ヴィルシーナ(ウマ娘 プリティーダービー)

登録日:2025/05/19 Mon 00:18:42
更新日:2025/05/20 Tue 08:36:25NEW!
所要時間:約 34 分で読めますわ。


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2 2番手 I Can't Choose to Give Up! Le beau sommet Queen's Rebirth Verxina 『お姉ちゃん、だもの』 お前らの長姉だろ、早くなんとかしろよ お姉ちゃん お嬢様 しくじり女王 やきうのお馬さん ウマ娘 ウマ娘 プリティーダービー シスコン ジュニア期ファン稼ぎ勢 ダークヒロイン ティアラ路線 トリプルティアラチャレンジ トレセン学園中等部 トレーナークソボケ勢 トレーナースパダリ勢 マイラー マイルの女王 ヴィクトリアマイル ヴィルシーナ ヴ姉妹 不屈 不撓不屈の女王 佐々木主浩 優等生 元ネタの人涙目 先行バ 内田博幸 奥野香耶 待ち望まれていた実装 意外とナイスバディ 数奇な運命を背負った女 敵も味方も名言連発 本当の強さは、誰も知らない。 栗東寮 福永祐一 筆頭涙目 逃げウマ 野球好き 野生のヴィルシーナ 長女 長姉 青毛 頂点だけは譲れない 鬼婦人討伐チャレンジ




どんな強者にも勝ってみせる。
女王にふさわしいのは、この私よ!



ヴィルシーナ(Verxina)とは、『ウマ娘 プリティーダービー』の登場キャラクター。
CV:奥野香耶

モチーフ元である競走馬『ヴィルシーナ』は当該項目を参照。

+ 目次

◆プロフィール

キャッチコピー:己に相応しき『女王』の座へ。勝気にふるまうセレブリティウマ娘
生年月日:3月5日
身長:158cm
体重:精密
スリーサイズ:B83・W53・H78
靴のサイズ:左右ともに23.5cm
学年:中等部
所属寮:栗東寮
得意なこと:キックボクシング、野球、バク転
苦手なこと:アラザン、固ゆで卵
耳のこと:捕球音だけで家族の誰が投げた球かわかる
尻尾のこと:小さい頃は、母がよく梳かしてくれた
家族のこと:相談話はキャッチボール中にしがち
ヒミツ:①虫退治マスター / ②パサパサした食べ物は苦手
自己紹介:私はヴィルシーナ。全てを打破し女王となるその日までくじけてなんて、あげないわ

「ここだけは」

涙に暮れた一年
その悔しさを
晴らすために
ここだけは
負けられなかった。

喜びを忘れた一年
あの煌めきを
取り戻すために
ここだけは
負けたくなかった。

2020年URA 名ウマ娘の肖像「ヴィルシーナ」より

◆概要

後に同じ母を持つシュヴァルグランやヴィブロスに先駆けて、『大魔神』佐々木主浩投手を馬主とし、
クラシック期における牝馬三冠含めた5戦連続2着や、シニア期からの長期に渡っての競走能力喪失による不調などにも苦しめられながらも、
くじけることなく走り続けた先で競馬史初のヴィクトリアマイル二連覇という栄光を掴んだ競走馬、ヴィルシーナ号がモチーフのウマ娘
三姉妹の中で一足早くに登場していたシュヴァルグランのセリフ等で存在自体は示唆されていた中、
2023年10月から放映開始されたアニメ第3期のOP映像内で妹のヴィブロスと共に姿を現し、
後の2023年11月16日に放送された同アニメ第7話において名前が明かされるとともに公式サイトのキャラ一覧にも追加される形で正式登場と相成った。
公式サイトのキャラ紹介の並びもヴィブロスと共にシュヴァルグランのすぐ後ろにいることから、実装自体は早期に決まっていたのではないかとと予測する者も多い。

その名前が示す通り「頂点」*1の座を射止めんと常に己を律し気高くあろうとするお嬢様ウマ娘。
裕福且つ温かな家庭に生まれ、ハイレベルな教育とたくさんの愛情を受けて育ち、その才能を磨き続けてきたため、
中央トレセン学園においても決して埋没することない確かな実力を備えた才女。
レースの実力のみならず、得意とする野球やライブのボイストレーニング、その他学園での立ち振る舞い等々、
それら全てにおける所作が洗練されており、周りのウマ娘や教師陣からも多大な注目を集めることが多々。
加えてシュヴァルグラン、ヴィブロスたち妹を交えた三姉妹の長女ということから、
妹たちに恥じない完璧でしっかり者のお姉ちゃんでありたいという熱意もあり、妹2人にはとても優しく深い愛情を持って接している。

…しかし、史実のヴィルシーナ号のことを既知の方にはご存知であろうが、
上述のようにヴィルシーナ自身は決して実力の低いウマ娘ではなく、紛れもない実力者であることは確かだが、
彼女の同期にはそれを更に大きく上回る怪物級の実力者たる貴婦人、ジェンティルドンナの存在があり、
頂点足らんとするヴィルシーナを何度も打ち負かしてくる大きな壁に阻まれ、常に「2番手」であるということに悩まされる立場にもある。

とにかくジェンティルの方がウマ娘全体で見ても規格外にも程があるフィジカル&レースの実力を持つ存在の上、
「わたくしこそが絶対の勝者」と自負し、周囲に挑発的な言動を繰り返すということもあり、
ジェンティル相手にヴィルシーナも対抗心を剥き出しにして何度も勝負を挑んでは敗れて打ちのめされているものの、
決して挫けることなく己を奮い立たせ、ジェンティルを越えた真の「頂点」に至るために前を向き続けるある種の泥臭さもまたヴィルシーナの魅力の一つといえる。

