぇぇぇぇぇ!』
まりさは子供の心配よりも、お帽子を失った喪失感でパニックに陥る。
動けない身体で足掻いているまりさの上で、確実に溶けていく子まりさ。
成体に比べて子ゆは、あまりにも耐性が無かった。
『まりしゃのあんよしゃんいじわりゅしにゃいでうごいちぇぇぇぇぇ!とけちゃうぅぅぅぅ!』
少しは雨を防げるはずのお帽子も、子供サイズでは何の役にも立たない。
子まりさがもがけばもがく程、足元のまりさの髪に擦れて崩れていく。
『ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”・・・・』
すぐに虫の息となり動かなくなってしまった。
まりさもお帽子が無くなった事により、溶ける速度を加速させていく。
『いやだぁぁぁぁぁばりざはまだじにだくないぃぃぃぃぃぃ・・・がぼごぼごぼごぼごぼげえぇ・・・』
ついに全体が浸る程に溶けてしまう、平たいスライムの様になりながらまりさは思った。
何故こんな事になってしまったのだろうと・・・・
あの時自分だけで避難していれば、家族はおうちでゆっくり出来たのかも知れない。
家族を公園から放り出した男性を恨みながら、まりさの意識はそこで途絶える。
後には黒い水溜りが残っていた。
『おしょらをちょんでりゅみたいぃ~~~~~~・・・ゆゅ?きょきょどきょ?
おとうしゃんありしゅはきょきょだよぉ~まりしゃ~どきょにゃのぉ~』
まりさのお帽子ごと飛ばされた、子ありすが行き着いた場所は商店街の中だった。
これは運が良かったとしか言い様がない。
吹き上げられた風が、吸い込まれる様にアーケードを吹き抜けていく。
子ありすごと持ち上げる程の強風も、アーケードの中ではその勢いを失いお帽子を落下させる。
こうして子ありすは台風が過ぎ去るまでの間を、安全な場所で過ごす事が出来た。
その晩、台風は街中を荒らしまわり通り過ぎる。
台風一過とはよく言うが・・・・
その言葉通り翌日は目眩を起こす程、気持ち良いくらいの晴天。
街中に散らかるゴミで溢れていた。
「うわぁ・・・こりゃ凄いな・・・・掃除大変だ・・・って何これ?」
僕が雨戸を開けると壁には、沢山の黒や黄色い染み。
どうやら台風に吹き飛ばされて、うちの壁に叩きつけられたゆっくりの様である。
封鎖された公園内にいた野良ゆっくりは全て、大自然の力の前に打ちのめされ全滅したようだ。
ゆっくりの「おうち」の材料は、極上の物でダンボールとブルーシート。
この程度の物であの台風をやり過ごせるはずもなく、全て吹き飛ばされた。
結局のところあのまりさは、公園内に留まれても死ぬ運命だったのである。
ちなみに生き残った子ありすは、自治会長に飼われる事になった。
運の良いゆっくりとして珍重されている。
商店街の名物として「運の良いゆっくりのうんうん」が、この不景気をも吹き飛ばして欲しいと大人気となった。
世の中何が当たるか本当にわからない物である。
おわり
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けっこう久々の投稿となりました。
色々あったんで大変でしたが、時間だけはいっぱいあったのでSSのネタばかり考えていましたw
またぼちぼちやっていきますので、よろしくお願いします。
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