ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1671 うにゅほのカリスマ求道記
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注意書きです。
1.駄文です。
2.あなたの持っている虐待鬼威惨のイメージが崩壊する可能性があります。
3.ほぼ全てのゆっくりのイメージが崩壊する可能性があります。
4.虐待描写がほとんどありません。ストレスがマッハでヒャア!な感じであなたの健康を損なう可能性があります。
それでもOKという方のみどうぞ。
ある街のある一軒家に、一人の虐待鬼威惨と三匹の飼いゆっくりが住んでいました。
鬼威惨は平日は加工所で働き、休日は森や山へゆ虐をしに出かけ、
飼いゆっくり達は思い思いにゆっくりしながら鬼威惨の帰りを待っていました。
そんな何気ないながらも充実した日々に、鬼威惨も飼いゆっくり達も満足していました。
しかし、ある日の事。鬼威惨の飼いゆっくりの一匹であるゆっくりうつほがこう言いました。
「うにゅほ、『かりすま』がほしいよ!」
これは、目に見えない大切なものを求めるゆっくりうつほの物語です。
「うにゅほのカリスマ求道記」
作者:ぺけぽん
「うにゅほ、『かりすま』がほしいよ!」
うつほはそう言ったものの、実際の所、『かりすま』が一体どういったものなのか、さっぱり分かりませんでした。
とにかく欲しい。突然そう思ったのです。
うつほの突発的な思いつきはこれが初めてではなく、むしろ本能のようなものでした。
うつほはおつむが足りないおバカなゆっくりです。
しかし、様々なものに対する興味心や追求心はゆっくり一です。
知らない事はお兄さんに聞けば良い。
うつほは『かりすま』が何か、鬼威惨に聞いてみる事にしました。
「おにいさん!『かりすま』さんってなに?おしえて!」
うつほは鬼威惨に『かりすま』とは何か尋ねました。しかし鬼威惨は……。
「ヒャッハァァァァ!!!んな事は自分で考えなぁ!!!」
「ゆぎぃぃぃぃ!?」
只今ゆ虐の真っ最中でした。それに、鬼威惨はこういったタイプの質問に答えるのが大の苦手だったのです。
「ゆにゅう……」
取り付く島は無し。仕方無くうつほは、同じ飼いゆっくりの一匹であるおりんに聞く事にしました。
「ヒャッハァァァァ!!!次は針山地獄だぜぇ!!!」
「ゆっぐりできないぃぃぃぃ!!!!」
「おりん!『かりすま』ってなに?おしえて!」
うつほはおりんに『かりすま』とは何か尋ねました。しかしおりんは……。
「うーん……、ごめんね、おくう。なんのことだかさっぱりわからないよ!」
「うにゅう……」
自分より頭が良いおりんに知らないと言われ、うつほはへこんでしまいました。
「さとりさまならなにかしってるんじゃないかな?」
「うにゅ!そうだね!きいてみるよ!」
おりんにそう言われたうつほは、同じ飼いゆっくりの一匹であるさとりに聞く事にしました。
「さとりさま!『かりすま』ってなに?おしえて!」
うつほはさとりに『かりすま』とは何か尋ねました。しかしさとりは……。
「……ごめんなさい、おくう。わたしにもわからないわ」
「うにゅうぅぅ……」
自分よりさらに頭が良いさとりに知らないと言われ、うつほはさらにへこんでしまいました。
うつほは困りました。『かりすま』が何か聞く事が出来る相手が誰もいないのです。
うつほの物語はここで終わってしまうのでしょうか?……と思っていたその時です。
「だったら、おくうのほかのおともだちにきいてみたらどうかしら?」
さろりがうつほに助け舟を出してくれました。
うつほはすっかりその事を忘れていました。
うつほには近所の同じ飼いゆっくりの友達がたくさんいるのです。
うつほは3以上の数を数える事は出来ませんでしたが、たくさんいるという事ははっきりしていました。
その幅広いゆん脈は、うつほの人懐っこさと、天真爛漫な性格だからこそ可能だったのです。
分からない事は友達に聞こう。うつほはそう思いました。そうと決まれば即行動です。
「ありがとう、さとりさま!うつほ、これからでかけてくるよ!」
「くらくなるまえにかえってくるのよ」
