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  • anko2372 金バッジの価値 後編

ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー

anko2372 金バッジの価値 後編

最終更新:2010年12月17日 10:33

ankoss

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管理者のみ編集可
『金バッジの価値 後編』 33KB
虐待 観察 自業自得 差別・格差 実験 ペットショップ 都会 いつもどおり長いのでひまなときでもどうぞ

 





 さて、飼いゆっくりの市場がカオス化していく中でも、未だゆっくりブームもゆっくりバブルも衰えることなく続いていた。
 いやむしろ、新聞やテレビや雑誌などでもゆっくりブームが取り上げられ、ますます拡大の一途をたどってさえいた。
 そしてこれだけ市場が大きくなると、その利益に目をつけた怪しげな人々もまた参入しはじめることになる。

 自称ゆっくりのプロ(笑)、ゆっくりアナリスト、ゆっくり研究家、ゆっくり愛護団体名誉会員。
 こんな怪しげな肩書きを持つものたちが我が物顔で市場を闊歩し、ゆっくり関連企業へと上手く入り込んでいく。
 彼らはバブルのゆがみや、市場の混乱を利用し、多大な利益を上げるのである。 
 その方法の例を一つ挙げておこう。

 今、ゆっくり市場には国営機関をはじめとした、様々な企業の金バッチゆっくりが大量に溢れかえっている。
 当然それらの中には、銀バッチ程度の価値しかないゆっくりや、中には銅以下の価値もないようなクズ金バッチもまじっていることだろう。
 ゆっくりを扱っているペットショップ側としては、当然そんな名ばかりの金バッチなど入荷したくもない。
 わざわざ腐った野菜を入荷する八百屋がどこにいるのかという話だ。

 ペットショップ側が入荷を警戒するようになると、企業側としてはやりずらい。
 ゆっくりはナマモノであり、餌代もかかり在庫維持費もバカにはならない。作ったからにはとっとと処理してしまいたいわけだ。
 結果として市場が停滞することになる。それでは双方儲けられずに旨みがない。
 本音としてはペットショップ側は大量に入荷したいのだが、リスクを考えてうかつに入荷できない。
 対して企業側は本当は売りたいのに、ペットショップが買ってくれない。
 自然とそんな状況になる。

 そして、そのスキを狙い、さっき上げたような怪しげな人々がその間に入りこんでいくことになるのである。
 彼らはまず関連企業の金バッチを大量にまとめて買い上げるともちかける。
 企業からすれば願ってもない話しである。金バッチゆっくりを売り払った時点で利益を確定できるからだ。
 だがしかし、彼らは条件を付ける。まとめて買う金バッチの中に駄ゆっくりが混じっている可能性があるから、少し安くしてくれと申し出るのだ。
 仮にここで金バッチ一匹の値段を、てきとうに1万あまあまと仮定して、100匹を80万あまあまで買いたいと申し出たとする。
 多くの企業は大抵これに同意する。やはり大量のゆっくりを一度に売り、一定の利益を瞬時に確定できるのは大きいからだ。

 こうして彼らはまんまと金バッチ100匹をまんまと80万あまあまで手に入れたことになる。
 そしてここからが本番だ。
 彼らはまず過去のデータなどを使い、手に入れた100匹の金バッチゆっくりを格付けする。
 要するに金バッジの中で再びランクを作るのだ。
 格付けのランクはS~Eランクまであり、もちろんSランクほど優秀な金バッチであり、
 それよりランクが下がるごとに値段や品質が下がっていく。
 ちなみに100匹の例の場合、値段と大体の数の内訳は次の通りだ。
 S 2万あまあま   2~3匹
 A 1万5千あまあま 20匹
 B 1万あまあま   40匹
 C 8千あまあま   30匹
 D 5千あまあま   10匹
 E 販売価値なし   それ以外

 さて、こんな格付けを行ってどうするのか?
 当然売りさばくのである、ペットショップ側にだ。
 そもそもペットショップが金バッチ入荷を躊躇う一番の理由は、様々な企業が独自に審査している金バッチの品質が不透明だからである。
 そこで、自称ゆっくりのプロを名乗るこの怪しげな連中は、独自に金バッチのランク付けを行い、
 それをペットショップに売りさばいたのだ。

 人と言うのは不思議なもので、なんかそれっぽい肩書きや権威を持った第三者機関が格付けしたランクだと言われれば、
 企業から直接買うのを躊躇っていたペットショッツプ側も、コロッと信じて購入してしまうのだ。
 まあ、現在の市場には金バッチゆっくりで一山当ててやろうとしている、素人ペットショップが溢れていたという要因も大きいだろう。
 こうしてこの怪しげな連中が作った格付けの通りにあっさりと、企業から買い取った金バッチゆっくりは売られていく。
 ちなみにこの例の場合の大体の利益は20万あまあまだ。
 これがゆっくりを一儲けできるカラクリの一つだ。
 こうして彼らは飼育する苦労や、労力をせずに、しかもかなりのローリスクで荒稼ぎをして回ったのだ。

 そんなこんなで、ペットゆっくり業界はますます混迷を深めていく。

 



