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  • ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
  • anko4481 ゆっくりでポケモン

ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー

anko4481 ゆっくりでポケモン

最終更新:2012年12月23日 06:55

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管理者のみ編集可
『ゆっくりでポケモン』 70KB
ギャグ パロディ 帝都あき

ゆっくりでポケモン


※ご注意を


  • 初代ポケモンをやったことがないと意味が分かりません
  • ストーリーを改変しています
  • 作者はギャグのつもりで書いていますが、不快に思われるかもしれません
  • 希少種優遇表現があります







「は?」


目が覚めると真っ白だった。
いや本当に目が覚めたのかすら分からない。
白に埋め尽くされている。上も下も右も左も奥行きが分からないほど白い世界。


「なんだよ……ここ」


自宅で寝て、目が覚めたらここにいた。
一体何が起こったというのか、ここは何処で、なぜこんなところにいるのか、今が何時なのかすらわからない。
思わず叫びだしそうになった時、鬼意惨の目の前にグニャグニャと不定形の物体が蠢き、それが人型を作っていく。
数秒後――――そこには本を持ち白衣を着た男性が立っていた。


「嘘だろ……?」


鬼意惨はその人物を知っている。
しかし彼がいるはずはないのだ。
なぜなら彼はゲームの登場人物なのだから。


「はじめまして!ポケット饅頭の世界へようこそ!」

「やっぱりアンタは…………」

「私の名前は大木戸!みんなからはゆっくり博士としたわれておるよ」

「オー○ド博士………!」


予想通りの言葉が鬼意惨の耳に入ってきた。
有り得ないと、頭は否定するが目は現実を押し付けてくる。
頭を抱えたくなるような混乱を――――――


「ゆっくりの研究をしながら生活保護を受けておるよ!」

「いや働けよ」


思わずツッコミを入れてしまった。
堂々と自身が無職であることを話されても困る。
そしてなによりなぜそんなに誇らしげなのか。


「さてそれでは君の名前を教えてくれるかな?」

「え、ああ、としあきッス」

「“としあきき”か、いい名前じゃ」

「チェンジで」


――――としあきき少年。
小学生時代はその名前の発音のし難さのせいで、皆から苗字で呼ばれ微妙な疎外感を感じていた。
その悔しさとやるせない怒りの矛先がゆっくりへと向いた時、
彼と隣に住む大木戸さんとの間に本来ありえるはずのなかった友情が産声をあげる。
そして始まる老人と少年の感動のストーリー。


「いや、無理があるだろ」

「さて、この世界にはゆっくりという生き物が元気良く暮らしておる。
 番となり、子供を産み、やがて群れとなり、ゆん生を謳歌しておる」

「へぇ、共存してんのな」


なんだかんだで、無自覚にゲーム世界を受け入れている鬼意惨。
どんなことがあっても、とりあえず“ゆっくり”という言葉を聞けば安心できるのは長所なのかどうか。
そんな鬼意惨の心境の変化にかまわず、大木戸さんは続ける。


「今やこの世界の何処でもゆっくりの姿を見ることが出来る程度には、彼等は数を増やしているのじゃ!」

「さすがポ○モン世界」

「腹立つよねー、ゆっくりの癖にねー」

「おっさんキャラ!キャラ!」

「それではさっそく!ゆめとぼうけんとゆっくりのせかいへれっつ&ごー!」

「うぉ!!」


もう話すことは無いとでも言うように、唐突にゲーム開始を宣言される。
空間が急に色と明かりを失い、目の前が真っ暗になる。


「ん……」


そして再び目を覚ました時には、鬼意惨はベットで横になっていた。
上半身を起こして見回せば、少し旧型のパソコンと勉強机が目に入った。


「はは、主人公の部屋ってやつか」


服装もまさにそれと言った感じで、おなじみの帽子も既に被っている。
部屋を出て、階段を降りて行くと一回の台所からいい臭いが漂ってくる。
そしてコトコトと煮込まれる音。


「なるほど、胴付しんきねぇ」

「ふ~ん~ん~んら~」


鼻歌を歌いながら料理をしているこの世界での母親に、ゆっくりと近づいて行く鬼意惨。
なんと呼ぶべきか一瞬悩んだ後、そっと声をかける。


「えーっと、かあさん?」

「おーっす!みらいのチャンピオ――――」

「台詞間違ってますよぉおおおおおおおおおおお!!!」


バグなのかどうかなのか。
息子に対しまだ見ぬ遠いジムでの戦闘のアドバイスを繰り返す、不気味なNPCと化した母親。
まな板には歴代のジム認定トレーナーの名前でも刻んであるというのか。
振り返るしんきの手には包丁が握られているため、かなりホラーだ。


「え、どうすんのこれ!放っといていいの!?コレを!?」

「あらとしあききちゃん!おはよう」

「あ、はい」


唐突に笑顔で母親らしく振舞いだすしんきに、思わず素で返事をしてしまった鬼意惨。
すると少し言いづらそうにしながら、しんきが口を開く。


「あ、あのね?お隣の大木戸さんがとしあききちゃんを呼んでたんだけど……あの、その、あの人お仕事して無いでしょ?だから、その……」

「ジジィ評価低っ!」


しんき母の言葉を分かりやすくするなら『アイツとは縁を切れ』だ。
母親としては当然の心配ではあるが、それではゲーム――今は現実だが――が進まない。
適当に気をつけると返事をし、家を出て行く。
外には想像通りの街の風景が広がっていた。
――――――すなわち、家が三軒。


「街じゃねぇよなぁ」


これで○○タウンを名乗るのはいかがかと思うが、ここはマサラタウン。
ストーリーの始まりの街であり、初パートナーとの出会いもここだ。


「としあききよ!」

「うぉぅほっ!」


いきなり至近距離から声をかけられ鬼意惨は飛びあがって驚く。
玄関の真横でずっと張っていたらしい。
粘着質でアクティブな変人ほど嫌なものは無い。


「これから世界一の鬼意惨を目指して旅立つ君に、パートナーを用意した!ぜひ受け取って欲しい」

「おお、結構楽しみだわ」


本家では御三家などと呼ばれている三匹は、初回プレイ時なら誰しもがエンディングまで共に旅をしたのではないだろうか。
そして彼等はゲーム内に一匹しか存在しない。つまり希少種である。
となればこちらの世界でも当然―――――


「れいむ、まりさ、ありすの三匹じゃ!」

「マザッファ○○ー!」


まさかの通常種。
だが良く考えてみれば生活保護を受けている人間に希少種を用意できるはずはない。
本来なら博士の孫であり主人公のライバルとなるはずの少年がいないのは、
子供向けとは思えないリアルな家庭事情があるのかもしれない。


「まぁ、でもパートナー補正とかで強いかもしれないし」

「いいかとしあきき!鬼意惨同士では手持ちのゆっくりを戦わせることで、ゆ虐テクニックの優劣を決めるのじゃ」

「ふむふむ」

「自分のゆっくりが勝つ!ということはじゃ、そのゆっくりは相手のゆっくりの攻撃などへでもない虐待をされてきたということじゃ!」

「なるほどね」


そんな話をしているうちに、大木戸さんの家に着いた。
生活保護を受け取っているわりになかなかいい家に住んでいる。


「うーんどうしよう、無難にれいむかな?」

「さぁ、そこの透明な箱の中に入って――――――――みんな死んでおる……」

「ぱぁぁとなぁぁぁぁぁぁっ!!!」


箱というより檻、そしてそのまま棺桶となったケースの中では、苦悶の表情のゆっくりの死体が収められている。
確かにコレを持ち歩くならば、誰が見ても鬼意惨だと分かるだろう。それもかなり高レベルの。
というよりなんなんだこれは、まだ序盤も序盤なのに詰んだじゃないか。


「――――なるほど、睨んだだけでゆっくりを殺してしまうとは、さすがわしの見込んだ男じゃ」

「俺のせいかよ!」

「今君が無意識に使ったのが“にらみつける”じゃ。本来なら相手の防御力を下げるわざなのじゃが、やはり君は才能がある!」

「ありえねぇよっ!」


まるで神の子でも見るかのような目で、鬼意惨を賞賛する大木戸さん。
にらみつけるが鬼意惨に使えるというのなら、まずは目の前の老人に使用したい。
刺激しないほうがいいタイプの人間だというのは明らかだ。


「くっくっく、他人が用意したゆっくりなどでは満足できないというわけじゃな…………素晴らしいっ!」

「出来ますから一匹ください」

「変わりにこの透明な箱をやろう!」


そういって差し出してきたのは、なんて事のない飼育ケース。
カバンに入る大きさだが、これでは成体一匹くらいしか収納出来ない。


「このケースはゆっくりの思い込みの力的なものを利用し、なんと六体まで中に保存できる優れものじゃ!」

「おおーすげー、メイドイン加工所ってヤツか」

「ただし、限界の六体目一杯入れると最初に入れた四体くらいが潰れて死ぬので注意が必要じゃ!」

「無理矢理詰めてるだけじゃねぇかっ!」


透明なただの箱。
ゆっくりのというよりは鬼意惨の思い込みの力によって、狭すぎる棺桶に押し込まれていくゆっくり達。
仲間を増やしているのに増えない、ところてんのようにこの世から押し出されていくゆっくり。


「さて、としあききよ。これで全ての準備が整った。今から君は真の鬼意惨として旅立つ。
 ――――思えば君と出会った数年前のあの日、君の目に捕食種の輝きを見てからというもの」

「あ、そういうのいいんで」


トリップ中の大木戸さんを置き去りにして、鬼意惨は家を出て行く。
初パートナーどころか“きずぐすり”一個すらもらえなかった。
手に入れたのは邪魔すぎるプラスチックケースのみ。


「はぁ…………」


とりあえず、ポケ○ン世界なので手持ちのゆっくりがいないとお話にならない。
頭をかきながら草むらへと歩いていく鬼意惨。
序盤の草むらでは当然通常種、それもせいぜいれいむとまりさが出てくるくらいだろう。
まぁそれでもいい、いきなりゲーム世界に飛ばされはしたが、鬼意惨は鬼意惨なのだ。
虐待の手段は問わず、精神的にも肉体的にも痛めつけるのが大好きだ。
とりあえず最初に出てきたゆっくりをゲスでもいいから捕まえて、適度にボコボコにしてやれば言うことを聞くだろう。
ニヤリと鬼意惨特有の暗い笑みを浮かべながらガサガサと草むらをかき分けて行くと――――――――――


「おっ、出てきた出てきた!」

『あ!やせいの“むしのいき”がとびだしてきた!』

「ゆっ、ゆっ、ゆっ!ま、まりざ……もっどゆっぐりじだが……たっ!」

「えええええええええええええええええええええええ!?」


ヒクヒクと痙攣を繰り返しながら転がり出てきたのは、死に掛けのまりさ。
文字通り虫の息で、あるはずのHPバーが見えない。


「ゆげぇぇぇぇっ…………!」

「お、おーい!ちょっと」


そのまままりさは大量の餡子を吐き出した。。
この世界においても野生、野良はゆっくり出来ないというのか。
なんだかちょっぴり切なくなった鬼意惨がまりさをまたいで進もうとする。