さとりの注意を聞くのもそこそこに、うつほは大急ぎで鬼威惨の家を飛び出しました。
~Day 1~
うつほは東地区一丁目の紅井さんの家にやって来ました。
紅井さんはうつほを快く家に上がらせてくれました。
「れみりあ、ふらん!『かりすま』ってなに?おしえて!」
うつほは紅井さんの飼いゆっくりであるれみりあとふらんに『かりすま』とは何か尋ねました。すると二匹は……。
「ククク……。『かりすま』とはつねにゆうがでいることよ……」
「ウフフ……。そしてざんこくさもみにつけていなきゃだめだよ……」
そう言う二匹には、何か威圧的なオーラが漂っていました。
「れみりあ、ふらん、うつほちゃん、おやつだよ~」
紅井さんが三匹のためにおやつのプリンを持って来てくれました。
「え!?ぷりん!?」
「わーい、やったー!!」
さっきのオーラは何処へ行ってしまったのか。
れみりあとふらんはプリンを目の前にあっという間に『かりすまぶれいく』してしまいました。
「わーい、おいしー!」
「うー、あまあまー!」
「ゆにゅにゅー!」
三匹はニコニコ仲良くおやつのプリンを食べていました。
鬼威惨の家に帰ったうつほは、さっそく学んだ『かりすま』を実行してみる事にしました。
「うっにゅっにゅ……」
うつほは見る者を恐怖させるような笑みを浮かべ、邪悪なオーラを発しました。
……ですが。
「ヒャァァァァ!?どうしたうつほぉぉぉぉ!?」
「どうしたの、おくう……?」
「おりん、きっとおくうはなにかわるいものでもひろいぐいしたのよ」
家族を恐怖させるどころか、逆に心配させてしまいました。
「うにゅう……」
……これは『かりすま』じゃ無い。うつほはそう思いました。
~Day 2~
うつほは西地区一丁目の西園寺さんの家にやって来ました。
西園寺さんはうつほを快く家に上がらせてくれました。
「ゆゆこ!『かりすま』ってなに?おしえて!」
うつほは西園寺さんの飼いゆっくりであるゆゆこに『かりすま』とは何か尋ねました。するとゆゆこは……。
「こ~ぼね~」
ただ美味しそうにゆっくりフードをむしゃむしゃ食べているだけでした。
「ゆゆこ!たべてばかりじゃなくてうつほのはなしをきいてよ~!」
「こ~ぼね~」
それでもゆゆこは食べる事をやめません。
「こ~ぼね?」
ゆゆこは自分が食べているゆっくりフードをうつほも食べるよう勧めました。
「いいの?うにゅー!いただきまーす!」
さっきまでの不機嫌はどこへ行ってしまったのやら。
うつほはゆゆこと一緒にゆっくりフードをむしゃむしゃ食べ始めました。
「おいしー!」
「こ~ぼね~」
「ヒャッハァァァァ!お前ら、飯だぜぇ!」
鬼威惨が特製炒飯を晩御飯に出しました。
「うにゅー!」
「いただきまーす!」
「いただきます」
三匹は美味しい炒飯を残さず平らげました。
「うにゅ~」
お腹一杯のうつほはとてもご機嫌です。
何か大切な事を忘れているような気がしましたが、今日は美味しいものを沢山食べる事ができたので、あまり気にしない事にしました。
……結局、うつほは数時間後に『かりすま』探しの事を思い出したのでした。
~Day 3~
うつほは北地区一丁目の山田さんの家にやって来ました。
山田さんはうつほを快く家に上がらせてくれました。
「えーき!『かりすま』ってなに?おしえて!」
うつほは山田さんの飼いゆっくりであるえーきに『かりすま』とは何か尋ねました。するとえーきは……。
「『かりすま』とはなんでもしろくろはっきりつけられることだぞ!」
えーきは自信満々にそう答えました。
「えーき、うつほちゃん、カフェオレをどうぞ」
山田さんが二匹のためにカフェオレ(ストロー付き)を持ってきてくれました。
「うにゅ~、あま~い」
うつほはココアを美味しく飲んでいましたが、えーきの方に目をやると、何だかえーきの様子がおかしい事に気付きました。
「うにゅ?えーき?」
「う……、し、しろ……?いや、くろ……?……し、しろくろつけられ……な、い……」
えーきはカフェオレを目の前にして、目をグルグル回しながら気絶してしまいました。
幸い、うつほの悲鳴を聞いた山田さんがすぐにえーきにオレンジジュースをかけたので大事にはなりませんでした。
