登録日:2025/05/17 Sat 10:57:27
更新日:2025/05/18 Sun 23:41:44NEW!
所要時間:約 6 分で読めます
【概要】
アスティカシア高等専門学園のパイロット科2年生。同じ寮に所属するペトラ・イッタとは仲が良い。
ジェダーク寮の寮長である
グエル・ジェタークを慕っている少女で、「~ッス」という雑な敬語で彼に付き従う忠臣めいた取り巻きである。グエルの弟であるラウダの事も同じくらい尊敬している。
癖っ毛の髪を短いポニーテールでまとめている他、慕っているグエルの悪口を言われたのについ吹き出してしまったり、アーシアン(地球人)に対し差別的な言動をしたりと、良くも悪くも子供っぽい性格。
また普段からかっている
ミオリネ・レンブランと面と向かって戦うことになった場合は口調は見事だが明らかに狼狽していたりとか
小物キャラな印象が強い。
言うなれば一般的な女子高生という言葉がふさわしい小娘であるが、物語が進むに連れ彼女も少しずつ成長していくこととなる。
【来歴】
上述の通りグエルに付き従う形で登場。
主人公である
スレッタ・マーキュリーを「水星女」「田舎者」と称したり等差別意識を隠さない…有り体に言えば
嫌味なキャラであった。
だが話が進む内に、問い詰められたらビビったりする一面や慕っているグエルがどれだけ落ちぶれても決して見限らない事から変な愛嬌が判明し、なんというか小物を通り越して小動物的な印象となっていった。
それはそれとして物語に深く関わらず、人格的にも難ありだが、悪質な存在でもない…という
変に印象が強いがいなくなっても問題ないキャラクターから事あるごとに死にそうとか死んだとか言われがちでもあった。
また見た目、言動共に目立つ為に
出てこなかった時の印象も大きく、相方のペトラが登場する中彼女は影も形も無かったりすると騒がれるなど、妙なキャラクター性…いやまぁうん
ネタキャラとなっていった。
背格好がそっくりながら身長などが上の「レネ・コスタ」がフェルシーちゃんの完全上位互換等とか、
むしろこっちがフェルシーとか言われたり、変な形ながらもファンからも愛されていた。
多分シャアとかその辺のカテゴリ。
中には全部の責任をフェルシーちゃんにぶつけるという変な愛し方をするファンもいたとか。
【一人の猪突猛進娘の成長】
だが彼女のネタキャラ化に反して学園を取り巻く環境は不穏なものとなっていく。
Season2に入るに当たって慕っていたグエルは行方不明、ラウダやペトラと共にフェルシーちゃんはジェダーク寮の一員として頑張っていた。
ラウダがジェダーク社のCEO代理として多忙な為に決闘委員会に出席したりもしていたが、他の面子からは軽んじられており、特にそっくりさんのレネとは口喧嘩をする中であった。
一方でラウダとペトラの恋の予感を感じたのか、彼女の反応に少し疑問を抱いたりと、多忙ながらも穏やかな日々を過ごしていた。
そんな中、学園のオープンキャンパスの目玉として行われる大規模なバトルロイヤル「ランブルリング」にラウダと共に参戦。
ディランザに乗って番組初出陣となった…が、そこに突如テロリストのMSが来襲。
実戦仕様のMSが大量に投入された襲撃に学園仕様のディランザで応戦するも、ラウダ機がやられてしまいパイロットも気絶。
彼女は危険も顧みずディランザを降りラウダの救助に当たるが、出来ることはただ叫ぶことのみだった。
「誰か!先輩が死んじゃう!ラウダ先輩が死んじゃうよ!」
その悲痛な叫びに答えたのは
チュアチュリー・パンランチ。
普段からバカにしていたアーシアンの少女であったが、そんな遺恨を言っている場合ではない為に彼女の助けを素直に受け入れた。
実はこの時点でラウダだけでなく、敵への憎悪に心を吞まれかけていたチュチュも救っているのだが、それに本人が気付く事はないだろう。
しかし回復したラウダはこの期に及んでスレッタを相変わらず「水星女」と呼び、わざわざ挑発に行くなど敵意を向け続ける。
これには流石のペトラとフェルシーも疑問を覚えるほどであり、ラウダと共にいるが加勢したりせず、むしろ彼のその言動に不満を覚えるほどであった。
更にその時のスレッタの近くには自分の尊敬する人間を救ってくれたチュチュの姿もあった。
当然仲間をバカにされ怒りを顕にするチュチュに対し、ラウダは「あくまで敵はスレッタ」と言わんがばかりに助けられた礼を述べた。