「ま、っで…………まりざをだずげで、ぐだざぃ……」

「あー生きてんのか」

「たずげ……くだざいぃ……!」

「んー」


同情等の感情は全く無いが、このまま手ぶらで次の街に行くというのもつまらない。
それに命を救ってやったなら、このまりさは従順な手駒になるかもしれない。
せっかくこのポケモ○世界に来たのだ、鬼意惨もバトルをやってみたいという気持ちは少なからずある。


「おっけ、ここはいってろ」

「ゆっ、あ……」


まりさをケースに乱暴に押し込め、先を急ぐ。するとすぐに次の街が見えてきた。
看板にはトキワシティの文字。
本家では初めて来た時点ではジムに入ることが出来ず、終盤に明かされるジムリーダーと死闘を繰り広げる重要な街だ。
ともかく今はこの瀕死のまりさを回復してやらなければいけない。


「お、アレか。ゆっくりセンター」

「ゆ、ゆっ、がぁ…………たずげで……」


ゆっくりセンターと書かれた建物内へと鬼意惨が入っていく。
広々とした内部は明るく、清潔感に溢れている。
イスやテーブルが用意され、笑顔のモヒカン達が談笑しながら紅茶を楽しんでいる。
微笑む筋肉たちは一本の道を作っており、その奥には看護婦らしき白衣の影。


「いやいやなんだこれなんだこれ」


誰が信じることができるだろうか、ここが病院だと。
そしてなんだか良く分からない機械の隣に立っている胴付えーりん。


「こんにちは!ゆっくりのお持込ですか?」

「ええ、こいつなんすけど」

「はい、お任せください」

「ゆ……あ……、びょういん……」


まりさを取り出して、えーりんに渡す鬼意惨。
えーりんは笑顔でまりさを受け取り、機械のボタンを押していく。
すると横の大げさな機材が開いた。


「にんげんざん……ありがと……!まりざ、きっどやぐにだつのぜ……!」

「ん、おお。ま、頑張ってくれ」

「それではこちらに」


まりさを機械の中に入れ、えーりんが機材の蓋を閉める。
そして再びボタンを押していく。
それにしても、このまりさにはたいして期待していなかったが意外と役に立つかもしれない。
いざ助けられるときに増長せずに、感謝の言葉を述べてくるあたりそれなりに善良らしい。
もしかしたらこのまりさとは長い付き合いになるかもしれない、ニックネームを考えてやっても――――――。


「お待たせいたしました!お預かりしたゆっくりは全て焼却処分しましたよ!」

「えええええええええええっ!?」

「ありがとうございました!」

「まりさあああああああああ!!!!」


にこやかにまりさの死を告げるえーりん。
どうもえーりんの横においてあったのは最新式の焼却炉だったらしく、治療ではなく処分されてしまったようだ。
これがえーりんの勘違いなら『ドジな所も可愛いよ』の一言ですむのだがどうもそうではない。
モヒカンたちの歓声がとてもとても騒がしい。やはりここはゆっくりを処分する場所のようだ。
それにしても“はい”と“いいえ”の確認の選択肢すら出ないとは思わなかった。


「今回は一匹のゆっくりでしたので、ゆっくりボールを一つお渡しします」

「ゆっくりボール…………」


これは『あんなゴミに執着してないでさっさと新しいの捕まえてこい』といったプレッシャーなのだろうか。
すごすごと鬼意惨がゆっくりセンターを後にする。
これでまた手持ちのゆっくりはゼロになってしまった。
まさか預けたゆっくりを躊躇なく処刑なさるとは思わなかった。
清清しいほど曇り一つないえーりんの笑顔が強烈に頭に残っている。


「もういいや、先進もう…………」


トキワシティの先には森が広がっているはずだ。
本家ではそこで初トレーナー戦となるのだが、手持ちがいない場合どうすればいいのだろうか。


「NPC扱いされたらどうしよう」


そして見えてきた森の入口、ゲートの前には立て札が立っている。


『トキワの林』

「規模小さくなってる!」

『かつては森と呼ばれていたが、森林開発の影響を受け住処を奪われたゆっくりが街へ下り、その命を散らしている』

「せつねぇ!」


言われてみれば木々はまばらで、遠くまで良く見える。
これではドスなどの捕獲も期待できないだろう。
鬼意惨が林へ入っていく。
ここらでせめて一匹は主力となるゆっくりを捕まえなければならない。
というよりも正直、これでは現実世界とやっていることが大して変わらない。


「たしか出現率がそうとう低いレアがいたはずだよな……」

「ぴかぁぁっ!!れいむはぴか!ちゅぅ!さんだよっ!!せかいいちゆうめいなぽけ○んさんでごめんねぇぇ!!」

「おめぇじゃねぇから出てくんな」

「いだぁ!げ、けっだぁぁ!!れいむはぴかちゅうさんなんだよぉぉぉっ!?に、にんてんど○さんがせいさいずるよぉぉっ!!」


リクエストに答えるかのように出てきた馬鹿が一匹。
その汚い面でピカチュ○を名乗るほうが怒られる。
鬼意惨が物理的にご退場願おうと考えたところで、唐突に先ほどえーりんから貰ったものを思い出した。


「ああ、そうだゆっくりボールなんてあったな」

「もうおこったよぉぉぉっ!!れいむのじゅうまん!ぼると!だよっ!!!ぴかっ!
 きょうもれいむのひとみのかがやきはじゅうまんぼるとさんだね!」

「使ってみるか」


ポケットから取り出した野球ボールほどのそれを構える。
正直な話こんな馬鹿を捕まえたくはないのだが、それよりもボールを使ってみたい好奇心が勝った。


「えいっ」

「れいむはたいあたりもすっごくゆっくりしてるんだよっ!ぴか――――――」

「いや、体当たりがゆっくりなのは欠点だろ…………」


投げたボールがれいむに当たると、れいむの黒いシルエットがボールに吸い込まれていく。
ボールは地面に落ちると、数回揺れた後に――――――激しく動きながられいむの悲鳴を撒き散らした。


「え?」

「あづいぃいいいいいいい!!いだぃいいいいいいいい!!だしてぇぇぇっ!!ゆぎぃいいいいい!!」

「え、え?何?怖いんだけど」

「だしてだしてだしてぇえええええええ!!!!!!ゆぎぃいいいいいいい!!」


荒ぶるボールと響く絶叫。
とてもではないが、れいむが中で快適に過ごしているとは思えない。
鬼意惨もあまりに予想外な光景に固まってしまう。


「いだいぃいいいいいい!!だしでぇえ!!だしでだしてだし―――――」

ボンッ!


そしてボールは派手に爆発し、周囲に餡子が飛び散った。


「どういうことなの……………」

「ゆっくりボールは虐待用ですよ?ここで“汚ねぇ花火だ”っていうと最高にクールです」

「知らねーよ。つーかあのえーりん、笑顔でなんつーもん渡しやがんだ」

「鬼意惨達からは直接手が下せない分不評みたいですけどね」

「聞いてねーから」


チラリと声のほうに視線を向けると、ふよふよとお飾りの羽衣で浮いているいく種の成体。
所謂固定エンカウトというヤツだろうか、明らかに雰囲気が違う。


「えっと、いくだよな?」

「空気を呼んで出て来ました。これで注意書きに希少種優遇と書かなければいけませんね」

「うん、メタ話はやめようね?」

「わかりましたとしあききさん。――――あっ、だでぃとお呼びしたほうがよかったですか?」

「やめろマジで」

「うい!」

「やめろつってんだろっ!!!」


慌てて鬼意惨がいくの口を塞ぐ。
抵抗せずただニヤニヤと笑ういく。


「はぁ…………で?俺の手持ちって事でいいの?」

「はい、よろしくお願いしますね。主に解説担当ですので」

「…………た、戦わないの?」

「どうでしょう」


ニッコリ笑ういくを抱えながら、再び歩き出す。
やっと手持ちのゆっくりを獲得したと喜んでいいのだろうか。
視界が広くなってきた、林の出口だ。


「結局トレーナー全くいなかったな」

「こんなクソ狭い場所で人間さんが何するっていうのです?」

「お前結構口悪いのな」


この先の街には初のジム戦が待っているはずであり、手持ちが一匹だけというのはかなり不安だ。
しかし対策など考える暇もなく、目的の街に着いてしまった。


「ニビシティに着きましたね、現時点ではジム以外に用はありません」

「まぁそうだな、ゆっくりセンターもあんなんじゃな」


ゆっくりセンターなんて名前だと、本家を知っている人間ならだれだってゆっくりを回復させる施設だと思うはずだ。
だがその正体は開けてビックリ処刑場である。
そして饅頭の焼ける甘い臭いの中、微笑んで紅茶を飲んでいる筋肉隆々のモヒカンの方々。
女性専用車両に乗り込んでしまった気まずさがある。
そこで『やあこんにちわ、ああこの臭いはまりさですか。はっはっは、これはお茶請けがいらないなぁ』
などと会話に加われるのは、やはり同じ髪型の人間だけだろう。


「ジムリーダはタケシ、使ってくるゆっくりは―――――」

「ネタバレやめてっ!」


街を見回る暇もなく、空気の読めない解説役が先を急かしてくる。
とりあえずジムに入ってみよう。
なんとなくで歩いていたら、気づけばジムはもう目の前だ。


「よし、行くか」

「はい?呼びました?」

「……あざとすぎ」

「チッ!」

「オイ」


ウィーンと音がして左右にドアが開き、ジム独特の空気が漏れ出てくる。
薄暗く、奥のほうがぼんやりとしていて良く見えない。


「さぁ、タケシはどこだ?」

「しまった!ゆっくりは副詞じゃない……名詞だ!」

「それジムトレーナーの方な」


騒ぐいくをスルーし、鬼意惨が奥へと進んでいく。
岩のオブジェがいくつも並ぶその中心に、糸目ながらも凛とした青年が立っていた。


「タケシ……」

「良く来たな!俺はニビジムのリーダータケシ!俺は今までゆっくりを見つけると必ず岩で押し潰して来た!
 勿論これからもそうする!――――――ゆえに俺はゆっくりを持っていない!」

「ゆえにじゃねぇだろ」


自信満々にトレーナーですらない事を自白する自称ジムリーダー。
この後の展開はどうする気なのか、いくに至っては露骨に『この人頭がおかしいのでは』という顔をしている。