「ヒャッハァァァァ!お前ら、帰ったぜぇ!」
鬼威惨が仕事先である加工所から帰って来ました。
「うにゅにゅー!」
「おにいさんおかえりー!」
「おかえりなさい」
三匹はお兄さんを玄関先で出迎えました。
「う、うにゅ……!?」
うつほはお兄さんの姿を見て、だんだん気分が悪くなってきました。
そして、うつほは目を回して気絶してしまいました。
「ヒャアァァァァ!?どうしたうつほぉ!?」
「おくう、しっかりー!」
「しっかりしなさい、おくう!」
……その時お兄さんが今着ている服は、加工所支給品である、灰色の作業服でした。
~Day 4~
うつほは南地区一丁目の八坂さんの家にやって来ました。
八坂さんはうつほを快く家に上がらせてくれました。
「かなこ!『かりすま』ってなに?おしえて!」
うつほは八坂さんの飼いゆっくりであるかなこに『かりすま』とは何か尋ねました。するとかなこは……。
「そりゃあやっぱり、いついかなるときもどっしりとかまえていることが『かりすま』だろうねぇ」
かなこは貫録たっぷりにそう言いました。
「あーうー!」
「こっちですよ、すわこさま!」
庭では八坂さんの他の飼いゆっくりであるすわことさなえが楽しく遊んでいました。
「うにゅー」
その光景を見て、楽しそうだなとうつほは思いました。そして何気なく横にいるかなこの方を見てみると……。
「あぁ、すわこはやっぱりかわいいなぁ……」
そこには貫録もへったくれも無い、だらしなく顔を伸ばしているかなこがいました。
「あぁかわいいかわいいすわこかわいいよすわこちゅっちゅしたいでもきらわれるかもでもあああぁやっぱりすわこはかわいいなぁ!」
「……うにゅ」
そんな危ないかなこを見て、うつほは良く分かりませんが、後ずさりしていました。
鬼威惨の家に帰ったうつほは、さっそく学んだ『かりすま』を実行してみる事に……。
「うにゅ……」
……出来ませんでした。
あの道に踏み込んでしまったら、もう戻れない。
うつほはそんな恐怖を感じていました。
「うつほー、ごはんだよー」
向こうでおりんが呼んでいます。
「う、うにゅー」
……今日見た事は全て忘れよう。忘れるのは得意だ。うつほはそう心に決めました。
「『かりすま』はぱわーなんだぜ!」
「ちんちん!ちんちん!」
「みなさい、このわきを!『かりすま』があふれでているでしょう!?」
「もっといっしょにあつくなるお!」
「びっぐまらぺにっす!!」
「……めどい」
「さあ!『かりすま』あふれるしょうじょしゅうをかぎなさい!」
「ゲラゲラゲラゲラ!」
うつほは様々な友ゆんに『かりすま』とは何か尋ねました。
しかし、その答えにうつほが納得するようなものはありませんでした。
「うにゅぅ……」
うつほは窓の外をただ眺めていました。
「あら、おくう。きょうはともだちのいえにいかないの?」
「……さとりさま」
普段とは違い、ボーっとしているうつほの姿を心配したさとりが、様子を見に来ました。
「……ねぇ、さとりさま」
「なぁに?おくう」
「……うにゅほじゃ、『かりすま』はみつけられないのかな……?」
「……そんなことはないわよ」
探しても、探しても、見つける事が出来ない。
「……うにゅほが、ばかだからかな……?」
「あなたはおばかじゃないわよ」
自分が馬鹿だから。何も分かっていないから、見つけられない。
「……なんで、うにゅほには、『かりすま』がないの……?」
「……」
皆はちゃんと『かりすま』というものを持っているのに。
「……うにゅほが……。……だめなこだか」
「あなたはだめなこなんかじゃない」
さとりの言葉が、うつほの言葉を遮りました。
いつもの静かな声とは正反対の、力強い声で。
「……おくう、いえ、うつほ。あなたは、だめなこなんかじゃないわ」
「……」
「……いい?うつほ。あなたもね、ちゃんと、『かりすま』をもってるのよ」
「……!?」
「うそなんかじゃないわ。……そうね、だったらすこししつもんするわね」
「うにゅう……」
「あなた、いろんなともだちが『かりすま』をもっているっていってたのよね?」
「うにゅ……」
「そして、その『かりすま』がどんなものか、あなたにおしえたのよね?」