…ただ、そういった多方面の一面、特に「妹たちのために完璧な姉でいたい」という理想と
「諦めることなく挑み続けても届くことのないジェンティルドンナという高い壁」という現実の板挟みは、
諦めの悪さこそあれど飽くまでも等身大の一女学生であるヴィルシーナの心に重圧を与えるには十分すぎるものであり、
時にそれらを跳ね除けきれずに酷く落ち込んでしまうという弱さを見せることもある。
見てるこっちがお辛いことになるシーンも多々。

あと妹たちの前では優しいお姉ちゃんと記述したが、その優しさというか愛情の向け方が時におかしな方向に吹っ飛ぶことも。
特に三女のヴィブロスは姉妹の仲でも飛び切りの甘え上手ということもあり、
妹のおねだり攻撃にたじろいだ挙げ句に脳内で分裂した「厳格ヴィルシーナ」と「過保護ヴィルシーナ」が争い始めるなんてトンチキな光景が繰り広げられたりもした。
お前らの長姉だろ、早くなんとかしろよ

加えて常にジェンティルに負かされ続ける2番手ということから「2」という数字そのものに強いコンプレックスを抱いているような面もあり、
ホーム画面会話ではテレビの運勢占いが2位だったことに憤ったり
育成シナリオの福引イベントで2等のにんじん山盛りを当てた際には、賞品そっちのけで2等だったことに落胆したりと枚挙に暇がない。

◆アニメ版での活躍

Season3

上述のように妹のヴィブロスと共にアニメで初登場。
ヴィブロスの項目にも記載があるが、当初はOP映像にワンカットだけ移り込んだ際の外見やアクセサリーの色彩・特徴が明快なことから、
第7話で正式に名が明かされる前から「映っていた2人はヴィルシーナとヴィブロス」と正解を導き出す視聴者が大半だった程。

特に印象的なのが第12話において、キタサンブラックの引退宣言に困惑を隠せないシュヴァルグランの事を励ました一幕。
憧れと嫉妬が綯い交ぜになり、安直な言葉では言い表せないようなライバル…そんな相手が自分にもいたと踏まえた上で、
「結局私は一度も勝てなかった、けど貴方にはまだチャンスがある」と、シュヴァルに優しく語りかけていた。

そしてその言葉を受け止めた上で、後のジャパンカップにおいてシュヴァルグランは最大のライバルたるキタサンブラックに見事勝利してみせた。

◆アプリ版での活躍

性能

バ場 芝:A ダート:G
距離 短距離:D マイル:A 中距離:A 長距離:G
脚質 逃げ:A 先行:A 差し:E 追込:G
2025年5月12日に☆3「Le beau sommet」として実装。
妹のシュヴァルグランとヴィブロスがアニメ3期放映中~放映直後に間を置かずに先んじて育成実装されていた中、
以降長きに渡って1人だけ音沙汰が無いことに多くのトレーナーがやきもきしていたが、
正式発表から約1年半後、史実代表レースであるヴィクトリアマイルに因んだ5月にとうとうヴィルシーナも実装と相成った。
5月12日は史実のヴィルシーナ号が最初に掴んだ栄光である1度目のヴィクトリアマイル開催日と同一のため、そこも狙った形と思われる。

牝馬三冠路線での好走とヴィクトリアマイル二連覇という戦績を反映してか、距離適性はマイルと中距離が最高のAとなっている。
長距離については最低のGの上、後述するスキル的にもほぼ強みが活かせないためここは素直に諦める他ない。
一方で残りの短距離はDと平均程度にはあるため、因子改造によっては短距離は走らせられないこともなかったりする。
尚、史実のヴィルシーナ号は1400m以下のレースを一度も勝ったことが無いため、この適性元ネタがどこから来ているかは謎。

脚質適性については逃げと先行が共にAの前方型。
特化型というわけでも無いため、トレーナーの方針次第でどちらにも対応可能。

[Le() beau(ボウ) sommet(ソメット)]

成すべきことはひとつ――
女王として君臨します。

画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[Le beau sommet]ヴィルシーナ」勝負服
© Cygames・JRA

馬主である佐々木氏の勝負服「水色白袖青二本輪青鋸歯型」がベース。
妹たち2人と共通した白と青色系を主体とした煌びやかなドレス衣装。
左肩にはレースのかかったライトグリーンのマントがかけられているが、逆に右肩は大胆に露出したアシンメトリーな意匠も特徴的。
左腰にはこちらも妹たちと共通の自身の名を刻んだペンネントが備え付けられている。

尚、育成実装順的には最後発となったヴィルシーナの勝負服だが、*2
ウマ娘の世界内では、シュヴァルグランとヴィブロスの勝負服が似通っているのは彼女たちがヴィルシーナの勝負服の方を参考にしたかららしい。

左肩のマントは仮止めでレース中にたなびくような着こなしになっているらしく、
曰く、幼少期に妹2人と一緒に見た雄大な海をイメージしたものとのこと。

衣装名はフランス語の意訳で「美しき頂点」という意味合いになり、正に頂点を目指さんとするヴィルシーナを体現した名称といえる。

成長率はパワーと根性に+15%ずつ。
根性に補正があるのもまた、挫けることなく挑み続けるヴィルシーナらしさといえよう。

所持スキル
SSRミホノブルボンのサポカやトランセンドの自前でしか取得できなかった地固め上位スキル「盤石の構え」の他、
中盤コーナーで速度が上がる汎用系の「ネバーギブアップ」と共に有用な金スキルが揃っている。
ただ、その他に入手できるのがマイル向けの向こう見ずや心弾んで等であることや、
進化スキルが共にマイルレースだと効果が上乗せされることから、やはり本領発揮の場はマイルレースとなるか。

通常スキル:
地固め、後先恐れず、折れない心、(覚醒Lv2)心弾んで、(覚醒Lv4)向こう見ず

レアスキル
(覚醒Lv3)ネバーギブアップ(レース中盤のコーナーでしばらくの間速度が少し上がる)
不撓不屈の女王(レース中盤のコーナーでしばらくの間速度が少し上がる、マイルレースならその後最終直線で持久力を少し使って少し前に出る)

(覚醒Lv5)盤石の構え(レース序盤にスキルを多く発動すると加速力が上がる)
『お姉ちゃん、だもの』(レース序盤にスキルを発動すると加速力が上がる、マイルレースならすごく上がる)


どんな枷も私を縛れはしない!


