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anko3983 それぞれの冬ごもり・前編
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ankoss
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『それぞれの冬ごもり・前編』 15KB
愛で 越冬 ゲス 希少種 自然界 人間なし 22作品目、前編です。 ぺけぽん
愛で 越冬 ゲス 希少種 自然界 人間なし 22作品目、前編です。 ぺけぽん
注意書きです。
1 希少種が出ます。
2 酷い目にあうゆっくりと、そうでないゆっくりがいます。
3 若干個人設定が含まれている個所があります。
2 酷い目にあうゆっくりと、そうでないゆっくりがいます。
3 若干個人設定が含まれている個所があります。
それでもOKという方のみ、どうぞ。
「あたいは~ばかじゃないの~♪あたいは~できるこなの~♪」
……そこは、どこにでもあるような、普通の山。
その山奥の中で、一匹のゆっくりがふわふわと飛んでいた。
その山奥の中で、一匹のゆっくりがふわふわと飛んでいた。
「まちがい~だらけでも~♪あしたは~かならずくる~♪」
そのゆっくりは髪の毛や頭に付いているリボンが青く、背中からは氷のような羽が生えていた。
「きょうもあたいのゆっくりはじ~まる~♪」
そのゆっくり……、ゆっくりちるのは、ご機嫌そうに歌を歌っていた。
この山には多くのゆっくり達が棲み付いている。
ちるのもまた、その内の一匹だった。
「ふんふ~ん♪きょうもあたいはゆっくりね!」
今ちるのはお気に入りの散歩コースを散歩している最中だった。
この山には多くのゆっくり達が棲み付いている。
ちるのもまた、その内の一匹だった。
「ふんふ~ん♪きょうもあたいはゆっくりね!」
今ちるのはお気に入りの散歩コースを散歩している最中だった。
「?」
そんな中、ちるのはある事に気付いた。
「はやくごはんさんをあつめないと……」
「ちんぽっぽ、おなきんしゅうかん……」
「いそぐんだねー、わかるよー……」
「ちんぽっぽ、おなきんしゅうかん……」
「いそぐんだねー、わかるよー……」
ちるのの横を、数匹のゆっくり達が通りかかった。
そのゆっくり達は、口に何かを頬張り、急いでいるようだった。
ちるのはそんなゆっくり達を見て、呟いた。
そのゆっくり達は、口に何かを頬張り、急いでいるようだった。
ちるのはそんなゆっくり達を見て、呟いた。
「いったい、なにをしてるんだろ?」
それぞれの冬ごもり
作:ぺけぽん
ちるのはとても不思議がっていた。
ちるのは先程のゆっくり達以外にも、忙しなく動いているゆっくり達を見かけていた。
ついこの間までは、皆思い思いにゆっくりしていたというのに、何を慌てているのだろうか?
ちるのはそう考えていた。
ちるのは先程のゆっくり達以外にも、忙しなく動いているゆっくり達を見かけていた。
ついこの間までは、皆思い思いにゆっくりしていたというのに、何を慌てているのだろうか?
ちるのはそう考えていた。
「ゆっへっへ……、あんなにいそいで、ざまぁないのぜ!」
「ほんと、いまさらってかんじだよね!」
「ほんと、いまさらってかんじだよね!」
丁度そこへ、ゆっくりまりさとゆっくりれいむの番が通りかかった。
「!」
ちるのは丁度良いとばかりに二匹に近づいた。
「ねぇねぇ!みんななんで、あんなにいそいでるの?」
「げっ、ばかのちるのだぜ……」
「うわっ、ばかのちるのだよ……」
ちるのに話しかけられたまりさとれいむは、明らかに嫌がっている態度を示していた。
「あたいばかじゃないもん!なんでみんながいそいでるか、しりたいだけだもん!」
「ゆぁ~ん?なんでかわからないのぜぇ~?」
「ゆぷぷっ……、ちるの、あたまだいじょうぶ?」
「ゆへへ、れいむこそだいじょうぶなのぜ?ちるののあたまがだいじょうぶなわけがないのぜぇ?」
「ゆ~ん、それもそうだね!れいむ、おかしなことをいっちゃったねぇ!」