「この人頭おかしいのではないですか……?」

「言っちゃったよっ!!」

「うむ、としあきき!お前はいい目をしている!」

「お前は細すぎるけどな」

「このグレーバッジを持っていくがいい!」

「え?」


ポンとバッジを手渡される。
硬くそして意外に重い手触りは確かな価値を感じさせる。


「そのグレーバッジを持っている人間は、HENTAIに少し理解を示す事が出来るようになる!」

「効果俺にかよ!しかもいらねぇ!」

「あ、私にそういう趣味はありませんので」

「俺もねぇから逃げようとすんな!」

「そしてこれも渡そう!」


そう言ってタケシが携帯電話のような機械を取り出した。
とりあえず、鬼意惨は受け取る。


「そいつはわざマシン!番号は忘れた!中身は“がまん”が入っている!」

「おー、ここは本家と一緒だな」

「そのわざマシンを使えばお前は、ゲスゆっくりなどに対してちょっぴり優しくなれるぞ!」

「これも俺用かよ!」

「使いどころは難しいがお前なら使いこなせるだろう!」

「一生使わねぇよっ!」


タケシと鬼意惨のやり取りに、いくはゲラゲラ笑っている。
やはりなかなかイイ性格をしている。


「あーもう、さっさと行くぞ!」

「あははははっ、は、はいっ!今参ります」


ドシドシと荒々しく出口に向かう鬼意惨を、ふわふわと追いかけるいく。
そんな鬼意惨の背中に、タケシは呼びかけた。


「最後に一つ、としあきき!」

「うん?」

「――――お前の頭にもモヒカンはきっと似合うぞ」

「うるせぇよ」








テクテクそしてふよふよと“おつきみやま”を歩いている鬼意惨といく。


「それにしてもあのジムはアレでよかったのか……」

「序盤ですしチュートリアルみたいなものなのでは?」

「いや、本家はあそこで詰みかける事もある、おもにヒト○ゲ」


歩くたびに未だ空っぽの透明な箱がカパカパ音を立てる。
鬼意惨は今、割と真剣に廃棄を検討している。


「それなんなんですか?」

「あ、いや、旅出る直前に人から貰ってさ。これにゆっくり入れろって」

「それただの箱ですよね?ちゃんと小さくて六匹入る便利なものがショップで売ってますよ?」

「マジで?でも高そうだなソレ」

「百円です」

「あのジジィィィィっ!!!!」


バキンと鬼意惨が地面に箱を叩きつける。呆れながらいくがなだめる。


「まあまあ、早めに気づいてよかったじゃありませんか」

「…………ま、な」

「それより、どなたか仲間にしてはどうですか?」

「そうだな」


実は先ほどからチラチラと野生のゆっくり達が視界に入ってはいるのだ。
何の変哲もない通常種だったので特に捕まえようとは思わず、手をださなかった。
だがやはり念のために何匹か捕まえておいてもいいかもしれない。


「ゆっ!ゆ!やっとごはんさんをてにいれたのぜぇ……!これでおちびがゆっくりできるのぜぇぇっ!!まってるのぜおちびぃぃ!!」

「あ!あの方なんてどうですか?」

「チョイスが鬼だなお前は」


恐らく家で待つ赤ゆ達の為に必死で集めた狩の成果を運搬中のまりさに近づいて行く。


「ゆゆ!?なんなのぜ?にんげんさん?」

「よし!まりさゲットだぜ!」

「ゆゆぅぅ!?ま、まつのぜにんげんさん!ま、まりさはいえにおちびをまたせてるのぜ!」


必死に鬼意惨から逃れようとするまりさ。
鬼意惨は笑いながら大丈夫、大丈夫とただ繰り返す。


「安心しろ!俺についてくればおちびもあまあまになってしあわせーさ!」

「ゆ、そうなのぜ?」

「それって死んでしまうということでは……」

「うん、お前のニックネームは捨てごまりさだ!」

「ゆゆ!すてごさうるすさんみたいでかっこいいのぜ!」


ゆんゆん喜ぶまりさは単純で扱いやすいが、果たして本当に役に立つのだろうか。


「ニックネームは五文字までですよ?」

「じゃぁ捨てゴマで」


ニックネーム持ちとなったまりさ。名前で用途が分かる便利な仲間だ。
そろそろ“おつきみやま”も抜けるころだろう。


「待て!そこのお前!キサマ鬼意惨だろう!」

「うぉ!」


いきなり暗がりから飛び出してきたの全身黒ずくめの男。
服には大きくRの文字。


「我々はロケット愛護団!お前達のような鬼意惨からゆっくりを守るのが使命なのだ!」

「ロケット愛護団って……」

「まんまですね」


ツッコミを入れたいのだが、愛護団体のぶっ飛んだ行動や理論展開をうまく表しているような気もして何も言えない。
そして目の前の男は鬼意惨に銃を突きつけた。


「って銃かよっ!なんでそんなもん持ってんだよ!」

「愛護団体が武装しているのは当然だろう!」

「くそっ!納得してしまう自分が悔しい!」

「とりあえずまりささんを出してはどうですか?ニックネームの通りに」

「お前ホント鬼だな!」


リアルなら銃を持っている相手にゆっくりをぶつけたところで、自身が撃たれる可能性が跳ね上がるだけだがここはポケモ○世界。
それにそろそろいい加減、マトモなゆっくりバトルをさせて欲しい所だ。


「いけ!捨てごまクソ袋!」

「ゆ、ゆゆっ!?ま、まりさのことなのぜ?ゆ、ゆん!まりさがんば――――――」


――――パンッ!とおつきみやまに一発の銃声が響き、まりさがはじけ飛んだ。
ひらひらと主を失ったお帽子が宙を舞う。


「う、撃ちやがったぁあああああ!!!」

「人間を撃てば極悪犯罪だが、ゆっくりを撃っても直接の罪にはならない!」

「お前がそれ言っちゃうのっ!?」


躊躇なくまりさを射殺したロケット愛護団。
一瞬の迷いも無かった。コイツは何をしに来たのだろう。


「あ、としあききさん」

「なんだよ!“にげる”コマンド探すので忙しいんだよ!」

「いえ、警察の方が」

「あ」

「銃を捨てろ!」


いくが羽衣で指示する方向に目を向けると、背後からロケット愛護団を取り囲む警察官達の姿。
サイレンの音もどんどん大きくなる。


「また愛護の連中か!これで何度目だ!」

「何故私が捕まるのです!?私はゆっくりを撃っただけです!これは不当逮捕です!」

「いいからこっちに来い!」


愛護とは一体なんだったのか。鬼意惨の中の常識が揺らぐ。
そのまま大勢の警察に連行され、ロケット愛護団は山を降りていった。


「あれか、強制敗北イベントみたいな?」

「大丈夫です、失ったものは何もありません」









警察の事情聴取にかなり時間をとられてしまった。
精神的に疲労しながら、やっとハナダシティに到着した。
大きな川に掛かる立派な橋、そして塩素の臭いのするジム。


「水のジムって事はにとりとか出してくるのかね?」

「……まだマトモなバトル展開になるとおもっているのですか?」

「ならないの!?」


やれやれと首というか体全体を振るいく。羽衣が静電気でパチパチ鳴る。
予備知識が通用しない以上、考えていても仕方がないので鬼意惨はジムへと向かう。
大きな窓からジム内の様子を見る事が出来る。やはり中は大きなプールになっているらしい。
ブーメランパンツの筋肉が水中で輝いている。


「入るの止めようか」

「はいはい行きますよー」

「ちょっと!」


嫌がる鬼意惨を急かすように、いくが勝手に自動ドアに近づいていき――――ガン!とおでこをぶつけた。
どうもゆっくりの大きさではセンサーが反応しなかったらしい。


「いたっ!!」

「ぶっはっはは!!バーカ!バーカ!」

「…………としあききさん、私は十万ボルトを覚えてるんですよ?」

「はは、バトルの方で頼むわ」

「もう…………」


いくのおかげで少しリラックス出来た鬼意惨が改めてジムのドアをくぐる。
するとそれまで優雅に遊泳中だった強面の方々が一斉にこちらを見てくる。
完全にホラーゲームの世界だ。


「挑戦者ね!良く来たわ!」

「としあききさん、あちらみたいですよ」

「おう」


水面から一メートル弱の高さに通路があり、その奥でジムリーダーが不適に笑っている。
鬼意惨は濡れているため滑りそうな床とまわりの濡れモヒカンに怯えながら進んでいく。


「……やはり来たわね!予感がしたのよ!何気にスプーンを投げたら曲がって以来……私はエスパー少女なの!」

「それお前の台詞じゃなくね?うろ覚えだけど」

「私の名前はカスミ!ハナダシティのジムリーダーよ!」

「ヒィィィィィッッッヤッフゥウウウウウウ!!!」


水も滴るいい筋肉達からの大歓声。アウェイ感がハンパない。


「さて、さっそく勝負と行きたいのだけど、ルール説明がまだだったわね。
 難しい事は何も無いわ!ゆっくりをこのプールに投げ込んで最後まで生き残っていたほうが勝ちよ!」

「予測してた、これくらいは予測していた」

「もちろん私は嫌ですよ?」


カスミは既にゆっくりを用意している。
もったいぶっているのかどうなのか分からないが、布が被せられているためどの種かは不明だ。
いくがこちらを不安げに見てくる。


「安心しなさい!私はにとりやむらさみたいに、水に強いゆっくりなんて使わないわ!」

「……で、どうするんですか」

「はっはっは、当然戦うさ。いくぞカスミ!」

「あ、他の方を捕まえてたんですね。少し感心しました」

「しかも水上まりさだ」


鬼意惨がにやりと笑い、ショップで買った箱からまりさを取り出す。
勝負にあまり関係の無い話ではあるが、プロでも水上まりさかどうかは水に浮かべないと判断できない。


「じゃあ行くわよ!私のカウントに合わせて同時にプールに投げ込みなさい!
 …………ゆっ!……く!……り!……し!……ていってね!えい!」

「わかりづれぇよっ!!いけっ!捨て駒ツー!」

「あっ!としあきさん!水上まりささんとはいえ、投げ込んだら意味が――――――」

「おそらをとんでいるみたい!」


ボチャンと着水音が二つ。
まりさと、そしてれいむがプールに投げ入れられた。
そしてバシャバシャと水に縋ろうと必死でおさげともみあげを振り回す音が響く。


「ゆぼっぼべぇ!ぼじぇ!だずげっ!おげっぼっぼ!おぼれげあばあああっ!!」

「あべべべべあがっ!れいむおぼぼぼっ!!」

「あっはっはっはっは!あっはっはっは!いい勝負ね!とてもいい勝負だわ!」

「これ俺ら関係なくね?」


ハイスピードで液体へと進化していくまりさとれいむ。
トレーナーよりもギャラリーの方が盛り上がっている。
プール内部はもちろん、周りの観客席からも声援と歓声があがる。


「あ、マズイですね。まりささんのほうが先に死んじゃいそうです」

「え、マジ?」

「ふふっ!どうやらゆっくりの選択を誤ったみたいね!」


言われてみればまりさの抵抗は弱弱しく、一方れいむは未だに元気に叫んでいる。
恐らく体内餡の量に差があったのだろう、そういえばカスミはれいむを大変重そうに投げ入れていた。
やはりでいぶにはまりさは勝てないのだろうか。


「……十万ボルト」

「え?」

「十万ボルト」

「ああ、なるほど。かしこまりました」


いくが羽衣を延ばし、藁どころか髪の毛でも掴む勢いの二匹のいるプールに差し込む。
――――そして一気に放電した。


「あばいびびびっびびびびびび!!」

「のぜぜぜぜぜぜぜぜぜぜぜぜぜぜ!」

「ヒャッ!ハハッ!ハハハハハハハハハ!!」


強力な電気エネルギーは相手のれいむとまりさ――――そして泳いでいたモヒカン鬼意惨を襲った。
饅頭二匹は耐えられるはずもなく、いくの放電が終わる頃には水底へ沈んでいった。
残ったのは恍惚に顔を赤く染めながら、いくを見つめる濡れ濡れモヒカンまひ鬼意惨。