「みんな!とうとうしゅっかのときがきたよ!」
「「「「「ゆおおおおおお!!!」」」」」

 親れいむの宣言に雄叫びを上げるゆっくりたち。

 この飼育場で育てられてきたゆっくりたちも、遂にペットショップに出荷されるときが来た。
 金バッチゆっくりとして、栄光の飼いゆっくりになることができると知り、みな大喜びだ。
 
「かいゆになったら、たっくさんあまあまたべまくるのぜ!」
「んほおおおお!かいゆっくりになったら、たくさんのびゆっくりとすっきりしまくるわよおおおおおお!」
「れいむはかいてきなおうちで、たっくさんのおちびちゃんをそだてるよ!」
「わかるよー!いちにちじゅうごろごろとゆっくりしてすごすよー!」
「みょん!みょんはひろーい、おにはをかけまわりたいみょん!」

 目をキラキラさせながら、興奮気味に自身の願望を語るゆっくりたち。
 みな一様に、自分のゆっくりとした未来をまったくとして疑っていない。
 何故ならば自分たちは特別で価値のある金バッチゆっくりなのだ。
 その辺の野良ゆや野生ゆなどとは訳が違う!選ばれたゆっくりだ!
 そんな金バッチである自分たちを、飼い主(奴隷)はゆっくりさせなければならない義務がある。
 だって金バッチゆっくりとは、そういうものだと、ゆっくりできる親れいむに教わった!
 だからそれはきっと間違いないことなのだ!

「ゆゆ!それじゃあみんな!さいごのうんうんたいそうだよ!
 のーびー!のーびー!ゆっくり!ゆっくり!」
「「「「「のーびー!のーびー!ゆっくり!ゆっくり!」」」」」

 親れいむの掛け声に合わせてうんうん体操をするゆっくりたち。
 流石、金バッジのおちびちゃんたちだ!このうんうん体操の一糸乱れぬゆっくりした雄姿を見よ!
 こんなものを見せられた日には、人間さんたちは我先へとこのおちびちゃんたちを飼いゆにしたいと懇願しだすに違いない!
 辛く厳しい教育の日々(主にうんうん体操やお歌の練習)も今日で最後だ。
 おちびちゃんたち!みんな飼いゆになって思う存分ゆっくりしてね!
 親れいむはそんなことを思いながら、最後のうんうん体操を終えたのだった。

 最後のうんうん体操が終わった後しばらくすると、いつものビー!という音が周囲に鳴り響いた。
 人間さんたちがやってくる合図だ。
 部屋に入ってきた人間さんは、いつもの持ってくるごはんさんの代わりに大きめの荷台をガラガラと押してきている。
 ゆっくり搬出用の荷台であった。
 その荷台に一匹づつ傷つかないようにゆっくりを載せていく。
 
「ゆゆー!しゅっぱつだよー!」
「たのしみだね!」
「わかるよー!ついにかいゆになるときがきたんだねー!」

 荷台に載せられるゆっくりたちは、まるで子どもが遠足に行くかのような陽気さで、特に抵抗らしい抵抗はしなかった。
 当たり前だ、みな飼いゆっくりになれば、今よりずっとゆっくりできると信じているのだから。

 やがて最後のゆっくりを収納し終えると、またガラガラと音を立てながら人間さんは無言で出て行ってしまった。
 後には親れいむ一匹が、広い飼育場にポツンと一匹残される。

「ゆふう!みんないっちゃったね。れいむはおちびちゃんとのわかれはさびしいけど、かなしんでばかりはいられないね!
 これからまたあらたにやってくる、おちびちゃんのためにもがんばらないとね!」

 自分が育てたゆっくりたちとの別れの悲しみも早々に、れいむは新たなる決意を固めていた。
 また新たにやってくるおちびちゃんたちを、今回のように立派な金バッチに育て上げなくてはならない。
 そう!自分は子育てのプロなのだから!
 そんなふうに気合を入れていると、また部屋に人間さんが入ってきた。

「やっべ、こいつのこと忘れてた」

 そんなことを呟きながら、人間さんが近づいてくる。

「ゆ?なんなの?まさかもうあたらしいおちびちゃんたちがきたの?
 それはいくらなんでもはやすぎだよ!れいむはひとしごとおえたばかりなんだから、きゅうっかがほしいよ!
 かいてきなおうちと、たっくさんのあまあまと、すっきりようの、びゆっくりをよういしてね!
 それがつぎのおちびちゃんたちを、きんばっじにそだてあげるじょうっけんだよ!これはとうぜんのほうっしゅうだよね!
 れいむ、けんきょすぎちゃってごめんねー!」

 そう胸を張りながらドヤ顔で人間に要求する親れいむ。
 確かに次のおちびちゃんたちを育てる決意はしたが、自分は金バッジゆっくりを大量に育て上げるという偉業を成し遂げたのだ。
 これくらいの休暇や報酬は認められるべきであろう。
 人間さんは快くこの要求を受け入れ、れいむはしばしの休息を得るはずだった。
 が……。

「あ?お前なに言ってんの?」

 ドカ!