まりさとれいむは、出来の悪い赤ゆでも見るように、ちるのを嘲笑っていた。
「むきーっ!あたい、ばかじゃないもんっ!!」
ちるのは顔を真っ赤にして、頭から湯気を出しながら反論した。
「ゆぁ~ん?ちるのはばかじゃないぃ~?」
「ばかじゃないなら、なんでみんながいそいでるか、こたえられるよねぇ~?」
「そ、それは……」
「はやくいうのぜぇ?」
「こたえられないの?ばかなの?しぬの?むのうなの?」
「……う……」
分からないから聞いたのに、それを答えてみろというのは、あまりにも無理難題すぎる。
当然、ちるのに答えられる訳がなかった。
……結果。
「!」
ちるのは丁度良いとばかりに二匹に近づいた。
「ねぇねぇ!みんななんで、あんなにいそいでるの?」
「げっ、ばかのちるのだぜ……」
「うわっ、ばかのちるのだよ……」
ちるのに話しかけられたまりさとれいむは、明らかに嫌がっている態度を示していた。
「あたいばかじゃないもん!なんでみんながいそいでるか、しりたいだけだもん!」
「ゆぁ~ん?なんでかわからないのぜぇ~?」
「ゆぷぷっ……、ちるの、あたまだいじょうぶ?」
「ゆへへ、れいむこそだいじょうぶなのぜ?ちるののあたまがだいじょうぶなわけがないのぜぇ?」
「ゆ~ん、それもそうだね!れいむ、おかしなことをいっちゃったねぇ!」
まりさとれいむは、出来の悪い赤ゆでも見るように、ちるのを嘲笑っていた。
「むきーっ!あたい、ばかじゃないもんっ!!」
ちるのは顔を真っ赤にして、頭から湯気を出しながら反論した。
「ゆぁ~ん?ちるのはばかじゃないぃ~?」
「ばかじゃないなら、なんでみんながいそいでるか、こたえられるよねぇ~?」
「そ、それは……」
「はやくいうのぜぇ?」
「こたえられないの?ばかなの?しぬの?むのうなの?」
「……う……」
分からないから聞いたのに、それを答えてみろというのは、あまりにも無理難題すぎる。
当然、ちるのに答えられる訳がなかった。
……結果。
「う……、うわあぁーんっ!!ばかぁーっ!!」
泣きべそをかきながら、猛スピードで逃げるようにどこかへ飛んで行ってしまった。
「ゆ……、ゆーっへっへっへっ!あいつ、ふゆごもりのこともしらないのぜぇっ!」
「ゆぷぷっ……!ほんと、いままでよくいきてこれたよねぇっ?」
「ゆぷぷっ……!ほんと、いままでよくいきてこれたよねぇっ?」
ちるのの姿が完全に見えなくなった事を確認した二匹は、大笑いし始めた。
……ゆっくりは普通、厳しい冬の寒さを乗り越える為に、秋の間に食糧を集めたり、巣穴の補強をしたりする。
今この時期に冬ごもりの準備を始めようものなら、到底間に合わない。
そんな事をするのは、まだ時間があるからゆっくりしようと舐めきっていた愚か者だけである。
……ゆっくりは普通、厳しい冬の寒さを乗り越える為に、秋の間に食糧を集めたり、巣穴の補強をしたりする。
今この時期に冬ごもりの準備を始めようものなら、到底間に合わない。
そんな事をするのは、まだ時間があるからゆっくりしようと舐めきっていた愚か者だけである。
「けど、ほかのれんちゅうもばかなのぜぇ!あんなにひっしこいて、あせってるのぜ!」
「そうだよね!もっとかんたんに、ごはんさんをあつめるほうほうがあるのにね!」
「それにきづいたまりさたちは、とってもゆうっしゅうなのぜぇっ!」
「ゆうっしゅうっでごめんねー!」
「そうだよね!もっとかんたんに、ごはんさんをあつめるほうほうがあるのにね!」
「それにきづいたまりさたちは、とってもゆうっしゅうなのぜぇっ!」
「ゆうっしゅうっでごめんねー!」
「「げ~らげらげらげらっ!!」」
……二匹の笑い声は、まだ止みそうになかった。
……一方、その頃。
「うっ……、ぐずっ……、えっぐ……」
先程の場所からだいぶ離れた所にある木の枝の上で、ちるのはグズグズと泣いていた。
「ひっぐ……、あだい、ばがじゃないもん……。ただ、わがんながっだだげだもん……」
ちるのはこれまでのゆん生の中で、他のゆっくり達から馬鹿だ馬鹿だと言われる事は何度かあった。
本ゆんは大抵、馬鹿にされてもすぐ忘れるのでそれがストレスなどになる事は無かった。