「ふふふっ!まさか自分のゆっくりを巻き込むことを承知で電撃を打ち込むなんてね…………!」

「としあききさん、あの、モヒカンさんが生理的に無理な目線を送ってくるのですが……」

「素晴らしいわ!あなたのその発想こそが鬼意惨の真髄よ!わかった、認めてあげるわ!」

「反則負けを覚悟したのに、褒められました」


何度も何度も頷き、カスミはそして鬼意惨に水色に輝くバッジを差し出してきた。


「このブルーバッジを持っていると、餡小話に投稿する時に勝手に誤字脱字が修正されるわ!」

「やったあああああああああああああ!!!殿堂入りだああああああああああああ!!!」

「早いです!としあききさんまだ序盤です!」

「だってっ!これっ!これさえあれば!これぇぇっ!!」


なぜか泣いて喜ぶ鬼意惨をいくが必死で落ち着かせる。
異常な喜びように周りのモヒカン達もヒャハヒャハと同調する。


「そしてそうね、コレもあげるわ!あなたなら使いこなせるでしょう」

「わざマシンかな」

「中身はバブル光線!ゆっくりが自分の身体をスポンジ代わりにして、あなたの身体を洗ってくれるようになるわ!」

「だからなんでジムリーダーはHENTAI押しなんだよ!後いく逃げんな!俺にそんな趣味ねぇって言ってんだろっ!」

「HENTAI鬼意惨はみんなそう言うんです!」


きゃあきゃあと笑いながらいくがジムの外へとふわふわ飛んでいく。
鬼意惨も追いかける、床が滑るので慎重に。


「ねぇあなた!」

「え?」

「もしあなたがモヒカンだったなら私はっ!…………ジムリーダーではなく一人の女として――――」

「うるせぇよ」







ハナダシティから伸びる長い端を歩いている鬼意惨といく。
本家ではかなり多くのトレーナーがいたが、この世界ではゆっくりにヒモ無しバンジージャンプを体験させている子供達しかいない。


「いつも火のなか水の中クソのなかぁー文字のなっか、土の中苦悶の中、餡娘のスカートのなかぁー」

「生まれた瞬間、サヨナラバイバイ」


歌う一人と一匹、そして翼を得たと錯覚しながら次々に川へと突き落とされていくゆっくり達。


「えーっと、そういえば今はどちらに向かっているのでしたっけ?」

「マサキの家」

「マサキさん……ですか」


数々のトレーナーから経験地を稼ぎ、最奥の地にある家に辿りついたプレイヤーを迎えるのは、転送装置のトラブルに巻き込まれたマサキだ。
とある映画のオマージュと言われているが、当時の子供達があの恐怖映画を見ていたのかどうか。


「お前が頭の上にいるせいで、髪の毛がドラゴンボールの世界なんだが…………」

「素敵ですよ?あ、お家が見えてきましたね」


ゲームの世界なのでノックもチャイムも鳴らす必要が無い。
ガチャっと鬼意惨がドアを開ける。


「……っ!」

「なるほど、胴付になっちゃってるわけだ」

「すごいですね…………」


部屋の中央にマサキらしき胴付ゆっくりが座っている。
その後方には大きな転送装置と思われる機材があり、たくさんの配線が伸びている。
だが肝心のマサキの様子がおかしい。
どういうわけだろうか、これは怯えている?


「えっと?マサキ?」

「ひぃぃぃぃ!!」

「ちょ、ちょっとどうしたのですか!マサキさん!」


鬼意惨が声をかけた瞬間、悲鳴を上げながら机の下に逃げていく。


「ワ、ワイはゆっくりやない!に、人間なんや!」

「あ、うん。知ってる知ってる」

「転送装置のエラーでこんな姿になってしもうてっ!!
 だ、だからさっき家に来たモヒカンの人に元に戻してもらおうと頼んだのに……!頼んだのにっ!
 その人はいきなり服を脱ぎ始めてっ!!ぺにぺにをっ!!ワイは!ワイは嫌って!嫌っていったのに!服を破かれて……っ!!
 腕を押さえつけられて………!!すぐすむからってっ!!それでっ!それでぇっ!!」

「マサキィぃいいいいいいいい!!!」

「怖すぎます!冗談抜きで怖すぎますっ!」


既にマサキはHENTAI鬼意惨に襲われていた。
涙目でお尻を押さえるしぐさが痛々しい。
というか、民家に入り込んでゆっくりと無理矢理すっきりするなんて業が深すぎる。
この世界に来て初めて鬼意惨は危機感を覚えた。いくは鬼意惨の背中に羽衣でしがみ付いて震えている。


「ひっぐぅ、ううぅ……」

「あーうん、このパソコンを押せばいいのか?おっけーまかせろー」

「ぐっす、えっぐぅ」


しゃくりあげるマサキを鬼意惨が背中を押して転送装置の中へ誘導する。
哀れすぎる被害者に慰めの言葉が見つからない、さっさと元に戻ってもらうしかないだろう。
後はパソコンを操作するだけなのだが。


「…………素人に分かるかこんなもん」

「あ、やっぱりダメなんですか」


プログラミング言語と呼べばいいのか、ともかく単語の意味すらわからない。
数字、記号、アルファベットの羅列がディスプレイを埋め尽くしているのを見て、呆然とする鬼意惨。
やれやれと言いたげな顔でいくがふよふよと、パソコン前に着地する。


「私が操作しますので、そうですね、としあききさんは――――――反対側の転送装置に入ってください」

「何でだよっ!!」

「ゆっくりの私が人間さんの作ったコンピューターを操作できるわけないじゃないですかっ!」

「何で逆ギレしてんだよっ!」


結局わからないいくが舌をペロッと出して、画面前から退く。
さてこれで打つ手が無くなった。
マサキも装置の中で待ちくたびれているだろう、もしかしたら内部からは出て来れない構造なのかもしれない。


「よし!」

「マサキさんに出てきて説明して頂きますか?」

「……十万ボルト」

「ええ!?そ、それは……」

「十万ボルト」

「はぁ……いいのでしょうか」


戸惑いながらいくが羽衣を延ばし転送装置に狙いを定め、ジジジジジと電気を貯める。


「GO!」

「はいはい」


バチバチと派手に音を立てながらいくが放電する。
機械は火花を撒き散らしながら電子音をかきならす。
そしてボンっ!と音を立て――――――全ての光が消え電源が落ちた。


「ほ、ほら!やっぱりダメだったじゃないですか!としあききさんっ!どうするんですかっ!」

「あ、船のチケット見っけ」

「としあききさんっ!?」

「んーどうしたー?抱っこするかー?」

「胴付ゆっくりの皮を被ったオリキャラみたいな扱いやめてくださいっ!!機械壊れちゃいましたよっ!!」

「お邪魔しましたー」

「そのまんまの意味ですよねそれっ!!」











次の目的地のクチバシティに行くためには、ハナダシティに戻らなければいけない。
不幸な事故によってマサキがゴーストタイプに進化してしまったが、いつまでもくよくよしてはいられない。
旅はまだ続くのだから。


「物は言いようですね…………」

「そういえばハナダの洞窟って何がいるんだろうな、元のゲームじゃ最強クラスのがいたけど」

「せがーるとかじゃないですか?」

「勝てねぇ!!」


マサキの貴重な犠牲によって獲得した大事なチケットは、サント・アンコ号に乗船するときに必要になる。
この調子だと招待客の髪型も皆一様に奇抜なのだろう。
目線が合うたびにキリキリと胃が痛むため、本当に勘弁してもらいたいものだ。


「次はマチスかぁ……めんどくせぇな」

「電気なら私にお任せください、と言いたいところですが恐らく普通に戦うわけではないのでしょうね……」

「それもあるけど部屋の仕掛けがなぁ……」

「ああ、そっちですか」


ゲームボーイ版ポケット○ンスターにてマチスと戦う前に、数時間消費した伝説のクソトラップだ。
数十個のゴミ箱の中から第一のスイッチを見つけた後に第二のスイッチを見つけなければいけないのだが、
第一、第二の間にダミーを一回でも選択すると、また第一から探さなければいけなくなる鬼畜使用。
当時小学生であり、何事にも素直だった鬼意惨は愚直に探し続けた。周りのトレーナーからヒントを得ることもせずに。
何が悲しかったって隣の友人がわずか数秒で第一第二を解除するという理不尽な天和をかましやがった事だ、ちくしょう。


「でも豪華客船は楽しみです」

「ま、な」


潮の香りが鼻をつく、どうやら目的地に到着したようだ。
汽笛の音がなるたびに周囲からゆっくりの悲鳴が聞こえる、気分がいい。


「いくー、あのあたりに“でんじほう”ぶち込んで」

「かしこまりました」

「うるしゃいのじぇぇぇ!!ぼーぼーうるしゃゆびびびじじぇぇぇぇっっ!!」


クチバシティ。
賑やかな港町はセーラー服のモヒカン達で溢れている。
巨大な船とクチバジムにばかり気をとられ、ついつい忘れがちになるが、ここでは自転車の引換券をもらえるのだ。


「えーっと大好きクラブは…………っと」

「あれではないですか?」

「お、ナイス。えーっと……あれ?」


ゆっくり大好きクラブの看板の下にある入口に、何やら張り紙がはってある。
『ゆっくり大好きクラブは、ゆっくり全般派と希少種のみ派の抗争により解散しました』


「くだらねぇ!!」


もういい、見なかったことにしよう。もとより鬼意惨は虐待も愛でもいけるハイブリットを自称している。
希少種だろうとゲスなら潰すし、通常種も善良なら無視する。


「ってか自転車どうしよう」

「加工所が百円で売ってますよ」

「百円玉万能すぎる!!っていうか早く言えよ!」


加工所の最新技術はついに、材料費の時点で赤字になる値段設定を思い込みの力でねじ伏せるという奇跡に到達したらしい。
現実世界でも加工所についての都市伝説は枚挙に暇がないが、一番信憑性が高い話が『噂が全部事実』という事から考えても、
そのトンデモっぷりは他の追随を許さない。


「さぁ、としあききさん!早く船へと参りましょう」

「はいはい」


ご機嫌ないくに羽衣で手を引かれ鬼意惨も駆け足で豪華客船へと急ぐ。


「なんでもサント・アンコ号は無敗を誇るチャンピオンにちなんだ名前らしいですよ?」

「ラスボスネタバレされちゃった!っていうかさすがにその方には勝てません!!」


入場ゲート前、無駄に多い上着のポケットからチケット取り出す。
しっかりとパートナーのゆっくりのみ持ち込み可と表記されている。
人当たりのいい笑顔を浮かべている係員にチケットを渡す、すると戸惑う表情に変わった。