「……うにゅう」
「それがこたえよ」
「うにゅ!?」
「『かりすま』なんてことばは、ただのかざりなの。たいせつなのは……、じぶんが、しんじつづけているものよ」
「……?」
「うつほ。あなたはすこしおばかで、かんがえがあさくて、いつもわたしたちをはらはらさせてばかりだわ」
「う、うにゅう……」
「けれども、そんなことはきにしなくてもいいの」
「……?」
「そんなもの、あなたの『かりすま』とくらべたら、ほんとうにちっぽけなものだもの」
「……うにゅほの……、『かりすま』……」
「ええ。あなたは、とてもじゅんすいで、うらおもてのないこころのもちぬしよ」
それは、自分が『さとり』であるからこそ、言える言葉でした。
「……うにゅほが……?」
自分の本当の良さに。このおバカなゆっくりは気付いていません。
「わすれないでちょうだい。そのやさしいきもちだけは……」
「……」
「かわらないでちょうだい。そのじゅんすいなこころだけは……」
「……」
「うつほ。それが、だれももっていない、あなただけの、『かりすま』だから……」
「ヒャッハァァァァ!お前ら、行ってくるぜぇ!」
……結局。うつほは、『かりすま』というものを見つける事ができませんでした。
「おにいさんいってらっしゃーい!」
……ですが、うつほは悲しんではいませんでした。
「いってらっしゃい」
何故なら。うつほは最初から持っていたからです。
「うにゅー!」
自分だけの。たった一つの。誰にも真似できない。
誇らしい『カリスマ』というものを。
END
あとがき
反省点です。
1.これ、虐待鬼威惨じゃなくて、ただの騒がしいお兄さんだよねぇ……?
2.おりんはいらない子なんかじゃありません。私の実力不足です。
3.確実に途中でヒャア!ってなった人がいると思うんですよ。
結論
やっぱりどうしてもゆ虐を表現するっているのが難しいです。
確実に愛でになってしまいます。
初投稿の際の、皆さんの数多くのコメント、とても感謝しております。
本当はもっと書きたいのですが、来週とさ来週にテストが入るので、勉強しなければいけません。
恐らく、次はきめぇ丸ともみじがメインのSSを載せると思いますので。
ご感想、お待ちしています。
1.駄文です。
2.あなたの持っている虐待鬼威惨のイメージが崩壊する可能性があります。
3.ほぼ全てのゆっくりのイメージが崩壊する可能性があります。
4.虐待描写がほとんどありません。ストレスがマッハでヒャア!な感じであなたの健康を損なう可能性があります。
それでもOKという方のみどうぞ。
ある街のある一軒家に、一人の虐待鬼威惨と三匹の飼いゆっくりが住んでいました。
鬼威惨は平日は加工所で働き、休日は森や山へゆ虐をしに出かけ、
飼いゆっくり達は思い思いにゆっくりしながら鬼威惨の帰りを待っていました。
そんな何気ないながらも充実した日々に、鬼威惨も飼いゆっくり達も満足していました。
しかし、ある日の事。鬼威惨の飼いゆっくりの一匹であるゆっくりうつほがこう言いました。
「うにゅほ、『かりすま』がほしいよ!」
これは、目に見えない大切なものを求めるゆっくりうつほの物語です。
「うにゅほのカリスマ求道記」
作者:ぺけぽん
「うにゅほ、『かりすま』がほしいよ!」
うつほはそう言ったものの、実際の所、『かりすま』が一体どういったものなのか、さっぱり分かりませんでした。
とにかく欲しい。突然そう思ったのです。
うつほの突発的な思いつきはこれが初めてではなく、むしろ本能のようなものでした。
うつほはおつむが足りないおバカなゆっくりです。
しかし、様々なものに対する興味心や追求心はゆっくり一です。
知らない事はお兄さんに聞けば良い。
うつほは『かりすま』が何か、鬼威惨に聞いてみる事にしました。
「おにいさん!『かりすま』さんってなに?おしえて!」
うつほは鬼威惨に『かりすま』とは何か尋ねました。しかし鬼威惨は……。
「ヒャッハァァァァ!!!んな事は自分で考えなぁ!!!」
「ゆぎぃぃぃぃ!?」
只今ゆ虐の真っ最中でした。それに、鬼威惨はこういったタイプの質問に答えるのが大の苦手だったのです。
「ゆにゅう……」