だが、ここまで馬鹿にされ、屈辱を受けたのは初めてだった。
これはそう簡単に忘れられないものとなるだろう。
「わがんないがら、きいただげなのにぃ……」
ちるのは本当に、他のゆっくり達が慌てているのか分からなかった。
普段、周囲のゆっくり達から馬鹿にされる為、友達と呼べるゆっくりはほとんどいなかった。
なので何か分からない事があって他のゆっくりに聞いたとしても、大抵は馬鹿にされてお終いであった。
「あだい、ちゃんとあさごはんたべるし、ねるまえにおやすみなさいっていえるもん……」
明らかに視点がズレているのだが、本ゆんはそれに気付いていなかった。
「ひっぐ……、あだい、ばがじゃないもん……。ただ、わがんながっだだげだもん……」
ちるのはこれまでのゆん生の中で、他のゆっくり達から馬鹿だ馬鹿だと言われる事は何度かあった。
本ゆんは大抵、馬鹿にされてもすぐ忘れるのでそれがストレスなどになる事は無かった。
だが、ここまで馬鹿にされ、屈辱を受けたのは初めてだった。
これはそう簡単に忘れられないものとなるだろう。
「わがんないがら、きいただげなのにぃ……」
ちるのは本当に、他のゆっくり達が慌てているのか分からなかった。
普段、周囲のゆっくり達から馬鹿にされる為、友達と呼べるゆっくりはほとんどいなかった。
なので何か分からない事があって他のゆっくりに聞いたとしても、大抵は馬鹿にされてお終いであった。
「あだい、ちゃんとあさごはんたべるし、ねるまえにおやすみなさいっていえるもん……」
明らかに視点がズレているのだが、本ゆんはそれに気付いていなかった。
「むっきゅ……、むっきゅ……」
「……?」
「……?」
……その時、下の方から何やら声が聞こえてきた。
見ると、一匹のゆっくりぱちゅりーが急いでいる様子で跳ねていた。
枝の上にいるちるのには、気付いていないようだ。
見ると、一匹のゆっくりぱちゅりーが急いでいる様子で跳ねていた。
枝の上にいるちるのには、気付いていないようだ。
「むきゅ……、はやくごはんさんをあつめないと、ふゆごもりにまにあわないわ……」
ぱちゅりーはそう呟き、そのまま通り過ぎて行った。
「ふゆごもり?」
ちるのはぱちゅりーが呟いた、聞き慣れない単語が気になった。
「……!もしかして、みんな、そのふゆごもりっていうやつがあるから、いそいでいるのかも!それにきづけるなんて、あたいったらてんさいねっ!」
ちるのは一つ賢くなったとばかりに喜んだ。
「……ふゆごもりってなんだろ?」
……が、結局根本的な解決にならなかった。
「ふゆごもりってなにをするんだろう……?みんながしていることなんだよね……?ふゆにすること……」
ちるのはゆん生の中で、初めて本気で考えてみた。
「ふゆごもり……、ふゆこもり……。こもり……。うーん……。……あつい……」
考え過ぎによる知恵熱が出ても、真剣に考えてみた。
「ふゆごもり?」
ちるのはぱちゅりーが呟いた、聞き慣れない単語が気になった。
「……!もしかして、みんな、そのふゆごもりっていうやつがあるから、いそいでいるのかも!それにきづけるなんて、あたいったらてんさいねっ!」
ちるのは一つ賢くなったとばかりに喜んだ。
「……ふゆごもりってなんだろ?」
……が、結局根本的な解決にならなかった。
「ふゆごもりってなにをするんだろう……?みんながしていることなんだよね……?ふゆにすること……」
ちるのはゆん生の中で、初めて本気で考えてみた。
「ふゆごもり……、ふゆこもり……。こもり……。うーん……。……あつい……」
考え過ぎによる知恵熱が出ても、真剣に考えてみた。
冬にする事。
皆が普通にしている事。
冬でなければ出来ない事。
冬。
こもる。
あたいはさいきょー。
ごはんさん。
皆が普通にしている事。
冬でなければ出来ない事。
冬。
こもる。
あたいはさいきょー。
ごはんさん。
関係無いワードが混じっているが、ちるのなりに手探りで答えを探していた。
「……!!そうだよ!これだよ!やっぱりあたいったらぱーぺきねっ!!」
「……!!そうだよ!これだよ!やっぱりあたいったらぱーぺきねっ!!」