私だけの輝きで、


照らしてみせるわ!


画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[Le beau sommet]ヴィルシーナ」固有スキル発動
© Cygames・JRA

固有スキルは「Queen's Rebirth」。
発動条件と効果は芝レース限定で「レース前半のコーナーで前方だと短い間速度が上がる、マイルか中距離レースならその後終盤の最終直線で近寄られると少しの間少し前に出る」というもの。似た固有スキル効果説明文をどこかで見た気がする…
単一的に見ると効果の短い速度上昇スキルと控えめな部類に見えるものの、マイルか中距離でなら終盤最終直線での即時速度上昇も得られる二段ブーストスキルとなる。
ヴィルシーナのバ場・距離の適性に従うなら、ほぼほぼ芝のマイルか中距離を走る筈なので、基本的にはフルスペックを発揮できると考えていいだろう。
ルームメイト同様、継承用の固有スキルは役立たず同然となるが。

発動演出では蝶を象った魔法陣の中央に控えるヴィルシーナが、眩い輝きと共に周囲を封じる紅い鎖を解き放ち、
自身と共に舞う2羽の青い蝶と共に光差す階段の先へと駆けあがっていくという幻想的且つ美しいもの。

女王の戴冠、よくご覧になって。

固有二つ名は「頂点だけは譲れない」。
取得条件は「桜花賞、オークス、秋華賞、ヴィクトリアマイル、エリザベス女王杯を勝利し、ジェンティルドンナに3回以上勝利し、基礎能力[根性]が1200以上になる」。
ヴィクトリアマイル以外は史実で全て2着に終わり涙を呑んだレースを勝利しつつ、最大のライバルたるジェンティルドンナに複数回勝利という史実を覆す活躍が求められる。
根性のカンストについては実装時点の環境インフレを踏まえれば特に問題なくこなせるためこれは問題ない。

だが、詳細は後述するが、ウマ娘固有目標型のシナリオにおけるトリプルティアラのレースでは実装前からの大方の予想通り、
怪物と呼ぶ他無い超絶極まるライバル補正が上乗せされたジェンティルドンナが出走してくるため、この全てに打ち勝つのは並大抵のことではない。
かといってその枷から離れた共通目標型の育成シナリオだとライバル補正の問題こそ消滅するものの、
今度はジェンティルの出走自体が完全な運任せになってしまうため、もう一つの条件を満たせなくなるというジレンマ。

どっちを取るにしても運の要素が付き纏うため、総合的な取得難易度は高めの方。

サポートカード

育成実装に先駆け、2023年11月20日、アニメ3期放映中に共通のRと共にSR【長姉は大変?】が、
2024年5月30日にはストーリーイベント「拝啓、波真珠(バロックパール)の私より」の配布報酬としてSSR【紺碧の戴冠式】が実装されている。

SR【長姉は大変?】

得意トレーニングは根性。
友情ボーナスとやる気効果アップはそこそこだが、トレーニング効果は持ってないため練習性能はいまいち。
SRサポカということもあって特筆すべき点はないか。

スキル面では東京レース場○や根幹距離○が手に入るため、やはりヴィクトリアマイルを意識してのものだろう。

SSR【紺碧の戴冠式】

得意トレーニングはスピード。
やはり配布報酬サポカなため、ガチャ産SSRと比較すると性能は控えめな部類になるが、
トレーニング効果+10%、友情ボーナス+20%に加えてスピードボーナス+2もつくため、
スピードを伸ばす性能だけ見るならそこそこといったところ。

取得スキルがSR版から一新されている他、連続イベント完走でやはりマイル向けスキルの「豪風一閃」を取得できる。

個別ストーリー

とある日のレース場、トレセン学園に来てから数ヶ月ほどの時間を過ごした新人の身であるトレーナーは、
スカウトしたいウマ娘を探してやってきたレース場にてある1人のウマ娘、ヴィルシーナの姿に目を奪われていた。
『決して目を逸らさないで』――そう命じられたかのように見せつけられた鮮烈且つ力強い圧倒的な走り。
それでいて当人としてはまだまだ不熟と称し、更に高みを目指さんとするその直向きさ。
あの走りが行き着く先をすぐ側で見届けたいと、一瞬にしてトレーナーの頭の中はヴィルシーナの事でいっぱいになっていた。

絶対に彼女をスカウトしないと――!

そこからの数日間、トレーナーは只管にヴィルシーナの姿を追う日々を過ごすことになる。
ボイストレーニングでは教官に褒められ、特技である野球ではプロ顔負けの見事なピッチングを披露。
レース以外の物事にも真剣に取り組む高潔でストイックな姿勢は、デビュー前の身でありながら、
周囲の生徒の大半が自分と同じようにファンとして虜になり黄色い声援を浴びる程であった。

模擬レースはあくまで現状披露の場。
『頂点』への刺客をお見せする機会にすぎませんの。

もちろん、明日は『頂点』たるものの勝利が如何なるものかをお目にかけますわ。必ず。
ですからどうぞ、お心安くご観覧なさって。

――では、失礼いたします。

自分たちを取り囲むファンたちの前でも少しも臆することなく堂々と宣言。
『頂点』――そのたった二文字の重みと、それこそがヴィルシーナというウマ娘が目指す果て。
そのどこまでも気高い姿にトレーナーは遠目に息を呑むばかりであった。

そしてヴィルシーナは宣言通り、翌日の模擬レースでも才能を如何なく発揮し見事に勝利を飾る。
その圧倒的な才能からスカウトの声も殺到し、自分も出遅れるわけにはと焦るトレーナーだったが、

お、おい大変だ!
どうもあの娘もメイクデビューに向けて動き出したらしいぞ!