流石にフェルシーちゃんも彼女に助けられたことは言いたいことがあったのか。別れ際にこう言った。
「ありがとな」
向こうに振り向く際に一瞬だけ笑みを見せてさるフェルシー。
この時点で、彼女の中ではアーシアンは見下すべき存在ではなくなっていたのだろう。
タイミング悪すぎて余計にチュチュの怒りを買ったわけだが。
だがそんな少し微笑ましい状況から一転、何者かによる学園の無差別破壊が始まった。
そんな中、ラウダとペトラは行方不明、フェルシーは不安を抱えながらも、他に戦える人間がいないことから覚悟を決め、ディランザに乗って出撃した。
途中大ピンチになるも、そこに現れたのはブリオン寮から緊急で借用した新型機デミバーディングを駆るチュチュ。
再び「ポンポン頭」に助けられる形となったフェルシーだが、互いに憎まれ口を叩きながらも協力しあい、学園を守り抜いた。
先の感謝の言葉も重なってか、これ以降はチュチュの側もフェルシーに対する態度はかなり軟化していく事になる。
【真実を追い求める猪突猛進娘】
以降もチュチュの伝をたどり、真実を知りたいが為に最後の戦いに向かう地球寮に同行。
来るなって言われてたのにグエルに見つかった際にスレッタの後ろに隠れるという久しぶりの小動物ムーブを見せた。
そんな折、先の襲撃後に行方がわからなくなっていたラウダは
ガンダム・シュバルゼッテを駆り
全ての元凶と断じたミオリネを討つべく出撃。
それを単身で迎え撃ったグエルとの壮絶な兄弟喧嘩が行われ……そして和解する。
だが、激戦の末にディランザは既に満身創痍、それでもラウダを巻き込むまいとグエルは距離を取らせ、シュバルゼッテから離れて行ったところでディランザはグエルと共に爆散――
……そんな一流の悲劇を防いだのは、フェルシーの乗るディランザ。
今にも爆散しそうなディランザに消火冷却剤ランチャーをぶちまけ鎮火させると、2人の兄弟に告げる。
「2人ともバカなんすか!?兄弟喧嘩で死ぬとか、マジ笑えないっすから!!」
腰に手を当てて怒っているように見えるディランザと、それに乗った猪突猛進娘の涙を見て、グエルは張り詰めた空気が抜けるようにため息をつき、独りごちる。
「ああ……そうだな……ほんと、笑えないな」
三流の喜劇であろうと、生きていなければ笑うこともできないのである。
こうして、最初はちょっと思慮の足りない嫌味キャラとして登場し、それに連なる形でファン達からはネタキャラ扱いされ、Season2では緊迫する状況と、フェルシー本人の改心で逆に存在感の薄れていったが、最後の最後で「進めば2つ」を体現してみせたのだった。
全てが終わった後はジェダーク系列の会社に就職したらしい。
社長のグエルがその責任に苦笑し、相方のペトラがラウダといい雰囲気になってる中、彼女がどう変わっていくのか…もしくは変わらないのかは、視聴者の想像に委ねられている。
【余談】
以上の事から
「第23話のMVP」「最強の鬱クラッシャー」と称されている。
また、グエルとラウダの戦いはもはやどちらかの死でしか決着がつかない寸前にまで陥っており、和解も死の間際…と明らかに犠牲になる状態で寸でのところで助けに来た事は
スーパーロボット大戦シリーズの
if展開を想像させる。
その事から「スパロボから来た女」とも言われている。
(前述の通りラウダに関しては2回救っている他、尊敬するグエルも救ったり、チュチュの闇落ちフラグをへし折ったり、学園の死者を食い留めたり…と、彼女に救われた人は多岐にわたる。)
……なので以前や以降のガンダム作品でも
不穏な空気や、今にもMSが爆散しそうになったらフェルシーちゃんに助けを求める視聴者や読者は多い。彼女にも限界はあるんですよ…。
一方で、フェルシーがグエル達のところに駆けつけるまでの経緯の中には
フェルシーとは一切関係のない出来事が混ざっており、
具体的には「マルタンがニカの正体を知る」→「マルタンがニカを通報」→「その事で苦悩した結果、
メスガキ懺悔室カウンセリングへ行く」→「マルタンがセセリアと縁が出来る」→「その縁でセセリアがチュチュにデミバーディングを貸し出す」→「
チュチュがフェルシーの援護に向かう」→「
結果フェルシーが生還。チュチュに頼み込んで最終決戦に同行」
といった感じ。バタフライエフェクトかな?