「ゆべろおおおおおがああああああ!」

 親れいむに与えられたのは、休息と報酬ではなく人間の強烈な蹴りだった。
 人間に蹴り飛ばされた親れいむは、サッカーボールのように飛ばされ、壁に激突し、ベチャ!と音をたて地面に落ちる。
 
「ゆがああああああああ!いだいいいいいいいいいいいいい!」

 全身を襲う激しい痛みに叫び声を上げる親れいむ。
 口の中に自身の餡子の感触が広がる。今の衝撃で、若干吐き出してしまったようだ。

「なにをするんだあああああああああああ!でいぶはきんばっじだぞおおおおおおおおおおおお!
 こんなことしていいとおもってるのがああああああああああ!」
「ああ、はいはい、金バッジねえ」

 人間は飛ばされた親れいむの側まで歩いていき、未だダメージを負って動けない親れいむを思い切り踏みつける。

「ゆごが!ぐるじいいいいいいいいい!つぶれるうううううううううう!」

 上からの強力な圧力に苦悶の声をあげながらのたうちまわる親れいむ。

「やれやれ、実験だからこっちが口を出せないのをいいことに、好き放題やってくれちゃって。
 大体お前が本当に金バッジだってのなら、しっかり人間様の言う事を聞けよこのクズが!使えねえな。
 わけわからん子育てで、銅バッジ以下の駄ゆっくりばかり量産しやがって。
 お前だけよ、こんなアホなことしたやつは」

 人間はそう吐き捨てながら、グリグリと親れいむを踏みにじる

「ぐぎょおおおおおお!どじでええええええええええええ!でいぶはおちじちゃんたちをみんなきんばっじに……」
「あん?お前本気で言ってんのか?あんな気持ち悪い踊りと、騒がしい雑音を撒き散らすしか出来ないゆっくりが金バッジなわけねえだろ!
 だいたい、お前には一応金バッチ取得の教育方法が叩き込まれてるはずなんだが、何でこんな勝手なことしたんだ?」
「ゆががが……だって、にんげんさんのやりかたじゃおちびちゃんはゆっくりできなくなるよ……
 ゆっくりしてないと、きんばっじさんはとれないよ!」
「………はあ、なんじゃそりゃ。いや、まあいいか。おれも短い間だが、お前らのゆっくりの世話や観察をして段々わかってきたよ。
 ゆっくりと人間は根本的に話しが通じない。お前のようなバカは個体は特にな!」

 それだけ言うと人間は、踏みつけていた親れいむを再び蹴り上げた。

「ゆびいいいいいいいいいいいい!」

 またまたサッカーボールのように吹き飛び、壁に激突するれいむ。

「なんなのおおおおおおお!どうじでこんなことするのおおおおおおおおおお!
 おちびちゃんたちが、きんばっじじゃないってどういうことなのおおおおおおおお!」

 全身を駆け回る苦痛と、人間さんから発せられる意味不明な言葉に親れいむは混乱の極致にあった。
 いったいこれはどうしたことなのだ、自分は見事おちびちゃんたちを金バッジに育て上げたではないか。
 それなのにこの仕打ち。まったくもって理解できない。

「あー、まあ、最後だしな。説明してやるか…。
 まず子ゆっくり共の金バッジだが、あれは金バッジは金バッチでも、お前らが目標にしてた代物じゃねえ。
 ウチの会社独自の金バッチだ」
「ゆ?」
 れいむは、目を点にする。
「お前が知らないのも無理はないけどな。今のゆっくり市場では金バッチが溢れかえってる状況なんだよ。
 で、ウチの会社も独自に金バッチを作ったてわけ。それを無条件に飼育している全てのゆっくりに対して、付けただけの話なんだよ。
 社員の俺が言うのもなんだがね、おまえが育てたゆっくり連中みたいに、銅バッチ以下のクズゆっくりを金バッチとして出荷するのは、
 さすがにどうかと思ったんだが、上の連中は利益優先で聞きやしねえ。そりゃもう、儲かるからってやりたい放題ってわけさ。
 まったくヘドがでらぁ」
「…………」
 親れいむは黙ってしまっている。男の言葉に理解が追いつかないのだ。
「そもそもバッジ試験もなしに、急に金バッジが与えられて不思議に思わなかったのか?
 他の部屋で子育てしている親ゆっくり連中は、みんな首を傾げてたぜ」
「そっ、それはおちびちゃんたちがとんでもなくゆっくりしてるからむじょうけんで……」
「ああ、なるほどね。その発想はなかった、よっと!」

 ドゴ!