取り付く島は無し。仕方無くうつほは、同じ飼いゆっくりの一匹であるおりんに聞く事にしました。
「ヒャッハァァァァ!!!次は針山地獄だぜぇ!!!」
「ゆっぐりできないぃぃぃぃ!!!!」
「おりん!『かりすま』ってなに?おしえて!」
うつほはおりんに『かりすま』とは何か尋ねました。しかしおりんは……。
「うーん……、ごめんね、おくう。なんのことだかさっぱりわからないよ!」
「うにゅう……」
自分より頭が良いおりんに知らないと言われ、うつほはへこんでしまいました。
「さとりさまならなにかしってるんじゃないかな?」
「うにゅ!そうだね!きいてみるよ!」
おりんにそう言われたうつほは、同じ飼いゆっくりの一匹であるさとりに聞く事にしました。
「さとりさま!『かりすま』ってなに?おしえて!」
うつほはさとりに『かりすま』とは何か尋ねました。しかしさとりは……。
「……ごめんなさい、おくう。わたしにもわからないわ」
「うにゅうぅぅ……」
自分よりさらに頭が良いさとりに知らないと言われ、うつほはさらにへこんでしまいました。
うつほは困りました。『かりすま』が何か聞く事が出来る相手が誰もいないのです。
うつほの物語はここで終わってしまうのでしょうか?……と思っていたその時です。
「だったら、おくうのほかのおともだちにきいてみたらどうかしら?」
さろりがうつほに助け舟を出してくれました。
うつほはすっかりその事を忘れていました。
うつほには近所の同じ飼いゆっくりの友達がたくさんいるのです。
うつほは3以上の数を数える事は出来ませんでしたが、たくさんいるという事ははっきりしていました。
その幅広いゆん脈は、うつほの人懐っこさと、天真爛漫な性格だからこそ可能だったのです。
分からない事は友達に聞こう。うつほはそう思いました。そうと決まれば即行動です。
「ありがとう、さとりさま!うつほ、これからでかけてくるよ!」
「くらくなるまえにかえってくるのよ」
さとりの注意を聞くのもそこそこに、うつほは大急ぎで鬼威惨の家を飛び出しました。
~Day 1~
うつほは東地区一丁目の紅井さんの家にやって来ました。
紅井さんはうつほを快く家に上がらせてくれました。
「れみりあ、ふらん!『かりすま』ってなに?おしえて!」
うつほは紅井さんの飼いゆっくりであるれみりあとふらんに『かりすま』とは何か尋ねました。すると二匹は……。
「ククク……。『かりすま』とはつねにゆうがでいることよ……」
「ウフフ……。そしてざんこくさもみにつけていなきゃだめだよ……」
そう言う二匹には、何か威圧的なオーラが漂っていました。
「れみりあ、ふらん、うつほちゃん、おやつだよ~」
紅井さんが三匹のためにおやつのプリンを持って来てくれました。
「え!?ぷりん!?」
「わーい、やったー!!」
さっきのオーラは何処へ行ってしまったのか。
れみりあとふらんはプリンを目の前にあっという間に『かりすまぶれいく』してしまいました。
「わーい、おいしー!」
「うー、あまあまー!」
「ゆにゅにゅー!」
三匹はニコニコ仲良くおやつのプリンを食べていました。
鬼威惨の家に帰ったうつほは、さっそく学んだ『かりすま』を実行してみる事にしました。
「うっにゅっにゅ……」
うつほは見る者を恐怖させるような笑みを浮かべ、邪悪なオーラを発しました。
……ですが。
「ヒャァァァァ!?どうしたうつほぉぉぉぉ!?」
「どうしたの、おくう……?」
「おりん、きっとおくうはなにかわるいものでもひろいぐいしたのよ」
家族を恐怖させるどころか、逆に心配させてしまいました。
「うにゅう……」
……これは『かりすま』じゃ無い。うつほはそう思いました。
~Day 2~
うつほは西地区一丁目の西園寺さんの家にやって来ました。
西園寺さんはうつほを快く家に上がらせてくれました。
「ゆゆこ!『かりすま』ってなに?おしえて!」
うつほは西園寺さんの飼いゆっくりであるゆゆこに『かりすま』とは何か尋ねました。するとゆゆこは……。
「こ~ぼね~」
ただ美味しそうにゆっくりフードをむしゃむしゃ食べているだけでした。
「ゆゆこ!たべてばかりじゃなくてうつほのはなしをきいてよ~!」
「こ~ぼね~」