……そしてちるのは、一つの答えを導き出したのだった。
……数日後。
「あんたばかよね~♪おばかさ~んね~♪」
ちるのはいつも通り、お気に入りの散歩コースを鼻歌交じりで飛んでいた。
冷たい風が吹き、周囲の寒さは数日前と比べ、一段と増していた。
もうすぐこの山に、本格的な冬が訪れるのだろう。
普通のゆっくりなら寒さに身を震わせつつ、終盤の冬ごもりの準備に勤しんでいる。
……が、何故かちるのはいつも通り楽観的だった。
冷たい風が吹き、周囲の寒さは数日前と比べ、一段と増していた。
もうすぐこの山に、本格的な冬が訪れるのだろう。
普通のゆっくりなら寒さに身を震わせつつ、終盤の冬ごもりの準備に勤しんでいる。
……が、何故かちるのはいつも通り楽観的だった。
「ゆ~ん、まりさ、つぎはどこにする?」
「ゆへへ、そうなのぜ……、つぎはぱちゅりーのところでも……」
「ゆへへ、そうなのぜ……、つぎはぱちゅりーのところでも……」
……丁度そこへ、ちるのにとって忘れられない、あのまりさとれいむが通りかかった。
「あっ!このあいだのいじわるまりさといじわるれいむ!」
「げっ……、またばかのちるのなのぜ……」
「ゆっ……、ばかがうつっちゃうよ……」
互いに相手を良く思っていない辺り、今日はどちらも運が悪い日なのだろう。
(……まぁ、べつにいいのぜ。まえみたいにばかにすれば、すぐにないてどこかにいくのぜ……)
(ゆぅ……、いくられいむがみりょくてきだからって、しつこいばかはおよびじゃないよ……)
二匹は適当にちるのを馬鹿にして、さっさと追い返そうと思っていた。
……が、今日はこの前と違った。
「あっ!このあいだのいじわるまりさといじわるれいむ!」
「げっ……、またばかのちるのなのぜ……」
「ゆっ……、ばかがうつっちゃうよ……」
互いに相手を良く思っていない辺り、今日はどちらも運が悪い日なのだろう。
(……まぁ、べつにいいのぜ。まえみたいにばかにすれば、すぐにないてどこかにいくのぜ……)
(ゆぅ……、いくられいむがみりょくてきだからって、しつこいばかはおよびじゃないよ……)
二匹は適当にちるのを馬鹿にして、さっさと追い返そうと思っていた。
……が、今日はこの前と違った。
「ふふん!あんたたち、きょうのあたいとこのまえのあたい……、おなじとおもったらおおまちがいだよ!」
「ゆぁ~ん?」
「ゆ?」
「ゆ?」
……二匹が口を開くより先に、ちるのが自信満々にそう言ったのだ。
当然二匹はそれが何を意味しているのか分からない。
「あたい、みんながなにをしているのかわかったよ!ふゆごもりでしょ?」
「……で?それがなんなのぜ?」
「だからなんなの?ばかなの?しぬの?」
だからどうした、そんなものは誰でも知っているとばかりの態度を見せる二匹だが、ちるのは話を続ける。
「あたいはてんっさいっで、ぱーぺきだからね!ふゆごもりなんて、おちゃのこさいさいよっ!」
「……で?もうじゅんびはおわったのぜ?」
「まぁ、それがふつうなんだけどね!」
当然二匹はそれが何を意味しているのか分からない。
「あたい、みんながなにをしているのかわかったよ!ふゆごもりでしょ?」
「……で?それがなんなのぜ?」
「だからなんなの?ばかなの?しぬの?」
だからどうした、そんなものは誰でも知っているとばかりの態度を見せる二匹だが、ちるのは話を続ける。
「あたいはてんっさいっで、ぱーぺきだからね!ふゆごもりなんて、おちゃのこさいさいよっ!」
「……で?もうじゅんびはおわったのぜ?」
「まぁ、それがふつうなんだけどね!」
「へ?なにいってるの?ふゆごもりのじゅんびはまだはやいじゃない!」
「「……は?」」
ちるののその言葉を聞いた二匹は、目が点になっていた。
「あたいがふゆごもりのじゅんびをはじめるのは、ゆきがふってからだよ!あとでこうかいしても、しらないからね!」
一体何を後悔するのか不明だが、ちるのは二匹にそう告げると、二匹の横を通り過ぎて散歩に戻った。
「あたいがふゆごもりのじゅんびをはじめるのは、ゆきがふってからだよ!あとでこうかいしても、しらないからね!」