「ゆげえええええええええええええええ!」

 人間は再びケリを入れる。

「ゆっくりってのは不思議なもんだよな。賢くて聞き分けのいい飼いゆは、まあ愛でてやってもいいって気になるのに、
 お前みたいなクズはなんだか無性に虐待したくなる。
 とりわけ、お前の人間の指示を無視した、わけわからん子育てを仕事とはいえ観察、記録してた俺はストレスではげそうだったぜ。
 そして、そんなお前を今こうして蹴り飛ばすのは悪くない気分だ。爽快と言ってもいい。人として決して褒められた行為ではないと、わかってるのにな。
 まあ、そういうところも含めてゆっくりってやつの魅力なんだろうな。愛でてよし、虐待してよしってわけだ。
 ブームになるのも分からんでもないよ。
 だが、それもそろそろ終わりだろう。そんなわけでウチの会社はペットゆっくり業界から撤退することなった。
 今回出荷された連中が最後のゆっくりだ。まあだからこそ全員金バッチなんて無茶なことしたんだろうけどな。
 おっと、話しが長くなったな。つまり何が言いたいのかというと、もうお前は用済で処分されるってことだ」
 それだけ言い終えると、ゆっくりとれいむに近づいてくる人間。
「ゆげええええええええ!まってえええええええええ!」
 処分と聞いて、急に慌てふためきだす親れいむ
「どうじでそんなことするのおおおおおお!でいぶいっしょうけんめいこそだてじだよおおおおおおお!
 きっど、ほかのばしょにいるみんなだっでそうだよおおおおお!それなのにいっせいしょぶんなんてひどすぎるよおおおお!
 ゆっくりだっていきているんだよおおおおおおおおお!」

 今まで指示を無視して散々やりたい放題やってきたことを棚に上げ、人間を批難し始めるれいむ。
 だが人間は涼しい顔で言い返す。

「おいおい、一斉処分なんて勘違いするなよ。必死になってきちんと言いつけ通り子育てしてたほかの親連中は社内で貰い手が見つかってるよ。
 まあ奴らは、これから飼いゆっくりになってそこそこ幸せに暮らすんじゃないの?
 国営企業の金バッジにくれべれば数段劣るけど、そこそこ優秀な連中だしね。
 だがお前を飼いたいという奴は誰もいなかった。人間の言うことを聞かないで、勝手な事をやらかすバカは誰も欲しくないとよ。
 オレもなるべく処分なんてしたくないんだが、誰も貰い手がいないんじゃしょうがない」

 人間の言ったことは真実だった。
 こことは違う部屋で子育てしていた親まりさや親ありすなどのゆっくりは、しっかりと人間に教えられた通りに子育てをしていたので、
 そこそこのゆっくりを育てることには成功していた。まあ、それでも国営機関の金にバッジには遠く及ばなかったが。
 まあ、とはいえ、これらの親ゆっくりたちがそれなりに優秀なのは証明されており、
 お役ごめんとなった今でも、飼いたいという人間が社内に複数人いて、結果として全員に貰い手が見つかっていた。
 この親れいむを除いては。

「あああああああ!おねがいですにんげんさんれいむをかいゆっくりにしてください!
 なんでもいうことをききます!ほんとうです!こんどこそちゃんと、にんげんさんのいうとおりにこそだてします!
 だからおねがいですうううううう!」

 自分の死を免れるためには、社内の人間の飼いゆになるしかないと悟った親れいむは必死に目の前の人間に、
 飼いゆにしてくれるよう懇願し始める。

 だが、人間は、
「悪いが無理だね。さっきも言ったが、頭が悪いゆっくりとは話しが通じない。
 オレがこの短い間ゆっくりを観察して学んだことに一つさ。
 じゃあなれいむ。間違った子育てお疲れさん」
「ああああああああああああ!どじでえええええええええええええ!れいむはただゆっくりとしたおちびちゃんをそだてただけなのにいいいいい!
 ゆぎゃああああああああああああああああああ!」

 れいむの空しい悲鳴が、飼育室に響く。
 ……こうして親れいむのゆん生は幕を閉じたのであった。




 
 
 さて未だカオス化を深めているゆっくり市場。
 金バッジの値段は今でも高値を記録し続け、一見ゆっくりブームは安泰のように思える。
 だがしかし、バブルはいつか必ずはじけるのだ。その終了の時は刻一刻と迫っており、賢い企業は早々に撤退の準備をはじめていた。
 未だゆっくりブームが続くと安心している者や、金に目がくらんで金バッジゆっくりで一山当ててやろうと新たに参入してくるのは、時世が読めない愚か者ばかりなのだ。
 そしてそれらの人間の欲望はとどまることを知らず、ついに最後にして最悪の暴走がはじまることになる。
 
 怪しげな連中が、企業とペットショップの間に入り、ゆっくりをランク付けすることによりそのおこぼれを利益として得る方法は前に述べた。
 だが余りにもこの方法が有効すぎるために、素人をはじめとする一般人がみなその方法を真似し始めることになる。
 有効な手段も、みながこぞってやりだせば、あまり大きな利益を上げることができなくなってくる。
 そこで行われる最悪の手法が、がランク付けゆっくりの二次化三次化現象である。

 これはどういう方法かと言うと、先ほどS~Dまでランク付けし、ペットショップに売りさばいたBランクの以下のゆっくりたちの塊を再び集め、
 それをまた再びS~Dまでランク付けしなおし、またペットショップに売りさばくという方法である。
 つまり本来ならば、最高でもBランクまでしか存在しない金バッチ集団のなかからSランクやAランクの格付けを無理やり捻出するのである。
 そして、その中から再びS~Aランクを高値で売り、こんどはさらにそのBランク以下のゆっくりたちを再び集め、これまた再びS~Dまでランク付けしなおす……。

 おわかりいただけただろうか?