その場に舞い込んできた一報は今までの空気を一変させるに十分なモノ。
ヴィルシーナと同じ名家の生まれにして、同じく多大な才気と溢れるパワーで存在感を示していた貴婦人ことジェンティルドンナ。
彼女が遂にメイクデビューに向けて動き出したということは、同じくデビューを間近に控えるヴィルシーナとぶつかるということに他ならない。
『頂点』を目指すヴィルシーナに取っても決して無視できない強豪ライバルとなり得るのではという予感。

それにしても、賢明でいらっしゃるのね。
メイクデビュー後に土がついては、キャリアに影が落ちますもの。

ふふっ……では証明しなくてはいけませんね。
逃げる必要があるのは、果たしてどちらなのかを。

更に後日、ヴィルシーナの申し出を受託したジェンティルドンナが2人でマッチレースを行うことになった。
自分こそが最強と自負し、ヴィルシーナに対して失礼とも取れるような挑発的な言動をぶつけてくるジェンティルに対し、
ヴィルシーナも一歩も引くことなく言葉を返す、そんな一幕を挟みながら始まる両者の一戦。

レース展開はヴィルシーナ前方を進みつつ、終盤で更にスパートをかけて引き離そうとする。
周囲のギャラリーの目からしてもこれはヴィルシーナの勝利で決まったか? と、そう思った瞬間、

フンッ!!!!!!!
(嘘……っ、なんで足音が……っ!?)

最終直線に入った瞬間、ヴィルシーナの背筋に走る悪寒、全てを呑み込む圧倒的なプレッシャー、
大地そのものを破壊するかのような踏み込みと同時にジェンティルドンナがとんでもない末脚を発揮し、瞬く間にヴィルシーナを抜き去っていくではないか。
こんなはずじゃない、自分が負けるはずがない、でなければ頂点に届かない……
恐怖・焦燥・悔しさ、グチャグチャになった全ての感情を吐き出すように吠えながらヴィルシーナも必死に食らいつこうとするが、
ジェンティルドンナの怪物的な走りを覆すには至らずに惨敗。

疲労困憊、まともに声を上げることもできないヴィルシーナの姿に対し、
敗北に俯いたままの相手とかわす言葉などないと、ジェンティルはその場を去っていった。

(ヴィルシーナ……)

そのあまりにも無情という他無い光景に、トレーナーも言葉を発することができずに立ち竦むばかり。

そしてその敗北をきっかけにヴィルシーナの姿は一変。
確かにジェンティルに負けたことが事実であったとしても、それでもヴィルシーナもまた確かな才能を秘めたウマ娘である。
だが、周囲の期待を無理やり跳ね除けるように、今デビューするわけにはいかないと、怯えるようにスカウトを断り続ける。

そんな光景を目にしてたトレーナーはそれでも、あの日見た走りとヴィルシーナへの期待は少しも変わることは無かった。
確かにジェンティルドンナはヴィルシーナも含めた同世代のウマ娘と比較して突出した才能を持った怪物なのは事実。
その現実に打ちのめされて諦めてしまうウマ娘がいても残念だがそれはおかしな話ではないと言える。

(でも、俺が見てきた彼女は――)

しかしトレーナーの中にあった確固たる考えは「ヴィルシーナは決して諦めたわけではない」ということ。
常に誇り高く、気高く振る舞い、納得いくまで何度だって挫けず挑戦を続ける、
そんな彼女がどれだけ高い壁だろうと一度の敗北で全てを投げ出すはずが無いと確信にも似た思い。
それでも、彼女自身すら周囲の期待に応えられずに逃げるような形になってしまっている、その理由がわからない状態を打破するためには、
自身がもっとヴィルシーナという1人のウマ娘について知る必要があると動き始める。

え~~、そんなに興味あるんだ。そうだな~どうしよっかな~♪
じゃあトレーナーさんは~、ちゃんと私の言うことを聞くこと! ね♪

向かった先はヴィルシーナの妹であり、同じくトレセン学園生でもあるヴィブロス。
最も身近い家族である彼女からヴィルシーナのことを聞き出すために、トレーナーはヴィブロスと行動を共にすることに。

お姉ちゃんのことを聞きたいなら自分の言うことに従うこと。
いたずらっ子のように笑うヴィブロスに翌日、連れられていったのはヨガ教室にピアノレッスン、書道に英会話に茶道教室などジャンルを問わないあらゆる場所。
ヴィブロスに振り回されるがまま、1日を通して実に色濃い体験を重ねてきたトレーナーであったが、

それで~。どう? ちょっとはお姉ちゃんのことわかった?

……どういう意味?

うそっ、まさか気づいてなかったの!?
今日行ったの、全部お姉ちゃんの習いごとなのに!

その先でヴィブロスから語られたのが、その日なぞったのが全てヴィルシーナ自身のやってきたことだという事実。
そもそもの話、これらの大半は幼き日にヴィブロスが「自分がやってみたい」と興味を持ったことで、
優しいヴィルシーナお姉ちゃんはいつだって自分と一緒になって習い事に付き合ってくれていた。
そしてそれだけのみならず、きっかけである自分が飽きてやめてしまったとしても、ヴィルシーナは決してそうではなかったということ。

それは一度始めたことは投げだすことなく完璧にしたいからというヴィルシーナ自身の在り方ともう一つ、
「いつかまた妹が興味を持った時に教えてあげられるから」という、妹の見本でありたいという優しい姉心から来るものだったという。

だからね、私が知ってるお姉ちゃんはそんなひとだよ。
真面目でがんばり屋で――誰よりも、いっちばん優しいひと!