一体何を後悔するのか不明だが、ちるのは二匹にそう告げると、二匹の横を通り過ぎて散歩に戻った。
「る~る~♪まっててぶるじょ~あずぃ~♪」
その場に残されたのは、ポカンとした表情をしているまりさとれいむだけだった。
「……ゆ……、ゆーひゃっひゃっひゃひゃひゃっ!!」
「ゆひーっ、ひっひっひーっ!!」
「ゆひーっ、ひっひっひーっ!!」
……が、一転して大笑いし始めた。
「あいつ、まだふゆごもりのじゅんびをはじめていないのぜぇっ!おおばかものなのぜぇっ!」
「ゆぷぷぷっ!ぜったいまにあうわけないのにねぇっ!」
二匹の言う通り、今から始めるどころか、雪が降ってからではあまりにも遅すぎる。
二匹の頭の中には、食糧が足りなくなって、巣穴で餓死する惨めなちるのの姿が思い浮かんでいた。
確かに、このままでは間違い無くちるのは悲惨な運命を辿る事になるだろう。
「ゆっへっへ……、まぁ、あんなおおばかもののちるのはほっといていくのぜ、れいむ!」
「そうだよね!のたれしんじゃうのは、べつにれいむたちのせいじゃないもんね!」
二匹は好き勝手言いながら、どこかへと行ってしまった。
「あいつ、まだふゆごもりのじゅんびをはじめていないのぜぇっ!おおばかものなのぜぇっ!」
「ゆぷぷぷっ!ぜったいまにあうわけないのにねぇっ!」
二匹の言う通り、今から始めるどころか、雪が降ってからではあまりにも遅すぎる。
二匹の頭の中には、食糧が足りなくなって、巣穴で餓死する惨めなちるのの姿が思い浮かんでいた。
確かに、このままでは間違い無くちるのは悲惨な運命を辿る事になるだろう。
「ゆっへっへ……、まぁ、あんなおおばかもののちるのはほっといていくのぜ、れいむ!」
「そうだよね!のたれしんじゃうのは、べつにれいむたちのせいじゃないもんね!」
二匹は好き勝手言いながら、どこかへと行ってしまった。
冬ごもりも出来ないような馬鹿の事など、知った事では無い。
二匹はそう考えていた。
……が、二匹の考えている事は、半分が正解で、半分が間違いだった。
二匹は分かっていなかった。
……が、二匹の考えている事は、半分が正解で、半分が間違いだった。
二匹は分かっていなかった。
ちるのはただの馬鹿なゆっくりではなかったという事を。
最も、二匹がそれを知るのはまだまだ先の事なのだが。
……そして数日後。
とうとうゆっくり達の棲む山にも、雪が降り始めた。
今年の寒さや降雪量も、去年と比べ、一段と増していた。
とうとうゆっくり達の棲む山にも、雪が降り始めた。
今年の寒さや降雪量も、去年と比べ、一段と増していた。
「ふぃー、なんとかふゆごもりにまにあったよー」
「ちーんぽ、おなにーかいきーん!」
「ゆわぁぁぁぁんっ!!ごはんさんがたりないよおぉぉぉぉっ!!」
「だいじょうぶ……、せつやくしてごはんさんをたべれば、なんとか……」
「れいみゅにごはんしゃんをたべしゃせにゃい、くちょばばぁはちにえぇぇぇぇっ!!」
「ふふ……、とかいはなはるがたのしみね……」
「ちーんぽ、おなにーかいきーん!」
「ゆわぁぁぁぁんっ!!ごはんさんがたりないよおぉぉぉぉっ!!」
「だいじょうぶ……、せつやくしてごはんさんをたべれば、なんとか……」
「れいみゅにごはんしゃんをたべしゃせにゃい、くちょばばぁはちにえぇぇぇぇっ!!」
「ふふ……、とかいはなはるがたのしみね……」
……冬は、山に棲む全てのゆっくりに訪れる。
冬ごもりの準備に間に合った者も、そうでない者も。
一切の例外も、差別も、慈悲も無く。
冬ごもりの準備に間に合った者も、そうでない者も。
一切の例外も、差別も、慈悲も無く。
「ゆっへっへ!うまくいったのぜ!」
「ゆ~ん!これなららくにふゆをこせるね!」
「ゆ~ん!これなららくにふゆをこせるね!」
……そこは、薄暗いゆっくりの巣穴の中。
入口はしっかりと葉っぱや木の枝で壁を作り、硬く閉ざされ隙間風がほとんど入って来ないので、巣穴の中の寒さはほとんど皆無だった。
壁の向こうからはゴウゴウと強い風が吹いており、相当荒れているのだろう。
その巣穴の中で嬉しそうに笑い合う二匹のゆっくりがいた。
……もう気付いているだろうと思うが、あのまりさとれいむである。