「申し訳ございません、お客様。このサント・アンコ号はドレスコードを設けさせて頂いておりまして」

「あー、そっか!当たり前だな。でも礼服なんて――――」

「モヒカンのお客様以外は入船をご遠慮いただきます」

「っざっけんなっ!!!」


世界を巡る豪華客船サント・アンコ号とグローバルスタンダードヘアー“MOHIKAN”
ヒャッハーが世界中どこでも通用する挨拶となったのは記憶に新しいが、果たしてモヒカンはモラルという枠に収まっていると言えるのだろうか。


「女性はどうするのです?」

「モヒカンでございます」

「赤ちゃんは?」

「モヒカンでございます」

「パートナーのゆっくりは?」

「モヒカンでございます」

「お前の名前は?」

「モヒカンでございます」

「嘘つけこらぁああああ!!」


鬼意惨が怒鳴っても表情一つ変えないモヒカンさん(仮)
かみなりパンチか十万ボルトか電磁砲のどれをいくに命令しようか迷う鬼意惨と、それを止めるいく。
結局礼服がないので、モヒカンが指定でなくても入れなかったのだが、だからといって納得できるものではない。


「っていうかお前モヒカンじゃねぇじゃねぇかっ!!!」

「な――――!?」


息を呑むモヒカンさん(仮)は益荒男に大人気のスキンヘッド、つるつるだ。
痛いところをつかれたのか、モヒカンさん(仮)はプルプルと震えだす。


「ど、どうしてそんなこと言うのぉおおおおおおっ!!お兄さんの毛根さんはみんな永遠にゆっくりしちゃったんだよぉおおおおお!!」

「やっべ、地雷踏み抜いた」

「お兄さんだってホントはモヒカンにしたいよぉぉぉぉぉぉっ!!ふっさふっさの髪の毛さん欲しいのにぃぃぃ!!!

「としあききさん謝ってください!収集つきません!」

「……十万ボルト」

「それはだめです!」

「かみなり?」

「わざの問題じゃないです!」


号泣するハゲもといスキンヘッドの成人男性。
その背後では豪快に汽笛を響かせながら、島がそのまま移動するかのごとくダイナミックにアンコ号がクチバから出港していく。
鬼意惨といくはともかく、目の前で泣き崩れる男性は乗らなくてよかったのだろうか。


「ふぅ、これでクチバジムに挑戦できるな!」

「何も変わってませんよっ!!!」











「ヒャッハッハー!良く来たなチャレンジャー!マチスの所まで行きたいのなら仕掛けを解くしかないぜ!」

「うわぁ……やっぱりあったよ。てかヒャッハッハーって……」

「しかも大きい……ですね」


クチバジムに入場したまでは良かったが、やはりリーダーがいるであろう部屋の前には大きな壁が行くてを塞いでいる。
そして手前に無数においてあるポリバケツ、たっぷり七十五リットル。


「はぁ……中身はゴミばかりってか」

「ゆびぃぃぃだしちぇぇぇぇっ!!!だしちぇぇぇぇ!!」

「まりしゃごみじゃないのじぇぇぇぇぇっ!!!」

「ゆびぃぃぃぃぃぃ!!!」

「うわぁ…………」


中には大量に赤ゆっくりが詰められている。
それらを掻き分けてスイッチを探さなければいけないわけだ、数十個の中から。
そっと一つ目のバケツに手を入れる。
すると鬼意惨の腕にワッっと赤ゆが群がってくる。


「うっわ!気持ち悪っ!!」

「たしゅけるのじぇっ!まりしゃをたすけるのじぇっぇぇっ!!」

「れいみゅだよっ!!れいみゅをたすけちえぇぇぇぇっ!!!」


まさに地獄絵図、グチャグチャした感触に耐えながらバケツをかき混ぜるがもちろんスイッチはない。
餡子まみれになった腕を引き抜く。


「としあききさん臭いです、死んでください」

「言いすぎだろこらぁぁ!!」

「ヒャッハ!ためらいもなく赤ゆをブッ殺すところは素晴らしいぜ!だがそれだけじゃ扉は開かねぇ!!
 どこかにある扉のスイッチを押さないとな!」

「ん?どこか?」


言われてあたりを見回せば道を塞ぐ扉のすぐ近くに、赤く自己主張するスイッチがあった。
その下には“開く”の文字。


「えい」


いくが羽衣でそのスイッチを押すと、あっさりと扉は左右に開いた。


「このバケツは一体なんなんだよっ!!」


鬼意惨がポリバケツを蹴り飛ばす。
赤ゆのなだれが自分自身を押し潰しながら床に広がっていく。
ジムトレーナーが笑う。


「ヒャッハッハ!!ゆ虐は最高だが、時にはそれを我慢しなけりゃならねぇ事もある!」

「そりゃ結婚式とかでヒャッハー!なんていいだす人がいたら即追放だわ」

「それが出来ねぇやつはここで赤ゆを潰しまくって、スイッチに気づかねぇのさっ!
 だがお前はスイッチに気づいた!合格だ!っていうかもう俺が我慢できねぇ!
 ヒャッハアアアア!!虐待だぁあああああ!!!」


筋の通らないTPOマナー問題を押し付けてきた挙句、自身は狂喜してバケツに墨汁を注いでいくモヒカンジムトレーナー。
何を言っても無駄だろう、いくの電撃をブチ込んでやっても恐らく喜ぶだけでたいしたダメージにもなるまい。
ある意味ゆっくりよりも謎の多い生物、それがモヒカン鬼意惨だ。


「まぁいいやそんなことよりジムリーダー…………って、マチスいねぇしっ!」

「ヒャッハー!マチスなら本国に帰ったぜ!バッジなら机の上にあるから持って行きな!」

「もうジムの看板下げろよ!」


イナズマアメリカン事ジムリーダーマチスは、超カロリージャンクフードの臭いが恋しくなり、餡子際立つ日本を去った。
残ったのは主のいないジムとリーダーの引継ぎ問題。そして無駄に入り難いジムーリーダーの部屋。
いつか帰ってくると信じて待ち続けるジムトレーナーはポリバケツに赤ゆを詰めつつ、日々を過ごす。
これからもそうやって、何も知らない駆け出し鬼意惨達を戸惑わせるのだろう。


「オレンジバッジを持っていると、次にこのジムに来たときに仕掛けを解かなくても部屋に入れるようになるぜ!」

「とってもっ!ごみっ!」


とはいえいくら効果が役立たずだろうと、いずれ四天王に挑戦するためには捨てるわけには行かない。
全てのバッジを揃えなければ道は開かれないのは、この世界も同じであろう。
最も、八つのバッジが集まる頃にはその効果によって、立派なHENTAIとして生まれ変わっていそうで怖いのだが。


「てか四天王って一人も知らねーんだけど、いくは知ってる?」

「最も有名なお一人の噂は聞いたことがあります。
 数多のゆっくりを虐待し、どんなに困難なゆ虐の後でも“いつもの小ネタです”と軽く言ってのける女性がいるとか……。
 彼女に憧れる鬼意惨も多いと聞きます」

「とーぜん強いんだろうなぁ…………」


とはいえまだまだ先は長い、バッジにしたってまだ三個しかもっていないのだ。
今から心配していても仕方が無いだろう、鬼意惨はジムの出口へと向かう。


「お前がモヒカンだったら、ここのジムリーダーを任せてもよかったんだぜ!」

「ヒャッハー!お断りだぁああああああ!!」










ゆっくりの悲鳴と命乞い、そして香ばしい焼けた餡子の臭いが充満するゆっくりセンターで、
鬼意惨はレモンティーをいくはカフェオレからコーヒーを抜いたモノを飲んできる。


「次はイワヤマトンネルを抜けて、シオンタウンを目指すのですね」

「そうだな、でも確かイワヤマトンネルは真っ暗だから――――」

「ヒャッハァァァァァ!!次は全く命令を聞かないでいぶを焼却だぁぁああああああ!!」

「イィイイイイイイイイイ!!ヤッフゥウウウウウウウウウウウウッッ!!」

「うるせぇ…………」


いくが飲み終えたのを確認し、ゆっくりセンターを出て行く。
話の途中ではあったが恐らく暗いであろうイワヤマトンネルを進むためには、
フラッシュというあたりを照らすことができるひでんマシンが必要になる。
と、そこまで考えた鬼意惨だったが“いあいぎり”がいらなかった事に今更気づく。


「うーん、どうなんだろうな。ていうか、トキワシティの方に戻れる洞窟があったはずなんだけど……」

「ああ、ゆっくりが掘ったっていう穴ですね」

「そうそう!それそれ」

「危険なので埋められました。中のコロニーごと」

「えー、じゃぁ戻れないのか……」


だとするならもう進むしかない。
本家ではフラッシュ無しで進んだ猛者もいるようだが、鬼意惨にそれをやる自信はない。


「としあききよっ!!」

「うおっ!!びっくりした!……ってアンタは大木戸博士!」

「この方が……としあききさんのお嫁さんですか……」

「いきなり何いいだすのっ!?」


茂みからまるで野生のポケモンのごとくとび出してきたのは、大木戸さんだった。
サンダルをカパカパいわせながら鬼意惨に近づいてくる。
無性に逃げ出したくなる気持ちをぐっと堪え、鬼意惨は尋ねる。


「どうしてここに?」

「ふっふっふ、そろそろコレが必要じゃろうと思ってな」


そういって差し出してきたのは、“秘”と書かれたわざマシンそっくりな機械。
今まさに話していたフラッシュのひでんマシンだった。


「おおっ!!わざわざ持ってきてくれたんですか!」

「うむ、助手などおらんからな!」

「コメントに困りますね……」


相変わらず趣味の域を出ない研究と納税の義務から逃れ続けている大木戸さんだが、このひでんマシンはありがたい。
鬼意惨が素直に礼を言う。


「なーにかまわん!未来のチャンピオンへの先行投資だと思えば安いものじゃ!」

「…………え?」

「君が有名になったあかつきにはぜひ!大木戸博士を!プロフェッサー大木戸をぜひ頼む!」

「はいもちろん、ボケ老人に粘着されていた苦労話は外せません」


少年のような目でプロフェッサー大木戸を賞賛する無職の男性に背を向け、鬼意惨は歩き出す。
きっと彼の事はたった今すれちがった、自転車に乗ったおまわりさんが何とかしてくれるだろう。
そんなことよりもひでんマシンだ。
せっかく貰ったのだから試してみなければ。


「さてさて、えーっとなんだこれ。スイッチ押せばいいのか?」


ポチッと鬼意惨がスイッチを押す。
すると液晶部分が光り、前方に大きな立体を形作っていく。それはまるで映画スターウォーズに出てくる高度な通信機を思わせる。
魔法とみまごうような科学が作る神秘的な三次元映像に鬼意惨の目は釘付けになる。
そしてそれはついに実体を持ち、まるでギリシャ彫刻の様に美しい肉体を持つ――――――全裸のモヒカン鬼意惨を現実に呼び出した。