それでもゆゆこは食べる事をやめません。
「こ~ぼね?」
ゆゆこは自分が食べているゆっくりフードをうつほも食べるよう勧めました。
「いいの?うにゅー!いただきまーす!」
さっきまでの不機嫌はどこへ行ってしまったのやら。
うつほはゆゆこと一緒にゆっくりフードをむしゃむしゃ食べ始めました。
「おいしー!」
「こ~ぼね~」
「ヒャッハァァァァ!お前ら、飯だぜぇ!」
鬼威惨が特製炒飯を晩御飯に出しました。
「うにゅー!」
「いただきまーす!」
「いただきます」
三匹は美味しい炒飯を残さず平らげました。
「うにゅ~」
お腹一杯のうつほはとてもご機嫌です。
何か大切な事を忘れているような気がしましたが、今日は美味しいものを沢山食べる事ができたので、あまり気にしない事にしました。
……結局、うつほは数時間後に『かりすま』探しの事を思い出したのでした。
~Day 3~
うつほは北地区一丁目の山田さんの家にやって来ました。
山田さんはうつほを快く家に上がらせてくれました。
「えーき!『かりすま』ってなに?おしえて!」
うつほは山田さんの飼いゆっくりであるえーきに『かりすま』とは何か尋ねました。するとえーきは……。
「『かりすま』とはなんでもしろくろはっきりつけられることだぞ!」
えーきは自信満々にそう答えました。
「えーき、うつほちゃん、カフェオレをどうぞ」
山田さんが二匹のためにカフェオレ(ストロー付き)を持ってきてくれました。
「うにゅ~、あま~い」
うつほはココアを美味しく飲んでいましたが、えーきの方に目をやると、何だかえーきの様子がおかしい事に気付きました。
「うにゅ?えーき?」
「う……、し、しろ……?いや、くろ……?……し、しろくろつけられ……な、い……」
えーきはカフェオレを目の前にして、目をグルグル回しながら気絶してしまいました。
幸い、うつほの悲鳴を聞いた山田さんがすぐにえーきにオレンジジュースをかけたので大事にはなりませんでした。
「ヒャッハァァァァ!お前ら、帰ったぜぇ!」
鬼威惨が仕事先である加工所から帰って来ました。
「うにゅにゅー!」
「おにいさんおかえりー!」
「おかえりなさい」
三匹はお兄さんを玄関先で出迎えました。
「う、うにゅ……!?」
うつほはお兄さんの姿を見て、だんだん気分が悪くなってきました。
そして、うつほは目を回して気絶してしまいました。
「ヒャアァァァァ!?どうしたうつほぉ!?」
「おくう、しっかりー!」
「しっかりしなさい、おくう!」
……その時お兄さんが今着ている服は、加工所支給品である、灰色の作業服でした。
~Day 4~
うつほは南地区一丁目の八坂さんの家にやって来ました。
八坂さんはうつほを快く家に上がらせてくれました。
「かなこ!『かりすま』ってなに?おしえて!」
うつほは八坂さんの飼いゆっくりであるかなこに『かりすま』とは何か尋ねました。するとかなこは……。
「そりゃあやっぱり、いついかなるときもどっしりとかまえていることが『かりすま』だろうねぇ」
かなこは貫録たっぷりにそう言いました。
「あーうー!」
「こっちですよ、すわこさま!」
庭では八坂さんの他の飼いゆっくりであるすわことさなえが楽しく遊んでいました。
「うにゅー」
その光景を見て、楽しそうだなとうつほは思いました。そして何気なく横にいるかなこの方を見てみると……。
「あぁ、すわこはやっぱりかわいいなぁ……」
そこには貫録もへったくれも無い、だらしなく顔を伸ばしているかなこがいました。
「あぁかわいいかわいいすわこかわいいよすわこちゅっちゅしたいでもきらわれるかもでもあああぁやっぱりすわこはかわいいなぁ!」
「……うにゅ」
そんな危ないかなこを見て、うつほは良く分かりませんが、後ずさりしていました。
鬼威惨の家に帰ったうつほは、さっそく学んだ『かりすま』を実行してみる事に……。
「うにゅ……」
……出来ませんでした。
あの道に踏み込んでしまったら、もう戻れない。
うつほはそんな恐怖を感じていました。
「うつほー、ごはんだよー」
向こうでおりんが呼んでいます。
「う、うにゅー」
……今日見た事は全て忘れよう。忘れるのは得意だ。うつほはそう心に決めました。