二匹の傍には、干し草で出来たベッドや、虫や木の実など沢山の食糧の山があった。
「ゆへへ、このくさのべっどはとってもあったかいのぜ!」
「む~しゃむ~しゃ、このむしさん、とってもおいしいね!」
二匹は巣穴の中で思い思いにゆっくりしていた。
入口はしっかりと葉っぱや木の枝で壁を作り、硬く閉ざされ隙間風がほとんど入って来ないので、巣穴の中の寒さはほとんど皆無だった。
壁の向こうからはゴウゴウと強い風が吹いており、相当荒れているのだろう。
その巣穴の中で嬉しそうに笑い合う二匹のゆっくりがいた。
……もう気付いているだろうと思うが、あのまりさとれいむである。
二匹の傍には、干し草で出来たベッドや、虫や木の実など沢山の食糧の山があった。
「ゆへへ、このくさのべっどはとってもあったかいのぜ!」
「む~しゃむ~しゃ、このむしさん、とってもおいしいね!」
二匹は巣穴の中で思い思いにゆっくりしていた。
「……」
……そんな二匹を巣穴の奥から、恨みのこもった目で睨みつけている者がいた。
それは、頬や底部など、あちこちに噛み傷や内出餡の痕がある、ボロボロの状態のゆっくりありすだった。
「ゆぁ~ん?なんなのぜぇ~?そのめはぁ~?」
ありすの視線に気付いたまりさはありすに近付いた。
「まりさとれいむのおうちにいられるだけでも、ありがたくおもうのぜぇ?」
「そうだよ!ころされないだけ、ありがたくおもってね!」
「……はっ!」
ありすは何を言っているんだとばかりに笑って見せた。
「なにがおかしいのぜぇっ!?」
ありすの態度が気に食わなかったまりさは、勢いよくありすに体当たりを喰らわせた。
「ゆぐぅっ……!」
ありすは巣穴の壁にぶつかり、うめき声を上げた。
「ゆっへっへ!まったく、くそなまいきなげすなのぜ!」
「……!!」
まりさのその言葉が起爆剤となり、ありすが大声で叫んだ。
それは、頬や底部など、あちこちに噛み傷や内出餡の痕がある、ボロボロの状態のゆっくりありすだった。
「ゆぁ~ん?なんなのぜぇ~?そのめはぁ~?」
ありすの視線に気付いたまりさはありすに近付いた。
「まりさとれいむのおうちにいられるだけでも、ありがたくおもうのぜぇ?」
「そうだよ!ころされないだけ、ありがたくおもってね!」
「……はっ!」
ありすは何を言っているんだとばかりに笑って見せた。
「なにがおかしいのぜぇっ!?」
ありすの態度が気に食わなかったまりさは、勢いよくありすに体当たりを喰らわせた。
「ゆぐぅっ……!」
ありすは巣穴の壁にぶつかり、うめき声を上げた。
「ゆっへっへ!まったく、くそなまいきなげすなのぜ!」
「……!!」
まりさのその言葉が起爆剤となり、ありすが大声で叫んだ。
「ふざけないでっ……!!げすは、ありすのおうちをうばったあんたたちじゃない!!」
ありすの両目には大粒の涙が溜まっていた。
……そう、この巣穴の持ち主はまりさとれいむではなく、このありすだった。
今から数日前、十分な食料を集め終えて外から巣穴に戻って来たありすは最後の仕上げとして内側から入口を塞いだ。
その時突然、背後から何者かに体当たりを喰らい、そこから一方的にリンチを受けたのだった。
それが、このまりさとれいむだった。
「なにをいってるのぜぇ?このおうちにはだれもいなかったから、まりさとれいむがもらってやったのぜぇ?」
「そうだよ!あとからきたありすは、じぶんがげすだってことをゆっくりりかいしてね!」
……二匹は最初から知っていた。
この巣穴には、最初からありすがいた事を。
知っていたのは当然であった……、事前に調べたのだから。
だからこそありすが巣を空けている時間帯を狙って、巣穴の奥で待ち伏せしていたのだ。
……そう、この巣穴の持ち主はまりさとれいむではなく、このありすだった。
今から数日前、十分な食料を集め終えて外から巣穴に戻って来たありすは最後の仕上げとして内側から入口を塞いだ。
その時突然、背後から何者かに体当たりを喰らい、そこから一方的にリンチを受けたのだった。
それが、このまりさとれいむだった。