「やあ!おにーさんはひでんマシンおにーさんだよ!ゆっくりしていってね!」

「今すぐ消えろぉおおおおおおおおおお!!!」

「どうしてそんな事いうのぉおおおおおおおおお!!!」

「お洋服を着てください!!」


荒れ狂う波の様に雄大で渓谷の岩肌の様に強固な筋肉を、見事としか言いようのない姿勢で誇らしげに見せびらかすその姿は、
無粋な布で覆ってしまうにはあまりにも惜しく、完成された絵画のようであったと後に彼を公然わいせつの現行犯で逮捕した警官は語る。


「ひでんマシンおにーさんはゆっくりみたいなお飾りなんてつけないんだよ!ゆっくり理解してね!」

「せめて股間は隠――――ブラブラ揺らすなぁあああああああっっ!!」


健全な肉体に健全な精神は宿るという。
ならば人知を超えた肉体に常人には理解できぬ精神が宿るのは必然であり、とすれば一糸纏わぬ彼の姿は自然の摂理と言えるだろう。


「むうー、さっきからうるさいよ!おにーさんぷくーするよ!ぷくぅぅぅ!!」

「どこ膨張させてんだこらぁああああああああ!!」

「すごいです……!おにーさんのアーボさんがアーボックさんに進化しましたっ!!」

「その例えは怒られちゃうでしょぉぉぉぉ!!」


彫刻が自身の美しさの全てを露出させることが許されるのは、それが命を持たぬ美術品だからであり、
現代日本にて公共の場で性器を晒す行為は立派な犯罪である。


「えっと?教えて欲しいのは“あなをほる”でいいのかなっ!?おにーさんがじっ!せん!してみせるよっ!!
 おにーさんのテクニックですっきりしていってねっ!!!」

「こっちに来るなぁああああああああああ!!!」

「フラッシュですっ!!フラッシュですからとしあききさんのお尻から目線を外してくださいっ!!」


じりじりとにじり寄ってくわいせつ物を、いくが本気の電気を込めた羽衣で押しとどめる。
鬼意惨はもう涙目だ。


「そうだったね!おにーさんうっかりしてたよ!フラッシュだね!
 ゆっくりのお飾りを燃やしながら歩くと、暗い所も良く見えるようになるよ!おにーさんってば天才でごめんね!」


それだけ言い残すと、ひでんマシンおにーさんはスキップしながら去っていた。繰り返すが全裸で。
鬼意惨は怒りで震えている、本来ならばフラッシュについていろいろとツッコむところだが今はそれどころではない。


「大木戸のジジィはどこだぁあああああああああああああ!!!」


事前説明なくアレをひでんマシンだと称して押し付けてくるのは、嫌がらせを通り越してもはやただのテロ行為だ。
卑劣なテロリストには決して屈さないと、鬼意惨は復讐を誓う。
そして何やら性に目覚めた中学生のように顔を赤くしながら、チラチラ鬼意惨を見ているいく。
だいぶ悪影響が出てしまったようだ。


「もう二度とひでんマシンは触らん」


ゲームの使用上それは不可能だということは鬼意惨も知っている。
すっかりスイッチがトラウマになってしまった鬼意惨が再びひでんマシンを手に入れた時、
彼の顔はまるでこの世がゆっくり出来ない事に気づいた赤ゆっくりそっくりになるのだった。










「あづいぃいいいいいい!!あづいよぉおおおおお!!なんでぇえええええ!!」


フラッシュを使用しながらイワヤマトンネルを進む鬼意惨といく。
燃え盛るお帽子を悲しむよりも、広がる火傷の痛みに叫ぶまりさ。


「しかし良く燃えるな、こいつらの飾りは」

「えーっと、色々と酷いのですが、一番酷いのはトンネル内が普通に整備されていてとっても明るいことですよね」

「はは、ビックリだよな」


歩道に車道まであるトンネル内は等間隔に電灯が設置され、常に明るい。
その中で燃え盛るゆっくりを持ちながら進む鬼意惨は、煙と共にかなりの存在感を周囲に撒き散らしていることだろう。


「あづづづづぃいいいいい!!もえてるぅぅぅ!!まりさのしあわせなろうごまでもえてるっぅぅぅぅ!」

「……さすがにまりささんが不憫でなりませんが」

「まぁ、せっかくあんな目にあってまで覚えたんだから使わないとな、フラッシュ」

「あの、もう出口が見えてしまっているのですが……」


近代的なトンネルへと進化したことによって、街から街への最短ルートに作り直されたこのイワヤマトンネル。
ただ直進するだけで、目をつむっていても抜けられるこの道は地域の皆から愛され、日々利用されている。
また整備されたことによって野良が減ったという市民からの喜びの声があげられており、行政は確かな手ごたえを感じているそうだ。


「やっとシオンタウンについたか、トラウマBGMがないのが救いだな」

「そういえばここにはジムがないのでしたね」


映画で見る中世ヨーロッパのような建物が並ぶシオンタウンにおいて、一際目を引く大きな塔がある。
それがポケモ○タワーであり、本家では不幸にも死んでしまったポケモ○の墓が内部を埋め尽くしていた。
もっともこの世界での名前はもちろんゆっくりタワーに変更されている。
それに伴い内部がどう変化しているのか鬼意惨は楽しみにしている。


「さっそく入ってみるか。あ、でもお化け出るから進めないんだっけか」

「としあききさん、そういうタチの悪い冗談で怖がらせようとしないでください。怖いです」

「いやマジで」


いつもより余計にふわふわと遅くなったいくを抱え上げ、そのまま鬼意惨はゆっくりタワーの門に近づいて行く。


「およよ……どうしてゆっくりのお墓なんかにいかなきゃいけないのですか……」

「どうしてと言われてもなぁ……なんだっけ?なんかもらえるんじゃなかったか」

「呪いとか背後霊とかしかもらえないですよ!帰りましょうとしあききさんっ!!」

「はっは、ゆっくりの背後霊なんて虐待してくれるわ」


鬼意惨の笑い声がゆっくりタワー入口正面にある看板を見つけたことで止まる。
『ゆっくりタワーは利用者が二桁に届かなかったために、取り壊しが決まりました』


「ジーザスッ!」

「あはははははっ!!あっはっはっは!!」


タイピングミスではなくかの有名な愛護団体“ゆっくりんぴーす”の前会長によって、
チラシによる周囲への配慮すらなく強引に決定されたこのゆっくりタワーの建設は、
サカキ率いるロケット愛護団の手段を選ばぬ推進もあり異例のスピードで実現された。
レモンをからあげに搾りながら自慢の四重腹を揺らし同じくらい大きなでいぶを撫で、
ココナッツミルクの甘い赤ゆ焼きに舌鼓を打っていた前会長の耳に驚愕の報告が届く。
コイン一枚で足りる料金設定なのに誰も墓地を購入しないというのだ。
カラスすら寄り付かず閑古鳥のみが鳴き喚く現状に気づいたときには早三ヶ月、
ライバルである他の愛護団体から寄付金の無駄な浪費を責められることを恐れた彼は、
タイタニック号への根拠のない信頼と同じ類の信頼を寄せるロケット愛護団に頼った。
チャンスだ、これは恩を売りつける絶好の機会だとロケット愛護団は張り切った。
サカキ氏の餡子脳は飼いゆっくりさえ死ねば利用客が増えると考えたらしい。
レザーマスクに刃物を持つ数人が飼いゆっくりを襲う事件が多発、警察が動いた。


「ま、入れねぇならしかたねぇか。タマムシシティ行こうぜー」

「はい……。それになんだか誰かに見られてる気がして落ち着きません」


警察の調査によりロケット愛護団とゆっくりんぴーすの黒い関係が発覚。
ゆっくりんぴーす会長逮捕という前代未聞の結末は当時の世間を賑わせた。
哀れゆっくりの墓と同時に自らの墓穴を掘っていた元会長。
出所後は虐待鬼意惨になり、自称博士として青年に夢を託している事を鬼意惨は知らない。










タマムシシティはかなり近代的な街だ。
高層ビルが建ち、道もしっかりと舗装されている。
とりあえず最重要ともいえるジムの攻略から始めようと鬼意惨は考えている。


「本家は草タイプのジムだったよな。ゆうかとか出てくるんかね」

「今更ゆっくり同士のバトルとか言い出されても、それはそれで困りますけど……」


電撃を使える時点でゆっくりの中ではほとんどチート気味の戦闘力なのだが、それが未だに活かされていない事が問題だ。
するといきなり都会から花畑へと景色が変わる。まるで別の場所を無理矢理貼り付けたかのように唐突な変化にたじろぐ鬼意惨。
花々の真ん中を一本の道が通っており、その奥に目的地であるジムが見える。
花にそれほど関心のない鬼意惨ですら、思わず息を呑むほど美しい光景なのだが、
所々にゆっくりの死骸が無造作に転がっている事で全てが台無しになっている。


「よし、いくぜいく」

「はい、おそばにおりますよ」


ジムのドアが開き、しつこさのない花の臭いと、そして柔らかな女性の声が鬼意惨といくを迎える。


「よくいらっしゃいました、挑戦者様。私タマムシジムリーダーのエリカと申します」

「ご丁寧にどーも」

「素敵なジムですね……」


和服が似合う美人が広場の奥で微笑んでいた。
植物園のようなジム内だが、それでも調和と清潔感に溢れているのは彼女の人柄ゆえだろうか。
周りのジムトレーナーも皆女性ばかりで、少しやりづらそうにしながらも鬼意惨はエリカに近づいて行く。


「ここに来たということは、アナタ様の目的はレインボーバッジでしょう。
 ならばお茶も座布団も不要でございますわね。さっそく勝負と参りましょう」

「よろしくお願いシャッス!」

「なんだかいつになく緊張してきました……」


スッとエリカが手を上げるとジムトレーナーが小奇麗なまりさを持って来た。
まるまると太り、しまりのない歪んだ口元は、よっぽど甘やかされている証だろう。
このまりさをエリカが満足いく方法で虐待してみせろというのだろうか。


「ゆっふっふ、またあたらしいどれいなのぜぇ?」

「ではこのまりささんを――――――愛でてくださいな」

「は?」


思わず見惚れる笑顔で、鬼意惨に苦行を命ずるエリカ。


「そんなっ!さすがにそれは理不尽です!としあききさんがそんなこと――――」

「それでは残念ながらバッジは諦めていただきます。
 バッジを得る方法はただ一つ、まりささんを泣かさず、悲しませずに愛でる事です」

「そ、そんな……」

「いや、大丈夫だいく」

「え?」


鬼意惨がニヤリと笑った。
ここはゆ虐ジムなのだ、それだけは絶対だ。
そしてエリカの言葉、つまりまりさが泣き出さなければ、どんな愛で方をしてもいいと言う事――――


「まりさ様を愛でるオモチャはあるんだろ?」

「ええ、こちらに」

「……としあききさん?……ああ、そういうことですか」


エリカが指差す先にあるハサミやカッターナイフを見て、いくも理解したようだ。


「それでは、始めてください」

「おう!」


エリカが開始を告げ、鬼意惨がまりさを受け取る。
ふんぞり返ったまりさは、自身の素晴らしさを鬼意惨に語る。


「まりさ、マッサージするぞー?」

「ゆん?おお、きがきくのぜ!せいぜいいっしょうけんめいまりささまにつくすのぜー!」

「まりさ様とっても素敵です。私こんなにゆっくりしたナメクジみたいなゆっくりとお話しするの初めてです」


片手でまりさを撫でつつ、いくが気を引いている間に鬼意惨がハサミをまりさの頭上にあわせる。
決してハサミの存在に気づかれてはならない、いくら馬鹿でも刃物がゆっくり出来ない事くらいはわかるだろう。
そのまま慎重に帽子の先端から切り開いていく、もちろんまりさを揉み解すことも忘れない。