 こんな事を続けていけばどうなるかは火を見るより明らかだ。
 Sランクの金バッチ品質はどんどん下がっていき、ペットショップ側は何を買っているのか、自分のリスクは分からず、
 ただこの金バッチはSランクだという格付けのみを頼りにゆっくりを購入していることになってしまうのである。
 Sランクの格付けを信じて入荷したら、実はDランクの金バッジゆっくりでした。なんてことが起こりえる事態だ。

 いくらなんでも、まさかこんな詐欺まがいなことが現実に起こるはずがないと思うだろうか?
 ところがこの手法、現在の金融業会ではわりと平然と行われている手口なのである。
 話は若干それるが、実はあの有名なサブプライムローン問題もこれと同じ手口が用いられてる。
 この場合は土地のローンを証券化したものを格付けするのだが、今上で上げた例のと同様に証券の二次化三次化が平然と行われ、
 もっとも極端な例だと四回証券化されたものある(実話)。
 何度も複雑に証券化された、物件はリスクが非常に見えにくくなる。いったいなにがどうなっているのか誰にも把握できないのだ。
 サブプライムローンの損失の実態が計測不能といわれる所以は、この複雑な二次三次証券化にある。


 そしてさらに悪いことに、このあたりの時期から、明らかに企業の金バッジの品質が落ち始めた。
 金バッジさえ付いていれば、どんな駄ゆっくりでも売れるという状況がこの悪しき変化引き起こしたのだ。
 
 以前は国営機関の金バッジにとどかないまでも、企業が独自に優秀な金バッジを作ろうと努力していた。 
 しかし、今は利益優先で、愚にも付かない駄ゆっくりばかりが量産され、市場に大量に流れ出したのだ。
 もうここまでくれば崩壊は目の前だった。

 そもそもバブルとは何か?
 いろいろな解釈があると思うが、一言で言えば、対象となる商品が実際の価値とはかけ離れた価格となる現象と言える。
 ゆっくりの金バッジにしてもそうだ。
 国営機関の金バッジならばともかく、ただ金バッジが付いているだけで、そのへんの野良や野生と変わらないようなゆっくりにいかほど価値があるだろうか?
 夢は必ず覚める。バブルはいつか必ず弾ける。実態の価値とかけ離れた価格形成は、いつかは必ず破綻するのだ。

 そして、多くのバブルがそうであるように、ゆっくりバブルもまたある日唐突に終焉を迎えたのだった。


 




 そして現代。

「ゆううううう!ゆっくりできないいいいいいいいい!」

 とあるペットショップの片隅の小さな透明の箱の中で、れいむはもう何度目になるかわからない不満を口にする。
 れいむはまったくゆっくりできていなかった。
 れいむは選ばれたゆっくりとして辛く厳しい訓練(うんうん体操やおうた)を経て金バッジゆっくりとなったのに、
 この扱いはなんだというのだ!
 箱は狭くて満足に身動きが取れずまったくゆっくりできないし、毎日与えられる餌もまずく量も少ないのでまったくゆっくできない。
 そして何よりも許せないのは、金バッジよりも数段劣るはずの存在である銀バッジゆっくりが、
 中央のやや広いスペースのケースでゆっくりしていることだ。
 元々あの場所はれいむのものだったのだ!それをあの銀バッジちぇんめ!一体これはどういうことだ!こんなこと許されるはずがない!
 くそ!くそ!ここから出せ!そして、さっさとあのゲスちぇんを殺して、れいむをゆっくりさせろ!
 れいむは金バッジなんだぞおおおおおおおおおおおお!
 
 ギリギリと歯軋りしながら、今まで起こってきたことを回想するれいむ。
 

 このれいむは、あの例の企業の親れいむによって間違った教育を受け、企業ブランド金バッジとして出荷された内の一匹だった。
 れいむが出荷されたのは、ちょうどゆっくりバブルが終了する直前。
 そのため、混乱に乗じてか、初期の格付けではれいむたちの評価はDランクだったにも関わらず、格付けの二次化三次化が行われ、
 なんとこのれいむはSランク相当の金バッジとしてペットショップ市場へと流されたのだった。
 
 Sランクの金バッジといえば、国営企業の金バッジとほぼ同レベルの価値がある超優秀なゆっくりである。
 当然このペットショップに入荷されたときには目玉として、店の中央の一番大きなケースに展示されていた。
 だが、知っての通りこのれいむの正体はその辺の銅バッチにも劣るという駄ゆっくり。
 それが利益のために二重(企業と怪しげな格付け連中)に偽造されて見せ掛けの価値を生み出しているにすぎない。
 だからすぐにボロが出た。

 まずその振る舞いがあさましかった。国営機関の金バッチともなれば、人間に対して礼儀正しく振る舞うのは当然として、
 その動作の中にもどことなくゆっくりした癒しのような感があるものだ。
 だがこのれいむは、店の店員はもとより客にまで、「じじいあまあまもってこい」や「さっさとしろ奴隷」、などの暴言を吐く始末。
 またその振る舞いも、ゆっくりしているというよりは、ただ単に怠けてだらだらとしているだけに感じられ、非常に醜かった。
 食事の時はくっちゃくっちゃと音を立てながら浅ましく貪り、食べ終わった後の人間に対する一言は、感謝ではなくもっとよこせという要求。
 お歌と称して、常時大声で雑音を垂れ流し、「れいむのうんうんたいそうをみせてあげるよ!」と言いながらくねくねとキモイ動作をくり返す。
 はっきり言ってその辺の野良や野生のほうが、なんぼかマシなのではないかというゴミクズゆっくりであった。