「『かりすま』はぱわーなんだぜ!」
「ちんちん!ちんちん!」
「みなさい、このわきを!『かりすま』があふれでているでしょう!?」
「もっといっしょにあつくなるお!」
「びっぐまらぺにっす!!」
「……めどい」
「さあ!『かりすま』あふれるしょうじょしゅうをかぎなさい!」
「ゲラゲラゲラゲラ!」
うつほは様々な友ゆんに『かりすま』とは何か尋ねました。
しかし、その答えにうつほが納得するようなものはありませんでした。
「うにゅぅ……」
うつほは窓の外をただ眺めていました。
「あら、おくう。きょうはともだちのいえにいかないの?」
「……さとりさま」
普段とは違い、ボーっとしているうつほの姿を心配したさとりが、様子を見に来ました。
「……ねぇ、さとりさま」
「なぁに?おくう」
「……うにゅほじゃ、『かりすま』はみつけられないのかな……?」
「……そんなことはないわよ」
探しても、探しても、見つける事が出来ない。
「……うにゅほが、ばかだからかな……?」
「あなたはおばかじゃないわよ」
自分が馬鹿だから。何も分かっていないから、見つけられない。
「……なんで、うにゅほには、『かりすま』がないの……?」
「……」
皆はちゃんと『かりすま』というものを持っているのに。
「……うにゅほが……。……だめなこだか」
「あなたはだめなこなんかじゃない」
さとりの言葉が、うつほの言葉を遮りました。
いつもの静かな声とは正反対の、力強い声で。
「……おくう、いえ、うつほ。あなたは、だめなこなんかじゃないわ」
「……」
「……いい?うつほ。あなたもね、ちゃんと、『かりすま』をもってるのよ」
「……!?」
「うそなんかじゃないわ。……そうね、だったらすこししつもんするわね」
「うにゅう……」
「あなた、いろんなともだちが『かりすま』をもっているっていってたのよね?」
「うにゅ……」
「そして、その『かりすま』がどんなものか、あなたにおしえたのよね?」
「……うにゅう」
「それがこたえよ」
「うにゅ!?」
「『かりすま』なんてことばは、ただのかざりなの。たいせつなのは……、じぶんが、しんじつづけているものよ」
「……?」
「うつほ。あなたはすこしおばかで、かんがえがあさくて、いつもわたしたちをはらはらさせてばかりだわ」
「う、うにゅう……」
「けれども、そんなことはきにしなくてもいいの」
「……?」
「そんなもの、あなたの『かりすま』とくらべたら、ほんとうにちっぽけなものだもの」
「……うにゅほの……、『かりすま』……」
「ええ。あなたは、とてもじゅんすいで、うらおもてのないこころのもちぬしよ」
それは、自分が『さとり』であるからこそ、言える言葉でした。
「……うにゅほが……?」
自分の本当の良さに。このおバカなゆっくりは気付いていません。
「わすれないでちょうだい。そのやさしいきもちだけは……」
「……」
「かわらないでちょうだい。そのじゅんすいなこころだけは……」
「……」
「うつほ。それが、だれももっていない、あなただけの、『かりすま』だから……」
「ヒャッハァァァァ!お前ら、行ってくるぜぇ!」
……結局。うつほは、『かりすま』というものを見つける事ができませんでした。
「おにいさんいってらっしゃーい!」
……ですが、うつほは悲しんではいませんでした。
「いってらっしゃい」
何故なら。うつほは最初から持っていたからです。
「うにゅー!」
自分だけの。たった一つの。誰にも真似できない。
誇らしい『カリスマ』というものを。
END
あとがき
反省点です。
1.これ、虐待鬼威惨じゃなくて、ただの騒がしいお兄さんだよねぇ……?
2.おりんはいらない子なんかじゃありません。私の実力不足です。
3.確実に途中でヒャア!ってなった人がいると思うんですよ。
結論
やっぱりどうしてもゆ虐を表現するっているのが難しいです。
確実に愛でになってしまいます。
初投稿の際の、皆さんの数多くのコメント、とても感謝しております。
本当はもっと書きたいのですが、来週とさ来週にテストが入るので、勉強しなければいけません。
恐らく、次はきめぇ丸ともみじがメインのSSを載せると思いますので。
ご感想、お待ちしています。