「お、おぉぉ、なかなかきもちいのぜぇ。おぉぅ、おふぅ、それによくみればおまえもびゆっくりなのぜ、あふぅぃ」

「そんな、まりさ様のようなファッキンゆっくりから褒められると照れてしまいます」


カッターナイフとハサミをうまく使い分けた結果、今やまりさのお帽子はほとんどつばの周りしか残っていない。
もちろん気づかれないようにリボンも回収した。
マッサージといくに夢中のまりさは頭頂部が大きく露出している事に気づいていない。
ここからが本番だ。


「いく、“でんじは”頼む」

「かしこまりました。……まりさ様、私もマッサージさせて頂いてよろしいでしょうか?」

「あふんぅ?お、おぉう!いいのぜぇ!かまわないのぜぇぇ!!むしろすい!しょう!なのぜぇ!」

「ありがとうございます」


微弱な電気を込めた羽衣でまりさの表面を撫で、ゆっくりとマヒさせていく。


「あうん!?ちょ、ちょっとぴりぴりするのぜっ!?で、でもそれがきもちぃんっ!あふんぅ!」

「まりさ様素敵です!このまま真っ黒に焦がしたいほど」


今まで子犬の尻尾のようにパタパタ動いていたまりさのおさげが止まった。
全身がマヒした証拠だ、だがそれをまりさ本ゆんに悟らせてはならない。
鬼意惨がまりさを上下に軽く揺さぶり、あんよが動かない事をごまかす。


「おふぅぅ!!きもちよすぎておそらをとんでるのぜぇんっ!おぉぉうおう、おぅおう!」

「綺麗な髪だな、さすがまりさ!」

「あいんぅ!うぉぉうおっほぃぃ!あふぃぃぃ!!」


よだれをたらしながら恍惚に浸るまりさの髪の毛を、鬼意惨が根元から切断していく。
もちろんまりさの顔の方に落ちないように、角度を調節しながら。
いくも羽衣で撫でるフリをしながら、まりさのおさげのリボンをほどいていく。
着実に種としての特徴を失っていくまりさだが、その表情だけは幸福感で埋め尽くされている。


「フィニッシュだぜ」

「ふぃ、ふぃにっしゅさんぅ!?ま、まりさもしかしてこれいじょうすごいことされちゃうのぜぇ!?あふぅぅ!!」

「ええ、それはもうすごい事になってますよ」


鬼意惨がまりさのおさげを根元から切断し、帽子のつばのみを残したアヘ顔ハゲ饅頭を完成させる。
チラリとエリカに目線を合わせると、エリカは頷き鬼意惨に鏡を差し出した。
鬼意惨は受け取った鏡をまりさの眼前に晒す。


「さぁまりさ!これが今のお前だぜ!」

「ゆ?…………ゆあーん?なんなのぜこのきもちわるいゆっく――――ってこれまりさやないかいぃぃぃ!?
 まりさはげとるやないかいぃいいいいいいい!!!ゆぇええええ!!なんでやねぇえええええん!」

「な、なんか余裕ありますねこのまりささん」


自身の滑稽な惨状に気づいたまりさが今更泣き喚くが、マヒした身体は動かない。
そしてパチパチと拍手が響く。


「ハラショー!オーチンハラショー!!」

「おい!キャラ壊れてんぞ!」

「私が設定したルールをよく理解し、なおかつこのまりささんに気取られることなく、ここまで惨めな姿に変える……。
 想像以上です、とにかく素晴らしい。あなたならもしかしたら、ゆっくりリーグ制覇も夢ではないのかもしれませんね。
 さぁ、どうぞこのレインボーバッジを受け取ってください」

「いぇー!」

「いぇーいですっ!」


いくの羽衣とハイタッチを決める鬼意惨。
これで無事四つ目のバッジを手に入れることが出来た。
今までで一番まともな挑戦だっただけに、感動もひとしおだ。


「さて、レインボーバッジを持っているとゆっくりとのすっきりでゆっくりが妊娠するようになりますの」

「感動がっ!だいっ!なしっ!!」


たった今ハイタッチを決めるほど近かったいくとの間は、今はもう野良と飼いゆっくりほどの距離が開いている。
効果の真偽は定かではないが、少なくとも積極的に持ち歩きたいバッジではない。
いつも通りに逃げて行くいくを追いかける鬼意惨に、エリカが声をかける。


「あのっ!アナタ様がもしっ!モヒ――――――」

「髪型の話ならやめてもらおうか」

「つれないのですね……」






タマムシシティのゲームコーナーの地下には本家ではロケット団のアジトが隠されていた。
やはりこちらの世界でもロケット愛護団のアジトが同じようにあるのだろうと、いくに尋ねてみたが返って来たのは否定だった。


「なんでもポスターの裏に入口を隠すスイッチがあったそうなのですが、よせばいいのにそこに一日中見張りをつけていたそうですよ」

「あー、まぁそりゃ怪しまれるよなぁ」

「はい、即刻警察の調査が入り、隠し武器が見つかりそうとうな数の団員が捕まったみたいですよ?」

「そうですか」


よく考えてみれば武装した犯罪者集団に、一般人である鬼意惨が立ち向かうなど自殺行為だ。
妙な正義感を振りかざす必要はない、街の治安は警察の方々に任せればいいのだ。


「か、カビゴンがでたぞぉおおおおおおおお!!」

「お?そっか、そういやここにもいるんだったな」

「カビゴンさん……ですか」


固定エンカウントとして道を塞ぐ役目だったカビゴン。
本家ではキーアイテムがないと戦えなかったのだが、さてこの世界ではどうなっているのか。
十中八九まともではないことを、鬼意惨は覚悟している。


「ドスでいぶとかだったら嫌だなぁ……」

「私の電撃もドスさんに通用するのか分からないです」


タマムシデパートにて購入したハイパーゆっくりボールとその他もろもろを手に、鬼意惨は歩みを速める。
人だかりの先に大きなシルエットが見えてきた。


「ゆぎぃいいいい!!いだぃぃぃぃ!!いだぃぃいいいいいいいい!!」

「ダメだ!中身までカビで腐ってる!!」

「汚ねぇえええええええええええええ!!!」

「うわぁ……」


元はまりさ種のドスであろう、今はカビに隅々まで置かされグロテスクな化け物へと変化した存在が蠢いていた。


「“かび”ゴンってそういう意味かよぉぉぉぉっ!!

「これはヒドイです…………」


全身黄緑色に変色しながら、苦痛で暴れるドスまりさ。このままでは衛生上極めて問題がある。


「あ、そこのアンタも鬼意惨なんだな!今からみんなで一斉にゆっくりボールを投げて爆発させるんだ!
 アンタも協力してくれ!」

「おお!なんか面白そうだな」

「としあききさん!私も投げたいです!」

「お前が爆発したら困るからダメ」


周りの人間がおのおのゆっくりボールをとりだす。
もちろん鬼意惨もハイバーゆっくりボールを構える、いくは鬼意惨の頭の上へ。


「よし!みんないくぞ!……今だ!」

「行け!ゆっくりボール!」

「殺せぇぇゆっくりボールぅ!」


複数の殺意を込めたゆっくりボールが、特大カビ饅頭へ殺到する。
そのうちの一つにドスは吸い込まれていく。
サッと慌てて周りの人間は距離をとり、そして声を合わせてカウントダウン。


「さーん!」

「にー!」

「いーっち!」

「ヒャッハァアアアアアアアアアアアア!!!」


爆発と共に大歓声が街に響く。
見よこの一体感、勢いあまって服を脱ぎだす者までいる。
そしてまた、誰からともなく掃除道具を取り出し、付近に飛び散った餡子を除去する。
ゆ虐は紳士的に、それはこの世界でも変わらないのだなと目頭が熱くなる鬼意惨。
そのまま鬼意惨はサイクリングロードへと進んでいく。


「えっ!?お掃除に参加しないのですか?」

「いやだって、ゲームの世界だし」

「相変わらず最低ですねっ!」









悲鳴を上げるいくを片手で抱きしめながら、サイクリングロードの下り坂を自転車で爆走した鬼意惨。
ビビリすぎて無意識に放電したいくのせいで、若干事故を起こしそうになった。
それもこれも途中から併走してきたきめぇ丸がいけないのだ。


「おおはやいはやい」


そう言いながらも表情で『こんなものか』と冷笑していることに気づいた瞬間、鬼意惨の両足はジェットエンジンとなり、
二つの車輪は回転する凶器となった。いくの涙声の制止は全く聞こえなかった。
後にサイクリングロード下り伝説のデットヒートと呼ばれる鬼意惨ときめぇ丸の意地のぶつかり合いは、
速すぎてお互いを確認する暇がなかったために、ゴール後五分間の低レベルな罵り合いの末、両者ドローで納得した。
しかし別れる直前に鬼意惨が片手運転だったことに気づいたきめぇ丸の悔しそうな表情は、なによりの賞賛であろう。
そして今、鬼意惨は拗ねるいくのご機嫌取りに必死だ。


「……ヒドイです、虐待です」

「だから悪かったって、ホントごめん。ああ、そうだ!
 いくがしーしー漏らして俺の服が濡れた事は不問にしよう、だからお前も許してくれればチャラだろ?」

「謝る気あるんですか……?」


バチン!バチン!と蒼の電気が弾けるのを見て、鬼意惨も本格的に身の危険を感じる。
何とかして誤魔化さないとゴーストタイプになってしまう。


「ああっと!あそこサファリゾーンがあるではないかぁぁ!よーぅし!俺あそこでいくとデートしちゃうぞー?」

「…………」


白々しい演技だったが、少しだけ破裂音が収まった気がしないでもない。
少なくともサファリゾーンに行く事は嫌ではないらしい。


「よ、よし、サファリゾーンについたぞー?て、てんことかもいるかもしれないなぁ」

「そうりょうむすめさまがいらっしゃった所で、この電撃が狙いを違える事はありません」

「あ、はは、は……楽しみだなぁ……」


娯楽施設に入るとは到底思えないテンションで鬼意惨がサファリゾーンに入園する。
受付のお兄さんが笑顔で――――表情が曇っている。


「あーお客様申し訳ございません。サファリゾーンは今、一斉駆除の最中でして」

「えええええええええええええええええっ!?」

「ど、どういう事です?」


これにはいくもビックリだ。
例えるなら、動物保護区内にてレンジャーが最新の銃器を使ってハンティングを楽しんでいるようなものだ。
普段守っていたものを襲う背徳感という禁断の麻薬に犯された彼らは、近いうちにきっと職を失うことだろう。