一切の迷いなく、ヴィブロスは大好きなお姉ちゃんであるヴィルシーナのことをそのように褒めちぎっていた。

僕とは全然ちがうひと……です。華やかで、いつも堂々としてて……。
――僕が情けなく見えるんだろうな……って。そのくらい、いつも心配されてて……。
だから、いつか示したいです……。心配ばっかりしないで。僕は――大丈夫だからって。

別の日、もう一人の妹である次女のシュヴァルグランに話を聞きに行った際に聞けたのも同じような内容。
少々自分をネガティブに捉えながらではあったが、やはりヴィブロスと同じで、
妹である自分の事を心から気にかけてくれる優しくて堂々としてる立派な姉であるというそんな話だった。

両者に共通するのは愛情深く2人の妹に多大な優しさを向ける姉としての一面。
それは一見すると、初めて出会った頃から目にしてきた凛として気高く、頂点を目指さんとストイックに進み続けるお嬢様然とした姿とはかけ離れたものに思える。

しかしもしそうでないとするなら? 
『決して目を逸らさないで』――と宣言するかのような鮮烈な走り、初めてそれが指し示していた方向の先には何がいたのか?

ヴィルシーナ……もしかして、君は

その果てにトレーナーが導き出した答え。
ヴィルシーナというウマ娘が何故『頂点』を目指そうとしているのか、その大元たる原動力は何なのか?

ごめん、ちょっといいかな
……? 貴方は――

後日、トレーナーは以前と変わらず人目を避けるようにして学園外れの草原に佇んでいたヴィルシーナに声をかける。
思えばトレーナーとしてもヴィルシーナとまともに対面して言葉を交わすのもここが初めてとなっていた。
対するヴィルシーナも目の前にいるトレーナーがマッチレースやトレーニングでずっと熱心に自分の事を気にかけてくれていた相手だと認識していたものの、
やはり今までと同じようにスカウトは全て断っていると遠ざけようとしてくる。

対するトレーナーは本当に何もかも諦めてしまったのか? と疑問を投げかける。
あの日のジェンティルドンナとの戦いの敗北から、ずっと脳裏に焼き付いている恐怖…
走りたくないわけじゃない、レースを投げ出したいわけじゃない、それでもどうしても勝てると思えない、
この先ずっと、永遠に届かないんじゃないかとさえ思ってしまうジェンティルドンナという高すぎる壁。
つまるところ、自分がジェンティルドンナという絶対的な存在に恐怖してしまっているのが何よりの原因…

……それは、違うんじゃないかな?
え……?
だって、君は誰のために『頂点』を?
誰のためって、それは……――

トレーナーからの疑問の提示、それに対してヴィルシーナは迷うことなく即答する。妹たちのためと。
ヴィブロスとシュヴァルグラン、2人の妹にとって自分は理想の姉、お手本でいたいから、
だから自分は常に完璧でいたい、そのために『頂点』を目指したいのだと。

迷うことなく語るヴィルシーナの姿を見て、トレーナーはやはりと内心で頷きつつ、更に続ける。
君が本当に怖いのは本当にジェンティルドンナなのかと。
その問いかけを聞いてヴィルシーナの脳裏に過るのは、あの日の恐怖さえ覚えたジェンティルの姿……と、もう一つは過去の思い出、
自分に純真なまでの憧れを向けてくれていた幼い頃のヴィブロスとシュヴァルの姿。

…………そう。そうだったのね……。
怖かったのはあのひとの強さじゃない。私が、本当に怖いのは――

敗北した情けない姿を、あの子たちに見せること。
あの子たちを、がっかりさせてしまうこと……だって――

ずっと昔から決めてたんだもの!
必ず、あの子たちが誇れる姉になるって……っ。
あの子たちが、道に迷わないように。
あの子たちが目指す先に、いつも私の背中があるように――

そうだったからこそ、ジェンティルドンナという存在を恐れてしまった。
今彼女に敵わないなら、いつか絶対に敵うようにならなくてはいけない。
そうでなければ、『頂点』らしからぬ姿を晒して、妹たちの期待を裏切ってしまうから……
ジェンティルドンナへの恐怖、その奥底にある妹たちに誇れる姉でなくなってしまうこと、
それこそが今のヴィルシーナを蝕む恐怖の根源であることを、ヴィルシーナ自身がようやく知ることとなった。

その大きな転換点となった日から更に後日、ヴィルシーナがトレーナー室を訪ねてくる。
自分の中にあった迷いを晴らすきっかけをくれたトレーナーに対する多大な感謝と共に、
これから更に己を磨き上げ、ジェンティルドンナすらも超えて必ずや『頂点』に立って見せるという決意表明。
妹たちのために誇れる姉でありたいと語る今のヴィルシーナにはもう迷いは存在しない。

だったら、改めてスカウトさせてほしい
え……?

それを聞き届けた上で今度はトレーナーの方が宣言する番。
初めてその走りを目にした日から思い続けようやく紡げたその言葉。
ヴィルシーナが『頂点』を目指すその道を共に支えたいという力強い決意。
一度スカウトを断ってしまったのにいいのか? と困惑するヴィルシーナに対し、
トレーナーは君しかいないとこちらも迷うことなく堂々宣言。

では、共に歩んでいただけるでしょうか――
ジェンティルドンナさんにも――誰にも負けない、『頂点』たる女王へと続く道を、共に。

ああ! 一緒に『頂点』へ登り詰めよう!

ありがとうございます。必ず、成し遂げてみせます、貴方と……っ!