 そしてたたみかけるようにゆっくりバブルの崩壊。
 それに伴い、企業の安易な金バッチ量産や、格付けランクの形骸化などが問題としとてピックアップされるようになり、
 このペットショップも、れいむがSランクの価値などないということに気づいたのだった。

 さて、れいむが駄ゆっくりであることはわかった。ではどうするのか?捨てるのか?
 それはできない相談だった。何故なられいむは高い金を出して入荷したSランクの金バッジゆっくりだからだ。
 たとえその価値がないわかっていたとしも、処理してしまっては大損である。何とか元を取らなくてはならない。
 しかしこのままれいむを店の中央のでかいケースに展示しておくわけにはいかなかった。
 こんな駄ゆっくりが、店の中央に陣取っていたら、客の印象やほかのゆっくりの影響にもよくない。
 そのためれいむは、店の端のほうにある特売ゆっくりコーナーに移されることになったのだった。

 そこでれいむを待っていたのは、今までのような広くのびのびと動き回れるような広いスペースではなく、ほとんど身動きできない狭い入れ物。
 おいしく量も沢山のゆっくりフードではなく、不味い上に量も少ない残り物のごはんであった。
 今までの生活とは天と地の差である。れいむがゆっくりできなくなったのは言うまでもない。

 ちなみに今までれいむがいた大き目のケースの中には、国営機関の銀バッジちぇんがいた。
 ただでさえこんなゆっくりできないところに移動させられて、腸が煮えくり返っているのに、今まで自分がいた場所に新たに収まったのは、
 よりにもよって銀バッジゆっくりである。
 これはれいむのプライドを大きく傷つけ、れいむはこのちぇんを逆恨みした。
 だが、このちぇんはさすがバッジの本家の国営機関産だけあって、銀バッジでもその辺の企業の金なんかよりもずっと優秀だった。
 今まで中央にいた醜いゆっくりれいむに変わって、賢く、可愛らしいゆっくりが配置されため、ちぇんは店員や客から可愛がられることになる。
 そのことはますますれいむをイライラさせた。
 


「ゆううううう!ゆっくりできないいいいいいいいい!」
 
 今日もいつものように不満を口にするれいむ。だがそれを口にしたところで、なんら現実が変わるわけではない。
 れいむがこのペットショップに来てからどれくらいの月日がたっただろうか?
 あのとき、れいむたちと一緒に出荷されていった仲間たちはどうしているだろうか?
 きっとみんな飼いゆっくりになって、しあわせーな毎日を過ごしているに違いない。
 何故ならば、れいむたちは金バッジゆっくり。選ばれた特別なゆっくりなのだ。いったい何の間違いでこんな状況になってしまったのか。

 きっと全部このペットショップが悪いのだ!本来ならばれいむほどのゆっくりなら、客が奪い合いになるほどの人気のはず。
 だがれいむのお歌を聞いても、美しいうんうん体操を見ても、客は反応しなかった。通常ならばありえないことだ。
 ならば考えられことは一つ。このペットショップが何らかの方法で、れいむを飼いゆっくりにするのを妨害しているのだ。
 一体どうやって?そんなことわかるわけない。が、とにかくそうに違いないのだ。
 そうでなければこの状況は説明がつかない。 
 そんな事を考えながらふと、カウンターの方を何気なく見たその時。

「!………あ!ああああああ!」

 れいむは信じられないものを目にした。
 何とあのいまいましい銀バッジちぇんが買われているではないか!

「ありがとございましたー」
 店員が丁寧にお辞儀をする。
「おにいさん!ありがとねー!」
 ちぇんもまた、買ってくれた青年に礼を言う。
「いやなんのなんの。僕は可愛らしいちぇんに目がなくてね。でも最近は駄ゆっくりばかり出回ってて、なかなかいい子にめぐり合えなくてさ。
 でもその点は国営機関のバッジなら安心だしね。さあ僕のおうちに帰ろうかちぇん。おうちにはゆっくりらんもいるよ」 
「わかるよー!たのしみなんだねー!」

 そんなやりとりをしながら、人の良さそうな青年に連れらていくちぇん。

 その様子はれいむは瞬きすら忘れ、血走った目で食い入るように凝視する。
 何でだ!あんな!あんな銀バッジが!金バッジの自分を差し置いて飼いゆっくりに!ちくしょう!ちくしょう!!!
 本来ならあそこにいるのはれいむのはずだったのにいいいいいいいいいいい!
 もうだめだ!自分がここにいる以上未来はない。何とかして脱出しなくては!こんなクソみたいなペットショップ抜け出して、
 何とか自分で奴隷を探さなければならない。
 そうれいむは固く決心したのであった。
 




 それからしばらくして……。

「おねがいだよおおおお!れいむをかいゆっくりにしてねえええええ!
 れいむはきんばっちさんだよおおおおおお!えらばらたゆっくりなんだよおおおお!
 ゆああああ!どじでむしするのおおおおおおおお!」

 ボロボロの姿で道行く人に自分をかいゆっくりにしてくれて訴えるあのれいむの姿があった。
 当然通行人はそんなれいむのことをまったく意に介さず通り過ぎていく。
 
「なんでええええ!れいむはきんばっじなのにいいいいいい!
 れいむはかちのあるゆっくりなんだよおおおおお!きんばっちはたいせつにしなきゃいけないんだよおおおお!
 ゆがあああああ!れいむをかいゆっくりにしてゆっくりさせろおおおおおお!」

 それでも懲りずに訴えを続けるれいむ。飼ってさえもらえればゆっくりできる。
 自分は金バッジなんだから。もうれいむの頭の中にはそれしかない。だかられいむは叫び続ける。
 


 

 ちぇんが売られていくのを目撃し、ペットショップに見切りをつけたれいむは何とか脱出の機会を窺っていた。
 そしてその機会は意外に早く訪れた。

 その日はペットショップの清掃日だった。店を休みにして、普段清掃できないゆっくりがいるケースの中や、
 大がかりな配置換えなどを行う日だ。
 その時々のブームや売れ筋などによって、中央の目玉商品にどの種族のゆっくりを持ってくるか決めるのだ。
 もちろんこの配置換えによって、れいむが再び中央のケースに戻されるなんてことはない。
 恐らくれいむは死ぬまで今の場所のままだろう。それはれいむも薄々感じていた。だからこそ脱走を決意したのだ。

 さてこの清掃と配置換えだが、ゆっくりを移したり、ケースの中を清掃したりするためには当然中のゆっくりを一度外に出す必要がある。
 これが普段ケースに入れられたままのれいむが脱出できる唯一無二のチャンスだ。
 そして幸いなことに、希少種や目玉商品のゆっくりは慎重に扱われるが、れいむのような特価ゆっくりの扱いはわりと煩雑であった。
 れいむは、価値の低い駄ゆっくりが、外にまとめて集められる最中、スキを見て裏口から逃げ出すことに成功したのであった。
 普通ならばこんなことは成功するはずがない。だが、この日れいむたちの担当だったバイトの店員がまだ駆け出しだったこと、
 店中が作業に追われてゴタゴタしていたこと、そして店員たちのまさかゆっくりが逃げ出すはずがないという思い込み(多くのゆっくりは、
 外よりもペットショップのほうが安全で、また飼われるチャンスが格段に大きいこと知っている)などの相乗効果により、
 れいむの逃亡作戦はまさかの成功を収めたのだ。まさに奇跡。これ以上ないほどの奇跡が起こったのだ。
 だがそれが必ずしもその奇跡が幸運な結果を生むかはまた別の話なのだが……。


 

「ゆううううう!ゆっくりできないいいいいいいいい!」
 
 もはや口癖になっているそのセリフを吐き出すれいむ。
 外の世界に出たれいむは、瞬時にその現実の洗礼を受けることになる。
 不衛生で狭いダンボールのおうち、まずい生ゴミ、寒い夜などなど、数え切れないほどのゆっくりできないことが溢れている世界。
 これならば、まだおうちと食料が保証されていたぶん、あのペットショップのほうがずっとましであった。
 当然ながら、外に出ればすぐさま飼いゆっくりになれるというれいむの願望はもろくも崩れ去っていた。
 どんなに自分が金バッジだと主張しても、無視して通り過ぎられる日々。
 れいむは日々衰弱していった。
 
 そして今もまた、懸命にうんうん体操やおうたを歌って、自分をアッピールするが、いつものように道ゆく人々は自分を無視して通り過ぎていくのであっつた。
 だがそんな最中、

「ゆううう!どじでえええええ!
 ……ゆゆ!おにいさん!れいむをかいゆっくりにしてくれるのおおおおおお!」

 ふと顔を向けたその先で、ある人間と目があった。
 目があったということは、その人間はれいむのことを見ていたということだ。
 そしてれいむのことを見ていたということは、れいむを飼いゆっくりにしてくれるということだ!
 そう結論づけたれいむは、喜び勇んで男の下へと跳ねだす。

 だがその様子を見ていた人間は、何かイヤな物にでも遭遇したかのように、くるりと背をむけて歩いていってしまう。

「ゆがああああああ!どこにいくのおおおおおおおお!
 れいむをかいゆっくりにしてくれるんじゃなかったのおおおおおお!
 まっでねえええええ!れいむはきんばっじいいいいいいい!
 かいゆにし……、ゆべえええ!いだいいいい!」

 慌てたれいむは、必死に追いかけるものの、今まで室内飼いで鈍っていたことや、空腹で極限まで弱り果てていたれいむは、何もないところで盛大に転んでしまうのであった。
 そのスキに人間はれいむの視線から姿を消してしまう。

「ゆううううう!まってえええええ!れいむをかいゆっくりにしてええええええええ!」

 だがそれでもれいむは諦めきれずに、人間が去ってった方向へデタラメに跳ねだす。
 あの人間の姿はとうに見えなくなっているにも関わらずれいむは進み続ける。
 もはや前に進むことしかれいむに希望はなかったのだ。