「実は通常種が増えすぎてしまいまして……。というのもお客様はやはり希少種ばかりをお持ち帰りなさるものですから」

「ああ……そっか」


こんなところに希少種優遇の弊害が表れる事になるとは。
物語とは全く関係ないが、自作の半分以上に注意書きがあることに気づいたときは本気で驚いた。


「それでは仕方がありませんね……ジムへと向かいましょう……」

「え……?ジムなら数ヶ月前に閉鎖されましたよ?」

「ちょっとぉおお!!なんなのこの街!!」


親切な受付さんの話によると、このジムでは毒を使ったゆ虐をメインにしていたらしい。
単純な話だ、いつしかエスカレートし毒性もどんどん強くなり、そしてついに――――法に触れた。
リーダーキョウはなおも逃亡中らしい。汚いさすが忍者きたない。


「ジムに行けば手続き無しでバッジが貰えますよ。っていうか記念に私も持ってます。
 二個持ってるんで一つお譲りしますね」

「もうやだこの街」

「このピンクバッジは、持っていても大して役にたちません」

「そんなん知ってるわ!!」







セキチクシティからサイクリングロードを通って一度タマムシシティに戻り、
そこからヤマブキシティに行こうと考えていたのだがいくが断固拒否した。
仕方が無いので徒歩でクチバシティに戻り、そこからヤマブキシティに行く事にした。
道中拾ったしーしー穴のゆるいれいみゅを、喉が渇いたというゲートの警備員に渡すと快く通してくれた。
れいみゅの下半身に口をつける警備員を振り返りながら世の中上には上がいるものだと微笑み、
一刻も早くこの不快な記憶を消そうと努力する鬼意惨。


「残るバッジもあと三つですか」

「そしてこの街で六つ目を手に入れる」


最近街をうろつく不振人物が多く目撃されるという暗いニュースが流れたヤマブキシティ。
警察がパトロールを強化した所、全ての人物がロケット愛護団関係者だった事が判明し、
この街の加工所本社ビルを乗っ取る事を計画していたと、逮捕された幹部が自供した。
すんでのところで凶悪犯罪から救われた街は、今日も平和に多くのモヒカン鬼意惨が徘徊する穏やかな景観を保っている。


「ま、いつも通り頼むぜ相棒」

「はい、お任せくださいとしあききさん!」


今更どんな勝負内容でも恐れたりはしない。
いくと信頼を確認し合い、鬼意惨はヤマブキジムへと入っていく。
本家ではエスパータイプがメインのジムだった。


「言わなくても分かっているわ挑戦者!このバッジが欲しいのね」

「本家でもこの台詞は頭悪いようにしか見えなかったんだよなぁ……」

「としあききさんはもう少し緊張感を持ってもいいと思います」


大部屋には無数のワープゾーンがあるのだが、なぜか入口にいるナツメ。
恐らくワープ先で待機しつつ、一度も挑戦者と会ったことがないであろうジムトレーナーを思うと泣けてくる。


「さっさと勝負がしたいのね!いいわ!ルールは単純よ!私のゆっくりを倒しなさい!」

「ここでバトル展開か……ちょっと待て、心を読むゆっくりに心当たりがあるぞ」

「奇遇ですねとしあききさん……私も戦うには手ごわいであろう方を想像しました」

「さぁ!いきなさいっ!!」


そう言ってナツメが繰り出してきたのはもちろんゆっくりさとり――――ではなくまりさ種だった。


「あれ?まりさだ」

「少し拍子抜けですね、ですが戦うならその方が好都合です!」


そしてナツメのまりさはゆっくりと口を開いた。


「ゆぐふぅふぅ、ま、まりさはことしでよんさいになるけど、いちどもすっきりしたことないのぜぇぇぇっ!!」

「魔法使いかよっ!!」

「あー、ダメです。ああいうのはホントにダメです」


ゆっくりでも清い身体を守り通せば、いつか魔法が使えるようになるのだろうか。
確かめようにも実際魔法が使えるようになった人間を知らないので、なんとも言えない。
ともあれ欲にまみれたゆっくりが四年という気が遠くなるほど長い歳月の禁欲に成功する。
どれほどの苦労だったのだろうか。それは奇跡の業、何が彼が異性と触れ合うことを防いだというのか――――――


「ゆ、ゆっ、そ、そ、しょ!しょ、しょこのゆ、ゆゆゆくっりは、と、っととっても、かわ、くぁわ、かわいいのぜぜっ!」

「うっわ、イライラする。これはすごくイライラする」


ただのチキンだった。
異性と話すだけで緊張していては、それ以上の関係は望めない。頭ではわかっているんだ、頭では。


「はっはっは、可哀想だからいく相手してやれば?なんて――――」

「ざけんな、ブッ殺すぞ」

「ご、ごめんなさいっ!冗談です!いくさんは僕の嫁です!」

「二度とそういう悪質な冗談はやめてくださいね?」


ニッコリと笑ういくは、教えてもいない“はかいこうせん”の銃口を鬼意惨に突きつけていた。


「だいたい、素質ならとしあききさんにだってあるじゃないですか」

「ど、ど、どど、童貞ちゃうわっ!!」

「ゆっくりはノーカンですよ?」

「もとからノーだよっ!」


勝負を忘れていくと言い合う鬼意惨を、まりさが羨ましそうにジッと見ている。
他人のゆっくり以外は善良だろうと虐待してきた鬼意惨ではあるが、このまりさは厳しい。
決して親近感とかが邪魔するわけではない。


「ほ、ホントだよ?」

「ま、まままりざと、えっと、お、おちゃちゃでもいかがですかっ!!」

「いりませんよ、っていうかお茶ってなんですか、いつの生まれですか」


あっさりと拒絶するいく、まりさはゆがーん!と口に出しながら照れ隠しでヘラヘラ笑っている。
それが妙に腹が立ち、いくの加虐心に火をつけた。


「謝ってください、まりささん」

「ゆゆっ!?そ、そうなのぜ!えっとまりさなんかがこえかけちゃってすいませんでしたのぜ!ゆん……」

「違います、あなたのぺにぺにさんにです」

「ゆぇ……?」


訳がわからずまりさが固まる。もちろんいくは口を休めたりはしない。


「あなたのぺにぺにさんは、あなたのせいで本来の役目を果たせないのです。謝りなさい」

「そそそんなことないのぜ!ま、まりさだっていつかは!」

「そのいつかは一生来ません」

「ゆん……」


反論を許さないいくの口調に、事実まりさは返す言葉を失った。
かなり傷ついたが、同時に美ゆっくりの口からぺにぺにという単語が飛び出したことに少しの興奮を覚え、
そんな自分が嫌になり、そんなんだから自分はすっきりできないのだという結論にいたり、よくわからないけどまりさは悲しくなった。


「ゆゆぅ……ま、まりさはどうすれば……」

「――――しなさい」

「ゆぇ?」

「――――ぺにぺにさんに“おたべなさい”をしなさい」


淡々と冷たい目のいくは続ける。


「本当に、心の底からぺにぺにさんに申し訳ないと思っているのなら――――出来るはずです。
 ぺにぺにさんに、“おたべなさい”が」

「ぺにぺにさんに……たべていただく……」


拒否など絶対に許さない、否定しようという思考すら許さないいくに乗せられ、まりさの目は光を失う。
鬼意惨とナツメは腹を抱えて転げまわっている。


「そうです、それこそがあなたが唯一ぺにぺにさんに出来る精一杯の謝罪なのです」

「そう……なのぜ…………」

「さぁまずは心の中で謝るのです。ぺにぺにさんごめんなさい、まりさのぺにぺにさんでごめんなさいと」

「ごめんなさいなのぜ……ぺにぺにさんほんとうにもうしわけないのぜ……」


自分のぺにぺにに謝罪するまりさ、それでも懺悔を聞く神父そのものになったいくは表情を崩さない。


「いいですよ、とっても気持ちが篭っています。さぁ!その気持ちを忘れないうちに償うのです!そうすればアナタは許されます!」

「はいぃぃ、ぺにぺにさんっ!!さぁ!おたべなさいっ!!」


パッカリとまりさの悟りきった笑顔は、ぺにぺにだけを残し二つに分かれた。
ここにまりさは奇跡を体現したのだ。すなわちゆっくり至上初、自分のぺにぺににおたべなさいをするという神に等しい偉業を達成した。
これを超能力と言わずになんと言うか。まりさは魔法使いにあってエスパーとなったのだ。
後に著書にナツメは記す、あの時確かに、死の間際においてまりさは進化を成し遂げたのだと。


「す、素晴らしいわ!最高よあなた!ホントに最高!」

「パネぇっすわー!いくさんマジパネぇッス!これからいく先輩と呼ばせてください!!」

「お断りします」


ナツメがまだ肩を震わせ、ヒューヒューと呼吸しながらゴールドバッジを取り出す。


「ご、ゴールドバッジの効果は、持っていると魔法使いになる素質があがる事よ!」

「あ、今回何もしてないんでいく先輩に差し上げます」

「いりませんよ……」

「俺もいらねぇんだよっ!!」


送り主の前で押し付けあうなど、失礼を通り越して完全な挑発行為なのだが、ナツメに気にした様子はない。


「まぁ、その、もし、どうしてもアレでしたら……その、私がお相手してさしあげますから……」

「お、おう、ならいい――――わけねぇよ!危ねぇ!」

「チッ!」

「オイぃぃ!!」


キャッキャと笑いながらいくがジムの外へ逃げていく。
もちろん、いつも通り鬼意惨は追いかける。
ナツメはじっと鬼意惨を見つめ、ボソリと呟いた。


「今、私がアナタにモヒカンを勧めて断られる未来が見えたわ。……残念ね、ほんとに残念」

「うるせぇよ」








続かないのに次回予告。



なみのりが使えないとグレンタウンに行けない事に気づいた鬼意惨といく。

「よしいけ!ドスまりさ!お前なら浮ける!」

「と、としあききさんっ!いくらドスさんとはいえ海に蹴り落としたら意味が――――」

やっとの事でグレンタウンに辿りついた二人を、卑劣なクイズマシンが襲う!

『でいぶにあまあまちょうだいね!――さて、ここで本心かられいむを喜ばせることのできるあまあまは何でしょう?』

「知るかぁぁぁぁ!!!」

そしてついに明かされる、トキワジムのリーダーとは!?

「ふっふっふ、驚いたかとしあきき。ロケット愛護団のボスであり、そして私こそがトキワジムリーダーサカキなのだ!」

「すいません、驚きたくても初対面なんです」

正直四人分なんてネタが出せずに詰んだ四天王に、鬼意惨といくは勝利することができるのか!?
忘れてたけど鬼意惨は元の世界に戻れるのだろうか!?


ここまでのおはなしをレポートにかきこんでいます
でんげんをきらないで ゆっくりしていってね!





最後までお読みいただきありがとうございました。
帝都あき

過去作については『ふたばゆっくりいじめss保管庫ミラー』
にて作者別のページを作っていただいたのでそちらをご覧ください。

タグ:

帝都あき
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