そして、正式なパートナーとなった両者は歩み始める。
ヴィルシーナが妹たちに誇れる完璧な姉であるための、『頂点』へと続く険しい道のりを――。

育成シナリオ

そんな流れで始まる育成シナリオ。
デビュー戦前からいきなり母親とご対面したりと相変わらずの家族の仲の良さを体感しつつも始まるトゥインクル・シリーズ。
当然、立ちはだかるのは個別ストーリーにおいても抜群の存在感を示していた、怪物級のライバルであるジェンティルドンナ。

実装前から再三予想されていた通り、ヴィルシーナが当初の目標として据えることになるトリプルティアラのレースにおいては、
最早怪物なんて陳腐な表現すら生易しくなる凄まじい強さで襲い掛かってくるため、
ヴィルシーナに史実を覆した最高の栄誉を掴ませるには生半可な覚悟では成し得ないため心すること。

また、ジュニア期は12月前半までに「ファンを3000人集める」となっている。
幸い、逃げがメインのヴィルシーナにとっては事故率は低く、更に現在では目標外レースでも目覚まし時計が使えるため、過剰に身構えなくてもいいだろう。

因みにトリプルティアラ達成の暁にはきちんと隠しイベントも用意されており、
喜びに満ち満ちたヴィルシーナの姿を堪能できるため、ヴィルシーナ推しにはそれを見るためにも挑戦する価値は十分にある。
なお、通常の勝利・敗北・双方敗北のイベントに加え、秋華賞ではなぜか史実通りハナ差で敗れた場合のイベントも用意されている。だからもう少しこう、何というか手心というか…

そうして駆け抜けたクラシック期、勝敗は別にしてもジェンティルドンナという高い壁に打ちのめされても何度も食らいつき、
自身の実力にも確かな手応えを感じ始めていた矢先で発表されたのが、ジェンティルドンナのジャパンカップ出走。
クラシック期の同レースには出走制限がかかり、同時代最強格のオルフェーヴルすら下すジェンティルの更なる躍進を目の当たりにしたことにより、
トリプルティアラのレースで培ってきたはずの自信が、「自分は全然ジェンティルドンナと対等なんかじゃなかった」という劣等感によって砕けてしまうという展開に。
いや史実通りとはいえ見てるこっちが辛くなってくるからもう少しご容赦をだね…*3
流石にダメ押しでクラシック期のエリザベス女王杯で強制敗北とかまではなかったのは救いだろうか。

妹たちの前ですら弱さを隠せなくなり、明らかに取り繕うように無理をするばかりになってしまうヴィルシーナ。
そんな彼女の事を再び救い上げるのは、共に歩むことを決めたトレーナーの存在と、
トレーナーの気づきによって見出された、ヴィルシーナの家族たちとの温かな交流。

今の「お姉ちゃん」としての自分が形作られた根源は何だったのか――。
それを見つめ直した先でヴィルシーナは再起し、更に高みへと進み孤高の強さを発揮するジェンティルドンナに対し、
自身もまた家族との繋がりという己の強さと共にヴィクトリアマイルやエリザベス女王杯といった数々のレースを制した先、
嘗て自身が一度は折れてしまったジャパンカップにおいて、ジェンティルドンナとの最終決戦に挑むことになる。

特殊実況はヴィクトリアマイルで勝利することで聞くことができるが、
それまでにGⅠレース未勝利且つ5つ目の出走という条件が加わる。

元ネタとしては史実のヴィルシーナ号が牝馬三冠に加えエリザベス女王杯も2着だった先で遂に掴んだ初のGⅠレースだったことに因んでだろう。
ウマ娘の育成シナリオの場合、クラシック期のエリザベス女王杯は目標外となっているが、
代わりに当時挑んだGⅡ産経大阪杯がGⅠ大阪杯へと変わっているため、順当に目標レースを進めた場合に5度目の挑戦となることに変わりは無かったりする。

しかもトリプルティアラのジェンティルドンナのみならず、大阪杯ではそれに匹敵する程に補正の盛られたオルフェーヴルがライバルとして立ちはだかるため、
トレーナーの腕次第では順当に育成を進めていても、ここが本当に初のGⅠ勝利になった、なんてこともあり得るかも…

+ 特殊実況 ※ネタバレ注意
5度目の挑戦で悲願成ったヴィルシーナ!
瞳に煌めきを取り戻し、初めてのG1を
ヴィクトリアマイルで制しました!

◆関連キャラクター

  • 両親
ヴィブロスのシナリオで先んじて顔見せしていたヴィルシーナ達三姉妹の両親。
こちらのシナリオでは特に母親の方の出番が多く、上述のようにデビュー前からヴィルシーナの紹介でトレーナーと対話し、
ヴィブロスも交えて実に仲睦まじいほのぼのとした家族の団欒を見せてくれる。

同時に、母親であるが故にヴィルシーナの事も深く理解しており、
妹たちのために無理をしがちなヴィルシーナのことをしっかり支えて欲しいとトレーナーに頼む姿は正に一家の母親に相応しいものと言えよう。

また、父親の元ネタは姉妹と同じく横浜ベイスターズやシアトル・マリナーズで活躍した『大魔神』佐々木主浩投手であるが、
現役時代の佐々木は自らが2月22日2時22分生まれであったことなど「2」という数字に縁があり、背番号も選手生活を通じて「22」を付け続けていた。
ヴィルシーナの「2」ネタはこのエピソードからの着想もあると思われる。

ご存知、繰り返し述べているヴィルシーナの同期にして、
彼女が『頂点』を目指す上で避けては通れぬ圧倒的な壁にして強者たる貴婦人。

デビュー前から両者バチバチに火花を散らし、その度にジェンティルの規格外の力に何度打ちのめされても、
妹たちの模範たるお姉ちゃんであるために、決して挫けることなく挑み続けるのがヴィルシーナなのである。
そしてそんな彼女のことを、ヴィルシーナのトレーナーが側で支え続け、共に強くなっていったからこそ、
育成シナリオラストにおける決戦、ジャパンカップの舞台においてその努力が遂に実を結ぶことになる。

…実装前からトレーナー間では「ヴィルシーナシナリオのトリプルティアラ路線におけるジェンティルドンナはどんな化け物染みた強さでやってくるのか」と、散々噂されており、
それに近しい前例も先んじて登場してますます不安視される中、遂にその答えが明かされることになったのだが、
サイゲはあらゆる意味でトレーナーたちの期待通りの代物をお出ししてきたのである。