「なにをいってるのぜぇ?このおうちにはだれもいなかったから、まりさとれいむがもらってやったのぜぇ?」
「そうだよ!あとからきたありすは、じぶんがげすだってことをゆっくりりかいしてね!」
……二匹は最初から知っていた。
この巣穴には、最初からありすがいた事を。
知っていたのは当然であった……、事前に調べたのだから。
だからこそありすが巣を空けている時間帯を狙って、巣穴の奥で待ち伏せしていたのだ。
「ゆっへっへ……、まぁ、だれもいないおうちに、ふゆごもりにひつようなものがあって、ちょうどよかったのぜぇ?」
「ゆゆ~ん、そうだね!ぐうぜんっていうのもあるんだね!」
「ゆゆ~ん、そうだね!ぐうぜんっていうのもあるんだね!」
……二匹は自分達で努力して、冬ごもりの準備をするのは馬鹿のする事だと考えていた。
そんな馬鹿が必死に冬ごもりの為に整えた環境を奪う事こそ、賢いやり方だと考えていた。
二匹は色々なゆっくり達の冬ごもりの準備の様子を調べていた。
……その中で一番冬ごもりの準備が整っていたのは、このありすだった。
だからこそ、二匹はありすの巣穴、食糧を奪い、自分の物にしたのだ。
自分がゆっくりする為に。
……それが、この二匹の『冬ごもり』だった。
「ゆへへ……、おまえはまだいかしておいてやるのぜぇ?」
「ゆふふ、よかったね!まりさがやさしくて!」
「ゆふわぁ……、なんだかねむくなってきたのぜ……」
「ゆ~ん……、そうだね、おなかいっぱいごはんさんもたべたし、もうねようよ……」
二匹はあくびをしながら、草のベッドへと戻って行った。
……二匹が有効活用するのは、冬ごもりに適した環境だけではない。
もちろん、自分達に全てを奪われたゆっくりも有効活用の対象だ。
奴隷、非常食、うんうん処理係、すっきりーの相手……、用途は様々である。
そんな馬鹿が必死に冬ごもりの為に整えた環境を奪う事こそ、賢いやり方だと考えていた。
二匹は色々なゆっくり達の冬ごもりの準備の様子を調べていた。
……その中で一番冬ごもりの準備が整っていたのは、このありすだった。
だからこそ、二匹はありすの巣穴、食糧を奪い、自分の物にしたのだ。
自分がゆっくりする為に。
……それが、この二匹の『冬ごもり』だった。
「ゆへへ……、おまえはまだいかしておいてやるのぜぇ?」
「ゆふふ、よかったね!まりさがやさしくて!」
「ゆふわぁ……、なんだかねむくなってきたのぜ……」
「ゆ~ん……、そうだね、おなかいっぱいごはんさんもたべたし、もうねようよ……」
二匹はあくびをしながら、草のベッドへと戻って行った。
……二匹が有効活用するのは、冬ごもりに適した環境だけではない。
もちろん、自分達に全てを奪われたゆっくりも有効活用の対象だ。
奴隷、非常食、うんうん処理係、すっきりーの相手……、用途は様々である。
「……うっ……、うぅ……!!」
もはや満足に動けるだけの体力も無いのだろう。
嗚咽を漏らし、涙を流して震えている『道具』を見て、二匹はニタニタと笑いつつ眠りについた。
嗚咽を漏らし、涙を流して震えている『道具』を見て、二匹はニタニタと笑いつつ眠りについた。
……翌日。
吹雪の荒れ模様の天気から一転し、気温は低いものの雲一つ無い、快晴の日となっていた。
「わーいっ!ゆきだゆきだーっ!」
そんな天気の中、外で雪に囲まれ元気にはしゃぎ回っているゆっくりがいた。
……それは、まりさとれいむに散々馬鹿にされていた、あのちるのだった。
「ゆきもあたいもゆっくりね!」
ちるのは辺り一面の雪を見渡し、大喜びしていた。
……何故ちるのが快晴といえど、まだ雪が溶けきっていないというのに、外に出て遊んでいるのか。
しかも、何故全く寒がる様子すら見せていないのか。
それらの理由は、ちるのが冬ごもりについて全く知識が無かった事に関係している。
ちるのは冬ごもりに向けて急いで準備をしているゆっくり達を見て、何をしているのか分からなかった。
普通のゆっくりが見れば『あぁ、冬ごもりの準備だろうな』と直感で分かるのだが、ちるのはそうではなかった。
……それは、まりさとれいむに散々馬鹿にされていた、あのちるのだった。
「ゆきもあたいもゆっくりね!」