 どれくらい跳ねて進んだだろうか。硬いコンクリートで派手に跳ねたため、にれいむの貧弱なあんよはボロボロになっている。
 もう進めない、そう思ったとき、れいむの目前にそれは現れた。
 
 それは大きなペットショップだった。れいむが以前いた小型の支店とは大違いの、本格的なゆっくりのお店だ。
 ガラス張りになっている窓からちらりと覗ける店内の様子は、とても清潔で管理が行き届いている。
 そこにいるゆっくりたちは、大きく余裕をもったケースに展示されており、その中にいるゆっくりたちは、
 遠目から見てもとってもゆっくりした様子が窺えた。

 その外からでさえわかる、あまりの圧倒的なゆっくり空間に直面し、れいむはしばし呆然となった。そして直後に理解する。
 ああ!これだ!これだよ!れいむに相応しい場所はここだったんだ!
 れいむがいる場所は、あんなちっぽけな小汚いゆっくりショップじゃなかった。

 れいむはふらふらと、導かれるようにペットショップに近づいていく。
 次第にショーウィンドに展示されているゆっくりたちの姿が鮮明に目に入ってくる。
 どのゆっくりもこれ以上ないほどとってもゆっくりしている。
 そしてれいむの目に入る、そのゆっくりたちの、銀バッジ!!!
 ッ!!
 その瞬間、れいむの中で何かが切れた。

「ゆがああああああああああああ!どうじでぎんばっじがそこにいるんだあああああああああああああああ!」
 
 れいむは渾身の力でショーウィンドに体当たりした。
 突然の事に驚く中のゆっくりたち。

「なんで!なんで!きんばっじのれいむがそとで、ぎんばっじのおまえらが、なかにいるんだあああああああああああああああ!
 しね!ゆっくりしね!そしてれいむをながにいいれろおおおおおおおおおおおお!」

 バン!バン!と凄まじい形相で、ガラス張りのショーケースに体当たりをするれいむ。
 その鬼気迫る様子は中にいるゆっくりを怯えさせるには十分なものだった。

「わからないよー!いったいなんなのー!」
「いったいどうしたっていうの!れいむ!おちついて!とかいはじゃないわよ!」
「みょん!のらゆはこわいみょん!」

 このゆっくりたからしてみれば、突然ボロボロの野良ゆが凄まじい表情で、自分たちが展示されているショーウィンドに体当たりしてきた状況である。
 恐怖を覚えるのは当然だった。

「うるさい!うるさいいいいい!れいむはきんばっじなのに!それなのにゆっくりできないっていうのに、
 ぎんばっじのおまえらが、ゆっくりしてるなんてゆるされるかあああああああああああ!
 そのばしょにふさわしいのは、きんばっじのれいむなんだよおおおおおおおお!わかったらさっさとしんでねえええええ!」

 意味不明な理屈を撒き散らしながら、体当たりを続けるれいむ。
 しかし当然ながら、頑丈なガラスのショーケースは、びくともしない。
 バン!バン!と鈍い大きな音が鳴り響くのみである。
 それに対してれいむは、渾身の力で硬いガラスに体当たりをしているために、自身に少なくないダメージが入っている。
 一回体当たりをするたびに、口から餡子を吐き、生命を削っていく。だがれいむは一向に体当たりを止める様子はない。
 きっと死ぬまでこの体当たりを続けることだろう。もう既に壊れてしまっているのだ。このれいむは………。
 


 
「もう気は済んだだろ?」

 いつの間にか後ろに立っていた男はそうれいむに声を掛けたかと思うと、れいむをひょいと持ち上げ、ゆっくり捕獲用の携帯麻袋に詰め込んだ。
 それはほんの一瞬の出来事であり、多分れいむは何が起こったのか理解できなかっただろう。
 だが理解する必要などない。男の目的は虐待ではなく、速やかにこのれいむを排除することだからだ。
 このれいむはいわゆるゲスではない。ただ無知で愚かだっただけだ。
 そしてその原因は人間にもある。しかしだからといって見逃すわけにはいかない。だから男は何も言わず、素早く作業を実行したのだ。

「ふう。だから嫌なんだよ町のゆっくりはさ」

 そういいながら、男はスタスタと何事もなかったように歩いていった。

 後に残るのはショウウインドの中で不思議そうな顔をした銀バッジゆっくりたち。
 そして、その場にはれいむの体当たりの衝撃によって地面に落ちてしまった、金バッジが鈍く光っていた。


 おしまい。





 
 以下全然読む必要のない後書き。

 こんな拙い文章を最後までよんでくださってありがとうございました。

 えーと、まあ前回に続いてまた金バッジゆっくりのお話しでした。
 前回が表なら、今回は裏。なんでこんな事態になったんだ!みたいなことを書こうと思いまして。
 主に舞台の背景の話しですね。
 そんなわけで、説明っぽい話が多くなってしまってやりづらかった。
 でもこういう話を一回きちんとやっておくと、今後の話がやりやすいんすよね。散らばっていったほかの金バカたちはどうなったかとか。
 これを気に、一気に野良ゆが増えたとか。

 まあでも多分、次回はまたいつものノリに戻ると思います。
 と、まあそんなわけでまた次の機会によろしくお願いします。
 ナナシ。



 
 
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