尚、先んじて実装されたジェンティルドンナ自身の育成シナリオを経ているため既に周知の事実であっただろうが、
ジェンティル視点としては決してヴィルシーナのことを弱者・敗者と見下しているなんてことはなく、
何度敗北しても挫けることなく挑んでくる姿勢含め、自分がより高みを目指す上で争うに相応しい相手としてきちんと評価している。
実際にヴィルシーナシナリオにおけるトリプルティアラのレースで、特に最後の秋華賞で勝利した場合には、
今までと打って変わってストレートな称賛の言葉を投げかけているというのが顕著であろう。

ただ、ジェンティル自身がヴィルシーナ含めた周囲全てに対して常に「わたくしこそが最強」と尊大・挑発的な言動を一切崩すことが無いため、率直に言えば非常に当たりが強く、
そんなジェンティルに対してヴィルシーナも対抗心やら悔しさやら、様々な感情を綯い交ぜにして挑んでいき、実際に何度も打ち負かされているため、
ヴィルシーナ視点だとジェンティルが自分を評価してくれていると素直に感じ取るのはなかなか難しいことなのも仕方ない。

挑まれる側と挑む側でそれぞれ捉え方も立場も異なる、独特な距離感のライバル関係を築いているのがジェンティルドンナとヴィルシーナといえる。

とはいえ、レースにおいては上記の通りとはいえ、学園内外四六時中全てにおいてそんな調子というわけでも無いようで、
プライベートは対抗心を燃やすことはあれど、その他の同期も交えて割と行動を共にしている場面もそこそこあったりする。

一つの決着がついたシニア期ジャパンカップの少し後におけるクリスマスイベントでは、
何とジェンティルドンナがヴィルシーナに対して、彼女のトレーナーにアピールするためのドレスのコーディネートをした上で
「お相手の心を揺さぶりたいなら力づくで奪い取れ」などとアドバイスまでしてくれるという意外な場面を見ることもできる。
通称気ぶりジェンティル。

史実では最早説明するまでも無いくらいに有名な同期であり、牝馬三冠路線で立て続けに1着を取られ自身は2着に負け続けた因縁の相手として有名。
とはいえ、それは同期の牝馬の中で彼女に唯一食らいつけたのがヴィルシーナだけだったという裏返しであり*5、それほど現役時代のジェンティルが規格外だったのである。

三姉妹の三女にして、ドバイというキラキラの夢を目標に掲げるおねだり上手な小悪魔系ウマ娘。

これまで繰り返し述べてきたようにヴィブロスにとってヴィルシーナはとっても優しい憧れのお姉ちゃんであり、
ヴィルシーナもまた妹たちの憧れでありたいと常に愛情たっぷりに接ししているため、姉妹仲は良好そのもの。
月に1回デートをしてあげたり、時には一緒にお風呂にも入ったりと、ヴィブロスにはついつい甘くなってしまうらしい。

それだけの純真な憧れを向けられているからこそ、それに恥じない姉で"いなくてはいけない"という思いが時にプレッシャーにもなってしまい、
育成シナリオのクラシック期ジャパンカップで一度完全に折れてしまったヴィルシーナを前にした時は、流石のヴィブロスもかける言葉が見つからなかった。
ただ、そんな弱さも含めてヴィブロスにとっては変わること無い優しい憧れのお姉ちゃんであり、
後にヴィルシーナ再起の一助を担ったのも間違いないことである。

史実では同じ母を持つ4歳差の全妹であるが、ヴィブロスのデビュー前にヴィルシーナは引退済であったため対決は実現せず。

三姉妹の次女であり、いつか目にして憧れた"偉大"なウマ娘になることを夢見て努力を重ねるウマ娘。

妹の模範たるべく完璧な姿を見せる姉と、常に積極性に富んだ妹に挟まれていたこともあり、
極端に己に自信が持てない気弱な面の強いシュヴァルであるが、
そんな彼女に対してもヴィルシーナはヴィブロスと同じように愛する妹として常に優しく気遣い接している。

シュヴァルの視点だとジェンティルドンナという強大なライバルにも屈することなく挑み続けている姿勢も含め、
常に自信を持って才能を発揮しているヴィルシーナの姿にはある種のコンプレックスを抱いていたりもするのだが、
そういった部分も含めて姉が自分のことを心から心配してくれているという優しさも十分理解しているため、
いつか自分も姉に恥じない、大丈夫だと真っ直ぐ言えるくらいに強くありたいとも思っている。

史実では3歳差の半弟だが、年齢差に加えて牡馬のために路線の違いもあったため、やはり対決はしていない。

いつかレースにおいて憧れの主役(プリンシパル)になることを夢見て駆けるウマ娘。

シオンの育成シナリオでそうだったように、実力差のある同期に打ちのめされ続けてきたという繋がりから、絡みも多く、
ヴィルシーナの育成シナリオでも、ジェンティルドンナという高い壁に挑み続けるヴィルシーナの身を案じ、
「自分のようにはならないでほしい」と心配する姿が見られた。

史実では1世代上の牡馬で、2014年の宝塚記念や有馬記念などで対戦経験がある。

愛する地元、苫小牧の活性化のために直向きな活動に取り組むロコドルウマ娘。寮におけるルームメイト。長姉同士。
目指す方向性は違えど、己の目指す目標のために諦めることなく努力を重ねるヴィルシーナの姿勢をタルマエは好意的に見ているため、仲は良好。
タルマエの育成シナリオで、タルマエが部屋に引きこもった期間はもしかして…

育成シナリオでもダンスレッスンなどで絡みがあり、周囲を沸かせるキレのあるダンスを見せるヴィルシーナに対して
ロコドルとして負けてられないと対抗心をあらわにする一面なんかも見られる。

史実では同じ12世代の同期であるが、向こうはダート専門のためやはり対戦経験はない。

ご存知、ウマ娘界屈指のハジケリストであるゴルシちゃん。ウマ娘的設定はいずれも妹が複数いる長女。

ヴィルシーナのアプリ登場当初から同期ということもあって何かと絡みがあり、
グイグイ迫ってくるゴルシに対して妹たちの盾になってたり、ヴィルシーナの誕生日にはお祝いと称して即興漫才コンビを組もうとしたりと様々。
ヴィルシーナもまた他の多くのウマ娘たちと同じように、ゴルシの奇行の数々にはただただ呆れるばかり……かと思いきや、
「同期である以上ライバルにもなりうるため、理解を深める必要がある」という理由で、ゴルシのトンチキ言動をある程度理解できるようになってるなど意外な一面を見せたりも。

育成シナリオ内ではファン感謝祭において『至高の姉選手権』なるこれまた意味不明極まるイベントにおける妹役として登場。
ゴルシの気紛れ極まる妹役の言動に対して逐一完璧に対応して見せるという姉力の高さをこれでもかと発揮して見せていた。

史実ではジェンティルやタルマエと同じ12世代の同期で、ヴィルシーナがジェンティルに唯一先着した宝塚記念や、ジャパンカップ、有馬記念などで対戦経験あり。主戦だった内田博幸騎手繋がりでもある。

一等星の輝きを求めて一人駆けるウマ娘。

ヴィルシーナの育成シナリオ内で登場し、体調不良に悩むヴィルシーナを保健室に案内。妹たちのために強くあらねばとプレッシャーを跳ね除けようとする姿や、それでも現実は厳しく悪夢にうなされる姿などを目の当たりにした上で、
あなた、よくやってるわ。いいお姉さんだと思う。とヴィルシーナのことを優しく諭していた。

…ご存知の通り、ウマ娘のアドマイヤベガは生まれてくることの無かった双子の妹のためというのがレースへの原動力となっており、実際に2人の妹のために奮闘する同じお姉ちゃんであるヴィルシーナとの関わりはなかなかに感じ入るものがある。

史実ではアドマイヤ冠名でお馴染みの故 近藤利一氏がヴィルシーナの馬主である佐々木主浩のの師匠に当たるという繋がりによるもの。両者の勝負服のカラーリングが似通っているのもこのため。
両者の共同所有の馬が走っていたとも。

トレセン学園の同級生。仮想ジェンティルのパワー型ウマ娘として、一緒にトレーニングに励む。
トゥインクル・シリーズのレースで何度も挫折を味わったキングヘイローの教え子でもある。

史実では世代が離れているが、ヴィルシーナの母ハルーワスウィートの1世代上がカワカミプリンセスで、佐々木主浩が万馬券を獲った2006年のエリザベス女王杯でカワカミプリンセスが波乱を演出した。

◆余談

  • 実装までの道のりについて
アニメ3期に合わせた2023年11月に登場したヴィルシーナであったが、上述のように妹2人と比較すると1年以上、それなりに間が空いてからの育成実装となった。

1stアニバーサリーから長期に渡って温存されていたシュヴァルグランは別にしても、
全く同じタイミングで登場したヴィブロスが、発表から約2ヶ月後の年明け早々に育成実装されたため、
「これなら姉のヴィルシーナもそう遠くない内に実装されるだろう」と、三姉妹が勢揃いする光景に期待を寄せるトレーナーも多かった。

ところが、最有力候補と目されていた同年5月の実装ウマ娘は、当時公開直前だった劇場版「新時代の扉」のメイン格の1人であるアグネスタキオン*6の新衣装と、
同じく5月開催だった安田記念を勝ち鞍に持つノースフライト(ウマ娘 プリティーダービー)が実装されたため、ヴィルシーナは未実装という形になった。

だがそれだけならともかく、僅差とはいえ発表が自身よりも後になった最大のライバルことジェンティルドンナが、
2024年8月の3.5thハーフアニバーサリーの準限定ウマ娘として大々的に育成実装を果たしたため、
「育成実装順もジェンティルに負けて2番手」などと囁かれていた冗談が現実になってしまったことに驚きを隠せないトレーナーも数多かった。
おかげで嘗ての白い稲妻同じ頂点の名を持つウマ娘と同様に、ガチャ更新の度にSNSでトレンド入りする常連となっていた時期もあった程。

しかしジェンティルドンナの育成シナリオで描かれたヴィルシーナを見て多くのトレーナーがヴィルシーナにトリプルティアラを取らせてあげたいと感じたことからジェンティルドンナの方を先に実装した意図を覚り、次期にヴィルシーナも実装されるだろうと思われたが以降、長期に渡って音沙汰が無く、そのまま4thアニバーサリーに突入。
メインビジュアルからも姿を消してしまい、4thアニバーサリーで追加された同期のフェノーメノにも先を越され、益々今後の扱いが危ぶまれる中で迎えた2度目の5月=ヴィクトリアマイルの時期。
「今度こそヴィルシーナの実装を…」と強く願うトレーナーたちの期待に応える形で、ようやくヴィルシーナも育成実装を果たしたのである。





頂点に至るための追記・修正、よろしくお願いしますね?

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  • 敵も味方も名言連発
  • しくじり女王
  • マイルの女王
  • 野球好き
  • 本当の強さは、誰も知らない。
  • ダークヒロイン
  • お前らの長姉だろ、早くなんとかしろよ
  • 優等生
  • ジュニア期ファン稼ぎ勢
  • やきうのお馬さん
最終更新:2025年05月20日 08:36

*1 ロシア語で「Bepшинa」

*2 デザイン自体はヴィブロスと全く動じのタイミングで明かされている。

*3 なおジェンティルドンナのシナリオでも「ジャパンカップで初めて100%を出した」となっているが、実はこれも史実どおりで馬に無理をさせない厩舎の方針から三冠レースすべて目一杯の仕上げはしていなかったという。

*4 オークスのみ差しの場合あり

*5 事実、史実の秋華賞は写真判定にもつれ込むほどジェンティルにとっては辛勝だった

*6 史実のヴィルシーナの半兄が父アグネスタキオン