このようにフェルシーによるグエルとラウダの救助は
複雑なフラグを洩れなく立てていった末に発生した隠しイベントだったと言えなくもなかったり。本当にスパロボみたいな事をアニメでやってる女である。
ウマ娘 プリティーダービーの
シンコウウインディとは声優が同じで背格好も似ている事からしばしばネタにされる。
この項目でも使われている「フェルシーちゃん」という愛称(?)も、ウインディの一人称が「ウィンディちゃん」である事が大凡の元ネタ。
その延長でフェルシーちゃんも「なのだ」みたいな口調にされることがあるが、上述の通りフェルシーちゃんは
「~ッス」という喋り方なので二次創作などでは注意しよう。
余談だが、彼女の搭乗したディランザはごく普通の一般機なのだが、そもそも戦争するシーンが少ない「水星の魔女」の作風の関係もあり、一般機のディランザに搭乗した名前付きのパイロットが最終回でグエルに貸与するまでフェルシーしか登場しなかった為、一般機のディランザをフェルシー専用機と呼ぶネタがあったりする。
「手伝え、この項目をぶっ修正すぞ」「あっ……アーシアンが追記すんじゃねえ!」
- 作成乙です。クライマックスのフラグブレイカーっぷりはガンダムシリーズ全体で見ても大快挙すぎるのよな。 -- 名無しさん (2025-05-17 11:21:30)
- レネと張り合ってるのは姉妹喧嘩みたいで笑った -- 名無しさん (2025-05-17 11:27:50)
- ジェダークの守護天使 -- 名無しさん (2025-05-17 11:51:50)
- たぶんスパロボの中断メッセージで「なのだ」語尾はやりそう…。 -- 名無しさん (2025-05-17 13:00:42)
- 最後のフェルシーちゃんのファインプレーは「スパロボで生存フラグを全て立てた結果」みたいに言われてたのは当時爆笑した思い出。ホンマそう。死にそう死にそう言われてた娘が最後の最後で最重要人物の一角になるの、本当何が起こるか分からないもんだね -- 名無しさん (2025-05-17 13:01:20)
- 進めば二つか、なるほどね! -- 名無しさん (2025-05-17 13:35:33)
- 消火剤ぶちまけられたのってラウダ(シュバルゼッテ)じゃなくてグエルの方じゃなかったでしたっけ? -- 名無しさん (2025-05-17 14:40:31)
- 学園にあれだけ犠牲者を出したレネとは直接対決して倒して欲しかった -- 名無しさん (2025-05-17 14:44:31)
- 作成乙です。ただ兄弟喧嘩で爆発しかけたのグエル機の方だったような… -- 名無しさん (2025-05-17 15:39:34)
- 元々はコネ作りとそこから得られる利益目的にグエルとラウダに近付いたんだけど、すぐに彼ら自身の人間性に惹かれて個人的に慕うようになった、のだっけか。 -- 名無しさん (2025-05-17 18:24:36)
- 良い娘なんだけどペトラと違ってシャディクのとこのレネとキャラ被りしてるのが痛い -- 名無しさん (2025-05-17 18:26:30)
- グエルのとりまき2人のうち小さいほう、くらいでしかなかったのに、水星の魔女の最重要人物に -- 名無しさん (2025-05-17 19:06:22)
- 水星の魔女初参戦のスパロボYはシーズン1までの収録だから、この子はそこまで目立った活躍はしなさそうなんだよな。水星の魔女のフル参戦が待たれる。あとこの子のディランザは絶対修理装置持ちになるだろう -- 名無しさん (2025-05-17 19:50:13)
- 『水星の魔女』って本来主要キャラの大半が死亡するはずなんだけど、グエルファンの視聴者がフェルシー(本来は腰巾着憎まれ役で中盤死亡)に転生して、様々な工作の末破滅展開を変えたような印象。 -- 名無しさん (2025-05-17 21:40:53)
- 大天使フェルシエル -- 名無しさん (2025-05-17 22:18:13)
- 「原作の時点で居るスパロボの救済担当キャラ」って表現好き -- 名無しさん (2025-05-18 01:10:55)
- フェルシーの行動は声優人からも高評価だったな -- 名無しさん (2025-05-18 04:40:52)
- 『ガンダムシリーズ』はこの記事でいう「一流の悲劇(ようやく和解を果たせた相手との死別、相手も最期まで自分を思ってくれていたことを知った時には既に……)」が御約束になっているような作品だからこそ「ガンダムの呪いに勝った女」とマジで絶賛されてたなあ -- 名無しさん (2025-05-18 08:31:18)
- 最後に悲劇のフラグを壊す活躍を見せた。 -- 名無しさん (2025-05-18 09:31:23)
- こっちのロロはボロ雑巾にされなくてよかった。なお第二期で身長が縮んだ疑惑あり(相棒のペトラの背が伸びただけかもしれないが) -- 名無しさん (2025-05-18 19:57:31)
最終更新:2025年05月18日 23:41