ちるのは辺り一面の雪を見渡し、大喜びしていた。
……何故ちるのが快晴といえど、まだ雪が溶けきっていないというのに、外に出て遊んでいるのか。
しかも、何故全く寒がる様子すら見せていないのか。
それらの理由は、ちるのが冬ごもりについて全く知識が無かった事に関係している。
ちるのは冬ごもりに向けて急いで準備をしているゆっくり達を見て、何をしているのか分からなかった。
普通のゆっくりが見れば『あぁ、冬ごもりの準備だろうな』と直感で分かるのだが、ちるのはそうではなかった。
何故なら、ちるのは今まで一度も冬ごもりをした経験が全く無かったからだった。
ちるの種の体の中身は他のゆっくり達とは違い餡子やクリームなどではなく、キーンと冷たいかき氷だった。
中身が中身なので、水、氷などに対して高い耐性を持っていて、多少の寒さは平気である。
そして、ちるの種は普通のゆっくりが食べるような虫や木の実の他に、冷たい氷や雪なども普通に美味しく食べる事が出来るのだ。
なので、冬場でも普通に外に出て活動出来るし、小腹が空いたらそこら辺の雪でも食べれば良い。
つまり、ちるのは冬ごもりの仕方が分からないというより、冬ごもりの概念が全く無かった。
だからこそ他のゆっくりにとっては当たり前の事でも、ちるのにしてみれば不思議な事だったのだ。
中身が中身なので、水、氷などに対して高い耐性を持っていて、多少の寒さは平気である。
そして、ちるの種は普通のゆっくりが食べるような虫や木の実の他に、冷たい氷や雪なども普通に美味しく食べる事が出来るのだ。
なので、冬場でも普通に外に出て活動出来るし、小腹が空いたらそこら辺の雪でも食べれば良い。
つまり、ちるのは冬ごもりの仕方が分からないというより、冬ごもりの概念が全く無かった。
だからこそ他のゆっくりにとっては当たり前の事でも、ちるのにしてみれば不思議な事だったのだ。
「ぺろり……、これはなかなかにいいゆきね!かたすぎず、やわらかすぎず……、あたいにやさしいつくりになっているわ!」
ちるのは近くの雪を一舐めすると、よく分からない鑑定を始めた。
「……うん!これならふゆもっこりをはじめられるわね!」
どうやら、その雪の具合はふゆもっこりとやらを始めるのに適しているようだ。
恐らく、ふゆもっこりとは冬ごもりの事を指しているのだろう。
「ふっふっふ!あたいのふゆもっこりのせんすがひかるわ!」
ちるのは近くの雪を一舐めすると、よく分からない鑑定を始めた。
「……うん!これならふゆもっこりをはじめられるわね!」
どうやら、その雪の具合はふゆもっこりとやらを始めるのに適しているようだ。
恐らく、ふゆもっこりとは冬ごもりの事を指しているのだろう。
「ふっふっふ!あたいのふゆもっこりのせんすがひかるわ!」
まぁ、すごいわねちるの。とってもゆっくりしたゆきだるまね。
……ちるのは思い返していた。
前の冬の季節、自分が作った雪だるまを褒めてくれた、たった一匹の友達の笑顔を。
「ゆきだるまよりもずっとすごい、ふゆもっこりをみせてあげなきゃ!」
……最初は、自分に意地悪をした二匹のゆっくりを見返そうと思っていたが、もうすぐ友達に会えるという嬉しさから、目的が入れ換わっていた。
それだけ、その友達の事が大好きで、喜ばせてあげたいと思っていたからだった。
前の冬の季節、自分が作った雪だるまを褒めてくれた、たった一匹の友達の笑顔を。
「ゆきだるまよりもずっとすごい、ふゆもっこりをみせてあげなきゃ!」
……最初は、自分に意地悪をした二匹のゆっくりを見返そうと思っていたが、もうすぐ友達に会えるという嬉しさから、目的が入れ換わっていた。
それだけ、その友達の事が大好きで、喜ばせてあげたいと思っていたからだった。
「まっててね、れてぃ!あたいもふゆもっこり、ちゃんとやってみせるからね!いっしょにふゆもっこりしようね!」
ちるのは笑顔で空を見上げつつ、冬ごもりをきちんとやり遂げる事と、友達との再会を願ったのだった。
……今日の天気は雲一つない、快晴の日。
……次に雪が降るのは、まだ先のようであった。
「ZZZ……。くろまく~……。ZZZ……」
続く
挿絵: